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「FFXIV」ファンフェス初日終了後に吉田氏がプレスの質問に回答

「イシュガルド復興」や「フェイス」など「漆黒のヴィランズ」の追加情報をお届け

11月16日 開催(現地時間)

スクウェア・エニックス代表取締役社長の松田洋祐氏
「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏

 11月16日・17日に米・ラスベガスで開催されている「ファイナルファンタジーXIV」のオフラインイベント「ファンフェスティバル2018 in Las Vegas」で、「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張パック「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ(英語名:SHADOWBRINGERS、以下、漆黒のヴィランズ)」が発表された。

 1日目の終了後にメディアを対象にしたプレスカンファレンスが開催されたので、その詳細をお届けしたい。カンファレンスは、初日のピアノコンサートが終了した後、世界中から集まった100人近いメディアを対象に行なわれた。今回は欧米のメディアが優先ということで、それぞれ自国の事情が入り混じった質問が飛び交った。

 最初に代表取締役の松田洋祐氏が改めてメディアに「大きな発表もできて、集まってくださったファンやTwitchの配信を見てくださったファンに楽しんでいただけたことは、スクウェア・エニックスとしてなによりのよろこびです」と挨拶した。

 その後松田氏が紹介する形で、吉田氏が登壇。「『FFXIV』も5年目を迎え、全世界で1,400万人に遊んでもらうゲームに成長しました。次回の拡張である『漆黒のヴィランズ』はこの勢いを守るためのタイトルではなく、さらに攻めの姿勢で挑戦を続けて、より多くの人に『FFXIV』をプレイしていただくための拡張パックであると理解していただけると幸いです」と発表した拡張パックへの抱負を述べた。

 プレスカンファレンスは質問のあるメディアが手を挙げて、吉田氏がそれに答えるという一問一答式で行なわれた。

――何千人ものファンと共に大きなイベントを開催されていますが、そもそもファンフェスをやりたいと思ったきっかけを教えてください。

吉田氏: 今回のファンフェスは3回目のワールドツアーになります。そもそもMMORPGのファンとして「エバークエスト」や「FFXI」のファンフェスやBlizzConを見て、1つのタイトルのコミュニティの皆さんとファンフェスがやれるのは成功の証だと考えていました。ただ僕が8年前に「FFXIV」を引き継いだ時には、ファンフェスをやりたいと口に出そうものなら笑われる状態でした。だからこそ、一緒に立て直してくれたファンに、ワールドツアーとしてファンフェスをやれるようになったと伝えてあげたかったんです。僕の中で目標の1つがファンフェスだったんです。

 「FFXIV」を運営し続けることも、ファンフェスを続けていくことも当然儲かっていなければできないことではあるので、プレーヤーの皆さんに楽しんでもらったうえでちゃんとお金を稼いで、それをまたプレーヤーの皆さんに還元していく。ファンフェスには当然大きな発表も付けて、プレーヤーの皆さんに楽しんでもらって一層ゲームを盛り上げていくのが今の目標です。

 この規模でファンフェスを開催するには大変大きなお金がかかります。幸いにも、ブルーメイジの格好で登場していただけるくらい、非常に理解がある社長に恵まれています。これからも会社のサポートを受けつつ、できるだけ長くプレーヤーの皆さんと楽しんでいけるファンフェスを続けていければと思っています。

6,000人近い参加者で賑わった初日のファンフェス

――過去のファンフェスでは、例えばクルザスやアラミゴなど新リージョンという形で発表されていましたが、今回はニューエリアという表現を使われていました。これは意図的なものですか?

吉田氏: とても鋭い質問ですね。光の戦士が――これからは闇の戦士と呼ばれるようになっていきますが、どこへ向かっていくのか。どういう地域で冒険をするのかは、まだ具体的な地名をお知らせするタイミングではないと考えています。ですので、今回の発表ではそこを意図的に伏せた形になっています。

 これは「FFXIV」がMMORPGでありながら、ストーリーラインにとても力を入れているゲームだからです。パッチ4.5でどんな運命が待ち受けているか語らないことが、プレーヤーの皆さんのためだと思っています。今、世界中で予想が始まっているので、それに参加して盛り上がって欲しいと思っています。

――基調講演の中でTPとMPを一緒にするという発表がありました。かなり大掛かりな変化になるのではいかと思いますが、どのような変更になるのか教えてください。

吉田氏: MMORPGは管理する要素がとても多いゲームです。バトルに関して言うと、DOTだったり、MPやTPのリソースの管理やリキャスト時間など。そこに新しいリソース管理を足すのは開発チームとしてはとても大変ですが、今使っているものをなくすのは実はエンジニアリングとしてはそこまで大きな作業コストではないのです。もちろんバランスは全て取り直しになりますし、ユーザーインターフェイスは作り直しになるので、UIチームは大変です。この話を聞いた時頭を抱えていました。

――青魔道士について現時点で話せることを教えてください。リミテッドジョブというカテゴリの意味や、どういうものなのか。コンテンツファインダーには参加できるのか、ソロプレイ専用なのかなどを教えてください。

吉田氏: それらは明日のPLLですべて説明する予定です。今はご容赦ください。

【青魔道士】
「FFXIV」初のリミテッドジョブとして実装される

――フェイスのシステムに関してもう少し詳しく教えてください。シングルプレーヤーで遊べてしまうのですか?

吉田氏: フェイスはMMORPGとしての挑戦だと思っています。僕もMMORPGプレーヤーなので、MMORPGの最もいいところはたくさんのプレーヤーと遊ぶところだと思っています。ただその一方で、スタンドアロンのゲームとして育ってきた「FF」だからこそ、マルチプレイだからプレイしたくない、マルチプレイでシナリオを進めるのが大変だと思っているプレーヤーさんがいることも知っています。だから今回新しいチャレンジとして、「漆黒のヴィランズ」のメインストーリーに関しては、NPCと一緒に戦うことでソロでも進めることができるという選択肢を作るということが、フェイスというシステムのコンセプトになっています。

 ただコンテンツが難しくなっていくと当然NPCではクリアできないですし、NPCは連れていけないです。NPCと一緒に遊ぶことでMMORPGの基礎を学んでもらったうえで、他の人と遊んでもらうことで今回のシステムが生きてくるのではないかと思います。MMORPGであることを忘れるためのシステムではないので、安心してください。

【フェイス】
おなじみのNPCたちを引き連れてソロでダンジョンに潜れる

――現在の高難易度レイドではジョブの組み合わせがパターン化していて、敬遠されているジョブもあります。新ジョブを追加すると、さらに敬遠されるジョブが増えるのではないかと思いますが、どう考えますか?

吉田氏: 「次元の狭間オメガ零式:アルファ編」に関しては、そういったジョブはほぼ存在していないという認識です。バランスは取り続ける以外に解決策がないと思います。すべてのMMORPGが抱えている根本的な問題というか、宿命だと思っているので。

 「漆黒のヴィランズ」でもバランスを取るという事にもう一段フォーカスしようと思っています。ジョブバランスをとるためのメカニクスをいくつか変えようと思っていますが、まだお話できる段階ではありません。ローンチが迫ってくると、各ジョブがどう変わるか、どうバランスを取るかをお話できるようになると思いますので、もう少しお待ちください。

――PvPやザ・フィーストの今後について、ローンチしてからの展開などを教えてください。

吉田氏: 明日、北米のリージョンチャンピオンシップがあります。今大きなアップデートを入れると選手が混乱するので、ザ・フィーストに関しては「The FEAST リージョンチャンピオンシップ2018」に集中しています。これが「漆黒のヴィランズ」までの目標になっています。ただ、PvPコンテンツという意味では明日の「プロデューサーレターLIVE(PLL)」で1つ発表することがありますので、ぜひ明日のPLLをご覧ください。

――「漆黒のヴィランズ」でのギャザラー&クラフター関連コンテンツは「イシュガルド復興」だけですか?

吉田氏: 他にも当然新しい要素が追加されますが、その中で最も大きなものが「イシュガルド復興」です。イシュガルドという国はまだ貴族と平民という身分階級が残っている状態です。イシュガルドの復興を通じて、貴族と平民たちがより力を合わせて復興させていくというシナリオと、ギャザラー&クラフターが活躍できる息の長いコンテンツだと思ってください。

 ただエンドコンテンツと言っている以上、中には超高難易度レシピも用意していく予定です。ワールドの中の上位何人かがイシュガルドから称えられる、名誉のようなものを遊びの中に組み込んでいこうと思っています。今までの「FFXIV」にはなかった遊びになると思います。

【イシュガルド復興】
復興をめぐるストーリーを楽しめるギャザラー&クラフター用エンドコンテンツ

――北米と欧州のデータセンターを新しく設立するという発表がありましたが、現在対応していないオセアニア地域などでもデータセンターを立ち上げる計画がありますか?

吉田氏: まったくないわけではありませんが、ただまだ社長にプレゼンをしていないので、これ以上は言えないです(笑)。最初にお話しした通り、これからもチャレンジを続けようと思っています。幸いなことに現状はプレーヤーの数がずっと増え続けています。レイテンシが低い地域から繋いで苦しみながら遊んでくださっているプレーヤーがたくさんいることもわかっています。いい情報があれば真っ先にお知らせしますので、もう少しお待ちいただければと思います。特にその中でもあまりレイテンシが良くないのに数万人のプレーヤーがサポートしてくれているオセアニアは別格として考えています。

――今回32bit Windows OSのサポートを終了するという発表がありました。これはどういう問題があって、その判断をされたのですか?

吉田氏: 32bit Windows OSのサポートを終了するのは、2つの理由からです。1つめは、32bit OSでプレイしている人がもう1.8%しかいないからです。もう1つは、32bit OSが抱えているメモリの問題です。32bit OSでは2GBまでしかサポートできないですが、これはPS4の4分の1しかありません。今後、このメモリがボトルネックになって作れないコンテンツができてしまう可能性があるので、「FFXIV」の体験をさらに引き上げるために今回で終了させていただく決断をしました。

――「FFXIV」はグラフィックスや音楽、デザインなどは非常に洗練されているが、コンテンツのアップデートがパターン化されていて、次もまた蛮神戦とインスタンスダンジョンとという風に想像できてしまいます。拡張パックでそのパターンに変化をつける予定はありますか?

吉田氏: それはよく言われることではあるのですが、このペースでこのクオリティとボリュームを提供するにはある程度パターン化していかないと不可能なんです。でも、だからこそ「ディープダンジョン」や「禁断の地エウレカ」、次回の青魔道士もそうですが、2パッチに1回くらいはパターンを崩す新しいタイプのコンテンツを入れているんです。でもなぜか皆さんそこをカウントしてくれないんです。僕らも変える努力はかなりしているつもりなので、それら新しいコンテンツもカウントしていただけると嬉しいです。最低限のパターンはあるものの、パターンを崩す努力もしているところを見ていただければ、開発チームも頑張りがいがあります。

――パッチ4.5では絶シリーズは実装されないのですか? 期待していたユーザーさんもいると思いますが。

吉田氏: 実は「絶バハムート討滅戦」を作っていた頃には、4.5で3つめの絶を作る計画はあったんです。「絶バハ」をリリースしたタイミングでは「絶アルテマ討滅戦」はもう開発に着手している状態でした。ところが「絶バハ」をクリアしたプレーヤーの声を探ってみると、さすがにこれが半年に1回くるのではとてもやってられないという声が多かったんです。さすがに2パッチに1回絶シリーズをリリースするのは早すぎるのではないかということになり、キャンセルして「漆黒のヴィランズ」以降に延期したんです。それが4.5に絶シリーズがない理由です。

 ただ、高難易度レイドはちょっと麻薬的なところがあるようで、「絶アルテマ」をクリアしたあたりから「どうして4.5にはないんだ」という声が出てきたんです。でももう間に合わない、僕らはコミュニティの声を重視するので、重視した結果だと思ってください。

――今回「モンスターハンター:ワールド」とのコラボがありましたが、今後も4人で行くような高難易度コンテンツを出す予定はありますか?

吉田氏: 可能性はありますが、「5.0」の内容には4人高難易度コンテンツの計画はありません。その後ならやる可能性はあります

――現在サポートされている言語の中に、スペイン語が含まれていませんが、理由はありますか?

吉田氏: 単純にそのためのスタッフがいないからです。スクウェア・エニックスのゲームにスペイン語に対応しているものはもちろんあります。会社の外に高いクオリティで翻訳してくれるコネクションはあるのですが、「FFXIV」の場合はずっとアップデートが続いていくので、常に翻訳してくれる専用のトランスレーションが開発チームの中に必要になります。それに該当するスペシャルスタッフがいないのです。

 ただ世界中のあらゆる人にゲームを楽しんでもらおうというのが松田社長の方針なので、スクウェア・エニックス自体も積極的に対応言語を増やしています、その流れにうまく乗れたらいいなと思っています。