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【特別企画】ひとりの新兵が「レインボーシックス シージ」を始めた理由とその魅力
Year 3となりプレーヤー層が円熟したなかで、どうしてこの作品を始めたのか
2018年4月9日 13:01
本稿は「レインボーシックス シージ(R6S)」をWikiや実況者の動画を観ているだけでは我慢できなくなったガチ初心者プレーヤーが、同じ初心者や「いや、熟練者ばっかりだろうしな……」と参戦に及び腰な動画視聴者、観戦者へ向けた記事である。さぁ今こそ「R6S」始めよう、一緒に。
そもそも3年目に突入しプレーヤー層も上級者が多いであろう環境に筆者が飛び込もうと思った原因は、「ニコニコ闘会議2018」で開催された大会の観戦とバーチャルYouTuber「猫宮ひなた」のプレイ動画だった。それほどまでに彼らと彼女のプレイは華麗で、大会は熱意に満ちあふれていた。だからこそ、自分も加わってみたいと思ったのだ。この熱く奥深い奔流の中に。
――で、「レインボーシックス シージ」とはどんなゲームか。リスポーン回数は1回きり、防衛側は建物を鉄板と諸々の罠を用いて堅牢な要塞にして待ち伏せし、攻撃側はそれを食い破り目標を奪取する。小さな空間で奥深い攻城戦が繰り広げられるFPSだ。プレーヤーが使用する”オペレーター”には、たとえば「オーバーウォッチ」や「League of Legends」のように、それぞれ固有の能力があり、指定の武器があり、オペレーター同士のメタ(対策)が存在する。
何が楽しいのか。まだ初心者でコテンパンのボロ雑巾にされている筆者だが、自分の仕掛けた罠に相手が引っかかるのが楽しい。敵の罠を見破って破壊し要塞を攻略するのが楽しい。単純な実力と運で敵を倒した瞬間が楽しい。防衛側はイタズラをしかけるドッキリの仕掛け人、攻撃側は宝探しに似てハラハラドキドキの数分間が繰り広げられる。
では、どうしたら楽しめるようになるのか。それは「研究」のひとことに尽きる。どう動くか、どこを見るか、何をするか。本稿では初心者なりに考えた、「こうすれば勝ちにつながり、ゲームを楽しめるかもしれない」ということを語りたい。
オペレーターを知る
オペレーターには、それぞれ3段階の防御力(アーマー)とスピードが設定されている。アーマーが多いほどスピードは遅く、足音も大きくなる。逆にスピードが速いと足音は小さく、素早く、そしてアーマーが少なくなるため打たれ弱い。これは全オペレーターで共通だ。
次に、オペレーターはそれぞれ固有のガジェットを装備している。たとえば「TWITCH(トゥイッチ)」なら遠隔操作でトラップを破壊したり敵へ攻撃できる「ショックドローン」、「SMOKE(スモーク)」なら投げてから発動するガスグレネードといったように。これらの特性を理解し、いかに効果的に使うかが勝敗を分けると言っても過言ではないだろう。
クリアリングする
周囲を見よう。とても大事。とても、大事だ。
屋内が戦場となる「R6S」では、壁を挟んで敵味方が隣り合うシーンが起きやすい。防衛側は待ち伏せがメインの戦い方でもあるため、近距離での戦闘が起きやすいのだ。
そこで大事なのが安全を確保するためのクリアリング。部屋の入り口はまっすぐ乗り込まず、左右を覗き込み(リーン)で確認したり、敵がいそうな場所を射撃しながらダイナミックエントリーを行なうような戦法をとると安心感が高まる。「KAPKAN(カプカン)」や「FROST(フロスト)」など、罠を仕掛けられる敵がいる場合は入室前にしっかりとクリアリングを行なう必要がある。
音を聞くことも重要だ。足音や銃声、ガジェットの起動音など、ヘッドフォンを使用すればどこから音が発生しているのかが詳細に分かる。次に述べるカメラやドローンもなくなったとき、頼れるのは己の目と耳のみだ。
カメラやドローンを使いこなす
敵がどんなオペレーターを使用しているかを把握することも重要だ。攻撃側はドローン、防衛側は各所に配置された監視カメラで敵の位置と使用オペレーターを特定できる。敵を初めて特定した場合は高いスコアが入るため、索敵はもちろんスコアのためにも積極的に活用していきたい。
攻撃側の場合、防衛側が屋内を要塞化している「準備フェーズ」の間にドローンを使用した索敵を行なう。このときは防衛側がどのオペレーターを使っているか、どこに罠を設置しているか、どの壁を補強しているかといった点に注意してドローンを走らせ、残り10秒ほどになったら敵が待ち伏せしそうな場所の近くに隠して「アクションフェーズ」中に使いやすくする。
防衛側はアクションフェーズ中に特定の場所に設置された監視カメラを覗くことで索敵を行なえる。カメラは(ドローンも)射撃によって簡単に壊れてしまうが、壊されたカメラの位置を把握しておくことで「敵がどこから攻め込んでくるか」がある程度わかる。
監視カメラとドローン、どちらも敵の襲撃がすぐそこに迫るアクションフェーズ中に使用するのはそれなりの危険が伴うが、敵の位置を特定できるということは大きなメリットだ。有効に使って覗き魔になり、味方に貢献しよう。
――と言いたいところなのだが、ひとつだけ。敵を奇襲するのにカメラやドローンを使う場合、敵のマーキングは行なわないようにしよう。敵をマーキングすると「きみ、見えてるぞ」と敵に警告されるからだ。
どのオペレーター、どのマップにも対応した基本的なことはこんなところだろうか。次はマップやオペレーターごとの動き研究するために筆者なりに考えたことをお伝えする。
カスタムマッチで自習する
プレイを続けて「クリアランスレベル」が5になると、マップやルールを自由に設定できる「カスタムマッチ」が可能になる。クリアランスレベルはソロプレイの「シチュエーション」や協力プレイモードの「テロハント」でも上昇するため、数時間プレイすれば比較的早く到達するだろう。
カスタムマッチはマップを覚えるのに最適なモードだ。「ローカル」を選択すれば1人だけで心ゆくまでマップを歩き回れる。たとえば壊したい壁や床、突入されやすそうな窓、ドローンを隠せる隙間をじっくりと探し、攻防ともに自分なりの「戦いの理論」を構築し、それを実戦に持ち込んで調整する。予想と実践の繰り返しは一見面倒に見えるが、その理論がうまく機能した瞬間こそ最高のひととき。ヘヴン状態。「俺の勝ちだ!ヒョー!」とテンション高く喜べる回数を増やすためにも、確実な理論構築や実戦を介して得られる経験値が必要なのだ。
防衛側:罠の置き場所を工夫する
防衛側の汎用ガジェットである「ニトロセル」や「有刺鉄線」、「有刺鉄線」、壊れる壁を補強する「強化壁」をはじめ、ほぼすべての防衛オペレーターが持っているのは仕掛けることで機能する”罠”だ。
防衛側最大の楽しみはここだ。「カジュアル」でなら1分弱と短い準備フェーズの間に、防衛側は爆弾や人質、バイオハザード物質といった目標のある部屋の周囲を強固な要塞に作り上げるのだ。
この罠の置き場所がとんでもなく難しい、いや奥深い。数カ所ある目標の場所、罠の種類、マップ……人によっては他にも気になる部分があるかもしれない。とりあえず筆者はここを気にしながら罠を置いている。例えば「KAPKAN」のブービートラップはドアや窓の柱に取り付けて敵を待ち構えるが、ここにバリケードを増設することで目隠しを図る。
他にも警戒心が比較的薄くなりやすい階段の踊り場に踏むと1発で敵を負傷させる「FROST」のウェルカムマットを置いてみたり、攻撃側による投擲物を自動で迎撃する「JAGER」のADSを目標周辺に重点的に置いてみたり。ウェルカムマットは遊べる置き方が多く、相手の裏をかいた設置ができるととても嬉しい。
そしてこのゲーム、壁はおろか床も壊せる場所が存在する。壊せる壁や床は弾が貫通し、ショットガンやガジェット「インパクトグレネード」をはじめとした様々な攻撃で崩壊して壁の向こうが露わになる。この「壁の破壊」と「罠の設置」が「R6S」の大きな魅力のひとつだと筆者は思う。初心者だけど。攻撃を受けて壊れる壁、その向こうから現われる敵、撃たれる筆者。――あれ、おかしいな。不意討ちのつもりが討たれてどうする。
ともあれ、壁に穴を空けるという戦法はなかなか有効だったりする。防衛側なら補強された壁の隣に穴を空け、そこを覗き込むことで効果的に遮蔽物を作りつつ敵を撃つ場所を確保するのだ。わざと穴を空けて有利な地形を作り出すことを「工事」と呼んだり、階下から床を貫通して攻撃することを「突き上げ」と呼ぶ。
攻撃側には壁の破壊と敵の殲滅を同時に素早く行なえる「HIBANA(火花)」や「THERMITE(テルミット)」、「ASH」などがいたり、防衛側には工事が得意なショットガンを持ったオペレーターがいる。うまく壁に穴を空け、有利な戦況を作りだそう。
熟練者の配信を観る
経験者によるストリーミング配信や投稿動画を観ること。他人のプレイを観て自分の立ち回りの参考にすることは非常に大きな経験値になりえる。自分の想像もつかない攻め方、守り方が見えたり、あまり使わないオペレーターの動きが観られるのだ。
Twitch、YouTube、ニコニコ動画にOPENREC.tv。ストリーマーが増えe-Sports文化が盛り上がりを見せている今、各配信サイトで軽く検索すればおびただしい量の「R6S」プレイ動画が見つかる。他人のプレイを観ることで、自分にはない戦術を取り入れられることだろう。
FPSプレイ動画によくある編集方法として、戦闘シーンなどの”見せ場”を抜き出して編集するもの。「R6S」においてはこういったものより全編を見せてもらえる動画の方が立ち回りを見習いやすく、勉強になる。そういった点では、今のところJCGが実施した大会のアーカイブが個人的に役に立っている。PS4とPCで戦術の定石に違いがあるそうだが、日本語の実況解説つきで戦況をみられ、観戦モードで戦場を俯瞰で観察できるというのはよい経験になると思う。
また、先述の「全編を見せてもらえる」という点では、今のところニコニコ動画で投稿している「むつー」さんや「ペリカン」さんの動画が嬉しい。マッチ全体の録画に加え、再生回数が多いためコメント数もある。立ち回りに対するコメントもみられ、ニコニコ動画ならではの画面にコメントが流れるシステムがコメント欄を見に行く手間を省いてくれる。筆者にとってはかなりオイシイ教材となっている。
録画する。できるなら投稿する
先述の「配信を観る」こととは真逆の行為。自分のプレイを録画し、客観的に見直して自分なりのフィードバックを行なうことで経験値とする方法だ。録画ソフトも数多く存在し、編集ソフトもフリーのものやAdobe製品をはじめとした有料ソフトなどなど。軽く検索するだけで映像の録画方法や編集方法までを解説したサイトもあり、プレイ動画の制作へ乗り出す敷居は限りなく低くなっている。
自分の声が気に入らないなら「Softalk」や「棒読みちゃん」、VOICEROIDシリーズを使えばいいし、それも面倒なら字幕だけでもいい。自分が「こう考えてプレイしている」、「アドバイスがほしい」ということが伝わりさえすれば、どこかから現われた心優しい熟練者がコメントなどで指摘してくれる……はずだ。きっと。
自分のプレイに対するフィードバックが他人からもらえるというのは、とても貴重な体験だ。だからこそ、ゲームに挑戦し「上手くなりたい」という志を抱いた方にはプレイ動画を投稿してみて頂きたいのだ。だから投稿、しよう!筆者は他人のゲームプレイを観るのが好きだ。
筆者はこの記事を執筆している時点で購入から8日が経とうとしているが、本稿で述べたように実況配信者が投稿した動画の視聴やネットでの情報収集、カスタムマッチを使った戦略構築などによる研究が楽しい。今は「FROST」のウェルカムマットや「SMOKE」を使った効果的な工事プランを考えていて、日ごとに成長していく自分の姿が我ながら誇らしい。硬派なFPS作品であるためそれなりの難易度の高さはあるが、ぜひともプレイして頂きたい作品だと思っている。
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