「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビュー Part2

「ぷよぷよ通」－ パズルジャンルでもこだわりの3D立体視。オンライン対戦は要望があれば未来に

――それでは「ぷよぷよ通」もプレイさせて頂きます。いったい、どんな3D立体視になっているのか……。

奥成氏：「ぷよぷよ通」の3D立体視はパッと見ただけではわからないかもしれませんね（笑）。

堀井氏：本当に細かなところに付けているという感じですね。

奥成氏：ステージクリアしたときの花火が立体になっていたり（笑）。

――いや、でも、アドバタイズデモから3D立体視になってますし、FREE PLAYの文字もさりげなく手前に。（プレイを始めてみると）いや、これ結構やってますよね！ 枠の立体視もそうですが、NEXTが1番奥になり、文字周りは1番手前になっていて……。

奥成氏：枠のところでもBGで描いているところとスプライトを乗っけているところがあって、そのあたりに3D立体視をつけるのが結構大変だったみたいです。

堀井氏：そこは結構、やばかった時期がありましたね。

――あぁー、ゲームオーバーになった時に枠の下だけ開いて落ちていくから。ここだけ他の枠とは描画の処理が違っているんですね。いや、それにしても、これは細かいところまで立体視をつけてますね。

堀井氏：担当したのは特に好評いただいた「3D ガンスターヒーローズ」の3D立体視をやった者で。やれるところにきっちりやるんですよ。

――下画面にはインストカードを表示させていますが、これはオリジナルと縦横比が変わっていますよね？

奥成氏：横に伸ばしていますね。何かの資料になればとインストカードのスキャンデータを送ったんですけど、それが使われていて僕もびっくりしました（笑）。

堀井氏：なんでも使います!!

奥成氏：ちなみに、このインタビューが掲載されている頃には公開済みなんですが、ニンテンドーe-ショップに動画が公開されて、「ぷよぷよ通」の立体視度合いもご覧頂けますので。まだ見ていないという人は、こだわりの3D立体視っぷりをご覧ください。

入力設定とゲーム設定

――それこそ時間さえあれば、3D立体視についてはぷよ1個1個に対して全部のふくらみ感を立体視で再現なんてこともやりたかったのでしょうか？

堀井氏：それを一旦はやろうとして、そのためのグラフィックス担当のスタッフアサインもしたかったんですけど、それをやってるとほかの新規収録タイトルが……。「パワドリ」があって、オマケタイトルもあって、「ぷよ通」もあってというなかで、人海戦術が必要になることはできず、諦めざるをえなかったという事情がありますね。「ぷよぷよ通」が単体ダウンロード作品だったら……話は変わっていたかもしれませんが。

奥成氏：単体でやっていたなら……という話になると、逆に「『ぷよぷよ通』を作れたか？」ということになるんですよね。ダウンロードシリーズとしての「セガ 3D復刻プロジェクト」としては、「3D サンダーブレード」のときに終わっている。ボーナスで海外向けに追加したメガドライブ3本があったりもしましたが、やっぱり第2期でプロジェクトとしては一旦終了しているんです。

　「アーカイブス1」の後、今回の「アーカイブス2」というのは“新生したセガ 3D復刻プロジェクト”なんですよ。ただ、実は単体ダウンロード版での採算性を見なくなったぶん、タイトルの選定に裾野が広がっているところがあって、それで「ぷよぷよ通」も収録できたと言えます。

　過去のように単体ダウンロード配信を基準にタイトルを選んでいたら、「ぷよぷよ通」は選べなかったかもしれないです。

堀井氏：3D立体視をつけることでの面白みという角度から考えると、早い段階で落ちてしまうところでしょうね。

――セガ 3D復刻シリーズならではの、3D立体視をつけて復刻することでなにか遊びやすくなったりなどの“劇的な効果があるだろうか？”と考えると、タイトル選定からは漏れてしまうところがあると。

堀井氏：そうですね。結果として「セガ 3D復刻プロジェクト」が長く続いたこと、そしてパッケージになったことがあって、「ぷよぷよ通」なども選べるようになった、ということになります。

――「アーカイブス2」の目玉としてなら入れやすいということですよね。人気のあるメジャーなタイトルですし。

堀井氏：待っている人がいますよね。

下村氏：「ぷよぷよ通」には多くのファンがいらっしゃいますよね。もし、「ぷよぷよ通」が入っていなかったら、「アーカイブス2」に見向きもされなかったかもしれません。ファンに愛されているシリーズの持つ強みですよね。

――確かにシリーズはもとより、「ぷよぷよ通」は特に根強いファンがいるタイトルですよね。ただ、「ぷよぷよ通」については、ローカル対戦だけでなく、「オンライン対戦も搭載して欲しかったという声が見受けられました。そのあたりはいかがでしょう？

堀井氏：そこは今回は残念ながら……。未来に!!

下村氏：僕は基本的にいろんなご意見をオープンに受けますので。意見が多ければ、また別の機会になってしまいますが、喜んで検討いたします。

奥成氏：オンライン対戦・協力の要望をたくさん頂ければ、例えば、新たに予算を組んで、オンラインプレイを前提にしたコレクションのパッケージを出してみるとか。もしそうなったら、エムツーさんにも3DSでの通信対戦を研究頂いて……というところからですね。

堀井氏：やれなくはないのですが、今回はさすがに手数の問題で。まずはパッケージとしてきちんとした移植を作って、その上でですね。「ぷよぷよ通」みたいなタイトルはオンライン対戦ができた方が良いのは間違いないとは思っています。

下村氏：やらない理由は何もないので、お客様のご要望をお待ちしていますというところですね。

奥成氏：そういえば、今作の購入者アンケートには初めて、“移植希望タイトル”を記入する欄ができました。

堀井氏：おおっと！

――コメント欄に書くのではなく、「次はこれを遊びたい！」と書くスペースができたと。

堀井氏：存分に書いてくれていいよと！

奥成氏：はい。それを集計すると、下村の次の野望が動きますので（笑）。

下村氏：そこで声を伝えて頂ければ、僕は確実に目を通しますので。奥成なら自発的に「次はこのタイトルを」というのが出てきますけど、僕の起点はユーザーさんからのリクエストですね。

堀井氏：買って頂いた人からの、遊んでくださってる人からの声ですからね。当然、無下にできないです。でもわりと、「僕らがやりたいもの」と、「皆様からやってくれと言われるタイトル」は、被るところはありますけれどね。今回の「パワードリフト」などもそうで。そのあたりは今後も上手くやっていけるといいなと思いつつ、アンケートを楽しみにしています。