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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) 「TABULA RASA」は北米では11月2日より正式サービスを開始している。本作は日本でのサービスも決定している。アメリカでは月額課金制となっているが、日本でのサービススケジュール、課金方法などはまだ未定だ。 現在の所、本作は韓国でのサービスはまだ未定で、今回のG★2007では映像出展のみだった。韓国でのサービスの前に日本でサービスが決定するというのはNCSoftのタイトルとしては異例のことだと言えるだろう。今回は発表会と共に、その後にさらにゲームの詳細をンタビューによって補足することができた。本稿では2つの内容を合わせた形で、本作の特徴を紹介したい。
■ ついに発売された「TABULA RASA」。エイリアンとの過酷な戦いを描くアクション性と戦略性を持ったMMORPG
「ウルティマ」シリーズを生み出し、「ウルティマオンライン」によってMMORPGという全く新しいゲームジャンルを開拓したGarriott氏がどのようなゲームを生み出すか、多くの人が注目し、寄せられる期待が大きかっただけに、迷走していたようだった。その作品が11月2日、ついに北米で発売された。 完成した「TABULA RASA」はエイリアンと極限の戦いを続ける人々を描くMMORPGとなった。地球に住む人々はある日突然圧倒的な先進技術を持つ宇宙人「ベイン」の侵略を受ける。地球の人々の多くは倒れたが、生き残った人々はベインと対立していた「エロウ」と呼ばれる種族の技術と人類の中に眠っていた“エロウを受け継ぐ力”を発見する。 その技術と力により人々は他の惑星に繋がる“ワームホール”を見つけ出し、他の異星人が住むいくつかの惑星に逃れることに成功する。新たな世界で地球の人々は異星人達と手を取り合ってベインと戦うことになる。地球の持っていた技術と、異星人達の技術、そして人類の中に眠るエロウの力を駆使し、人類の歴史を継続するために戦い続けなくてはならない。 ゲームは後ろからキャラクタを見る3人称視点で、キャラクタをリアルタイムで操作し、照準を合わせて敵を撃ち、敵の弾を避けるというアクション要素の強いMMORPGとなっている。Wで前進、AとDで左右に、Sで後ろに移動。左クリックで通常攻撃を行ない、右クリックでアビリティを使用する。 「TABULA RASA」はキャラクタと敵との駆け引きに大きな魅力があるという。敵キャラクタは明確な戦略目的と、目標を持って現われる。敵の目標はフィールド上に存在する「コントロールポイント」を奪取することだ。このコントロールポイントはプレーヤー側が支配している場合、他の場所へのテレポートゲート、治療するための病院、武器や弾薬を買うための焦点などが機能している。プレーヤーはフィールド上でベイン側とコントロールポイントを奪い合うことになる。 発表会で行なわれたデモプレイではコントロールポイントを出た瞬間に敵が続々とコントロールポイントに進軍してくる最前線のまっただ中で、プレーヤーはNPCが必死で防戦している中を、武器を連射しながら敵を押し戻した。アビリティは空中に模様を描くと立体スクリーンのような映像が浮かび上がり、そこから光がのびて敵へ大きなダメージを与えていた。 戦場では様々な方向から攻撃が飛んでくる。プレーヤーは有利に戦うためには障害物を使うなど有利なポジションを探さなくてはいけないという。他のMMORPGのような、モンスターがただ立っている場所につっこんでいくような「狩り」の感じを打破したかったとGarriott氏は語る。 もう1つの特徴が「ストーリー性」である。Garriott氏は「リネージュII」や「ギルドウォーズ」などのNCSoftの様々な作品でアドバイスをしながら、オンラインゲームでストーリーを語る手法を模索してきた。「TABULA RASA」は特にここに注力したという。敵エイリアンと全体的なフィールドを奪い合う勢力戦の他、MOで挑戦できるミッションがあり、ここではストーリーの濃い物語が体験できる。
このミッションではプレーヤーは様々な状況で「選択」を迫られる。デモプレイではある人物を生け贄に捧げることで新たなパワーを獲得するかどうかを問われる。そのパワーは戦いを有利にしてくれるが、その人は犠牲になってしまう。どうすればいいか? この他ストーリー要素としてはエロウが残した「ロゴストーン」がストーリーに重要な要素を果たす。ロゴストーンに封じられたシンボルを組み合わせることでプレーヤーキャラクタは様々な能力を獲得していくという。
■ クラス制となった「TABULA RASA」のキャラクタシステム。やりこみ要素でキャラクタは更に個性を獲得
現在「生産システム」も入っているが、以前発表したハウジングシステムは現在は導入されていない。現在作ることができるのは武器や防具が中心だ。生産に必要な材料はフィールドで採取するだけでなく既存のアイテムを分解しても入手できる。武器や防具を強化できるアイテムも存在する。 PvP要素も実装されており、1vs1、パーティvsパーティ、クランvsクランの仕様はすでに実装されている。現在は一般フィールドを舞台に、片方が挑戦をして、もう片方が応えることで開始されるようになっている。今後は専用の対戦フィールドやクラン同士でコントロールポイントを奪い合うようなルールを追加していく予定だという。 ストーリー要素を強めているのは昨今のMMORPGで見られる要素だが、一方でコアプレーヤーがそのコンテンツを早く消費しすぎるという問題もある。Garriott氏はこの問題に対しては、他にも楽しめる様々な要素で対応していくという。クローンを使い他の職業で展開するストーリーを楽しむ事ができるのもその1つだ。レベルキャップに達したキャラクタを複数持っているプレーヤーにはペットや傭兵を雇えるようになったり、他の職業のアビリティを使えるようになるなどの特典があるという。 また、敵対エイリアンとコントロールポイントを奪い合うという要素は少数のプレーヤーではどうにもならない部分がある。コアプレーヤー達はいかに他プレーヤーの協力を得て全体的な戦局を動かしていくか、そこでどんな活躍をするかを模索することになる。この他、上級プレーヤーにはロゴストーンから得られるシンボルを組み合わせ新しいアビリティを造り出していくという要素が現在企画されている。ユーザー自身がアビリティを「発明」することができるという。
「ウルティマオンライン」ではユーザーがアイテムをスタックして開発者の全く意図しない置物を造ったり、家のハウジングでも高い創造性を発揮した。Garriott氏の作品にはこのようなユーザーが作り上げるコンテンツの要素も期待したいが、現在の所、アビリティを発明する要素がそれに当たるようだ。今後の展開に期待したい。
■ 特に日本市場へ強い思い入れを語るGarriott氏。「恩のある日本のユーザたちに素晴らしい経験をしてもらいたい」
その中でも日本市場は特別だとGarriott氏は語る。「TABULA RASA」は日本には合うコンテンツではないかと、Garriott氏は考えている。できるだけ早いタイミングでのサービス展開を望んでおり、来年には正式サービスに入りたいとのことだ。日本のファンにはうれしい姿勢だが、サービスが決まっていない韓国の発表会で日本市場への取り組みを強調するGarriott氏の言葉には、韓国内でのNCSoftの北米開発タイトルの不振も影響しているように感じた。 今回、NCジャパンのスタッフにも日本展開に関して話を聞くことができた。NCジャパンは「ギルドウォーズ」で北米版のコンテンツをできるだけ早いスピードで日本に導入するノウハウを獲得しており、「TABULA RASA」ではそういった流れをきちんと受け継ぐために調整を行なっているという。Garriott氏の日本市場への思い入れもこの動きを強く補強していると感じられた。一刻も早い日本での展開を期待したいところだ。 インタビューでは昨今話題となったGarriott氏の「宇宙旅行の夢」も聞いてみた。Garriott氏は米国のスペースアドベンチャーズにより、民間宇宙飛行士としてソユーズ有人宇宙船で宇宙へ行くことが決定している。Garriott氏の父親はNASAの正式な宇宙飛行士であり、Garriott氏は小さな頃から宇宙への興味を非常に強く持っていたという。 「ここ30年Virtual世界を作る仕事をして来ましたが、その仕事の収益を投資したのがこの宇宙旅行です。これまでのようにNASAや政府で選ばれた人たちだけでなく、望んでる人は宇宙へ行けるようにするのが自分の夢でした。ここに投資した結果、宇宙へ行くことになりました。 私は宇宙で『TABULA RASA』をプレイしたい。今は、宇宙で『TABULA RASA』をプレイする方法を研究しているよ」とGarriott氏は語る。現在は宇宙に行くための精神的な訓練を行なっており、今後、サバイバル訓練や、宇宙船を操作できる訓練、宇宙で行なう実験に関する訓練を行なっていくという。Garriott氏の乗るソユーズ宇宙船の打ち上げは2008年10月を予定している。 Garriott氏は日本のユーザーへのメッセージとして、「自分がゲームの仕事をして日本の市場とユーザーたちは大きな意味を与えてくれました。自分のゲームを楽しんでくれて光栄だと思っています。『ウルティマ』というゲームは欧米より日本が大きな市場であり、日本のユーザーたちに大きく恩を受けたと思っています。これからは日本のユーザたちに素晴らしい経験を与えてくれるゲームバージョンをなるべく早い段階でお見せできるように努力します」と語った。 E3やゲームショウ、G★など様々な世界各地のゲームショウで本作の出展を見守り、Garriott氏に話を聞いてきた筆者にとって「TABULA RASA」は特別に思い入れのあるゲームだ。開発着手から6年、Garriott氏が「ウルティマオンライン」に続くオンラインゲームとして、ついに完成させたゲームはどんな世界を実現しているか、今すぐにでもプレイしたい。 Tabula Rasa(R) and Tabula Rasa(R) are registered trademarks of NCsoft Corporation. 2007 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Tabula Rasa(R) in Japan. All Rights Reserved.
□G★ 2007のホームページ (2007年11月11日) [Reported by 勝田哲也 / Dong Soo “Luie” Han]
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