レビュー
「グランツーリスモ7」レビュー
デビューから四半世紀を迎えてグランツーリスモはどこまで進化したのか!?
2022年3月2日 20:01
- 【グランツーリスモ7】
- ジャンル:リアルドライビングシミュレーター
- 開発元:ポリフォニー・デジタル
- 発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- プラットフォーム:プレイステーション 5・プレイステーション 4
- 発売日:3月4日 発売予定
- 価格:
- PS5・スタンダードエディション:8,690円(税込)
- PS4・スタンダードエディション:7,590円(税込)
- PS5/PS4・25周年アニバーサリーエディション:10,890円(税込)
今回、レビューするのは世界のレースゲームファン待望の最新作「グランツーリスモ7」です。プレイステーション(PS1)用初代「グランツーリスモ」の登場(1997年12月23日)から25年、四半世紀を迎えた究極の“リアルドライビングシミュレーター”はどういった進化を遂げたのでしょうか。
2020年6月に開発中とアナウンスされてから「4KとHDRでターゲット60FPS」・「レイトレーシング」・「超高速SSDによるロード時間なし」・「DualSenseアダプティブトリガーによるペダルフィールの実感」・「ハプティックフィードバックによる路面の状況把握」・「Tempest3Dオーディオによるリアルサウンド」(いずれもPS5向け)などの新機能が発表され、ゲーム自体はPS4でも動作するということもありその期待は一層高くなりました。
そもそも2021年発売だったものの新型コロナウイルスが原因で2022年に延期となった今作ですが、その分充実の完成度をもってついに3月4日に発売となります。
初代登場から25年もの間、進化を続けてきた「グランツーリスモ」。前作にあたる「グランツーリスモSPORT」も大変すばらしいリアルドライビングシミュレーターでしたが、どちらかというとeスポーツ向けのタイトルであり、ナンバリングタイトルとなる今作「グランツーリスモ7」は原点回帰(“GRAN TURISMO IS BACK”)を掲げ、“GTカフェ”をコアとしたキャンペーンモード「グランツーリスモモード」を搭載して私たちファンの前に帰ってくることになりました。
そういったキャンペーンモードが搭載されたということは、歴代ファンとしては“待ってました!”という感想を抱いた方も多かったのではないでしょうか。過去作において「中古車を買い、チューニングしてレースに勝つ!」、「ライセンスを獲得する!」といったグランツーリスモならではの楽しみ方をしていた方も今作には期待されていると思います。“あとちょっとでゴールドが取れない!”……筆者も休日は徹夜で走り回っていたのがいい思い出です。
今回「グランツーリスモ7」の早期アクセスとレビューが許可されました。なかなかの短期間ではありましたが、約20時間ほどプレイしてのレビューとなります。レースゲームが好きなだけで決してうまくはありませんが、PS5とPS4での違いやPS5コントローラー「DualSense」とハンコン(ハンドルコントローラー)でのプレイフィールの違いなど発売までの参考になったらいいな、という思いでプレイ&レビューしております。なお、発売時の仕様と一部異なる場合がありますことをご了承ください。
・さっそくプレイ開始! ゲーム序盤の進み方を解説
・これぞまさしく「グランツーリスモ」。そこには視覚・聴覚・触覚を刺激する超解像度のレースが!
さっそくプレイ開始! ゲーム序盤の進み方を解説
「GT7」での冒険は新モード「ミュージックラリー」から!
「グランツーリスモ7」のインストールサイズはPS5版が107.4GB、PS4版が112.7GBとなっています。やはりというかなかなかのサイズです。ダウンロード版を購入された方は時間に余裕をもってダウンロードするスケジュールをたてておく方がよいと思います。
ここで今回のレビューに使用した機材をお知らせします。PS5はディスクドライブ付き初期モデル(CFI-1000A01)で純正SSDへのインストール、テレビは「LG OLED65G1(4K HDR 120Hz対応)」です。コントローラーはPS5標準の「DualSense ワイヤレスコントローラー」を使用します。PS4はPS4 Proで純正HDDへインストール、モニターは「JAPANNEXT JN-315VG240FHDR(FHD HDR 240Hz対応)」です。HDR対応モニターですが、外部の5.1chオーディオアンプが古くHDR信号がおかしくなるようでしたのでHDRはオフにしています。こちらはコントローラーにハンコン「Thrustmaster T-GT II」を使用しています。
ゲームインストール直後からの流れですが、ディスプレイやコントローラーの設定を行なった後、いきなり今作より新たに加わったミニゲーム「ミュージックラリー」の体験から始まります。このモードは開発者の山内一典氏イチオシのゲームモードとなっていて、“素晴らしい音楽をBGMにレースを続け、走行できた距離に応じて金、銀、銅のプライズが進呈される”というものになります。
プレイしてみるとただただ普通にレースが展開され「なにをやればいいの?」となるのですが、このモード専用に設置されたゲートをくぐっていくと画面中央の音符マークで表わされる数値(ビート)が加算されていくようです。
そうして走行距離を延ばすことで曲を最後まで演奏させる、というシステムです。流れている音楽もクラシック音楽のアレンジメドレーながらテンポのいい音楽が続いていき、DualSenseのハプティックフィードバックやアダプティブトリガーの効果もあり、自然と体にビートがまといリズムをとりながらレースをしているのに気づきました。
とはいえ最初のプレイではコースもわからず……でしたので曲の途中であえなく終了となりました。当初簡単に思えたのですが他車を避ける必要があったり、フルアシスト状態とはいえコースがわからないのは致命傷でした……。ちゃんとレコードラインを確保して走らないと終盤タイムアウトになってしまいます。さっそくリトライを選択して次はノリノリでゴールできました!
走行終了後は、グランツーリスモおなじみの“超”美麗リプレイが開始されます。4K HDR 60FPS レイトレーシングで表示されるそれはキレイとかそういう次元の言葉では伝えられそうにありません。なんというか“輝き”というか“きらめき”さえも描写していてまぶしいのです。映像と音楽と触覚にさえも訴えかけてくるグランツーリスモってここまできたのか……なんて上から目線ですみませんが、この25年の進化をまざまざと見せていただきました。ただただ感動ですばらしいです。
そしてこれまでの世界史と自動車の歴史をたどるヘリテージが再生されます。人類史における移動=モビリティのための自動車の工業化と開発の歴史、そしてただ移動するためだけではなく競技=レースとしてのクルマの歴史を振り返ります。そしてその流れからシームレスに「グランツーリスモ7」のオープニングムービーへと移り変わり、名曲“Moon Over The Castle”にのせて圧巻の一言に尽きる美しさとプレーヤーのテンションを爆上げさせる素晴らしいムービーとなっています。ため息出るくらいすごいですよ!
いざワールドマップへ! 待ちに待ったカーライフの世界が目の前に
それでは今作のメインである“ワールドマップ”へ進めてみましょう。このモードは歴代グランツーリスモに搭載されてきたキャンペーンモードで、基本的にはプレーヤーがクルマを買ってレースやライセンス取得等に参加、一定の成績を収めると報酬が得られて、さらにチューニングや他のクルマを購入していく……という実際のカーライフをシミュレートしたモードとなります。
マップ上には自分のガレージがあり、カーライフの拠点となる“GTカフェ”と呼ばれるスポットがあります。ここは言ってみれば“お題をくれるところ”となっていて「〇〇のクルマをあつめてみて」や「レースに参加してみて」といった依頼(メニューブック)をしてくれるところです。
とても落ち着いている雰囲気のいいカフェになっていて、店主やそこに集う登場人物からクルマに関する興味深い話を聞くこともでき、クルマに対する知識を深められます。
そのお題をクリアしていくと、このワールドマップ内に様々なスポットがアンロックされていくことになります。次第にクレジットやクルマが増えていきワールドマップが拡張していく様はとてもたのしいです。クルマのチューニングショップやワールドサーキット、ライセンス、ブランドセントラル(カーディーラー)など、それはもうまさに「グランツーリスモ」ならではの光景が眼前に広がります。