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【連載第228回】 あの、おもちゃを徹底レポート




TBSの超人気特番をダブルで体感ゲーム化!
エポック社「SASUKE&筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」

「SASUKE&筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」
発売 エポック社
価格 7,854円
電源 本体/単3電池×3(別売)
コントローラ/単4電池×2(別売)
発売日 発売中



 「ついにこの自分が挑戦できるときが来た!」と奮い立つ人も多いのではないのだろうか。TBS系列の超人気特番「SASUKE」と「筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」が体感ゲームになったのだ。

 体感ゲームとは、ハードとソフトが一体化された新感覚のゲーム機。コントローラの形状に大きな特徴があり、ゴルフゲームならゴルフクラブ、テニスゲームならテニスラケットなど自在な形をとり、実際のスポーツをするように体を使って遊ぶのだ。

 このようにスポーツとの親和性が高い体感ゲームと、「SASUKE」並びに「筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」が結びつくのは、ある種の必然といえるだろう。「SASUKE」と「筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」の両者には、趣向を凝らした多種多様な競技があるのだが、それらを巧みに再現しており、満足度の高い商品となっている。


ふたつのコントローラで全身の動きを表現する

 「SASUKE&筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」は、2種類のコントローラを使用する。

 マットは足の動きを入力するコントローラだ。マットの上で両足を交互に動かすことでダッシュを、両足を同時に宙に浮かすことでジャンプの動作を行なえる。

マット。左上にあるのは、いわゆる本体部分でCPUやソフトウェアを内蔵し、さらに赤外線を発光する クッションが効いていて、足に優しい設計。しかし、夢中になると大きな音を発してしまうので、プレイする時間には注意したい


 ダンベルのような形をしたマッスルコントローラは、腕の動きを入力する。左右の手で握るグリップ部分には、それぞれボタンがあり、ゲームの内容に応じて、両手のグリップやボールのレシーブなど、多種多様に使用する。

 さらにはマットから約2.5メートルの高さの範囲に、赤外線が発光されており、マッスルコントローラを上下や左右に振ることで、腕立て伏せのような腕の大きな動きを入力できる仕組みになっている。

マッスルコントローラ。左右のグリップ部分にそれぞれボタンを備える 使用する際は、安全面を考慮し、手首にストラップを巻く ゲームによってはこのように縦に持って使用することもある


 プレイした感覚は、とにかく「全身を使う」。これまでの体感ゲームではスポーツに似た爽快な汗をかいてきたが、この「SASUKE&筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」では全身から過酷な汗が染み出る感じだ。そのハードさは、まさに番組の内容を彷彿とさせる。


難攻不落の競技にチャレンジする「SASUKE」

 まずは「SASUKE」から紹介していこう。「SASUKE」は全4ステージから構成される競技だ。ステージごとに用意された、アイデア満載の奇抜なゲームに挑戦し、時間内にゴールにたどり着くとクリアとなる。

モード選択画面。遊び応えたっぷりの内容だ キャラクタや名前を登録し、記録を保存することもできる


「5だんとび」。小手調べ的なゲーム。足を交互に動かすだけ
 「1stステージ」は、「5だんとび」、「ローリングまるた」、「バランスブリッジ」、「ジャンプハング」、「そりたつかべ」、「ロープクライム」の6種類のゲームが待ち受ける。

 最初の「5だんとび」は、交互に左右に並んだ足場をジャンプして渡るゲームだ。マットの上で右足と左足をリズミカルに交互に動かせばクリアとなる。

「ローリングまるた」。途中で止まったら、マッスルコントローラを下に向けて振る
 2番目の「ローリングまるた」は、巨大な丸太にしがみついて着地地点まで転がっていくゲーム。マットの上で両足を勢いよく動かすと、丸太が転がっていく。丸太が止まった場合は、マッスルコントローラを上から下へ激しく動かす。これによって丸太に勢いがつき、再び転がり始める。

「バランスブリッジ」。床は大きく揺れ動くが、迷わず一気に駆け抜けよう
 3番目の「バランスブリッジ」は、不安定な橋の上を駆け抜けるゲーム。マットの上で素早く足を動かせば大丈夫。足を止めると、とたんにバランスがくずれ、池に落ちてしまう。

「ジャンプハング」。トランポリンでジャンプして、頭上のネットにしがみつく
 4番目の「ジャンプハング」から、ゲームの難易度は急上昇する。マットの上で両足を動かし助走をつけて、トランポリンの上に飛び乗る。トランポリンの上では両足を同時に浮かしてジャンプをする。空中に浮かんだら、マッスルコントローラをギュッと握り、頭上にあるネットをつかむ。ネットにしがみついたら、手足を激しく動かして着地地点をめざす。

 筆者は、この「ジャンプハング」に引っかかった。トランポリンに飛び乗ることはできるのだが、タイミングが悪いのか、ジャンプ力が足りないのか、ネットをつかめないのだ。テレビとは異なり、失敗しても何度でもやり直せるのだが、タイミングを変えたり、力を振り絞ってジャンプをしても、ネットにはまるで届かない。何度もトライしていると、制限時間の3分間は無常にも過ぎていく。体中からは汗が吹き出るばかり。夏の盛りに遊んでいるせいか、いくらクーラーを効かせようとも、汗は止まらない。そのうちに、ジャンプのしすぎで、膝がガクガクしてくる。

「そりたつかべ」。壁を駆け上がり、天井をつかんで上に登る
 5番目の「そりたつかべ」は、輪をかけて厳しかった。助走をつけて曲面を描いた壁を駆け上がり、その頂点でジャンプをして、天井をつかむというゲーム。曲面を上がってどのタイミングでジャンプをすればベストなのかがわからない。ごくまれに天井をつかめたとしても、マッスルコントローラのグリップを握るタイミングがシビアで、ほんの少し遅れるだけで落下してしまう。

「ロープクライム」。高い壁を必死に登っていく。残り時間との時間との勝負だ
 最後の「ロープクライム」は、ロープをつかんで90度の壁を登るゲーム。マッスルコントローラを縦に持って左右に揺らし、両足でマットを交互に踏みつけるだけ。「ジャンプハング」や「そりたつかべ」と比べると、あっけなく感じるほど簡単だが、これらの競技で制限時間のほとんどを費やしているので、何度挑戦しようとも、ゴールまではたどり着けず……。

 過酷。ゲームというにはあまりに過酷だ。しかし、その一方で筆者はある種の爽快感も感じていた。「そうだ、これがSASUKEだ。ゲームといえど、厳しいのだ。強靭な筋力が求められるハードさと、手に汗握る緊張感とは、見事に表現されている!」と。非力ゆえ、2ndステージ以降は体験することができなかったのだが、「あのSASUKEに挑戦した」という感覚は、確かに体感することができた。


自分の体力の限界と戦う「スポーツマンNo.1決定戦」

 次は「スポーツマンNo.1決定戦」だ。競技はみなスポーツライクで、次第にハードさを増していく内容なので、「SASUKE」と比べると、親しみやすいといえる。

「モンスターボックス」。練習をくり返せば、30段越えも夢ではないはず……
 「モンスターボックス」は、とび箱を跳ぶ段数を競う。1回の試技で2回まで挑戦することができる。最初は10段からのスタートとなる。

 とび箱を跳ぶ仕組みは、以下の通りだ。まずマットの上で左右の足を激しく動かし、助走をつける。踏み切り板の上に差しかかったら、マットから両足を離し、ジャンプをする。ジャンプと同時に、左右ボタンを押しながら、マッスルコントローラを思い切り下に振る。この一連の動作が流れるようにうまく行けば、高い段数の跳び箱でも跳ぶことができるのだ。筆者は10段、11段、12段と快調にクリアしていく。「このまま20段は行けるかも……」という予感はあったのだが、「SASUKE」の疲れが溜まっていたため、15段以上を飛び越すことはできなかった。

 「バーナウトガイズ」は、丸太切り、腕立て伏せ、トラック引きからなる3種混合のトライアスロン。丸太切りは、マッスルコントローラを縦に持ち、のこぎりを使うように前後に振る。腕立て伏せは、左右のボタンを押しながら、マッスルコントローラを上下に激しく動かす。トラック引きは、両足をマットの上で交互に踏みならす。丸太切りやトラック引きは、意表をつくゲームだが、ストイックな競技が続く「スポーツマンNo.1決定戦」の中で、かっこうの息抜きになるといえる。

「バーナウトガイズ」の丸太切り。マッスルコントローラを縦に持ち、のこぎりのように前後に振る 「バーナウトガイズ」の腕立て伏せ。20回を何秒でできるかに挑戦する 「バーナウトガイズ」のトラック引き。焦らず、足を左右に交互に踏みつければ大丈夫


「ザ・ガロンスロー」。足を動かしてパワーを貯めて、頂点のときに樽を上空へと放り投げる
 「ザ・ガロンスロー」は、10kgの樽を投げて、後ろの壁を越えさせることができれば成功となる。樽を投げるために、マットの上で左右の足を激しく動かし、パワーを貯める。パワーが頂点に達したタイミングで、左右のボタンを押しながら、マッスルコントローラを上に高く振ればオーケーだ。一見すると腕力が重要に思えるが、いかに両足を速く動かしてパワーを貯められるかが成否を握る。筆者の足は、この段階ですでにクタクタ。5メートルの大台に挑戦したが、記録突破ならず。

「クイックマッスル」。1分間で何回の腕立て伏せができるかに挑む
 「クイックマッスル」は、腕立て伏せ。1分間で何回できるかにチャレンジする。操作は左右のボタンを押しながら、マッスルコンローラを上下に振るだけ。成功した回数が大きな文字で表示されるので、「100を超えよう、150を超えよう……」と気分がどんどん盛り上がっていく。

「ショットガンタッチ」。猛然とダッシュをして、上から落ちてくるボールに飛びつく
 「ショットガンタッチ」は、離れた場所からボタンを押し、10メートル上から落ちてくるボールにタッチする競技。回を重ねるごとに、スタート地点からボールが落ちてくる場所までの距離が開いていく。マッスルコントローラのボタンを押すとボールの落下が始まり、そこからマットの上で猛ダッシュを重ねる。ボタンを押してから走り出すまでの一瞬が大きな勝負どころとなり、俊敏性が求められる。ここまで遊びこんだ筆者の体はボロボロで1回目のトライに成功するのがやっとだった。しかし「SASUKE」とは異なり、すべての競技を一応はクリアできたので、全身の疲労感と共に、深い満足感を味わった。

 遊んで興味深かったのは、「SASUKE」と「スポーツマンNo.1決定戦」の違いだ。難攻不落のゲームに挑戦する「SASUKE」と、自分の体力こそが問われる「スポーツマンNo.1決定戦」。それぞれ異なる面白さがあり、真剣に挑戦すればするほど、期待に応えてくれる。最大4人まで同時にプレイすることができるので、ぜひとも家族や友人たちと競うようにして遊んでみてほしい。


体力年齢を測定できるモードもある

 「SASUKE」と「スポーツマンNo.1決定戦」に加え、特別モードとして自分の体力の実力を測れる「体力年齢そくていモード」も用意されている。測定する競技は、全部で5種類。マットの上で高く飛ぶ「ハイジャンプ」。マッスルコントローラとマットを連打し続ける「じきゅうりょく」。スタートの合図と共に、マットの左右ボタンを5回踏みつける「しゅんぱつりょく」。画面に表示されるお手本どおりにマッスルコントローラとマットをリズミカルに連打する「びんしょうせい」。そしてマッスルコントローラを縦や横に握り、激しく振り続ける「ぜんしんきんりょく」。

 筆者の体力年齢は、何と48歳という結果。実年齢と比べると12歳も高い結果は、かなりのショックだった。いやいや、これは「SASUKE」と「スポーツマンNo.1決定戦」を遊びこんだうえでの結果。最初から「体力年齢そくていモード」に挑戦すれば、きっと良い結果を得られるはず……と自分で自分を慰めてしまった。

「ハイジャンプ」の測定。跳躍力をチェックできる 「じきゅうりょく」の測定。長時間運動を続ける能力をチェックする 「しゅんぱつりょく」の測定。パワーとスピードの両面を判定する
「びんしょうせい」の測定。すばやく体を動かす能力をチェックする 「ぜんしんきんりょく」の測定。全身の筋力の強さを調べる 「体力年齢そくていモード」の結果。もはや多くは語るまい……


 「SASUKE」と「スポーツマンNo.1決定戦」の両番組は、TBSの看板番組とも呼ばれ、そのスケールは大きく、セットや出演者も豪華絢爛だ。そうした派手さと競技に潜むハードさの両方が見事に表現された、優れた商品だと評価したい。価格は7,854円なので決して安いとはいえないが、一度遊べばきっと「高くはない」と思えるはずだ。

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□エポック社のホームページ
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(2006年8月3日)

[Reported by 元宮秀介]


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