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ケイブ、「女神転生 IMAGINE」11月11日よりβプレビューを開始
先行体験会で見えてきた具体的なゲームシステムを紹介

11月11日よりβプレビュー開始



 ケイブは今冬にサービスを予定しているMMORPG「女神転生 IMAGINE」のβプレビューを11月11日より開始することを発表した。βプレビューとは、期間と参加人数を制限した上で行なわれる、いわゆるクローズドβテストにあたる。現在発表されたのはテストの開始日だけで、参加方法、テスト内容の詳細などは、後日発表される予定となっている。

 本稿では、βプレビューに先がけて実施された体験会から、同作の最新情報をお伝えする。明らかになったゲームシステム、ゲームの雰囲気……。あわせて、開発室の雰囲気も紹介したい。


■ プレーヤーをぐっと「女神転生」の世界に引き込むバーチャルルームでの戦闘訓練

神秘的な雰囲気があるキャラクタ選択画面。ゲームをスタートすると後ろの光にカメラが迫っていく。
バーチャルルームでの戦闘訓練。アクション性のある戦闘システムだ
 9月の東京ゲームショウではじめてリアルタイム映像が公開された「女神転生 IMAGINE」だが、あれから1カ月経過したバージョンはかなり完成度が上がっていた。ただし、今回触ったバージョンは現在はまさに「これからβプレビューに向かうバージョン」とのことで、調整不足な点も目立った。今後各要素は日々速いペースで改良されているという。

 今回触れることができた部分は、ゲームとしてほんの入口に過ぎない。まず、キャラクタ作成では、パーツごとのバリエーションはそう多くはないが、男、女それぞれでちょっと奇抜なスタイルも追求できそうだ。

 基本武器は長刀、ハンマー、ナイフの3種類から選択する。これらは見た目、性能共に異なるというが、その差はキャラメイク画面では確認できなかった。また、「メガテン」お馴染みの存在であるCOMP(ハンドヘルドコンピューター)もおなじみの手に直接キーボードがつくものと、手錠のような形状のものが選べる。基本の要素から「女神転生」の要素がにじみ出ており、ファンにはたまらない要素だ。

 キャラクタを作成することでいよいよ第3ホームへ最初の一歩を踏み出すこととなる。プレーヤーを最初に出迎えるのはデビルバスターの教官である「スネークマン」との面会シーンからスタートする。彼は、眼帯をつけた白髪の老人だが、屈強な犬を連れ、「根性見せろ!」といった体育会系のセリフを吐く。プレーヤーは彼の指示のまま、チュートリアルフィールドである「バーチャルトレーニングルーム」に向かうことになる。このトレーニングルームもまた「サイバー空間」を視覚的に表現したいささか古風なバーチャル空間になっており、思わずニヤリとさせられる。何故かエレベーターガールのような姿の案内人がいるのも面白い。

 バーチャルルームで体験できるのは、基本的な戦闘方法だ。本作では、敵をクリックしてターゲットを指定し、ダブルクリックで攻撃を行なう。3回連続で攻撃が当たると、敵は大きく吹っ飛ぶ。逆も然りで、雑魚モンスターといえども、油断していると一方的に攻撃されめった打ちにされてしまう。

 最初の「スライム」が登場するステージこそ、単純な力押しで倒せるが、次の「ガキ」からは防御コマンドで敵の攻撃をしっかりガードしなくてはならない。コマンドは、ショートカットキーを押すことで発動する。

 攻撃と防御の駆け引きに関しては、筆者はネクソンのMMORPG「マビノギ」に近いものを感じた。攻撃をして相手が吹っ飛んだときにあらかじめ防御コマンドを先行入力し、敵の反撃をガードして、そこで生じた隙に反撃、というのが基本戦略になる。決まればとても気持ちがよいが、現在本作のこの駆け引きは多少あやふやに感じた。キャラクタの移動と、モーション、判定がそれぞれフォーカスが甘く、本来シビアな駆け引きを要求するゲームルールに、システムが追いついていない。それもあって、チュートリアルにもかかわらず、ガードがうまくできずに何度も死亡してしまった。

 難易度に関しては、単にバランスの問題であり、今後チューニングされていくものと思われるが、駆け引きのあいまいさに関しては、システムの洗練が必要だろう。この戦闘の駆け引きこそ「女神転生 IMAGINE」の根幹をなすものだと感じた。ここをうまく処理することができれば非常に面白く、スピーディーな戦闘が楽しめるのではないか。ここを煮詰めていくことこそ一番求められるものだろう。より一層の進化に期待したい。

髪型や瞳の色、キャラクタモデルなどが選択できる。様々なパーツを組み合わせ、更に装備を凝ることで自分だけのキャラクタを追求できそうである
ゲームスタート時に入るムービーシーン。この他にはどんなときにはいるのだろうか?
バーチャルルームでの戦闘訓練。開発中だったためか、かなりシビアなバランスだった


■ 荒廃したスギナミで最初の仲魔「ピクシー」を得る

プレーヤー達のスタート地点となる第3ホーム。ちょっと無機質な雰囲気が作品にマッチしている
最初の仲魔ピクシー。仲魔は独自のパラメーターをもち、共に戦闘を重ねることで成長していく
 チュートリアルを終えると、第3ホームを自由に探索できるようになる。緑が植え込まれているが、日がささないシェルターの中の、硬質な建物が建ち並ぶ世界は、冷たい雰囲気がある。どことなく「夜の公園」を思わせる、静かで寂しい感じがある。

 第3ホームでは、現在まだ「邪教の館」は制作中とのことで、それ以外の店には入ることができた。「女神転生」シリーズに登場するNPCは、誰もが具体的なストーリーはなくても、濃密なバックストーリーを感じさせてくれるが、本作もまたその空気を濃密に継承している。うっとりと銃を抱きかかえるウエポンショップの店主袴田、知的な眼鏡とクールな雰囲気がたまらないお姉さんアヤ女医、怪しげな魔法アイテムを売るローブのおっちゃんなど、店全体の雰囲気もチェックするだけで楽しい。

 街の外は、倒壊したビルが無惨な姿をさらすスギナミである。フィールドには「ピクシー」と「コダマ」がいる。彼らはアクティブなモンスターではないが、攻撃をすると猛然と反撃をしてくる。ピクシーは攻撃が素早く、コダマは攻撃力が高い。いずれにしても、ガードを取らないと一瞬でやられてしまう。戦闘システムのレスポンスが良くなればずいぶん改善されるとは思うが、このきついゲームバランスには驚かされた。これが「女神転生」ということだろうか。

 テストしたキャラクタは、テストバージョンと言うことで実装予定のすべてのスキルを使うことができたが、スキル自体の使い方がまだ把握できていないためか、かなり苦戦してしまった。戦いをくり返すうち、カウンターやディフェンスなどをうまく使うことで駆け引きが楽しめそうだという手応えは掴めたが、実際にはなかなかうまくいかず、レベル1から何度も死んでしまった。おそらくこの難易度は幾分緩和されるものと思われるが、ある程度アクションに自信のあるゲームファンでないと、楽しめないMMORPGになるのかもしれない。

 戦闘以外に、「交渉」も楽しむことができた。本作では交渉はスキルと同じようにショートカットに登録し発動させる。最初にピクシーに近付き、「挨拶」。気に入らないと突然攻撃してくるため、瞬時に防御姿勢を取るような緊張感がある。コンセプトではコンボのように交渉スキルを使うことも可能だという。うまく成功すると、ピクシーは光るタマゴ状のオブジェクトに変化する。ダブルクリックをすることで見事「仲魔」にすることに成功した。

 次はいよいよ「召喚」である。キャラクタがCOMPを操作してから、光の柱の中から仲魔が出てくる演出が楽しい。仲魔はコマンドで操ることができ、プレーヤーと仲魔で同時に悪魔に攻撃することができる。仲魔と肩を並べて戦うのはなかなか面白い。仲魔との戦闘は同作における大きな楽しみのひとつだ。

 今回体験できたのは、これらの、街の散策と戦闘といった部分だった。特に戦闘部分はまだまだこれから徹底的なチューニングが必要だと感じさせられた。ハードルは低いものではないと思うが、越えることができ、快適なプレイが楽しめるようになれば、悪魔と緊張感のある戦いや交渉ができると感じた。このシステムの構築こそが、「女神転生 IMAGINE」のキモであり、最大の課題だろう。βプレビューでの「進化」を期待したい。

色々な店、施設がある第3ホーム。建物のデザインや、NPCのセリフ、仕草、店の内装も注目したい
荒廃したスギナミ。フィールドはこの他、ジャングルのようなナカノ、そして新宿バベルのある新宿地区が、最初のテストでは実装される予定だという
テストということもあって、多数のスキルを試すことができた。しかし、ターゲットとの距離のためか発動条件などもわからないものもあって、じっくりとはスキルを調べられなかった。スキルは全体的にエフェクトが派手で、うまく使いこなすことでかなりスタイリッシュに戦えるだろう
交渉は攻撃スキルと同じように、タイミングとスピードが重要になる。こちらもレスポンスが向上すれば、今までにないユニークな「交渉戦」が楽しめそうだ


ケイブ オンラインゲーム部 プロジェクトディレクター 谷川ハジメ氏。氏のこだわる戦闘システムは、どのような形になるのか、期待したい。氏の構想は非常に大きく、作品がサービスされた後も様々なアイデアが追加されていきそうだ
フロアすべてが「女神転生 IMAGINE」の開発スタッフである。PCの横に置いてある小物も作品のテイストを感じさせるものが多く、スタッフの作品へのこだわりを感じる
 体験会の後、「女神転生 IMAGINE」を実際に作っている開発室を訪問する機会に恵まれた。開発室はケイブ本社から少し離れたビルの1フロアすべてを使っていて、現在開発メンバーだけで30名を越えているという。今後更にゲームの運営のスタッフなども増えるとのことで、かなり大きなプロジェクトであることを実感させられた。

 開発スタッフの中にはアトラスで「女神転生」シリーズを手がけていた人達も参加しているとのことで、「女神転生 IMAGINE」に息づく濃厚なシリーズの雰囲気も納得させられるものがあった。スタッフ達の机には、デザインや設定の資料が積まれているのだが、ゲーム関連のものからオカルトもの、コミックスなど他のゲームに比べても濃く、「さすがこの作品のスタッフだ」と思わず笑みが浮かんでしまった。机の近くに置いてあるフィギュアも、グロテスクなクリーチャー系のものが多く、それにメイドさんが混じっていたりして、とても「女神」っぽいのである。

 開発はまさに佳境ということで、プロジェクトディレクターの谷川ハジメ氏は開発室にこもりっきりとのことだ。現在まだ粗の目立つ戦闘システムだが、谷川氏が最もこだわるところであり、緊張感とスピード感を持った戦闘を実現させるためにこれからもっともっと煮詰めるつもりだという。

 なお、「メガテン」ファンにとっては気になる要素であるBGMは「真・女神転生」、「真・女神転生 II」のBGMから名曲を選りすぐり、さらにアレンジを加えたものを採用している。アレンジに関しては未発表だが、ファンを納得させる人選になっているというから、今後の発表が楽しみだ。

 開発室を見せてもらうことで、「こここそが『女神転生』シリーズの作品が生まれる場所だ」という雰囲気を感じることができた。作品もまた、随所でシリーズの雰囲気を感じられる、「女神転生 IMAGINE」ならでは世界が構築できていると思う。だからこそ、それを受け止めるしっかりとしたゲームシステムの構築に期待したい。システムは一番基本的で、一番難しい部分である。このハードルをスタッフがどのように越えていくか、1ファンとしても期待したい。

(C)ATLUS
(C)CAVE

□ケイブのホームページ
http://www.cave.co.jp/
□「女神転生 IMAGINE」のページ
http://www.megatenonline.com/
□関連情報
【9月22日】「女神転生 IMAGINE」開発バージョンレポート
スキル制のキャラクタシステムや、仲魔達との関わり、基本システムが明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060925/imagine.htm
【9月22日】ケイブ、「女神転生 IMAGINE」。大破壊から復興する東京……
世界観とスタート地点のフィールドを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060922/megami.htm
【9月8日】ケイブ、MMORPG「女神転生 IMAGINE」
MO要素を取り込んだダンジョンシステムを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060908/megami.htm
【8月25日】ケイブオンライン、「女神転生 IMAGINE」悪魔との関わり合いを紹介
本作ならではの悪魔交渉システム、合体、遺伝システムのコンセプトとは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060825/megami.htm
【8月11日】ケイブオンライン、「女神転生 IMAGINE」の最新情報を公開
コンセプトアート、世界設定など、さらなる新情報が明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060811/imagine.htm
【7月24日】ケイブオンライン、「女神転生 IMAGINE」の最新情報を公開
「真・女神転生I」と「II」の中間の時代を描くオンラインRPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060724/imagine.htm
【7月14日】ケイブ・オンライン・エンターテイメント、「女神転生 IMAGINE」の
通信ミドルウェアに「VCE」を採用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060714/mega.htm
【6月26日】ケイブ・オンライン・エンターテイメント、オンラインRPG「女神転生 IMAGINE」
世界観を表現したコンセプト画像を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060626/mega.htm
【2005年7月13日】ケイブ、オンラインゲーム専門子会社ケイブ・オンライン・エンターテイメントを設立
「真・女神転生オンライン IMAGINE」をアトラスと共同開発
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050713/coe.htm

(2006年10月20日)

[Reported by 勝田哲也]



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