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【連載第155回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ロボット・トイの革命児ついに登場!
Wow Wee「RoboSapien」 (前編)

「RoboSapien」
発売 Wow Wee
価格 99.99ドル
電源 電源 単1アルカリ電池×4(別売/本体)
単4アルカリ電池×3(別売/コントローラ)
発売日 発売中



 この連載を定期的に読んでくださっている方なら、「最近ロボット・トイが少なくなってきたな」とお気づきのことと思う。確かにその通りなのだ。ソニーの「AIBO」の登場をきっかけにして、一時期トイの世界でもロボット・トイが爆発的に発売されていたのだが、現状はとんとご無沙汰。ロボット・トイにふさわしい新技術が生み出されていないため、「次世代のロボット・トイ」を提示することができないのが、その要因だろう。ロボット・トイ好きとしてはもやもやするような日々を過ごしていたのだが……とうとう来た!

 従来のロボット・トイと比べると遥かに高度な性能を備えながら、何と1万円前後という低価格!! 米国の製品なので正確には99.99ドルなのだが、そんな瑣末なことはどうでもよろしい。筆者の胸の中は、「こんなに高性能のロボット・トイが家にやってくる時代がついに来たか!」という興奮に満たされている。おそらく、これからレポートを読み進めるみなさんも、きっとド肝を抜かれるはずだ。


21個の操作ボタンで60種類以上の動きを披露する

 そのアイテムの名は、「RoboSapien(ロボサピエン)」。知恵を意味する「SAPIENCE」と「ROBOT」を組み合わせた造語に、作り手たちの自信のほどが伺える。元NASAのロボット開発者がデザインしたトイらしいが、それも納得の出来栄えになっている。

 国内ではミヤビックスが運営するショッピングサイト「ビザビ」が輸入販売を行なっており、筆者もこちらから手に入れた。販売価格は15,750円で、定価と比べても……まぁ、妥当といえる。

 到着した箱は、もうデカイデカイ。アメリカのトイは一様にしてパッケージが大きいのだが、「RoboSapien」も両腕で抱えて運ばないといけないほどのビッグザイズだった。梱包を解くと、パッケージが顔を出し、「RoboSapien」の姿を見ることができた。筆者の第一印象は、「これは頼もしいぞ」だった。パッケージの向こうに見える「RoboSapien」は、トイとしては全長が大きく、また多関節を有していることがひと目で見てとれて、非常に力の入ったアイテムであることを予感させてくれたからだ。

 パッケージを開けると、「RoboSapien」本体やコントローラと一緒に、日本語のマニュアルが入っていた。これは輸入販売を行なっているミヤビックスが作成したもので、実に丁寧に作られている。というか「RoboSapien」の機能があまりに多すぎるので、日本語マニュアルがないと十分に楽しむことができない。この日本語マニュアルの付属サービスは、特筆しておきたい。

パッケージの高さは約40cm。国産のトイとは違う雰囲気が伝わる 丁寧に編集された日本語マニュアル。クリアファイルに収められ、プレイしながらめくりやすい


 対面を果たした「RoboSapien」には、「格好いい!」のひと言しかない。ひと目ぼれをしてしまった。ゴリラともフットボール選手とも取れる「筋肉」を感じさせるボディデザイン。3本の指を生やした手と体を支える足は、体と比べると大きく、そのアンバランスさが迫力を生んでいる。無表情な顔はクールだし、白と黒でまとめられたカラーリングも大人向け。腕と本体がチューブでつながれているところも、かのモビルスーツを彷彿とさせ、好感度は高い。文句なしだ。全長は約34cm。体重は電池を含めて約2.1kgになる。

「RoboSapien」の本体。基本は子供向けだろうが、大人の鑑賞にも十分耐えうる
指は3本。外側に開く、閉じるのアクションを行なうとき、手のひらのライトが点灯する それぞれの足底には、単1アルカリ電池が2本ずつ収納されている。この重みも二足歩行を支えているのだろう 足底にはローラーの類はない。本当の二足歩行であることを証明している

 スタイリッシュにまとめられた本体とは裏腹に、コントローラは異彩を放つ。何しろボタンの数が尋常じゃなく多いのだ。その数、実に21個! これらのボタンを組み合わせることで、60種類以上もの動作を繰り出せるようになる。

コントローラ。TVのリモコンと同じような感覚で操作できる 付属のボックス。「RoboSapien」に持ち上げさせることができる



完全な二足歩行を実現し、腕の動きも表現豊か

 「RoboSapien」の電源ボタンは、背中にある。小さなボタンを押すと……筆者はここでいきなりやられた。電源が入ったとたん、電子音の声を上げながら両腕を頭上高く振り上げ、その腕を下げたと思ったら、今度はひざを曲げ、軽くおじぎ。最後には上体を左右に揺らして、喜びを表現。

 これらの複雑な動きが実にスムースに披露されたのだ。これまでのロボット・トイは多少のぎこちなさも持ち味のひとつだったのだけれど、そんな思い込みは一瞬にして打ち砕かれた。

 はやる心を抑えながら、前進ボタンを押してみる。うわっ! 完全な二足歩行だ。片方の足を宙に浮かせながら、もう片方の足で体を完全に支えている。これまでのロボット・トイが何度もトライをくり返しながらも、ほとんど実現させたことがなかった夢の二足歩行が、目の前で展開している! 1万円前後のトイなのに、こんなことが可能なのだろうか? 二足歩行の様子をしばらく眺めていたら、その秘密がわかった。片方の足を上げると同時に上体を激しく左右に振って、バランスを取っているのだ。人間のように、体は固定したままで足だけ動かす、という優雅な歩きではない。だけど、体を振りながら歩く様子は愛嬌たっぷりだし、ロボット・トイでついに二足歩行が実現されたという感激は、何よりも勝る。

こちらの命令に即座に反応するので、ラジコンの醍醐味を味わえる 右腕は斜めに突き上げ、左手は前腕を内側に曲げる。こんな複雑な操作も簡単に繰り出せる


 腕は、足以上に細かく、多彩に動く。腕全体を上げ下げする。関節を曲げて前腕を上下、あるいは外と内側に動かす。3本の指を開閉する……。といちいち描写していくと、そのまま人間の腕の描写になりそうなほど。例えば物を掴んで持ち上げる。今度は持ち上げた物を放り投げる、なんていう動作も簡単に実行できる。一連の動作をムービーに収めたので、ぜひともご覧いただきたい。

【ムービー】
「RoboSapien」の挨拶
(MPEG-1、1.21MB)
「RoboSapien」の二足歩行
(MPEG-1、1.02MB)
物をつかむ。物を放り投げる
(MPEG-1、475KB)


 衝撃を感じていただけただろうか。しかし、これらのモーションも「RoboSapien」の全機能のうちのごく一部にしか過ぎない。来週は「RoboSapien」の秘密をさらに深くレポートする予定だ。

(C)2003 Wow Wee. All rights reserved.


□Wow Weeのホームページ
http://www.wowwee.com/
□「RoboSapien」のページ
http://www.wowwee.com/catalog/other_robosapien.html
□ショッピングサイト「Vis-a-Vis (ビザビ)」のページ
http://www.visavis.co.jp/shop/


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(2004年8月19日)

[Reported by 元宮秀介]


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