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「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビュー Part2
「オープニングデモ&クレジット」- ネタ満載!メニュー等のBGMは並木氏&春日氏の新曲!
(2015/12/23 00:00)
「オープニングデモ&クレジット」- ネタ満載!メニュー等のBGMは並木氏&春日氏の新曲!
――では、オープニングを見させて頂きます。おぉ……これは……。
堀井氏:今回の起動後に流れるオープニング映像は、「3D アフターバーナーII」や「3D サンダーブレード」でビジュアルデザイン等を担当した冬野灰馬。曲はお馴染みの並木による新曲です。
――このバックグラウンドに流れるビジュアル素材は新規で起こしているのですか?
堀井氏:新規で起こしてますね。元素材からキャプチャーし、アニメーションをつけて、ムービーにしています。イラストはパッケージにも使われているレイヤーのわかれている素材から切った貼ったをして、という感じですね。
――(オープニングからメニューに入ると)メニューにもSEがつくようになっていますね。豪華。
奥成氏:「アーカイブス1」ではSEがなかったので。単体ダウンロードのタイトルだと、ギガドライブタイトルにはメニューにSEが入ってましたが、アーケードから移植したものにはなかったんですよね。
ちなみに、オマケメニューでのBGMも本作ではFM音源になっています。OPLLの音ですね(前作はDCSG)。オマケタイトル選択の曲は噂の新戦力の春日さん作曲ですね。
――この2曲だけでも聴き応えがありますねーこれは。では、毎回お楽しみのクレジットを……。
奥成氏:クレジット長くなったよねー。スタッフロールも人が多い。
堀井氏:そうっすねー。
――……(見終わって)いやーこれはすごい。今回はやっぱり、「獣王記」があるのは演出上大きいですね(笑)。
堀井氏:「獣王記」だけで間が持ちますからね(笑)。
奥成氏:実は今回の「アーカイブス2」の収録ラインナップには最初「獣王記」が入ってなかったんですよね。で、僕が「『獣王記』も入れてよー」ってお願いして。で、パッケージイラストやクレジットを見たら改めて、「獣王記」入れてもらって良かった!って思いましたね(笑)。
堀井氏:ちなみにクレジットの映像はろみゅ(※)で、曲はゲーム中の曲をアレンジして繋いでいるものですね。
※ろみゅ氏……エムツー所属のデザイナー、高橋直樹氏のこと。「セガ 3D復刻プロジェクト」のいくつかのタイトルや、「アーカイブス1」にて、楽しいクレジットを制作している。
――今回の収録タイトルだと「ソニック」とか「獣王記」にはもともとクレジットがなかったんですよね。
奥成氏:第1期のギガドライブタイトルには第2期のようなクレジットがなかったんですよね。
堀井氏:「ギャラクシーフォースII」、「サンダーブレード」、「ファンタジーゾーンII」にはもともとクレジットがありましたけど、他のタイトルには新作のクレジットを作っています。
奥成氏:「ぷよぷよ通」では、ろみゅさんが20年ぶりにアルルを動かすということにもなったんですよね(笑)。
堀井氏:ディレクターの松岡とろみゅのコンビは、20年前ぐらいにコンパイルで「ぷよぷよSUN」を作っていたコンビなので。それ以来ですねー。
奥成氏:そこで“今のアルルはしないようなこと”もやっちゃってるんですよね。念のため細山田にも確認したところ、「当時のぷよのノリなのでこのゲームではOKです」と(笑)。
下村氏:今のアルルにはさせられないけどね、と言われつつでした(笑)。
堀井氏:良い話(笑)。
――そういう社内のタイトル監修というのは、以前はあまりなかったんですか?
堀井氏:「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」については音周りの指摘を頂きましたね。
――なるほど。それもあったからか、今回はサウンドドライバが変わってサウンドの再現度が上がっているという話にも繋がっているんですかね。
奥成氏:そうですね。なにしろ「ソニック」はギガドライブのローンチタイトルでしたから……ギガドライブのロンチって言葉がもう意味がわからないけど(笑)。音も良くなっています。
【チーフサウンドクリエイター並木学氏よりコメント頂きました】
――オープニングやセレクター画面での新規追加楽曲に関して、セレクターのミキシングなども含め、アピール点や苦労話がありましたらぜひお願い致します。
並木氏:今作のオープニングは、杉森建さんのイラストを元に弊社の冬野がアニメ化!ということでやはりプレッシャーを感じながらの曲制作でした。
まず、「楽器の音色のすべてを『パワードリフト』で使用されるFM音色とPCM波形をメインに構成する」とコンセプトを決めてそれらのデータ素材を用意しつつ、ラフスケッチ動画を観ながら曲想を練ってゆきました。
リズミカルに次々とキャラクタや背景が切り替わってゆくアニメの流れを意識しつつ、各収録ゲーム作品が生まれた時代に多用された「シンコペーション」を効かせたリズムを中心に、収録ゲーム群のにぎやかさを前面に出しつつまとめ上げて出来た楽曲……セガセガしい一陣の風をお届けできれば幸いです。
メニュー画面の曲調は、セガセガしさの中でも比較的僕の趣味っぽい感じでやらせていただきました、おまかせ仕事はやりやすくて好き(ぼそっ)。
こちらもオープニングと同様にパワドリ音色+他セガ音色で鳴っておりますが、マスターシステムのゲーム選択「おまけメニュー」へ移行すると、前作と同じくFMサウンドユニットを意識してOPLL音源による演奏へと、BGMがシームレスに移り変わる仕組みになっておりまして、今回このOPLL版の演奏データは春日が作成し、マスターシステムで実機演奏(!)したものを収録するというこだわりぶりを発揮してみました。
メニューBGMにもさりげなく本物サウンドを採用…エムツーすごいわ…(自社自賛二度目)。
――ローディング中のアソビン教授のセリフですが、今回はどのようになったのでしょう? 「アーカイブス1」では132個もあって、全部見た人はどれぐらいいらっしゃるのかわかりませんが(笑)。
堀井氏:今回もアソビン教授のセリフは山盛りですね。
奥成氏:倍増とまではいかないかもしれないですが、かなり増えてます。「アーカイブス2」でも監修はしたんですが、担当の人が最初に作ったものは半分ぐらいをボツにしました。そしたら次はまた大量に送られてきて(笑)。
僕は、アソビン教授が役に立たない話ばかりしているのは当時のユーザーとして違和感があるんですよ。アソビン教授って当たり障りのないどうでもいいことも言うんですけど、基本は攻略のコツを教えてくれる大事な人なんです。クリアに必要なヒントを教えてくれる。……まぁ、そのヒントが間違っているときもありましたけど(笑)。
そこが、当時を知らない人によって誤解されているように思えて。今回も有益な話をもっと増やしてもらいました。それこそ、「こんなの入れるぐらいなら喋らない方がいい」ぐらいに最初は言ってました。
――厳しい……!
奥成氏:ちなみに、今回初めて“アソビン教授が当時と同じセリフを言ってくれる”んですよ。「アーカイブス1」のタイトルだと、「アウトラン 3D」はもともと日本では発売されていないですし、「スペースハリアー 3D」のときはアソビン教授は引退しちゃってたんですけど、今回の「ファンタジーゾーン」のときには現役だったので。そのときのセリフをちゃんと入れています。
あと、「ファンタジーゾーンII」では、アソビン教授ではなくオパオパがアドバイスをしてくれたんですよね。そこはアソビン教授にその内容を喋ってもらうようにしています。
下村氏:最初は「アーカイブス2」でもアソビン教授を出すか決めてなかったんですよね。
奥成氏:ゲームズ博士(※)にしようかという話もありましたね。
下村氏:でも奥成と話して、「もうこのシリーズはアソビン教授で統一しようか」となって。
奥成氏:ゲームズ博士は出演している期間も短いですし、最近は「セハガール(※)」の影響もあって、アソビン教授の知名度も上がってきたように思うので。コミック版でもマネージャーとして出てきたりもしてます(笑)。
Wiiのバーチャルコンソールの公式サイトで勝手にアソビン教授を出していた頃に比べたら、かなり知名度が上がりました(笑)。「ソニック&オールスターレーシング TF」にアソビン教授を入れたときにも「アソビン教授って誰ですか?ゲームに出てきてないですよね?」みたいなツッコミを頂いたぐらいで……そのときには「いや、これはそういうものだから!」みたいに返してましたけど。
今はもう、すっかりお馴染み……のはず!
※ゲームズ博士……アソビン教授より以前に、SG-1000タイトルの一部の説明書に描かれていたキャラクター。
※セハガール……セガのゲームハードを擬人化したプロジェクト「セガ・ハード・ガールズ」の略称。テレビアニメ化もされ、様々なゲームキャラクターが登場した。
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