【特別企画】

PC版「The Last of Us Part II Remastered」インプレッション&開発者インタビュー

PC対応で“物語への没入感を最大化”。ローグライクモードのやりごたえもアップ

【PC版「The Last of Us Part II Remastered」】
4月4日 発売
価格:5,480円

 ノーティードッグ開発の傑作アクションアドベンチャー「The Last of Us Part II」。2020年6月に発売されたオリジナル版は世界中で数々のゲームアワードを受賞し、その重厚なストーリーと圧倒的なグラフィック、感情を深く揺さぶるキャラクター描写で、多くのプレイヤーに衝撃と感動を与えてきた。2024年1月にリマスター版がPS5で発売されたが、待望のPC版リマスターが4月4日に発売となった。

 PC版では、ローグライク・サバイバルモード「NO RETURN」や未公開ステージといったリマスターの新要素に加えて、PCの性能を活かしグラフィックスがさらに向上。さらにマウス&キーボード操作への最適化や各種コントローラーへの対応拡充、ウルトラワイドモニター対応など、PCゲーマーにとって嬉しい機能が多数追加されている。

 本稿では、実際にPC版をプレイした感想と開発者インタビューをお届け。ストーリーやアクションなどの要素は、PS5版リマスターやPS4オリジナル版にて紹介しているため、こちらも併せてご覧いただきたい。

【The Last of Us Part II Remastered - Announcement Trailer | PC Games】

操作性の向上を実感! マウス&キーボード、各種コントローラーに最適化

 まずは実際にPC版「The Last of Us Part II Remastered」をプレイしてみたが、やはり操作感の向上が最も大きなポイントだと感じた。筆者はPS4版「The Last of Us Part II」プレイしていたのだが、その時の操作デバイスは当然ながらPS4標準の「DUALSHOCK 4」だった。もちろん「DUALSHOCK 4」で快適にプレイでき、本作の楽しさを十二分に満喫できたのだが、当時からPCでFPSやTPSをプレイしていた筆者は、キーボード&マウス操作でのエイム操作の方に慣れていたのだ。

 今回のPC版「The Last of Us Part II Remastered」ではキーボード&マウス操作に対応し、快適にエイムができるようになったほか、キーボードの割り当ても細かくカスタマイズ可能になっている。標準でも直感的かつスムーズにプレイができるが、インタラクトするボタンなど細かいカスタマイズをしたいPCゲーマーに応えるシステムだ。

 もちろん、それだけでなくアダプティブトリガーに対応する「DualSense」のほか、「DUALSHOCK 4」、「Xboxワイヤレスコントローラー」、そして「Xbox アダプティブ コントローラー」についても標準のプリセットが用意されている。各々操作方法が違うPCゲーマーにとっては嬉しい仕様だ。

幅広いコントローラーに対応しているのがポイント

PC版でグラフィックスがさらに進化。「NO RETURN」モードの強化も

 そしてPS5版リマスターから収録された「NO RETURN」モードもPC版では強化され、新キャラクター「マーリーン」と「ビル」の追加を確認できた。これらのキャラクターを使うためにはチャレンジを進行する必要があり、今回はプレイ時間の関係で解放することができなかったが、後述するインタビューでも語られる通り、プレーヤーに新しいゲーム体験を提供してくれるだろう。

 グラフィックスの美しさはPC版でさらに進化。PS4版やPS5版もかなりの美しさだったが、PC版は実写と見間違うレベルだ。今回は環境がなくウルトラワイドモニターの体験はできなかったが、このグラフィックスクオリティをウルトラワイドモニターでプレイしたら、圧倒的な没入感を感じられるであろうことは容易に想像できる。環境をお持ちの読者の方にはぜひ体験してもらいたい。

「No Return」モードには新キャラクターの「マーリーン」と「ビル」が追加されている
PC版では実写と見間違うレベルのグラフィックスクオリティとなった

開発者が語る「ラスアス2」PC版リマスターのポイント

 ここからはノーティドッグのゲームディレクターを務めるMatthew Gallant氏、技術責任者のTravis McIntosh氏にPC版リマスターのポイントについて伺った。そのインタビューをお届けしよう。

ゲームディレクターのMatthew Gallant氏
ノーティドッグ技術責任者のTravis McIntosh氏

――PC版のリマスターによる大きな変化は何ですか?

Travis氏:操作方法のマッピング、グラフィックスの向上、ウルトラワイドモニターへの対応のほか、Steam Deck対応などがPC版の追加部分です。グラフィックに関してはAIアップスケーリング技術の「DLSS3.1」やフレーム生成に対応したので、より滑らかなゲームができるようになりました。

 また、キーボードやDualSense操作のリマップも可能ですし、サードパーティのコントローラーやマウスを握るスタイルなど、どういった操作方法でもゲームを楽しめる作り方になったことで、よりプレーヤーに最適化できるようになりました。

――PC版のリマスターにあたり、ローグライクモード「NO RETURN」が強化されたと伺いました。具体的な強化ポイントを教えてください。

Matthew氏:「NO RETURN」の見どころは、「マーリーン」と「ビル」という2人の追加キャラクター、そして4つの新マップです。その1つは作中にも登場したシアトルの街並みを彷彿とさせる「監視所」です。ほかのマップも作中に登場したマップで、プレーヤーも開発チームもお気に入りだったので追加しました。他にも独自のチャレンジが入っているマップがあって、時間制限がかかっており、プレーヤーにより緊迫感を与えるマップもあります。

 新キャラクターの「ビル」は、ボックス報酬からカスタムショットガンを入手できたり、2倍の報酬をボックスから得られる。「マーリーン」も特別な武器を入手できるほか、“ギャンビット”というダイナミックなチャレンジを完成させないと報酬が得られないというハイリスクハイリターンなキャラクターになっています。それぞれ、既存のキャラクターとはゲームプレイが異なり、プレーヤーに新たなゲーム体験を提供しています。

ローグライク風のモード「No Return」も強化されている

――今回のPC版リマスターをきっかけに初めて「The Last of Us Part II」をプレイするプレーヤーにコメントをお願いします。

Travis氏:今回のリマスターで初めてプレイする方もたくさんいらっしゃると思うので、まず第一のポイントとして「The Last of Us Part II」の物語を楽しんでいただけたらと思います。

 第二のポイントとして対戦が好きなプレイヤーには、ローグライクの「No Return」モードが楽しめる要素です。ストーリーモードをクリアしたあと、長く楽しめるモードになっていると思います。個人的にはローグライクというジャンルがPCでは盛んだと思うので、PCゲーマーのリアクションもすごく楽しみにしています。

――それでは、これまでに「The Last of Us Part II」をプレイしてきたプレーヤーにメッセージをお願いします。

Travis氏:ウルトラワイドモニターでもう一度プレイすると、従来の「The Last of Us Part II」の体験と一層違った楽しみ方ができると思います。

Matthew氏:私は「The Last of Us」が好きで、ベストなプレーヤー体験を提供し、期待を裏切らないように毎回チーム一同尽力しています。今回なぜグラフィックの向上に力を入れたかというと、物語に入ってより没頭してほしいからです。設定変更が可能な要素もたくさんありますが、その設定が終わった後、この物語の中に入って、ゲームプレイに没頭して欲しいです。

――本日はありがとうございました!

ぜひPC版「The Last of Us Part II」で物語に没頭して欲しい