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「ラグナロクオンライン II」韓国第2次Cβテストレポート
首都プロンテラ公開! パーティープレイ実装で広がる楽しさ

2月23日~28日第2次Cβテスト実施



 韓国Gravityは、2月23日から28日までの6日間、韓国で2007年中に正式サービス予定のMMORPG「ラグナロクオンラインII」(以下、「RO2」)第2次クローズドβテスト(CBT)を実施した。現在日本でサービス中の「ラグナロクオンライン」(以下「RO」)のパラレルワールドという設定のもと、アクション性豊かなコンボバトルや、多彩な成長要素、より立体感が増した新エリアなど、重厚な世界観の片鱗を見せつつある。

 第2次クローズドβテストでは、「ミッドガッツ島」エリアが新たに実装され、「RO」でもお馴染みのミッドガッツ王国の首都「プロンテラ」を中心に「地下水路ダンジョン」などの周辺エリアが新たに公開された。また、初心者が最初に訪れる街「ホドミメス」は海辺の街から山城のような景観に作り変えられ、プロンテラと合わせて2地域9マップの公開となった。システム面ではパーティー機能が実装され、インターフェイスも刷新されている。

 今回の第2次Cβテストは、3月から新学期が始まる韓国で、春休み最後の1週間を狙ったもの。期間中は16時~24時までサーバーが開放され、テスター募集に集まった1万人のユーザーのほか、韓国国内500店舗の公認PCバンから自由に接続が可能となるなど、事実上のオープンβテストとなった。

 それゆえにストレステストの側面も強く、今回のテスト期間中は終始サーバー側のキャラクタデータのやりとりがクライアント間でうまく処理されず、自分以外のユーザーの多くが「透明人間」化してしまい、街では至る所でスタックを引き起こすなど克服すべき課題も浮き彫りになった。

 本稿では第1次CBTから新たに追加された新マップ、新インターフェイスを中心にお伝えしていく。2006年末に行なわれた第1次クローズドβテストレポート前編後編で本作の概要はお伝えしているので、併せてご覧頂きたい。


■ 新エリア「ミッドガッツ島」。城塞都市プロンテラを中心に5マップが追加

 第2次CBTで追加されたミッドガッツ島エリアは、ミッドガッツ王国の首都プロンテラを中心にマップが配置されている。城塞都市プロンテラの周囲には、船着場がありポリンやスポアが生息する南東部、険しい山岳地帯でネコの盗賊団が生息する北西部、湿地帯が広がりリザード系の敵が生息する南西部、プロンテラの街の中心に水をたたえる池の中にある「地下水路」ダンジョンの4マップが配置されている。

 スタート地点となるホドミメス村からミッドガッツ島へはホドミメスの外郭にある船着場に往来する定期便で向かうことができる。外郭の船着場で船を待っていると遠くから蒸気船が訪れ、これに乗り込み実時間にして数分ほどの船旅を経てミッドガッツ島南東部に到着する。

 初心者の街であるホドミメス周辺にはレベル1~10以下の敵が配置されているが、プロンテラ周辺はレベル10~20程度の敵が中心。転職間際のノービスや転職後のプレーヤー向きだ。新マップは「RO」でもお馴染みの地下水路ダンジョンの他、「ポリン」や「ドロップス」といったモンスターも見ることができ、前作とのつながりを強く感じさせる世界だ。

【プロンテラ】
プロンテラの街から城を見たところ。険しい山々に囲まれた天然の要害といったおもむき 街中の美しい池に地下水路ダンジョンへの入り口はある。セーブ地点からも近いため、序盤の人気の狩場となりそうだ
山をバックに城砦で囲まれたプロンテラの街。東には騎士団の闘技場がある

【プロンテラのNPCたち】
「RO」の武器精錬でお馴染みのホルグレン。3D化によりハンサムであることが判明(!?) プロンテラのカプラサービスは男性のミスターピートが務める 酒店の女主人レギナ。プロンテラにはクエストを用意していそうな様々なNPCが暮らしている

【ミッドガッツ島のフィールド】
ミッドガッツ島のフィールドマップ。マップ作りや配置モンスターに前作「RO」や「RO」ユーザーを強く意識しているように感じられる

【新しくなったホドミメス村】
新しくなったホドミメスの街。第1次βテストのホドミメスの街(右)と比較すると、海辺にたたずむ小さな街から山城のような街並みへと変化した。大樹を中心に円状に市場や家々が広がっていたストーリーの始まりに相応しい雰囲気ある街並みがなくなってしまったのが残念なところ。インターフェイスの違いにも着目したい


■ パーティープレイは必須! ソロプレイは茨の道!?

5人までのパーティープレイがサポートされており、経験値やアイテムのドロップ率にソロよりアドバンテージがある。パーティーメンバーのHPゲージの脇に、表情が表示されるようになっている
新たに実装された郵便システムでは、他のユーザーにメッセージやアイテムやお金を送ることができる
 今回から最大5人までのパーティー機能が実装された。本作は、マップ上でのメンバーの位置表示や、敵からのアイテムドロップ率、獲得経験値の増加などシステム的なメリットもさることながら、回復剤が連打できなくなっていることから、序盤からソロプレイの難易度があがっており、パーティープレイが非常に有利なゲーム性となっている。

 本作でポーションのような回復剤は、1度使うと再使用まで数分ほどの長めのディレイが設定され、前作のようにポーション連打で強敵の攻撃を無理矢理乗り切るといったゴリ押しが効かないため、強敵と対峙することが難しくなっている。

 本作で登場する回復剤には、使用すると1回に100HP回復する単発タイプのものと、15秒間に渡り1.5秒ごとに体力が徐々に回復していく2つの系統が存在する。いずれにしろ再使用まで数分待たなければいけないため、ソロプレイでのHP管理が非常に難しい。非戦闘時は移動中でも体力がすぐに自動回復するので、弱い敵と戦っている分には問題ない。しかし戦闘モードでは自動回復しないため、回復剤の回復量と自分の体力の合計が被ダメージの合計に及ばない敵は自他のレベルに関わらず相手にすることはできないのだ。倒しきれない場合は長い距離を逃走して敵を撒かなければならない。

 また序盤のレベルアップに必要な経験値の上昇率と、その地域に生息するモンスターのもつ経験値の開きはすさまじい。ホドミメス地域に数多生息する「プクイ」族や「チョンチョンフライ」といった敵を倒してもせいぜい数10~100前後の経験値しか得ることができないが、ミッドガッツ島に渡り、レベル15程度のポリンを1匹倒すだけで一気に2,000前後の経験値を得ることができる。参考までにキャラクタレベル11から12までの必要経験値は約5万だ。経験値バランスに手を入れなければホドミメスは通り過ぎるだけの島になりかねない。

 このため、現状プレイ開始直後はクエストを中心に経験を積んでいくことがキャラクタ育成のセオリーになっている。ホドミメスの街でNPCにお使いを頼まれる「請託クエスト」を中心にプレイしていくと、1時間ほどで街中のNPCの位置を覚えながらレベル6ほどに短期間で成長する。報奨で貰ったお金で防具を揃え、似た環境の仲間と数人規模のパーティーが組めればすぐにミッドガッツ地域での狩りも可能だ。転職前で回復スキルが使えなくても、パーティーで戦うことにより被ることのできる全体のHPを底上げすることによって、序盤から非常に有利にゲームを進めることができるのだ。本作のパーティープレイ重視の方向性を示しているといえるだろう。

【地下水路マップ】
地下水路マップでは「RO」では「盗蟲」と呼ばれるゴキブリ型のモンスターが大量に生息している。1対1ではどうにかなるが、少し奥に進むと濃密に棲息するゴキブリがいっせいにリンクして襲い掛かってくるため、少人数ではとても太刀打ちできない。4段5段と積み重なったゴキブリが襲ってくるのは恐怖の一言。最奥部には金色のボスゴキブリ「黄金蟲」が待ち構えている

【バリエーション豊かなモンスター】
前回と比べ、モンスターの種類が増えたことも好感した。ホドミメス地域でもモンスターの種類ごとに出現場所を固定させることで、マップの中のロケーションの雰囲気を高めるのに成功している


■ インターフェイスを刷新。「人間トーテムポール」が可能に

NPCの上に乗ったキャラクタにさらにもう1段キャラクタが乗り、人梯子としてモニュメントの上に人を乗せている。思わず笑ってしまう光景だが、ゲームの仕様である
最終日のフィールドはPvPモードで進行された。第1次Cβテストでは剣士だったが、今回は「シーフ」に転職。対人戦に有効な攻撃スキルが「ダブルアタック」しかなく、剣士やエンチャンターにまったく勝てなかった
 第1次Cβテストからの大きな変化としては、インターフェイスが挙げられる。システムそのものには変更はなく、メニューやコマンドがフレームに固定され参照しやすくなったといったビジュアル的な変化だ。また、選択したターゲットの顔の表情や、パーティーメンバーのキャラクタのリアルタイムの表情がHPバーの脇に表示されるようになり、画面外で何をしているかがわかるようになった

 また、今回からキャラクタやNPCが当たり判定をもったオブジェクトとして認識されるようになった。ジャンプをすると他のキャラクタやモンスターの上に飛び乗ることができ、さらにその上の高い場所へ移動できたり、人を乗せたりすることができるなど、様々な表現の可能性が広がった。

 例えば、プロンテラの中心にある騎士のモニュメントの傍で、キャラクタ2人でトーテムポールを作ることにより次々に他のユーザーが銅像の上に飛び乗っていったり、多数の敵に襲われ逃げていくと、モンスターが折り重なるようにして追いかけてきたりと、面白い演出に一役買っているのだ。

 一方で、街にいるNPC付近など人が混雑するところでは、文字通り大渋滞を引き起こす原因となっている。何列も人がいてNPCがクリックできないため、前の方に押し合いへし合いになるのだが、前後左右に人がいて不幸にも自分の上に人が来てしまうと完全にハマり状態になってしまう。この状態から脱出するためには、セーブ地点までワープするスキルを使うしかない。このあたりはもう少しスマートな解決策を見いだしてほしいところだ。

 今回の変更により、4、5人がかりではしごを作り、1人が頂上で眠っているモンスターを叩き、下に降りてきたところを全員で戦うといったパーティープレイを全面に押し出したプレイスタイルも可能になる。今後のβテスト等のスケジュールはまだ発表されていないが、ノーマン以外の種族の追加も含め、「RO2」の正式公開が一層楽しみになってしまったテストであった。

【モンスターパレード】
最終日に行なわれた「モンスターパレード」。街に様々な敵が湧く。今回機械型のカニ「バドン-Z」が登場した

【ちょっと気づいたこと】
テスト期間を通じマップ読み込み後ユーザーのキャラクタがうまく表示されないことが多かった。影のあるところにキャラクタがおり、時間が立つと少しずつ表示されるのだが、すべてのキャラクタが完全に表示しきれていたことはなく、表示しかけのキャラクタがちょろちょろ見えることで世界観を崩す原因になっている。最終日には影すらも表示されなかったため、まさしく見えない壁となった 今回のクローズドβテストから、韓国ゲーム物等級委員会のレーティングが表示されるようになった。「RO2」は「12歳以上利用可」。煽情性、恐怖、犯罪、射幸性といった項目のうち、「RO2」は「暴力性」に★印が1つ。「暴力を主題にするが表現が軽微な場合」とされている ミッドガッツ島とホドミメスは船で結ばれている。一気にワープできるわけではないため、乗船中の数分間をじれったいと話す韓国のユーザーもいた。移動が楽しくなるほどの新世界をGravityはどのように演出してくれるのだろうか。楽しみである

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□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□「ラグナロクオンライン II」のホームページ
http://www.ragnarok2.co.kr/
□関連情報
【1月10日】「ラグナロクオンライン II」韓国第1次Cβテストレポート(後編) 多様なジョブスキルを絡めた新感覚コンボバトルに要注目
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070110/ro2beta2.htm
【1月9日】「ラグナロクオンライン II」韓国第1次Cβテストレポート(前編)
菅野よう子サウンドが誘う新生「ラグナロク」ワールド
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070109/ro2beta1.htm
【2006年12月25日】Gravity、「ラグナロクオンラインII」のβテストを韓国にて12月27日より開始
武器育成システム、クエスト、職業など最新情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060814/gr_ro2.htm
【2006年8月14日】「RO II」プロデューサー パク・ヨンウー氏インタビュー
前作の魅力と反省を活かした新感覚3DMMORPGに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060814/gr_ro2.htm
【2006年8月13日】Gravity、「ラグナロクオンライン II」の最新バージョンを公開
一新されたモーション、FPS風の操作体系など新要素多数
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060813/grav_ro2.htm
【2006年8月12日】韓国Gravity、「Gravity Festival 2006」をソウルにて開催
「ラグナロクオンラインII」を本格始動、日本はガンホーが獲得
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060812/grav_01.htm

(2007年3月1日)

[Reported by 三浦尋一]



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