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会場:六本木ヴェルファーレ
明らかにされたサービススケジュールは、本日15時より募集を開始したテクニカルテストを5月下旬より開催し、今夏にオープンβテスト、今秋に正式サービスをそれぞれ開始予定。パッケージの価格や課金体系については、テクニカルテストをふまえて改めて発表する方針としている。 テクニカルテストの募集規模は2万人。既存YBB会員が1万人、YBB会員以外が1万人。YBB会員以外の応募は、YBBへの新規契約が前提となっており、100%YBB会員によるテストとなる。応募は本日3月9日から3月31日までとなっている。
■ 世界初尽くしのMMOアクション「真・三國無双BB」
ソフトバンクグループからは、前回出席したグループ代表の孫正義氏ではなく、孫氏の弟である孫泰蔵氏が出席。コーエーからは、取締役会長の襟川恵子氏、代表取締役社長小松清志氏、「真・三國無双BB」プロデューサーの松原健二氏、ディレクターの藤重和博氏、イレブンアップからは代表取締役社長の片山崇氏が出席。また、客席にも、韓国や台湾におけるコーエーのパートナーメーカーの幹部も出席するなど、前回の発表会に引き続き豪華な顔ぶれが揃った。 運営を担当するイレブンアップの片山氏は、「真・三國無双BB」のサービス開始に当たり、「新しいゲームデザイン、新しいビジネスモデル、新しいネットインフラ、新しいネットカフェ展開、新しいオンラインゲーム運営の5つのチャレンジに挑戦する」と抱負を述べた。 各トップの挨拶の中で印象的だったのは、「真・三國無双BB」の海外展開と他ISPへの開放に対する温度差の違い。国内ビジネスが中心のソフトバンクグループがこの件について静観するのは当然としても、襟川氏はグローバル展開、他ISP展開に共に意欲的であり、松原氏も同様に達成可能な努力目標として掲げているのに対し、小松氏は冒頭の挨拶で「日本国外、YBB以外ではプレイできません」と断言したのには驚かされた。小松氏の発言は、同作がいかに高度なネットワーク技術の積み上げによって実現したプロジェクトであるかを強調したいがための勇み足的な側面も伺えるが、当面の内は額面通り、日本国内独占、YBB独占のコンテンツと見ておいて良さそうだ。
さて、制作発表会当時とは、一部社名等が変わっているので、「真・三國無双BB」プロジェクトの仕切りについて改めて紹介しておくと、コーエーが企画開発を担当し、ソフトバンクBBがネットワークインフラを独占提供、そしてイレブンアップ(旧ビービーサーブ、現MOVIDA傘下のオンラインゲーム運営会社)が運営を担当する。データセンターは2006年2月からオンラインゲーム向けの支援プログラムを導入し、オンラインゲーム分野での利用促進を図っているソフトバンクIDCを利用。コーエー以外は、すべてソフトバンクグループで固められたプロジェクトである。
■ ゲームパッドでほとんどの操作をカバーする簡単、手軽なインターフェイス
松原氏は「真・三國無双BB」をMMOの世界観と、「無双」シリーズの一騎当千の爽快感を組み合わせた“世界初のMMOアクション”と規定。ユーザーは三国志世界の住人として劉備や曹操といった三国志を代表する武将に仕え、様々な名将や他のユーザーと共に天下統一を目指して戦いを繰り広げ、結果として独自の「三国志」を編んでいく。 松原氏の紹介は、基本的に2004年の発表会と同じで、同作の先進性のアピールに留まり、ゲームの展開、キャラクタ育成要素、コミュニティ機能などの具体的なゲームデザインについては明らかにされず、少々食い足りなかった。ひとつだけ目新しいと感じられたのは、ゲームプレイの簡単さ、手軽さを強調していたことだろうか。同作では既存のコンシューマ版と同様に、ゲームパッドでのプレイが想定されており、直感的なアナログ操作と、4つのボタンで、爽快なバトルを堪能することができる。 その後に行なわれた実機によるデモでは、ディレクターの藤重氏が司会進行役を務めながら、8台のデモ機を使った4対4のオンライン対戦が行なわれた。藤重氏は冒頭で、「『無双』シリーズは、ひとりでも十分に楽しめるゲームですが、みんなで一緒にプレイしたら、どれだけおもしろいんだろう、どれだけ爽快なんだろうというところを突き詰めてみたいと思った」と開発コンセプトを披露。 設定は、曹操軍が劉備軍の都市に侵攻し、その中間の野外エリアで戦闘が発生したというもの。ズラリと並べられた8台の液晶モニタには、中央に「官渡の戦い」のマップが表示され、右側に参加者リストが並ぶロビー画面が映し出されている。操作はコーエーのスタッフが担当し、手元にはゲーム専用機準拠の2軸12ボタンのゲームパッドのみを持っている。 いざゲームがスタートすると、まさに「無双」シリーズの画面そのままが映し出される。奥には無数の兵士がおり、敵味方入り乱れて戦う展開となる。敵味方は、頭の上に表示されるカラーバーの色で見分ける。青が味方、赤が敵、そして黄色が一騎当千の爽快感を演出するための中立扱いの雑兵となる。 ちなみに、これら雑兵NPCは、MMORPGのモンスターのように、クライアント側ではなくサーバー管理となっている。これにより、雑兵に対するアクションに関する情報が全ユーザーに共有されるわけだが、これを毎秒60フレームでレンダリングされる世界の中で実現しているのが、目に見える形での同作の凄さである。藤重氏によれば、この見事なリアルタイム性を実現したことによって、相手の動きを見て反応を変えたり、相手の攻撃をガードしたりといったリアルタイムバトルが可能になっているという。 インターフェイスは、キャラ操作にはアナログスティックを用い、通常攻撃、チャージ攻撃、無双乱舞に割り当てられた3つのボタンだけで基本操作が行なえる。仲間同士の意志の疎通は「かけ声システム」を利用する。これはあらかじめ設定されたボイス+テキストメッセージをファンクションキーに割当てておき、ワンキーで呼び出して使うもので、救援依頼や行動の開始など、基本的な情報の交換が可能になる。ファンクションキーの割当を、どうボタンに割り当てるのかは不明だが、ゲーム性に即した便利な機能だ。キーボードを使ったチャットにも対応しているが、ゲームパッドで基本操作をすべてカバーするというこだわりは、大きく評価できるところだ。 デモプレイは5分ほどで終了し、侵攻側の曹操軍の勝利で幕を閉じた。ただ、現時点では、この戦いによって発生する世界の変化、プレーヤー側の変化、そもそもの戦闘ルール、目標、勝利条件、報酬など、わからないことだらけといっていい。 今回のデモプレイから予測できる「真・三國無双BB」のゲームデザインは、MMO+MOで、中国全土に点在する街はMMOのシステムを採用するが、リアルタイムバトルを展開する野外シーンはMOになりそうである。1サーバー当たりのキャパシティは「4,000~5,000人」(襟川氏)で、数千人規模のユーザーが3国にそれぞれ割拠し、前線の街を拠点にしながら、中原制覇を狙うというスタイルになりそうだ。 未知数なのはMOの人数が何人になるのかという部分である。松原氏が示したスライドによれば、「1,000人の一騎当千が歴史を創る」とのことだが、1エリアに1,000人が同時に戦闘を行なうのは物理的に不可能である。しかし、今回デモで示した8人対戦が上限なら「MMOアクション」とはとても言えない。
このため、おそらく広大なバトルフィールドを複数のフィールドに分け、1フィールド当たりの人数上限を設けるような仕様になるのではないだろうか。こうすることで、「真・三國無双BB」の至上命題であるリアルタイム性とハイパフォーマンスを実現しつつ、1野戦当たり1,000人規模の同時参加を実現できる。いずれにしても5月下旬のテクニカルテストで多くの情報が明らかになるが、その前に一度詳しい話を伺ってみたいところだ。
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□コーエーのホームページ (2005年3月9日) [Reported by 中村聖司]
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