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コーエー、「真・三國無双 BB(仮称)」を正式発表
Yahoo! BB独占配信のMMOアクション

9月13日発表

会場:ホテルオークラ

 株式会社コーエー、ソフトバンクBB株式会社、ビー・ビー・サーブ株式会社の3社は本日都内のホテルで記者発表会を開催し、「真・三國無双」シリーズのオンライン版「真・三國無双 BB(しんさんごくむそうびーびー、仮称)」を、ソフトバンクBBが提供するYahoo! BBにて独占配信すると発表した。発売プラットフォームはWindowsのみで、正式サービス開始時期は2006年春とし、その他の製品仕様についてはすべて未定となっている。

左から順にコーエー代表取締役社長小松清志氏、ソフトバンクグループ代表孫正義氏、コーエー代表取締役会長襟川恵子氏、ビー・ビー・サーブ代表取締役社長 孫泰蔵氏、「真・三國無双 BB」プロデューサー松原健二氏
ソフトバンクグループ代表孫正義氏。孫氏がゲーム系の発表会に出席するケースは極めて珍しい
今回の業務提携スキーム。コーエーは開発と運営、ソフトバンクは販売、配信、課金決済を担当
「真・三國無双 BB」の素材はタイトルロゴのみだった。会場ではシリーズ最新作「真・三國無双 3」の映像が流された。オンラインでこのクオリティで動くかどうか、成功の鍵はそこだろう
 今回の会見に関しては、発表する内容そのものが伏せられており、報道向けの案内状にも「業務提携に関する発表」とだけ記されていた。このことから、コーエーのゲームポータル「GAMECITY」の委託提携、ゲーム流通の提携、ゲーム出版部門の提携と、さまざまなプランが予想されたが、いざふたを開けてみると、「真・三國無双 BB」という完全新作のオンラインゲーム運営に関する包括的な業務提携だった。

 記者会見場には、コーエーからは代表取締役会長の襟川恵子氏、代表取締役社長の小松清志氏、オンラインゲーム事業担当の執行役員 松原健二氏、ソフトバンクグループからは、グループ代表の孫正義氏、ビー・ビー・サーブ代表取締役社長 孫泰蔵氏という各社のトップが勢揃いした。各氏は代わる代わる壇上に上がり、今回の業務提携に関する抱負や提携内容などを語った。

 最初に壇上に上がった襟川会長は、冒頭から孫正義氏に対する昔ながらの愛称である「孫ちゃん」を連発。今回の業務提携は最近になって決まったものではなく、両社の20数年来のつきあいの中から誕生したビッグプロジェクトであることを報告した。

 続いて壇上に上がった孫代表は「世界初のオンラインアクションゲームをソフトバンクグループが独占的に配信することになりました」と自信満々に報告。この自信に裏付けされているのは、Yahoo! BBの高速ネットワークインフラの存在。孫氏によれば、Yahoo! BBは、オンラインアクションゲームに必要とされている50msのレーテンシを確保できる唯一のISPであり、「真・三國無双」シリーズの持ち味である“爽快感”をオンライン上で存分に活かすことができるという。

 つまり、「真・三國無双 BB」は、Yahoo! BBでのみ実現可能なオンラインコンテンツということになる。これを裏付けるデータ等は開示されなかったが、いずれにしても、オンラインに向いた有料コンテンツを持つコーエーと、豊富なキャッシュフローと高速回線を擁する両社の利益が合致したことによる業務提携といえそうだ。

 さて、「真・三國無双 BB」の概要説明は松原氏が行なった。松原氏は、今回の提携について「キャリア(Yahoo! BB)とコンテンツメーカー(コーエー)が開発の段階からタッグを組んだ初のケース」と紹介。

 ゲームの説明については、オフライン環境でのシングルプレイから、1,000人規模の大規模戦闘までをカバーしたオンラインアクションゲームとし、具体的な仕様については「これから詰めていく段階」であることを明らかにした。

 基本的なゲームの流れは、まずは自分の分身となるキャラクタを作成する。人々の出会いや交流は「都市」にて行なわれ、そこから少人数(ソロ~数人)、多人数(数十~数百)、大人数(1,000人規模)といった複数の規模の戦闘に参加していくという流れになる。

 武技は剣、槍、棍棒、斧といった複数のバリエーションが用意され、クエストをクリアすることによりアイテムを鍛えたり、新たな能力を身につけたりすることができるという。要するに現時点では「真・三國無双」をオンライン化したらこうなるだろうという想像の範囲内の情報しか明らかにされなかった。

 レベル制かスキル制か、MMOなのか実はMOなのかといった基本システムすら不明ではどうしようもないが、プレーヤーは有名武将の配下として活躍し、戦功を挙げて出世し、「エンターテイナーGM」と呼ばれるアクターによる多彩なイベントを実施といった基本コンセプトを見る限りでは、MMOタイプのアクションRPGと見てよさそうだ。

 質疑応答では、主にアナリストや投資関係者からの質問が相次いだが、初年度(2006年)目標会員数は30万人で売り上げは40億、投資金額は開発費だけで10億以上、その他インフラ整備や人件費等が掛かるとした。

 締めの挨拶を行なったコーエー小松社長は、「アジアではコピー問題があるが、そのひとつの答えがオンラインゲーム」であるとし、「真・三國無双」については「以前からオンライン化したかったが、技術的な問題でできなかった。今回の業務提携により解決の目処がついたためオンライン化を決意した」と報告。

 最後に「今回の業務提携により、インフラ(Yahoo! BB)、サービス(ビー・ビー・サーブ)、コンテンツ(コーエー)で最高のクオリティのものが揃った。これで失敗したら言い訳できない」とコメント。コーエーとしても背水の陣で望む覚悟であることを明らかにした。

 繰り返すが、「真・三國無双 BB」の発売時期は2006年春を予定。発売プラットフォームはWindowsのみで、ソフトバンクグループによる独占供給となる。クライアントは、パッケージ販売される見込みだが、プレイにはYahoo! BBの会員であることが条件となる。現状ではβテストや料金設定はおろか、ゲーム内容まで不透明だが、今後の展開をじっくり見守っていきたいところだ。

「真・三國無双 BB」の概要を紹介したスライド。掲載画面はすべて仮のもの。オンラインならではという要素はまだ見えてこない。発売は2年先のため、基本仕様はずいぶん変わりそうだ。

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□ソフトバンクグループのページ
http://www.softbank.co.jp/

(2004年9月13日)

[Reported by 中村聖司]


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