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【FFXIV FAN FES】「第49回FFXIVプロデューサーレターLIVE」詳報

「エウレカ」には「FFXI」伝説のHNM「Absolute Virtue」が登場! 吉P「折れない心が必要になる」

2月2日、3日開催

会場:Grande Halle de La Villette in Paris

プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏、コミュニティチームの室内俊夫氏、ゲストの生江亜由美氏、通訳として参加したマイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏とAimi Tokutake氏

 スクウェア・エニックスは、2月3日パリで開催した「ファイナルファンタジーXIV」のオフラインイベント「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2019 in Paris」の会場から、「第49回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を放送した。今回は「パッチ4.55特集」として、4.55で実装されるコンテンツが紹介された。

 気になる実装日は2月12日。ライバルウイングズの新コンテンツ「ヒドゥンゴージ(機工戦)」と「禁断の地 エウレカ」の最終章「ヒュダトス編」が実装される。メインストーリー完結編が入るパッチ4.56が3月下旬、その後ワールド間テレポの入るパッチ4.57が予定されている。

 また、今回サプライズとして「FFXV」とのコラボが発表された。コラボイベントは4月下旬ごろの実装予定。「FFXV」コラボの発表内容についてはこちらの記事を参照して欲しい。

【FFXVコラボ】
【FFXIV × FFXVコラボレーショントレーラー】
【トレーラースクリーンショット】

「ヒドゥンゴージ(機工戦)」

 ライバルウイングズの新フィールド「ヒドゥンゴージ(機工戦)」は2チームに分かれて、お互いの「コア」を破壊したチームが勝利となる対人戦コンテンツ。基本のルールは「アストラガロス」と同じで、青燐水を集めることで、クルーズチェイサーやプルートジャスティスに搭乗できる。

 「ものすごくおもしろいです!」と吉田氏は太鼓判を押す。今回のマップはプレーヤー同士の小規模なコンタクトが発生しやすいマップやギミックになっており、動きの激しい駆け引きが楽しめるマップとなっている。

 プル―トジャスティスなどのマシンは、出せる数の上限は同じだが壊されてもどんどん出せるようになっているので、マシンを投入しての乱戦を楽しもう。

【あらすじ】

ザナラーンの外れに「隠塞(ヒドゥンゴージ)」と呼ばれる谷がある。かつて、アマジナ鉱山社が大金を投じて開発したものの、不運にも数年で鉱脈が尽き、見捨てられてしまった場所だ。そんな、忘れられた鉱山施設が、冒険者向けに演習場として開放された。鉄の道を境にして睨み合うは、蒼き隼と紅き鴉。今ここに、ふたたび狂乱の縄張り争いが始まる!

【ヒドゥンゴージ(機工戦)】

青燐機関車

 マップの中央を青燐機関車が走っており、衝突すると大ダメージを受けて吹っ飛ばされる。この列車は大量の青燐水を運んでいる。マップ中央の「ステーション」を制圧したチームは、青燐機関車の積み荷を獲得できる。積み荷を獲得すると、ゴブリタンクを味方にできたり青燐水を大量獲得できるなどのボーナスを得ることができる。

 「コア」の破壊に専念しすぎて、ステーションを制圧されてしまうと、その後の展開が不利になるため、別動隊を割く必要がある。ステーションで乱戦している時に列車が突進してくると吹き飛ばされるので、それにも注意が必要だ。

【青燐機関車】

ゴブリン・マーシナリー

 ヒドゥンゴージでは、第三軍としてゴブリン・マーシナリーが出現することがある。周囲のプレーヤーに見境なく攻撃してくるのが、自分に最も多くのダメージを与えた勢力に味方してくれる。このダメージ計算は、相手に殴られたからもうダメということはなく、押し返すこともできる。

【ゴブリン・マーシナリー】
【紹介動画】

「禁断地の地 エウレカ:ヒュダトス編」

 「禁断地の地 エウレカ:ヒュダトス編」はエウレカストーリーの完結編。エレメンタルレベルは60になり、ピューロス編で強化した武器や防具を、さらに強化することが可能になる。新しいロゴスシャードやロゴスアクションも追加される。

【あらすじ】

 灼熱地ピューロス帯での活動を完了させた冒険者たちは、いよいよ魔法障壁に護られたバルデシオン委員会の本部塔へと向かう。しかし、塔がそびえたつバル島の中心地は、異様なまでに強力な水属性の力で満たされていた。
 創神「エウレカ」の謎を解き明かし、すべてに決着をつけるため、今、光の戦士たちは帯水圏「ヒュダトス帯」の調査に挑む!

【禁断地の地 エウレカ:ヒュダトス編】

 今回は吉田氏が実機で新フィードを歩き回って紹介した。ヒュダトス編のテーマは「水」。このエリアでは水の流れが逆になっており、下から上に滝が登っていく。実機デモではデバッグコマンドで青空だったが、普段はこれほど天気が良くはないそうだ。

 水場の多いフィールドの中央には、お城のような「バルデシオンアーセナル」がそびえている。城の四方にある施設は、城と青いビームでつながれている。

【実機デモ】

超高難易度パブリックダンジョン「バルデシオンアーセナル」

 この城の内部は最大56人で突入できる超高難易度コンテンツパブリックダンジョン「バルデシオンアーセナル」になっている。入るには、エウレカのストーリーを最後までクリアしたうえで、トリガーの獲得など厳しい突入条件を満たす必要がある。

 内部には多数の強敵が配置されており、ディープダンジョンのようなトラップも配置されている。会場で紹介されたスライドには「FFXI」では伝説的なハイレベルノートリアスモンスター(HNM)「Absolute Virtue」の姿もあった。ダンジョン内には蘇生制限というデバフがかかっているため、一部の蘇生術が効かなくなっている。さらに全滅すると、経験値ロストしたうえで外に出されてしまうという、これまでになく厳しい条件のダンジョンだ。

 吉田氏曰く、クリアするために重要になるのは「仲間との絆」、「折れない心」、「途方もない時間」、「知恵」、「勇気」、「強さ」そして「運」。入場前には、ゲーム内でも本当に入るのかを問う「はい/いいえ」という選択肢もあるらしい。「本当に挑戦する覚悟のある人たちで挑んでいただきたい」とのことだ。

【バルデシオンアーセナル】
【Absolute Virtue】
「FFXI」から、レベル75時代最強のHNMと言われた通称「AV」も登場

リードキャラクターコンセプトアーティスト生江亜由美氏がプレーヤーからの質問に回答

昨日の開発パネルに続いて生江亜由美氏(中央)がステージに登場した

 PLLの後半には、昨日の開発者パネルでもゲストとして登場したリードキャラクターコンセプトアーティストの生江亜由美氏が再び登場して、寄せられた質問に答えた。

――キャラクターコンセプトアーティストとはどんな仕事ですか?

生江氏: 大きなくくりで言うと、情報からイメージを膨らませて視覚化する仕事だと捉えています。少ない情報から、これはどういうものなのかを提案して、そこから搾り込んで形にしていくのが「FFXIV」開発で言うところのキャラクターコンセプトアーティストの仕事だと思っています。

吉田氏: 僕が一番申し訳ないなと思いがちなセクションではあります。今言ってくれたように、アートチームは開発の初期段階に作業に入ってもらうので、情報量が少ない。手探りの中、たくさんのアイデアを出してくれる。僕らは言葉で言ったり文字で書くだけだけど、絵でそれを提示するから、かける作業量が違う。しかもゼロからものを生み出しているから、それに対して「これ」と決めることは、逆に言うとそれ以外は全部違うと言わなければならないことなのでとても心苦しい。しかし、毎回楽しそうに出してくれるので、非常に心強い。

生江氏: 申し訳ないとは言っていただきましたが、私自身はその段階が案外一番楽しいんです。素敵な資料をたくさん集めるなかで、こんなものが世の中にあったんだという発見もあります。集めた資料を自分の知識と組み合わせて、新しいアレンジをするという作業が、私にとってはもしかするとデザイン工程の中で一番楽しいかもしれません。

――ジョブのコンセプトアートを製作する際、黒魔道士のようなシリーズおなじみのジョブと、占星術士のように「FFXIV」オリジナルのジョブでは、デザイン方法に違いはありますか?

生江氏: 伝統的なジョブは、やはりそのジョブらしさを一番に目指します。例えばナイトなら、暗黒騎士的なダークヒーローというよりはヒロイックな正統派の恰好良さだったり、お行儀の良さだったり、そういう要素をきちんと差別化しながらデザインをくみ上げていく感じです。それに加えて、ナイトと言うと白とブルーと言うイメージがある人が多いと思うので、そこはなるべく押さえて作っています。

吉田氏: 装備の発注では、ジョブ専用装備の難易度が一番高い気がします。僕の発注が「『FF』アイコニックでありながら、過去に作ったジョブ専用装備とは変えてくれ」というひどいオーダーなので(笑)。ただ、もう正統派がかなり出てしまっているので、「5.0」ではジョブによってはガラッと変えてもいいよと言っています。

生江氏: AFも「5.0」で4つめになるので、そういう意味では緩和していただけたのでやりやすさがあります。オリジナルのジョブで言うと、アイコニックであるというところの、そのアイコン自体を作る作業になります。占星術士では、真っ先に月や星などをモチーフにしました。ジョブ専用装備はバストアップの印象が非常に強いので、特にヘッド装備はいくつもバリエーションを出した中から絞り込んでいきますね。

 ここで、「漆黒のヴィランズ」で登場予定の黒魔道士と占星術士のジョブ専用装備が発表された。それぞれに対して両氏がコメントを寄せた。

【黒魔道士「5.0」ジョブ専用装備】

生江氏: 今回初めてここまで男女差を付けています。女性の方は「魔女っ娘」。男性の方は今までは呪術的なイメージから使い込まれたようなものが多かったんですが、スマートなイメージです。私の中のコンセプトだと「大人ハリーポッター」というイメージです。

吉田氏: 黒魔道士に関してはメインジョブでもあるのですごくデザインにうるさいんです。ただ「紅蓮のリベレーター」でのビビをイメージしたジョブ専用装備でだいたいデザインとしては完成したかなと思っているので、今回は思い切って冒険してもいいよといったジョブでもあります。

【占星術士「5.0」ジョブ専用装備】

生江氏: この装備は皆さんの反応が気になるところではあったので、気に入っていただいた方から拍手をもらえて、とても嬉しいです。でも、少しだけ残念な情報です。占星術士の装備は今までは男女差が結構あったんですが、今回はほぼ同じです。昨日お話ししたような全体の開発コストとの関係で、どうしても全部にはいきわたらない部分があるので。

吉田氏: 最新バージョンのトレーラーでウリエンジェが着ていた装備はこれのカスタムなんだよね?

生江氏: そうです。早めにウリエンジェコスが占星の方はできるかな?

――装備のデザインをするうえで、MMORPGならではの制約があれば教えてください。染色部位の選択や、マント装備をどうやって実装したのかも気になります。

生江氏: シングルプレイに比べるとプレーヤーの表示数が圧倒的に多いため、MMORPGのデザインには、恐ろしいほど制約があります。その厳しい制約の中でいかにリッチに見せるかが、デザイナーとしては頑張るところかなと思っています。染色できる部位については制約が多いゆえに2Dチームで指定するのではなく、3Dチームが作ったうえでその染色部位を設定しています。

吉田氏: アートで描いた時に、ここの色を変えられるようにしてくださいと言ったとしても、ゲーム内のライト環境で実際に見てみると、ここを変えるのはどうなんだろうということになることもあり、3Dチームがゲーム内に実装してゲーム内環境で観ながらどこを変えるかを決定しています。ただ全装備チェックを僕がやっていますが、最後の最後に染色できる部位を真逆にひっくり返すこともあります。最後の最後まで調整しているところではあります。

生江氏: マントは、イルベルトというNPCが白い仮面をつけている姿のデザインを私が担当したのですが、あれが初めてのマントを付けたNPCです。「FFXIV」ではマント専用のボーンがないので、3Dチームからは絶対にやらないでと言われていましたが、スカートのボーンでそれらしく動かせないかという交渉をしました。人によってはマントの動きが硬くていやだという方もいるかもしれないです。確かに理想のひらひら感は出ていないのですが、MMORPGにとって多様性は大切なので、チャレンジしようということでイルベルトのマントを作ったんです。完成したものを見たら案外これはナイトAFに使えるのではないかと思って。キャラ班の御許しを頂いて、ブルーのマントのナイトAFをデザインさせていただきました。

吉田氏: プレーヤーがスカート装備を履いていない時でも見えないボーンが存在しているので、そこにマントをくっつけてなんとなく揺れているように見せています。ものすごく大変なコストをかけてやっているので、気軽にマントが欲しいと言わないようにしてください(笑)。

――生江さんと言えば「FFXI」でも装備デザインを担当されていたと思いますが、「FFXI」と「FFXIV」で共通しているところや違いがあれば教えてください。

生江氏: どちらもMMORPGなので制約が厳しいというところに変わりはないのですが、「FFXIV」の方が新しい技術で作っているので、「FFXI」よりはかなり表現の幅が広がっています。チームの中の製作工程自体も違っています。「FFXIV」の方は、単純なカラーチェンジ以外のありとあらゆるデザインはアートチームで制作しているんですが、「FFXI」に関しては、新しいモデル自体を作るデザインに関してだけ、私の方で担当していました。

吉田氏: 「FFXIV」チームの場合、まず2Dキャラクターコンセプトデザイナーがデザインを作ります。それを基に、モデリングチームの1人がモデリングとテクスチャの作業を担当しています。「FFXI」ではモデリングをする人と、テクスチャを張り付ける人が別に存在しています。「FFXI」の時代には、モデルをたくさん作れるわけではなかったので、テクスチャを増やすことで装備のバリエーションを増やしていました。

生江氏: 私自身その当時に配属されたのが、まだまだひよっこの時代なのでそこまで関われなかったです。

吉田氏: 「FFXI」のジョブ専用装備で担当したものは何がある?

生江氏: 昨日の開発パネルでも紹介した、青魔道士、コルセア、からくし士、踊り子、学者です。

吉田氏: それらをデザインして割とすぐ「FFXIV」に移ってしまうことになったんだよね?

生江氏: 「FFXI」配属されてすぐの頃には、もう「FFXIV」が立ち上げに入っていて、かなり早い時期から兼務でやっていたので、「FFXI」では新規モデルの立ち上げにしか関わっていないんです。

吉田氏: 柄変えというテクスチャーチェンジまではあまり関わってないってことだよね。

生江氏: そうです。私のデザインではないということです。ゴリアード装備というものを私が担当したと熱心に誤情報を流している方がいるので、今度そういう方を見かけたら、「違うんだよ」と優しく言ってください。

――ミラプリでおしゃれを楽しむことが「FFXIV」で一番の楽しみですが、生江さんのおすすめのコーディネートがあれば教えてください。

生江氏: 私のおすすめというよりは、ユーザーさんたちの楽しみ方が成熟しているというか、ものすごく上手いと言う方が何人もいらっしゃいます。そういう方のブログなどを見つける度にブックマークを増やして、今は15件くらい更新頻度がものすごく早いユーザーさんのSNSがあります。朝出社するとすぐに巡回しています。そういうところからもインスピレーションを頂いて、勉強させていただいています。

吉田氏: 朝10時くらいにスクウェア・エニックスというドメインからアクセスがあったら、生江さんが見ている可能性が高いってことだね。

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