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歩いて旅する「指輪物語」の世界
「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」ガイドブック

【連載第1回】 物語の鍵となる“指輪”とは?

ブリー村の西にある丘から彼方を眺める。冒険者達は故郷を出て、ブリー村に集い、更なる冒険の地に旅立っていく



はじめに

 「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」(LOTRO)は'54年(昭和29年)に刊行されたファンタジー小説「指輪物語」の世界を再現したMMORPGだ。「指輪物語」の舞台となる「中つ国 (なかつくに)」は、作者のトールキンが地図を自ら描き物語を設定しただけでなく、トールキンのライフワークとして数千年にもわたる歴史や神話、言語体系が設定された。欧米にとどまらず、日本でも研究書やガイドブックが出版されており、その世界の設定の深さは他のファンタジー小説の追随を許さない。

 「LOTRO」は、この細かく設定された中つ国をMMORPGのフィールド、つまりプレーヤーが自由に歩き回れる世界として美しいグラフィックス、詳細な設定で作り上げられている。独自の解釈を加えたその世界は、まさに歩いて、見て楽しめる「指輪物語」テーマパークだ。今回から連載する「LOTROガイドブック」では、この緻密な世界を様々な視点から紹介していきたい。

 連載ではゲームの世界を取り上げると共に、この世界を生みだした、原作の物語、歴史も合わせて紹介する。プレイしていない人はもちろん、現在「LOTRO」の世界を歩いている人にもこの世界を作り上げたスタッフの作品に対する“愛”を再認識してもらえば幸いである。

 連載第1回は、この世界への導入として物語の鍵となる「指輪」を説明すると共に、指輪物語の第1部である「旅の仲間」をゲーム内の実際のフィールドを歩いて紹介していこう。

 なお拡大画像には、撮影場所の簡単なガイドも加えてある。ぜひ「LOTRO」でそちらも訪れてみていただきたい。


■ 物語の中心となる「1つの指輪」とは?

 1つの指輪は、すべてを統べ、1つの指輪はすべてを見つけ、
 1つの指輪はすべてを捕らえて、くらやみの中につなぎ止める

重要なクエストの合間にはムービーが入り、指輪物語の断片的なストーリーが語られるが、原作を知らない人にはちょっと感情移入しにくい部分もある
馳夫との出会い。フロド達と出会う前のようだ。ムービーシーンの枠や、クエストの印など、「指輪」はシンボルとして様々なところで使われている
 指輪物語のキーアイテムとなる「指輪」とは、この世界を支配しようとする悪に墜ちた精霊である、冥王サウロンに絶大な力をもたらす、「1つの指輪」の事を指す。もともとこの指輪は、指輪物語から5千年ほど前、サウロンとエルフの手によって作られた。サウロンはこの指輪を作るため、「贈り物の王」アンナタールという仮の名と、美しい姿でエルフをだまし、その優れた知識でエルフの信頼を得て、3つのエルフの指輪、7つのドワーフの指輪、9つの人間への指輪を作り出した。

 この魔法の指輪の製造により、エルフの技術を盗んだサウロンは、これらの「力の指輪」を支配するための指輪を自分の国、モルドールにて作り上げた。上の斜体の文は、この指輪に彫られている言葉だ。「1つの指輪」は、すべての魔法の指輪を支配するものとして作り上げられた。エルフはサウロンのたくらみを察知し、エルフの3つの指輪は隠され、サウロンに対して戦端を開いた。

 サウロンは指輪の作られたエルフの国エレギオンを滅ぼし、ドワーフの7つの指輪と、人間の9つの指輪を奪い取り、この指輪でドワーフと人間を支配しようとした。ドワーフはサウロンの誘惑に屈しなかったが、人間は指輪の魔力にあらがえなかった。9つの指輪は人間の王に送られ、所持者は絶大な力と権力を手に入れるが、長い時を経て、彼らは「幽鬼」となってしまい、サウロンの意のままに動く怪物と化してしまう。「ナズグル」と呼ばれる9人の幽鬼は彼らのなれの果てである。

 サウロンは指輪の力によって、2千年近くも悪の勢力として存在し続けた。しかしエルフと人間の同盟軍によってサウロン軍は打ち破られ、人間の王エレンディルの息子イシルドゥアがサウロンの手から指輪を切り落とし、サウロンは倒された。イシルドゥアは指輪を壊そうとはせず、自らの指にはめるが、指輪の呪いによるものか、オークの待ち伏せにあって命を落とす。指輪は大河アンドゥインの流れの中に落ち、その行方をくらませてしまう。

 それからさらに2千年以上の時が経った頃、スメアゴルとデアゴルという2人のホビットの釣り針が湖の底から指輪を引き上げた。その指輪の魔力に魅入られたスメアゴルはデアゴルを殺し、指輪を独り占めにする。彼は指輪の魔力のせいで徐々に邪悪な傾向を強くし、盗みなどを重ねたため、人々から追われ、洞窟で隠れて暮らすようになる。指輪は彼にホビットの寿命を遙かに超える長寿を与えた。500年もの時が過ぎ、かつてはホビットだったスメアゴルは毛のない悪鬼といった醜い姿に変貌し、ゴクリゴクリと喉を鳴らす怪物、「ゴクリ」になってしまう。

 ゴクリは指輪物語の前にトールキンが執筆したホビットのビルボが活躍する「ホビットの冒険」から登場する。ゴクリはビルボをだまし、彼を食べようとするが、ビルボは機転を利かしゴクリの宝物であるゴクリが「いとしいしと(愛しい人)」と呼ぶ1つの指輪を奪い、ゴクリの罠から逃げ出した。指輪は力ある者には強大な力をもたらすが、ビルボは指にはめると、姿を消すことができる、というくらいの魔力しか発揮できなかった。しかしビルボは姿を隠す魔力によってゴクリから逃げおおせ、さらにその後も「ホビットの冒険」で姿を消す魔力を使って活躍し、大きな成功をおさめた。

 そしていよいよ指輪物語が始まる。ビルボはすでに老人になっていたが、その身体は普通の年老いたホビットよりもずっと若々しかった。指輪の魔力が彼の命を「薄く引き延ばして」いたのだ。ただ賢明なことに、ビルボは数えるほどしか指輪の魔力を使わなかったので、ゴクリのように悪に墜ちずにすんでいた。

 指輪により常識を越える寿命を得てしまったビルボは、このままホビットの社会でうまく生活できないことを悟り、ホビット庄を出ることを決意する。そして彼を冒険に導いたこの世界を善に導く大魔法使いガンダルフの助言に従い、引き取って育てていたフロドにすべての財産と共に、指輪をも譲り、ホビット庄を去った。

 指輪は、それを見た者に恐ろしい執着をもたらす。イシルドゥアはその指輪を自分のものにしようとし命を落とし、スメアゴルは殺人を犯した。しかしビルボは、その魔力と戦い、フロドに指輪を託すことができた。ビルボは派手な誕生日のパーティーの直後に姿を消し、エルフの住む地で自分の冒険記を本にする隠遁生活に入った。それからさらに数年後、フロドにも指輪がもたらす若さの兆候が出てきた頃、ガンダルフがフロドの前に現われた。

 ガンダルフはビルボの指輪の話から様々なことを調査していた。そしてその指輪こそが冥王サウロンの力の源である「1つの指輪」であることを突き止めたのだ。今や冥王は復活を果たし、世界を闇に落とそうと活動を開始している。彼が最も熱心に探しているのが、「1つの指輪」の行方なのだ。指輪の魔力は、ガンダルフでさえひとたび手に入れれば必ず悪の道に落ちてしまう強大なもので、ガンダルフにも託すことはできない。

 この指輪を破壊するためには、復活した冥王がいるモルドールの「滅びの山」の火口に投げ入れなくてはならない。フロドはエルフの助力を得るため、遙か彼方にあるエルフの地「裂け谷」へ旅立つことを決意する。旅立ちの日、彼を助けてくれるはずのガンダルフは現われなかった。しかし指輪を狙う黒い影がホビット庄にさえも伸びていることをフロドは知る。

 1人で旅立つことを決意するフロド。しかしそんな彼を見守っているホビット達がいた。フロドに仕えるサム、そしてフロドのいとこであるメリーとピピンは、彼の旅に同行を申し出た。断るフロドを強引に説き伏せ、4人のホビット達は冒険に出発する。彼らの冒険こそが、世界を揺るがす光と闇の戦い、「指輪戦争」の鍵を握ることになるのである。

指輪の魔力に囚われたかつての人間の王ナズグル。今はサウロンの意のままに動く下僕だ 映画では登場シーンが削られてしまったトム・ボンバディル。ひょうきんな姿ながら、その力にはガンダルフすら一目置いている 原作ではあまり活躍しない茶色のラダガスト。「LOTRO」では彼と共に強大な存在と戦うことも
ゲーム内のマップ。赤線は資料などから筆者が推測したフロド達の足取りである。追跡者を逃れてかなり困難な道を進んでいる
原作でも非常に詳細に描写されているホビット庄は、ゲーム内でも様々な楽しいイベントがあり、美しい場所だ。左の写真はフロドとビルボが住んでいた袋小路屋敷


■ 指輪物語 第一部 「旅の仲間」

 暖炉と広間に別れを告げよう!
 風が吹こうと雨が降ろうと、夜明けまでには、発たねばならぬ、
 森を越え、高い山を越えて、はるかに。

                     -メリーとピピンが作った旅立ちの歌

 フロドとサム、メリー、ピピンの4人のホビット達の出発から、指輪物語は動き始める。フロド達の目的地は、遙か東方にあるエルフが住む地「裂け谷」だ。出発直前にフロド達は最近ホビット庄を訪れた、馬に乗った黒ずくめの不気味な男「黒の乗り手」の噂を耳にする。フロドは黒の乗り手が、サウロンが世界中に放っている指輪の捜索者であることを直感する。そして旅立つにあたり、街道ではなく、「古森」を通ることを選択する。

 「古森」とは、ホビット庄と人間の町である「ブリー村」の間にある大きな森で、かつてはこの地域を覆い尽くしていた太古の大森林の木々が残っている場所で、ホビットの多くが近付かないところだ。木々は人を嫌っており、その枝は動き、人を迷わせると言われている。フロド達も森の木々に迷わされ、巨大で不気味な「柳じじい」に誘い込まれてしまう。柳じじいはホビットを眠らせ、さらにメリーとピピンを身体の中に閉じこめてしまう。

 ホビット達の危機を救ったのはトム・ボンバディルと名乗る不思議な老人だった。トムは柳じじいを叱り、メリーとピピンを助け出し、ホビット達を彼の館へ招待する。トムは跳ねるように歩く陽気な老人の姿をしているが、不思議な力を持つ森の主とも言える存在で、彼の美しい妻ゴールドベリと共に、ホビット達は楽しい時を過ごす。

 トムの館を出たフロド達は、古森の東にある古代の人々が眠る塚山丘陵を通り抜けようとするが、塚山に潜む悪霊達に捕まってしまう。絶体絶命の危機に陥った彼らは、再びトム・ボンバディルに助けられる。ホビット達はトムに礼を言って「大きい人」(ホビット達は人間のことをこう呼ぶ)達の住むブリー村へと向かった。

夜は特に恐ろしい古森。初心者冒険者ではとてもかなわない樫の木がのしのしと歩いてくる姿は本気で恐い。中央がホビット達を閉じこめてしまった「柳じじい」である
古代の人々の古墳がある塚山丘陵。今は闇の勢力に囚われた悪霊達が昼までも闊歩している。左はトム・ボンバディルの家。古森と塚山という恐ろしい地帯の中で、唯一冒険者が休息できる場所だ

・馳夫との出会い

 4人はトムの助言に従い、ブリー村の「踊る小馬亭」に宿をとる。ここでホビット達は「馳夫(はせお:足の速い人、というくらいの意味で、かなり馬鹿にした呼び名)」と呼ばれる男に会う。馳夫は町の人々からはうさんくさく思われている野山を歩く怪しげな放浪の民であり狩人、“野伏”の一員だ。着ている服も旅でくたびれており、どこかうさんくさい。

 馳夫はフロド達に近付くと、旅の同行を申し出る。彼はフロド達が黒の乗り手に追われる身だと知っており、その黒の乗り手の息がかかった者がすでにこの村にいることを語る。その時、踊る小馬亭の主人バタパーが1通の手紙を持ってくる。それは数カ月前にガンダルフより託された手紙で、バタパーはフロドに送ることをすっかり忘れていたのだ。ガンダルフの手紙には、フロドに危険が迫っていること、馳夫が彼の友人であることが書かれていた。

 馳夫の本名はアラゴルンといい、かつてこの地を治めた王の血を引く者だった。野伏は、失われた王国の騎士達の末裔であり、人知れず悪しき勢力と戦い、ホビット庄やブリー村、裂け谷などのある北方の地を守護している存在だったのだ。アラゴルンは心強い協力者となってホビット達を先導することとなる。

 ブリー村にも、すでに黒の乗り手達の魔手は伸びてきていた。アラゴルンの助言で寝る場所を変えていたホビット達は、朝、寝室がめちゃくちゃに荒らされていること、自分たちが連れてきた馬がいなくなっていることを発見する。ホビット達とアラゴルンは、手に入れた痩せた小馬に荷物を持たせ、追っ手を警戒しながらブリー村を後にする。

にぎやかな「踊る小馬亭」とブリー村。ブリー村はこの地帯で一番栄えている場所だ。ゲーム内でも多くの冒険者がここで他の種族の冒険者と出会い、心強い仲間を見つけていくことになる

・黒の乗り手の脅威

 一行は街道を進まず、“水よりもぶよが多い”ぶよ水の沢地を抜け、風見が丘を目指す。ガンダルフが何故フロドとの約束を守れなかったかはわからないが、もしフロド達を追いかけているとすれば、ここで合流できる可能性がある。しかし一行が風見が丘で見つけられたのは、ルーンを彫った小石だけだった。これはガンダルフのものなのだろうか? 彼の身に何が起きてしまったのだろうか。

 風見が丘で一行は、麓から迫りつつある黒い影を発見する。いよいよ追っ手達が追いついてきたのだ。夜は迫っている。アラゴルンは盛大に火をたき、彼らを迎え撃とうとする。黒い影が見えたとき、フロドは「指輪をはめたい」という衝動が突然大きくなっていることに気がつく。姿を隠すことができる隠れ身の指輪。フロドは恐怖のあまり指輪に指を入れる。

 指輪をはめると周りの光景がぼやける。指輪をつけるといつもそうだった。姿が見えなくなるのはいわば“副作用”で、本当は指輪をはめた者を他の世界の住人へと変えるものなのかもしれない。しかし、そこでフロドは指輪を着けたいという衝動自身が“罠”であったことを知る。ぼやけた視界の中で、はっきりと見える恐ろしい黒い影。指輪をはめたフロドは、9つの指輪の下僕達ナズグルに近い存在になってしまう。幽鬼はフロドの存在をはっきりと感知したのだ。

 ナイフを持って迫ってくる1人の幽鬼。フロドは身体を投げ出し、幽鬼の足に短剣を突き刺す。甲高い叫びを上げる幽鬼、しかし同時にフロドは左肩にまるで氷の柱を突き刺されたかのような痛みと冷たさを感じる。薄れていく意識の中で、フロドはたいまつを持って駆け寄ってくるアラゴルンを見る。最後の力で指輪を指から抜き取ったフロドはそのまま気絶してしまう。

 何とか幽鬼を撃退したものの、幽鬼の短剣で傷つけられたフロドの肩の傷は、さらに冷たさを増していった。アラゴルンは「王の葉」と呼ばれる植物アセラスでフロドの傷を治療するが、完全には治らない。彼を完全に治療するためには、できるだけ早く裂け谷に到着するしかなかった。

ぶよ水の沢地。巨大な羽虫や蜘蛛など、昆虫系のモンスターが鬱陶しい 風見が丘のある「さびし野」はその名の通り、ほとんど木の生えていない、不毛の大地だ 風見が丘の頂上。かつては闇の勢力と戦った砦があったという

・裂け谷の会議、指輪を運ぶ9人の仲間

 消耗の激しいフロドをかばいながら、一行は果野橋を越え、トロルの森へと入る。フロド達はここで、石になった3体のトロルを発見する。このトロルこそ、ホビット達が繰り返し聞かされた、ビルボの冒険に登場するトロルで、ビルボは絶体絶命の危機を、ガンダルフの機転によって救われた証なのだ。フロド達は改めて自分たちが遠くまで旅してきたことを自覚する。

 その後トロルの森で一行は、フロド達を護衛するために避け谷から派遣されたエルフ、グロールフィンデルと出会う。グロールフィンデルの馬の背に乗せられるフロド。裂け谷に続く浅瀬を前にして、大きな馬に乗った黒の乗り手が追いついてくる。フロドを乗せ飛ぶように逃げる馬。アラゴルンやホビットは黒の乗り手を阻もうとするが、黒の乗り手は彼らを無視しフロドだけを追う。フロドの乗る馬が川を渡りきった直後、突然川の水かさが増し、フロドを追っていた黒の乗り手達を押し流す。黒の乗り手を押し流す水を見ながらフロドは落馬し、意識を失ってしまう。

 3日間フロドの意識は戻らなかった。裂け谷の長である半エルフのエルロンドは、フロドの肩に入り込んでいたナズグルの短剣の折れた刃を摘出し、フロドの命を助ける。意識を取り戻したフロドは、ビルボと、そしてガンダルフと再会する。フロドが回復したことで、改めてフロド達が裂け谷にたどり着けたことを祝う宴が催される。

 宴の翌日、フロドは会議に招集される。裂け谷の会議には、はなれ山のドワーフ王国から来たグローインとその息子ギムリ、闇の森のエルフの使者レゴラス、南方王国ゴンドールから来た人間ボロミアなど、様々な人物が出席する。この会議でガンダルフは、魔法使いのリーダーであるサルマンが今や闇の力に魅了され、彼を幽閉しようとしたことを明かす。このためにガンダルフはフロドの元に行くことができなかったのだ。

 さらにガンダルフは、フロドが持つ指輪の本当の意味、そしてそれを破壊するためにはモルドールの滅びの山に向かわなくてはならないことを告げる。指輪はその強大な魔力と悪しき力のため、サウロンとの戦争に活用しようとしても、使った者が第2の魔王になってしまうことは確実で、例え指輪を隠し続けても大きくなる闇の勢力にいずれは飲み込まれてしまう。誰かが、指輪を滅びの山の火口に投げ込まなくてはならない。

 フロドは、指輪所持者である運命を受け入れ、その任務を引き受ける。エルロンドは指輪と指輪所持者を守る者として、9人の幽鬼に合わせて、フロドと共に旅をする8人の同行者を選ぶ。ガンダルフ、アラゴルン、ドワーフのギムリ、エルフのレゴラス、そしてボロミア、フロドの従者サム。ピピンとメリーはエルロンドに外されそうになったが、彼らの強い意志でこの冒険に加わることとなった。こうしてフロドを含む9人の「旅の仲間」は結成されたのだ。

さびし野とトロルの森を繋ぐ果野橋。この大きさが、かつての往来の多さを物語っているようだ 「ホビットの冒険」でこの3体のトロルは太陽の光を浴び石にされてしまう 黒の乗り手が撃退される浅瀬。映画では非常に印象に残るシーンとなっている
エルフの隠れ家のような裂け谷。フロド達はここで2カ月近く休息してから9人の旅の仲間を結成し、旅立っていく。
裂け谷では原作のキャラクタとの出会いが待っている。レゴラスと一緒に谷に潜むトロルと戦う、といったクエストも用意されている
現在の「LOTRO」では、霧降山脈を越えて更なる世界へ進むことはまだできないようだ。モリアが実装されるのが非常に楽しみだが、実はゲームでは、もう1つのクライマックスが用意されている。高レベル冒険者は驚くべき脅威と戦うことになる

フロドと夜の散歩。彼は自分の胸の内をプレーヤーにだけ打ち明ける。思わずじんとしてしまうシナリオだ。
 原作である「旅の仲間」では、さらにモリアの坑道での第1部最大のクライマックスシーン、中つ国でのエルフの最大の安息の地ロスロリアンでの休息、アンドゥイン川を下っていく冒険とオークの急襲……と話は続いていくのだが、現在まだこの要素は「LOTRO」では実装されていない。

 「LOTRO」ではこういった原作のストーリー、設定は断片的にしか語られない。どちらかというと、「知っていること」が前提になっている部分がある。今回は、「指輪物語」を全く知らない人のためにも、あえて原作のダイジェストを掲載してみた。

 「LOTRO」は、旅の仲間達が苦難の道を歩んでいるその道以外のところで、世界がどのようになっているかを体験できる作品である。フロド達と合流する前のアラゴルンや、もう1人の魔法使い“茶色のラダガスト”との冒険など、原作で語られていない冒険も体験できる。

 プレーヤー達はゲームの中盤、レベル30くらいでたどり着けるようになる裂け谷で、ようやく旅の仲間達に追いつくこととなる。ここではレゴラスとのクエストなども用意されているのだが、特にフロドと夜の散歩ができるのが楽しい。原作では語られなかった運命や仲間に対しての彼の想いが語られるのは、指輪物語を知っている人は強く心を動かされるだろう。

 中つ国はトールキンとさらに彼を研究する人々によって詳細に設定された「もう1つの世界」である。ゲームのフィールドもまた、その設定を活かした、歴史と風土、そして人々や動物、さらに怪物達の生活感さえも表現している。次回は、指輪物語の主役である「小さい人」ホビットと、彼らが住むホビット庄を紹介したい。

※ 斜体の文章は、評論社から出版されている「新版 指輪物語」から抜粋したものです。

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【ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影】
  • CPU:Pentium 4 1.8GHz以上 (2.8GHz以上推奨)
  • メインメモリ:512MB以上 (1GB以上推奨)
  • HDD:10GB以上の空き容量
  • ビデオカード:GeForce 3 または RADEON 8500以上 (GeForce 6800 または RADEON X850以上)
  • ビデオメモリ:64MB以上(128MB以上推奨)
  • OS:Windows XP/Vista


□さくらインターネットのホームページ
http://www.sakura.ad.jp/
□「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」のページ
http://www.lotro-japan.com/
□「LieVo」のページ
https://www.lievo.jp/
□関連情報
【7月27日】さくらインターネット、WIN「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
大型アップデートを実施。「LOTRO」バス運行イベントを開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070727/load.htm
【7月23日】オンラインゲームレビュー「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070723/lotro.htm
【7月18日】さくらインターネット、WIN「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
「夏休み特別企画 1カ月プレイチケット付き DVDプレゼントキャンペーン」を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070718/load.htm
【5月25日】さくらインターネット、本日より「LOTRO」先行サービスを開始
奇妙なホビットが出没するイベント「中つ国昔話」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070525/lotro.htm
【5月24日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
“Grond”ワールド公開を中止。正式サービスは2ワールド
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070524/lotro.htm
【5月22日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
1dayや180/360日など料金体系を発表。10日間無料プレイも
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【5月15日】「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」特別インタビュー
さくら+LieVo+αで挑む大作MMORPGの展開戦略を聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070515/lotro.htm
【5月11日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
パッケージ発売イベント開催。イメージガールがハンターの衣装で登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070511/lotro.htm
【5月10日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
11日のオープンβテスト開始に向けた発表会を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070510/lotrop.htm
【5月10日】オンラインゲームファーストインプレッション
「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070510/lotro.htm

(2007年8月8日)

[Reported by 勝田哲也]



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