Electronic Entertainment Expo 2002現地レポートINFOGRAMES ~自作MMORPGだって夢じゃない! |
会場:Los Angeles Convention Center
※本文中の発売時期はいずれも北米地区での予定
■ Neverwinter Nights
「NN」のパッケージには、シナリオおよびレベルデザインソフト「Auroraツールセット」が同梱され、ユーザー自身が冒険の舞台となる地形をデザインしたり、NPC、モンスターの登場設定、シナリオの因果関係を設計できる。D&Dにおけるゲームマスターの準備作業が、コンピュータで視覚的に行なえるというわけだ。
E3会場では、ゲームプレイに関する紹介はもちろんのこと「Auroraツールセット」自体のデモンストレーションも積極的に行ない「プログラミングの知識なしにオンラインRPGが作成できる」ことをアピール。制作できるシナリオは最大四章仕立てまで、エンディングを複数用意することもできる。アイテム、装備品類のデザインはもちろんのこと、NPCやモンスターのデザインも可能となっている。
最大64人が同時プレイ可能なシナリオを制作することができ、シナリオはQuakeシリーズの対戦サーバーのように、自前で設置した専用サーバーマシン上で公開できる。最大64人という制限はつくものの、オリジナルの(ミニ)MMORPG運営も夢ではない。
シングルプレイヤー向けのゲームシナリオは、総プレイ時間60時間ほどの長編シナリオが用意されている。これは、ゲームシステムを理解するためのチュートリアル的なものになっているようだ。
戦闘システムは、攻撃目標をマウスクリックするだけで半自動的に行なわれる「ディアブロ」などと同系統のシステムを採用。グラフィックスの美しさも特徴のひとつで、すべてのグラフィックスオプションを最高にしたときには、3Dグラフィックスで描かれたキャラクタ、建物はもとより、光源およびシャドウ処理もすべてリアルタイムで処理されるようになる。その表現能力は、ゲームグラフィックスとしてトップレベルに達しているといっても過言ではない。
現時点でのプラットフォームはPC版のみだが、Linux版、Macintosh版の開発もすすめられている。Xbox等のコンソール機への移植の予定はなし。開発は「Baldur's Gate」などを手がけたBioWareが担当する。ローカライズしやすい設計になっているため、インターナショナル版も早期に登場するという。現在は英語版のほか、ドイツ語、スペイン語、韓国語へのローカライズが行なわれている。日本語化については未定。英語版の発売時期は今年7月を予定している。
■ Dungeons & Dragons Heroes
D&Dの世界観をハード・アクションRPGとしてまとめた作品。Fighter、Wizard、Cleric、Rogueといったお馴染みの種族からひとつを選択し、それぞれにストーリーラインの異なる冒険が体験できる。
2Dグラフィックスのように見える本作のビジュアルは、すべてリアルタイム3DCGで描かれている。戦闘は、攻撃ボタンと防御ボタンを正しく使い分けるアクションゲームに近いシステムを採用。プラットフォームはXbox。2002年11月発売予定。
■ 究極のごっこゲー「Stuntman」
一見すると単なるカーレースゲームだが、実はアイディア満載の究極の「ごっこ」ゲーム。プレーヤーは駆け出しの「カースタントマン」となり、低予算映画のスタントからスタートし、徐々にスタントスキルを磨いていき、最終的には大作ハリウッド映画のスタントをこなすトップ・カースタントマンとして大成することが目的となる。
通常のレースゲームで言うところの「コース」は、本作では「撮影現場」であり、要所要所で役者や別のスタントマンがスタンバイしている。車の操作自体は通常のカーレースゲームと大差はなく、アクセル、ブレーキ、ステアリングで車を操作する。
走行中、演技地点に近づくと、インカムからの監督の音声指示とともに、該当地点にスタント種類を示す演技アイコンが点灯する。たとえば「対抗車線に飛び出して、前から来るトラックを衝突寸前でかわし右前方の八百屋に突っ込め」という指示が聞こえたとすると、対向車線に出ることを指し示す矢印が点灯し、最後には八百屋にクラッシュアイコンが表示される……といった具合だ。
ここで、対向車線からくるトラックに衝突してしまうと、監督から「カット! リテイク」が指示される。また、スタントが成功しても派手さがなければ評価は低くなってしまう。今の例でいえば、八百屋に突っ込んだときに野菜や果物が派手に飛び散らなければ高い評価が得られないのだ。「派手にスピンしながら突っ込んだほうがいいのか」などなど、プレーヤーに工夫を意識させるゲームデザインは心憎いばかり。
ドライブゲームにダンスゲーム的なリズムアクションの要素を盛り込んだような印象を受けるが、カースタントマンという設定が、微妙なリアリティを演出している。
登場車種は、一般的な4輪自動車、大型トラック、ブルドーザー、二輪車など全40種に及ぶ。スタントマンとして挑戦できる架空の映画タイトルは全6種。架空とはいえ「イギリスの諜報部員役のスタントとして、アストンマーチンを運転し……」など、いずれも“どこかで見たことがある”というか、映画ファンならばにやりとしてしまうようなものばかり用意されている。
スタント走行はシステム側で録画されており、後から閲覧可能。カメラワークが妙に凝っているのが笑いを誘う。プラットフォームはPS2。発売は6月を予定。
■ Unreal Tournament 2003
システム面で細かい変化はあるものの、もっとも大きく進化した部分は、俗に「unreal IIエンジン」と呼ばれている新世代「Unrealエンジン」周り。1シーンあたりのポリゴン数は、前作比で100~200倍に増加しているという。これは「時代が要求するクオリティまで進化した」といったところか。ターゲットGPUは特にないとしているが、GeForce 4Tiベースで開発されたため、同GPUとの相性はすこぶるよいという。
物理エンジン部の改良も徹底して行なったといい、背景物とキャラクタの衝突判定は部位単位、なおかつそれぞれの重量や重心などもふまえた演算が行なわれる。登場キャラクタは6種族、50人。対戦マップは全30種。プラットフォームはPC。6月発売予定。
■ Unreal Championship
「Unreal Tournament 2003」のXbox版といった存在。担当者に相違点を確認すると「パッドだけでプレイできるよう操作系を変更した程度で、基本的なゲームシステムはほぼ同一」だという。
マイクロソフトのブロードバンド・ゲーミングサービスに対応予定で、最大16人までの同時対戦が可能。ただし、PC版「Unreal Tournament 2003」との対戦は不可。プラットフォームはXbox。発売時期は2002年第4四半期を予定。
■ unreal II
初代「Unreal」の続編にあたる作品で、「Unreal Tournament 2003」(以下UT2003)の後に発売される。「Unreal II」は、初代同様に3Dアクションアドベンチャーゲームとなっており、NPCと会話をしたり、マップ上に仕掛けられたトラップやパズルをクリアしながらストーリーを進めていくタイプのゲーム。
ゲームエンジンは「UT2003」と同様、新世代Unrealエンジン(Unreal IIエンジン)を採用。同じエンジンを採用してはいるが、Unreal IIエンジンは「UT2003」よりも「Unreal II」をターゲットに開発が進められてきたという経緯がある。そのため、同エンジンのボーン・スキニング機能などの新フィーチャーは「Unreal II」のほうが効果的に活用されているという。「Unreal II」の方がビジュアル全体のクオリティが高く感じられるのはそのためだとしている。
武器は15種類、敵は24種類。いずれも初代「Unreal」に登場したお馴染みのものから新種まで、さまざまなものが登場する予定。本作もマルチプレーヤーモードをサポートする予定だが「UT2003」と差別化を図るために簡素なものになるとしている。プラットフォームはPC。6月発売予定。
■ スーパーヒーロー
■ アクションゲーム
■ シミュレーションゲーム
■ レーシングゲーム
■ ゲームボーイアドバンス
【Driver2 Advance】 | 【Dungeons & Dragons Eye of the Beholder】 |
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シナリオベースで進行する一風変わったレーシングゲーム。アドベンチャーゲーム的な要素も加味されている。最大4人までのマルチプレイヤーにも対応。2002年9月発売予定 | D&Dの世界観を取り入れたアクションゲーム。2002年秋に発売予定 |
(2002年5月27日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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