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価格:7,140円
いよいよ発売まで1カ月となった「ソウルキャリバーIII」。歴代シリーズからの参戦者も加わり、現在判明している登場キャラクタはシリーズ最大人数である28名となった。今回は、「ロック」、「吉光」、「リザードマン」の3人に加え、新たに判明したボーナスキャラクタ「エイミ」、「アーサー」、「ファン・ソンギョン」、「リ・ロン」のプロフィールとオープニングムービー、ステージなどを紹介していく。
そして、カラーエディット機能はオリジナルキャラクタ以外にも使用できることが判明した。好みのカラーを組み合わせることによって、いつもとは違った雰囲気でゲームを楽しむことができるのではないだろうか。
■ ロック (Rock) -猛き野獣の牙-
出身:イングランド王国/ロンドン 新大陸育ち 身長:176cm 体重:85kg 生年月日:12月14日 血液型:不明 使用武器:ジャイアントメイス 武器名:オンスロート 流派:我流 数年前、邪教集団にさらわれたバングーを無事救い出したロックは、まだ幼いバングーの体を心配し、北欧の地に留まって居を構えた。 そして、厳しい自然に鍛えられたバングーは、成人の儀として「1人での海越え」を選び、旅立ってゆく。それを見送りながら、ロックは自分自身もバングーが誇りにできる男になるべく、旅に出る決意を固めた。以前道半ばで諦めたソウルエッジ探し。それを成しえた時、自分も胸を張ってバングーの父親を名乗ろう、と。
心に少年の姿を思い浮かべたロックは、もう一度だけ大海原の向こうに目をやった。 ■ 吉光 (Yoshimitsu) -初代卍党首領-
出身:黙して語らず (日本/富士山麓) 身長:不明 体重:不明 生年月日:不明 血液型:不明 使用武器:日本刀 武器名:妖刀吉光 流派:卍忍術 義賊集団、卍党を結成した吉光は、邪剣の欠片を全て滅し、同時に弱き者達をも守るために活動していた。 ある時吉光は、邪剣の欠片と金品を同時に奪う大がかりな盗みを企て、そして失敗する。欠片を狙った先鋒隊が何者かの襲撃にあって全滅し、その混乱から総崩れとなったのだ。その後、先鋒隊の長が部下を騙し討ちにし、欠片を奪って逃走したという推理が浮かぶ。
だが吉光には、その者が信義に背くような男であるとは信じられなかった。ざわつく党員達を静め、まずは欠片の行方を追うよう指示を出す吉光。そして、背後に邪剣の存在を感じた吉光も、全てを明らかにするため行動を開始した。 ■ リザードマン (Lizardman) -憤怒の緑鱗-
出身:オスマン・トルコ帝国/スパルタ 身長:180cm 体重:86kg 生年月日:6月23日 血液型:無し 使用武器:ハンドアックス&スモールシールド 武器名:グラッジアックス&アイアシールド 流派:捷アレス流 邪剣に一撃を加えた霊剣ソウルキャリバーが放った波動から、自我が揺り起こされたアイオーンは、信奉するヘパイストス神を信じ、人間の姿に戻るため、姿を隠して旅を続けていた。 だが、何の手立てもないまま時が経ち、とうとう彼は自分がこの姿にされた場所、邪神殿に手掛かりを求めてやって来た。その時、神への信仰は憤怒へと変わった。神殿は何者かの手によって破壊し尽されていたのだ。
信徒の危機に、神はなぜ手を差し伸べぬのか。神は自分を見捨てた……! ヘパイストスが恐れたソウルエッジで、奴自身を斬る。神への復讐を誓った彼は、冷血なる獣へと堕していった。 ■ エイミ (Amy) -沈黙の瞳-
出身:フランス王国/ルーアン 身長:不明 体重:不明 生年月日:不明 血液型:不明 使用武器:ソードレイピア 武器名:アルビオン 流派:ソレル・ラピエレ 夜は冷たく清らかだ。痛いほどに輝く月明かりとともに、闇の眷属に力を与えるかのようだ。 今夜も彼女はそんな夜の息吹に包まれているはずだった。ほの暗い部屋の中、人形のように椅子に座って動かない彼女は、視線を窓へ移し外を覗き見た。はるか眼下には松明の炎があかあかと燃え、刺々しい雑音を立てる甲冑が蠢いていた。この光と音を、以前にも彼女は経験していた。 ……私はしばらく戻らぬが、良い子にしているんだよ……。 あの時、あの者は彼女にそう言い残し剣を取った。そして騒々しい夜は沈黙したはずだった。だがそれも長くは続かず、再び外はざわめきだした。そして今、彼はいない。旅立ってしまったのだ。彼女を置いて。彼女のために。
光と音は、今にもこの世界に入り込もうとしていた。無遠慮に。乱暴に。彼の世界が蝕まれようとしている……。彼女は椅子から腰を上げると部屋の出口へと向かった。扉の前で歩みを止めた。誰もいない広大なホールを振り返る。その端正な顔をわずかに曇らせたかに見えたが、すぐに向き直ると、扉を開けた。あの時の言葉を、もう一度、噛みしめた。今度は、口元をわずかに歪め、微笑んだ。彼の作った、この世界を守らなくては。 ■ アーサー (Arthur) -碧眼の修羅-
出身:イングランド王国/サザンプトン 身長:171cm 体重:65kg 生年月日:6月8日 血液型:AB型 使用武器:日本刀 武器名:月山 流派:辻斬一刀流 アーサーはイギリスの地で生まれ、幼くして船に乗り、やがて日本で引き取られて育てられた。だが彼は豪族の蒐集物の一つとして扱われ、人間として扱われることはなかった。 成長した彼は己を人間として認めてもらうために、刀を取ることを選んだ。そして戦いに明け暮れた結果、片方の目を失い、それと引き換えに、死線を幾度も潜り抜けた己の力量への自信とかけがえのないもの……恋人と娘を得た。守るべきものを得、彼は次に成すべきことは誰もが認めるような手柄を立てることであろうと考えた。恋人と娘を好奇の視線から守るためには、自分が誰からも認められるようになることだ……! 異形の青き鎧の騎士、そして無双の剣と呼ばれるソウルエッジ……。それは異国から流れてくる噂の一つに過ぎなかった。だが彼は異形の騎士を倒し、かの剣を手に入れることこそ最大の名誉であると確信し、恋人と娘を日本に残して大陸へと旅立ったのである。しかし、何の手掛かりもなく異国の地を踏んだアーサーにとって、無双の剣を追い求める旅は困難を極めた。異形の騎士の行方はようとして知れず、己の無力さを痛感するばかりであったが、その身で世界の広大さを感じた彼はどんな境遇にあっても人間は人間に過ぎないということを知った。 そして、己が抱えている長年の苦悩がいかに取るに足らないものであったかに思い至り、今自分が本当に成すべきことを理解したのだ。異国へ旅立ってから一年が経ったころ、彼は異形の騎士を追うことをやめて日本への帰路に就いた。ただ一つ得た手掛かりであった、廃墟と化した街で発見したソウルエッジの欠片と呼ばれる金属片だけを旅の証として。 日本に戻った彼を恋人は辛抱強く待ち続けていてくれた。彼は無言で恋人を抱き締め、もはや彼には必要なくなった剣の欠片を女に手渡した。二人は祝言を挙げると、彼は家族を養うために再び戦場を駆け巡る生活に戻る。いくら武功を挙げても彼に対する周囲の目は変わらなかったが、かつて感じた不安や焦燥が彼の心を苛むことはなくなっていた。 しばらくの間は変わらぬ日々が続いたが、祝言より二年が経った秋、流行病が彼の住む町を襲った。アーサーの家族は幸いにも病にかからずに済んだが、妻はそれを彼が異国の地で入手したあの破片のおかげだと喜び、以後肌身離さず持ち歩くようになった。だが流行病が過ぎ去り、町が再び活気を取り戻し始めたころから、妻は度々体を壊すようになっていった。 ある日アーサーが戦場から家族の下へ帰ると、奥の部屋で何かが倒れるような音が聞こえた。不吉な何かを感じた彼が部屋の戸を開けると、そこには床に倒れている妻と泣き喚く娘の姿があった。近寄ってみると、妻の体は異様な色に変じ息も絶え絶えであるにもかかわらず、目だけは爛々と輝いている。その様子に尋常でないものを感じた彼は、腕利きと評判の医者に妻を診せるが、分かったことは妻が死に瀕しているということだけ。苦しむ妻を前に何もできぬまま、彼女はこの世を去った。 呆然としていた彼のもとへ奇怪な風貌をした小男が訪ねてきたのは、その直後のことだった。彼女の病の噂を聞きつけてやって来た旅の医者であるらしかったが、アーサーは妻を失った悲しみと怒りに任せて小男を怒声で追い払う。その小男は歪な笑みを浮かべ、去り際に一言告げた。「あの欠片のせいでしょうよ……」その言葉を聞いたアーサーは愕然とする。だが慌てて小男を呼び止めようとした時には、その姿はどこにも見当たらなかった。 妻の葬儀を終え、泣き続ける娘を何とか寝かしつけたのち、アーサーは小男が残した言葉について思い返していた。あの男の言葉を信じる理由はない。だが、もしもあの男の言葉が真実ならば、妻を死なせたのは……他ならぬ自分に相違あるまい。彼の取るべき道はすでに決まっていた……無双の剣、いや、邪剣ソウルエッジを消し去ること。この過ちを取り戻すには、そして同じような悲しみを増やさぬためには、それ以外の方法はない。
翌朝、旅の支度を整えたアーサーは娘を連れ、今一度異国の地へと向かう船に乗る。彼の澄んだ碧い隻眼は遥か遠い地にある、未だ見ぬ邪剣を見据えているかのようだった……。 ■ ファン・ソンギョン (Hwang Seong-Gyeong) -灼熱の志士-
出身:朝鮮/智異山 身長:171cm 体重:62kg 生年月日:8月8日 血液型:AB型 使用武器:中華刀 武器名:蒼霹 流派:黄式大刀術 二度目のソウルエッジ探索から帰国し、沿岸警備隊へと戻ったファンは、隣国の侵略に備える日々を送っていた。だが、ソウルエッジは救国の剣などではなく、亡国の剣であると報告をしたことにより、国内の救国の剣を信望する一派から目を付けられ、難癖を付けられるようになってしまう。 沿岸警備隊提督、李舜臣は部下のファンをよく庇ったが、それでも彼は一月にわたる謹慎を申し付けられた。ファンは提督より授けられた刀、蒼霹を返上し、警備隊を去った。間違った報告をしたとは思っていなかったが、尊敬する提督の期待には応えられなかったと考えたからである。 謹慎中、ファンは師の元に身を寄せていたが、ある日道場で何者かの気配を掴む。捕らえ、尋問により密偵が日本から潜入してきた者であることを知った彼は、翌日には上層部から呼び出されていた。日本がソウルエッジの捜索を画策しているというのだ。送り込まれたのは、捕らえた一人だけだとは考え難い。すでに日本は、ソウルエッジに関する情報を我が国から手に入れたに違いない。救国の剣と呼ばれ、朝鮮が日本に対抗すべく探している武器としての情報を。 上層部は日本がソウルエッジを掲げて祖国へと侵攻してくるのを恐れていた。その日のうちにファンに新たな使命が告げられる。過去の経験を考慮しての抜擢であった。二度の旅の成果は実質ないに等しく、一部からはあの男では無理だとの声もあったが、それでも彼以上に国外のことを知る人物はいなかったのだ。 「世界を旅してソウルエッジを探しているであろう日本の間者を探し出し、これを倒すこと。その力が敵の手に落ちるのを未然に防ぐべし。そして可能ならば、ソウルエッジを持ち帰ること」 李舜臣提督はファンに使命を告げると、その手に再び蒼霹を手渡した。ファンはその意味を瞬時に汲み取った。提督は自分を信頼してくれている。この使命が国を護ることに繋がると考えてくれているのだ。 ソウルエッジが邪な存在であることを確信していた彼は、使命の旅に出る前に首都へ赴いた。首尾よく救国の剣信望者達が集めた邪剣の欠片と呼ばれる品を処分すべく持ち去る。盗賊の真似事は心が痛むが、故国に憂いを残しておくわけにはいかない。騒ぎが大きくなる前に、彼は首都を後にして西の国境へと向かい、国境を超えて広大な大陸へと踏み出した。 ……力を持つ権力者が邪剣に魅入られたならば、その国が混乱に陥ることは想像が付く。たとえ敵国の民とはいえ、力なき者達が苦しむのをファンは良しとしなかった。ファンは邪剣の犠牲者をなくすことを心中で誓う。
謹慎中に身を寄せた成式道場で、彼はすでに弟弟子のユンスンと、師の娘ミナが彼に先立って西へと向かっていることを知っていた。旅先で彼らと力を合わせることができれば、何事も成し遂げられるに違いない。……そう、ソウルエッジの破壊すらも。 ■ リ・ロン (Li Long) -復活の双頭龍-
出身:明帝国/北京 身長:168cm 体重:55kg 生年月日:10月23日 血液型:B型 使用武器:両端に刃を設けた手製ヌンチャク×2 武器名:飛燕 流派:無双龍破 彼にとってはいつものこと、これまでに幾度となく繰り返してきた「剣士狩り」と変わらぬはずだった。だが、廃墟と化したスペインの港町……そこで彼を待ち受けていたのは、絶望という名の運命だったのである。 突然襲いかかって来た漆黒の鷹を打ち破った李龍だったが、その前に現われたのは、双剣を構え、禍々しい気迫をまとった海賊船長と思しき服装の男だった。傲然として立ちはだかるその男に、李龍は闘気の荒ぶるまま猛然と仕掛け……そして敗れたのである。 命からがら敗走した李龍。当然追って来て然るべきであった男は、どういうわけか彼を放っていずこかへ去った。そして意識を失う寸前、背後を振り返った彼は、その残された片目でしっかりと見た。天に昇り行く一筋の光の柱を……。 やがて意識を取り戻した李龍は、自らの身体が容易ならざる状態であることを知る。傷は深く、癒えるまでには相当の時間がかかろう。そして身体に受けた傷以上に、精神に負った傷が彼を苦しめた。得体の知れぬ虚無感が彼の意識を飲み込もうとする。わけの分からぬ恐怖に手が震える。 鉄壁を自負していた自信が揺らいだ。成すべきことと信じて来た自分の行ないは、果たして正しいものであったのか? 自分でもそれと気付かぬうちに、恐るべき業を重ねていたのではないか? 彼が「狩り」続けた名も知らぬ者達に対して。そして、あるいは千恵にさえも? 石垣の一角が崩れると、あとはもう取り留めがなかった。この世の何もかもが彼を責め立て、地獄の底へと引きずり込もうとしているように思える。ありもしない罪の意識が脳裏を焼く。いつしか彼は得物を手に握ることすら困難になっていた。そう、彼は大切な何かを「喰われた」のであった。 彼の生活は一変した。今まで難なく振り払ってきた火の粉……。日本から出向いて来たと思われる「忍び」と呼ばれる一団や、任務を逸脱した彼を仕留めるため故国から遣わされた刺客達が、今や差し迫った脅威として、影のように背後にぴったりと張り付いて来る。 次第に追い詰められ、落ち武者のように逃げ延びていく李龍。身元を隠し、服装を変え、昼日中を避けての旅。千恵の仇を追っていたはずの李龍は、いつの間にか逆に逃亡者の立場に立たされていたのだった……。 どのくらいの間、そんな生活が続いたろうか。その感覚さえ曖昧になってきた時のこと。 海峡に位置するこの街に逃げ込んだのは、東西を問わず様々な人間の集まるその活気を見込んでのことであった。だが、彼についた追っ手は容赦なくその手を伸ばして来る。もはやこれまでと観念した彼は、思いがけずある女に助けられたのである。 普段ならば気にも留めず、すぐさま立ち去るところだった。だが彼を引きとめたのはその女が見せた優しさではなく、そのちょっとした仕草、言葉を失った者だけが見せる、微妙な意思疎通を求めてのほんの小さな身振り手振りであった。そう、いつもならば迷わず偽名を使っていたはずの彼が、この時は久しく使うことのなかった本当の名を告げていたのである。 女の勧めるまま、その住居に居着いた李龍だったが、平穏な生活が長く続かぬことは分かっていた。追っ手は残忍で執念深い。そして女を見るたびに思い出される千恵の面影が、絶えず罪の意識を伴って彼を揺さぶるのだ。だが……この去りがたい気持ちはどこから来るのだろうか? 女は時折彼女のことをじっと悲しそうな目で見るこの異国の男に親切を尽くした。弱き者として生きてきた彼女にとって、全てを失ったかのような李龍は、放っておけない存在だったのかもしれない。 しかし鈍色の空が天を覆うある日。ついに恐れていたものが姿を現した。彼らは戸口に立った女に何事かを告げたようだ。李龍に向けられた女の視線は何かを問うていたが、彼はあえてそれを無視すると、己の武具だけを身に付け、追っ手の前に立った。震える手を抑え付けての戦いであった。以前の彼であれば、わずかにせよ遅れを取ることなどなかっただろう。苦難の末の勝利であった。だが、それ故に……彼は思い出したのかもしれない。何かのために戦う術を。 騒ぎが収まったあと、その光景を目にした女は立ち尽くすばかりであった。構いはしない。元より立ち去ろうと決めていたのだから。もはや彼に語るべき言葉はなかった。だが去り行こうとする彼に駆け寄り、その背にそっと触れた手は、何よりも雄弁にその心の内を伝えていた。 李龍はその日のうちに街を発った。今の彼は知っている。復讐を成すことが救いとはならぬことを。生きろと言ってくれた者に応えるために、成さねばならぬことがあることを。……まだ、あそこにある。彼の半身はあの忌むべき剣のもとに置き去りになったままなのだ。彼は今一度自分を取り戻さねばならないであろう。
だが彼はまだ知らぬ。彼の愛した娘が、その姿を今も追い求めていることを。そして彼の愛が成した結晶が今、まさに息づいていることを。失われたものを取り戻し、そして全てを知り、かつて得られなかった安息を、彼が見出す日は来るのだろうか? 【インドの港街】
街から少し離れた東の海を望む断崖に、琉球のものと思しき船の破片でできた墓標が立っている。その前に、やはり琉球の酒が置かれているのが見える。マキシが名もなき墓で眠る部下達に仇討ちの成就を知らせることができるのは、一体いつのことになるのだろうか……? 【海賊船襲撃】
無論これは、ソウルエッジに喰わせる魂を集めるため、セルバンテスが蒔いた餌だ。しかし、それに釣られてセルバンテスの隠れ家に乗り込んでくる海賊船はあとを絶たない。
そしてまた、一艘の船が巧みな操船で嵐をくぐり抜け、石窟に近付こうとしていた。船の乗員に襲い掛かろうとしている運命を暗示するかのように、風雨は激しさを増し、猛る波が甲板を洗う。まんまと餌に食い付いた獲物の姿を認め、セルバンテスが不気味に笑い、二振りの愛用の剣を構えて船上へ踊り込んでいった。 【聚楽第・別邸】
いかに散れとか風の吹くらむ 凡河内躬恒 儚く散っていく花を惜しんで詠まれたこの歌は、かつて京の都が「平安京」と呼ばれ、華やかな貴族文化の栄えた時代のものである。時はうつろい、今は武士の世。天下を治めるは豊臣氏。安土桃山の絢爛たる文化が咲き誇る時勢であった。
秀吉が内裏跡に建立した豪奢な造りの城郭。その別邸も、華美を極めた当世の気風と、古代より愛でられてきた桜の美しさが融合し、見る者を夢幻に誘うかのごとき壮麗な景観を見せている。名実ともに豊臣氏の権勢を知らしめたこの邸宅が、わずか十年のうちに取り壊される運命にあることを知ってか知らずか、桜の花びらはただ静かに舞い散っていく……。
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□ナムコのホームページ (2005年10月28日) [Reported by 志賀康紀]
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