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【連載第229回】 あの、おもちゃを徹底レポート




人工知能で生きているように動く犬型ロボット!
「ROBOPUPPY ロボパピィ」

「ROBOPUPPY ロボパピィ」
輸入元 日本トイザらス
価格 6,999円
電源 本体:アルカリ単四電池×4(別売)
コントローラ:アルカリ単四電池×3(別売)
発売日 発売中



 「WOW WEE」というトイメーカーをご存知ならば、あなたはトイ通を名乗ってもいいだろう。このWOW WEEは、ロボットトイの分野において、世界トップランクの技術を持ち、あまたのトイファンからその動向に熱い視線が注がれているメーカーだからだ。

 当連載でも同社が手がけてきた類人猿型のロボット「RoboSapien」と、恐竜型のロボットの「ロボザウルス-TR441J」を取り上げ、その高い技術を絶賛している。そんな「WOW WEE」が制作した新たなロボットのテーマは「犬」。

 愛玩犬型のロボットとして、目を見張るべき運動性能を披露し、今回も深く楽しませてくれた。


アメリカンテイストを全開にしたデザイン

パッケージ。端整なデザインは、単に子ども向けではなく、大人でも遊べることを示している
 WOW WEEのロボットの特徴としては、まずその外見が挙げられる。完全に北米のユーザーをターゲットにしており、日本人の嗜好性との違いを大いに見せ付けてくれる。

 同じ犬をテーマにしたロボットトイでも、日本のメーカーが手がけるのなら犬の「愛らしさ」や「従順さ」を強調するのに対し、WOW WEEは「精悍さ」、「獰猛さ」を前面に押し出している。

 個人的な好みを先に告白してしまうと、この「ROBOPUPPY ロボパピィ」の第一印象は最悪だった。犬らしい可愛らしさは微塵も感じられず、格好いいか? と問われると、「まあ……多少は……」と言葉を濁しながら答えるのが関の山だった。

 しかし、WOW WEEのロボットトイを遊んできた人間としては、ここにこそ醍醐味があることを知っている。親しみやすさや愛着を感じられることのなかったトイが、いったん動き出すとその印象を大きく変えるからだ。「ROBOPUPPY ロボパピィ」をたっぷり遊んだ今では、筆者の目には彼がたくましく、そして頼もしくさえ映っている。

「ROBOPUPPY ロボパピィ」。パピィという名の通り、子犬を彷彿とさせるデザインだ 犬の特徴である耳がデフォルメされているが、座っている姿を横から眺めるとやはり犬らしい
可動部は、首、両前足、両後ろ足、そして腰だ 顔は大胆に省略されたクールなデザイン。左右に開いた小さな穴は、目ではなく、鼻という設定だ



訓練され抜いた賢い犬のように自在に動き回る自律モード

 「ROBOPUPPY ロボパピィ」の遊び方は、大きく分けると2つある。

 1つ目は、自律して動くその姿を眺めること。まるで本物の犬のように歩き、吼え、時にはお手やお座りなどの芸を披露する。

 2つ目は、付属のコントローラを使用して、ラジコンとして遊ぶこと。ラジコンとして操作すると、自由気ままに動き回っていた「ROBOPUPPY ロボパピィ」が急に命令を聞くようになり、また違った一面を見せてくれるのだ。

 「ROBOPUPPY ロボパピィ」に内蔵されているセンサーは、大きく分けて3種類ある。

 サウンドセンサーは、周囲の音を聞き取るためのセンサー。「ROBOPUPPY ロボパピィ」の周囲で音が鳴ると、前進して近づいたり、「ワォォォォン」と遠吠えをしたりする。

 赤外線センサーは、体の周囲にあるもの感知して、反応を示すためのセンサー。例えば、「ROBOPUPPY ロボパピィ」の鼻先に手をかざすと、そこに飼い主がいることを察知して、お座りをし、お手をしてくる。

 エッジセンサーは、テーブルの端などを感知するためのセンサー。「ROBOPUPPY ロボパピィ」が歩きながら、テーブルの先端などへ到達すると、それを感知して、後ずさりを始めるのだ。

 これらのセンサーを駆使しながら、くり出される動きは、圧巻そのものだ。何も操作しないでいるのに、「ROBOPUPPY ロボパピィ」は、遠くへ向かって「ワォォォーン」と吼え、後ろ足だけで立つ「チンチン」をして、そうかと思いきや突然横に寝そべって死んだふりをする。どうなることかと見守っていると、今度は何事もなかったように4本の足で立ち、後ろ足を片方だけ上げて、放尿(の格好)をする。放尿をしてすっきりしたあとは、「遊んで遊んで」といわんばかりに、体を左右にふって飼い主にアピールする……。

 その姿は、まるで腕利きのブリーダーに芸をしこまれた賢い犬。あまりにも多彩な動きを次から次へと飽きずにくり出してくるので、こちらとしてはただただ口をポカンと開けて、見守るしかない。

 筆者が特に感激したのは、いったん死んだふりをして横にコトンと倒れてから、体を起こして再び4本足で立つまでの一連の流れ。体の重心移動が抜群で、まるで「ROBOPUPPY ロボパピィ」自身に意思があるかのように見えるのだ。自律モードの動作はムービーに収めたので、興味のある方もそうでない方もぜひご覧いただきたい。きっと驚くはずだ。

鼻の部分には赤外線センサーを、あごの部分にはエッジセンサーを搭載し、それぞれの働きを担う 各センサーはリアルタイムに動作し、「ROBOPUPPY ロボパピィ」自体は俊敏な反応を示す テーブルの先端などに到達すると、エッジセンサーが働き、後ずさりを始める
自律モードで見られる動作
[MPEG-1形式:2.5MB 29秒]



9種類の芸も披露できるラジコンモード

 ラジコンとして遊んでも、期待に十分に答えてくれる。コントローラには、合計13種類ものボタンが用意され、いろいろな操作が可能になっている。基本操作は、前進と後退、そして右への旋回と左への旋回だ。前進や後退などの移動のアクションは、本物の犬のように跳ねるように……とはいかないが、軽快で力強い歩みとなっている。

 ★マークのボタンを押すと、芸を出すことができる。芸には「ねっころがる」、「死んだふり」、「遠吠え」、「お手」、「おしっこ」、「ジャンプ」、「おなら」、「ロックンロール」、「引っかく」の9種類があり、その多様さで楽しませてくれる。ちなみに「ロックンロール」とは、お尻をクイクイと突き出しながら、後退する動作。その動きがまるでエルヴィス・プレスリーのダンスのように見えるために付けられた名称なのだろう。

 コントローラから緑色のレーザー光線を放ち、「ROBOPUPPY ロボパピィ」を誘導する遊びもある。コントローラで操作する以上に、「ROBOPUPPY ロボパピィ」が自分の意のままに操れるような実感が沸いてきて、個人的にはいちばん好きなモードだ。

 また、番犬としても(?)使用することができる。コントローラの防御モードボタンを押すと、その場にペタンと座り込み、その後30分に渡って、周囲で動くものや音を出すものに「ワンワン」と吼えかけたり、身を乗り出して威嚇をしたり、といった反応を示す。もちろん、実際の番犬としては使用できないが、「ROBOPUPPY ロボパピィ」の優れた性能を表すモードとして、特筆しておきたい。

コントローラ。「ROBOPUPPY ロボパピィ」本体と同様にモノトーンで統一されたオシャレなデザインだ 先端から緑色のレーザーを放つことで、「ROBOPUPPY ロボパピィ」を任意の方向に誘導することもできる リモコンモードのプレイイメージ。元気いっぱいの犬が従順になるので、“飼い主”気分を味わえる


 自律モードとラジコンモード。その両方とも楽しめるが、筆者はその落差の大きさに笑ってしまった。「自由さ」を謳歌している犬が、ラジコン操作一発でとたんに従順になるさまは、今流行の「ツンデレ」を彷彿とさせるからだ。


□WOW WEEのホームページ (英文)
http://www.wowwee.com/
□「ROBOPUPPY ロボパピィ」のページ
http://www.toysrus.co.jp/f/robopuppy/
□関連情報
【2005年11月10日】気になるe-Toy遊んでレポート
大人も唸らせる豊富なギミックを搭載!
Wow Wee「ロボザウルス-TR441J」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051110/toy199.htm
【2004年8月26日】気になるe-Toy遊んでレポート
ロボット・トイの革命児ついに登場!
Wow Wee「RoboSapien」 (後編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040826/toy156.htm
【2004年8月19日】気になるe-Toy遊んでレポート
ロボット・トイの革命児ついに登場!
Wow Wee「RoboSapien」 (前編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040819/toy155.htm


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(2006年8月10日)

[Reported by 元宮秀介]


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