【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★オンラインゲームファーストインプレッション★

中つ国で繰り広げられる自由の民と邪悪な影の壮絶なバトル
“指輪をめぐる冒険”が今、幕を開ける!

「ロード・オブ・ザ・リングス
オンライン アングマールの影」



 「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」日本語版(以下、LOTRO)のオープンβテストが、5月11日より開始される。J・R・R・トールキン原作の「指輪物語」の世界観を忠実に再現したMMORPGであることや、「Asheron's Call」などを手がけるMMORPG開発の老舗、米Turbineが開発していることから、国内外で注目を集めるタイトルとなっている。

 日本でも映画「ロード・オブ・ザ・リング」で馴染み深いものとなった「指輪物語」。欧米産ながら、早くも日本語版でのプレイが可能ということも相まって、原作ファンならずとも、一体どんなゲームに仕上がったのかと期待を寄せていることだろう。

 未知なるエリアを冒険し開拓していくことは、MMORPGの面白さであり魅力の1つであると考える筆者は、世界観(SF的な描写や、中世を彷彿させる描写など)さえ好みにあえば、一通りプレイしてみることにしている。「LOTRO」の世界観(グラフィックス)は、筆者にとってストライク。街や城で仲間を集い狩り場へ出向くという、RPGのプレイでありがちなスタイルでも、未知なるエリアの冒険さえできればそれでいいと考えていた。多種多様なゲームがリリースされている昨今、斬新なゲームデザインが満載のMMORPGの登場を期待するほうが野暮、と割り切ってしまっているからだ。

 しかし実際にプレイしてみると、原作を彷彿とさせるオープニングはもちろん、中つ国で遂行していくクエスト1つをとっても、筆者の想像以上に『指輪物語』の世界観を忠実に再現した作品に仕上がっている。プレイ前に描いていたイメージとはずいぶん異なるMMORPGだった……というのが素直な感想である。

 今回は1人のMMORPGファンとして、「LOTRO」の内容を簡単に紹介するとともに、先に行なわれたクローズドβテストを通じて感じたことをお伝えする。それによって「LOTRO」の魅力を伝えられれば……と願うとともに、11日から始まるオープンβテストへの参加を検討中のユーザーには、本レポートが足掛かりとなれば幸いだ。



■ 好みの種族&クラスでプレイしよう

種族とクラスを選んだ後、外見をカスタマイズする
 冒険の舞台となるのは、原作「指輪物語」と同様、中つ国。プレーヤーはドワーフ・エルフ・ホビット・人間の4種族の中から自らの分身となるキャラクタを作成(1アカウントにつき5人まで)することからスタートする。

 キャラクタ作成時に選択可能なクラス(職業)は、バーグラー、キャプテン、チャンピオン、ガーディアン、ハンター、ロアマスター、ミンストレルの7つ。ただし種族ごとに選択できるクラスが異なるので、種族を選ぶ際には自分がどのクラスになりたいのかを考慮する必要がある。

 また全てのキャラクタには士気、気力、腕力、俊敏、体力、意志、命運といった7つの基本能力値が用意され、さらに種族ごとに異なる長所や短所(例えばドワーフなら腕力や体力増加、通常ダメージ軽減能力増加といった長所を供える一方、俊敏性や命運が減少するといった短所も見受けられる)がある。各種族が秘める特徴を考慮したうえで、適したクラスを選択することでより冒険を有利に進められるだろう。

 能力値の初期値は種族や選択するクラスによって変化するが、性別による能力値への影響はないので性別に関しては純粋に好みでチョイスしてOKだ。また種族やクラス選択となると、一部のMMORPGに見られるようなクラス縛り(このクラスがいないとゲームが成り立たないとか、このクラスは不要だとか)などを心配するユーザーもいると思うが、クローズドβテストでの感触では、それほどナーバスに考える必要はなさそうだ。自分の好きな種族&クラスをチョイスして中つ国へと旅立ってほしい。

 キャラクタの作成は髪型や目の色、体型など10の項目からカスタマイズが可能。「ランダム選択」をクリックすれば全ての特徴をランダムで決めることもできるが、やはり自分の分身だけに細部にまでこだわったキャラクタメイキングをしたい。

 出身地を変えることで異なった目や髪、肌の色などが選べるようになるなど、カスタマイズの幅は広く、ちょっとした違いしかない顔のパーツも多い。個性豊かなキャラクタ作成ができる反面、輪郭などはモニターをしっかり目視していないと、気に入ったパーツがどれだったのかわからなくなってしまうのが難点といえなくもない。

【ステータス解説】
士気生命力。士気が高いほど、より多くの攻撃に耐えることが可能
気力スキルを使用すると消費。気力が高いほどスキルを多く使用することができる。一般的なRPGでいうMPのようなものと考えていいだろう
腕力近接攻撃の攻撃力に影響。数値が高いほど攻撃の威力がアップ。敵の攻撃をブロックする能力や、物理ダメージの軽減などにも影響する
俊敏数値が高いほど攻撃のミスが減少し、攻撃の回避力がアップ。遠距離攻撃によるダメージアップや、クリティカルヒットを与える確率などにも影響する
体力士気の最大値に影響するステータス。数値が高いほど士気の最大値がアップし、平常時の士気回復が早まる。特殊ダメージを軽減する能力などにも影響する
意志気力の最大値に影響。数値が高いほど気力の最大値がアップし、平常時の気力回復が早まる
命運数値が高いほど戦闘中の士気と気力の回復が早まる

【種族紹介】

ドワーフ
 タフさが際立つドワーフ。命運の低さを戦闘時の士気&気力の回復量アップといった種族特性で補う。近接攻撃力も高く通常ダメージ軽減能力を持つ彼らはガーディアンやチャンピオンに適した種族といえよう。ちなみにドワーフのみ、性別を選べない。

腕力:高 / 俊敏:低 / 体力:高 / 意志:中 / 命運:低
ゲームスタートポイント:銀の峡谷鉱山
選択可能な職業:チャンピオン、ガーディアン、ハンター、ミンストレル


エルフ
 人間以外でロアマスターを選択できる貴重なエルフ。病気や毒物に対する抵抗力アップといった種族特性を備えるのも特徴的だが、全種族中No.1の俊敏の高さが最大の魅力。ハンターに適した種族だ。

腕力:中 / 俊敏:高 / 体力:中 / 意志:中 / 命運:低
ゲームスタートポイント:エゼリオン
選択可能な職業:チャンピオン、ガーディアン、ハンター、ロアマスター、ミンストレル


ホビット
 小柄ながら勇敢なホビットはトールキンの原作同様、暗闇ダメージ軽減能力を備え恐怖に対する抵抗力に優れる。腕力が低く平常時士気回復増加といった種族特性を考えると、バーグラ―やミンストレルが適職か。体力の高さを生かした盾役もおすすめ

腕力:低 / 俊敏:中 / 体力:高 / 意志:中 / 命運:中
ゲームスタートポイント:緑山丘陵
選択可能な職業:バーグラー、ガーディアン、ハンター、ミンストレル


人間
 他の種族のように際立った特徴がない人間。特化した部分がないだけに、全てのクラスをオールマイティーにこなせるのが唯一の特徴でもあり魅力といえる。腕力や命運の高さを生かせるクラスがお勧め。

腕力:高 / 俊敏:中 / 体力:中 / 意志:低 / 命運:高
ゲームスタートポイント:アーチェト村
選択可能な職業:バーグラー、キャプテン、チャンピオン、ガーディアン、ハンター、ロアマスター、ミンストレル


【クラス紹介】
バーグラー敵の不意を突くトリッキーな攻撃で、敵をかく乱&弱体化させるデバッファー。フェローシップ(グループ)やレイドでは連携の始動役としても貴重な存在だ
キャプテン強力な支援スキルで仲間をサポートし近接攻撃もこなす戦士タイプ。戦闘不能の仲間を復活させたり、戦闘&非戦闘時の移動速度を上昇させるスキルを習得できる。人間のみ選択可能
チャンピオン爆発力のある攻撃力が魅力の近接戦闘特化型。複数の敵に大ダメージを与えるスキルなども習得できる、フェローシップのダメージディーラー。遠距離からの攻撃が唯一の弱点か?
ガーディアン防御力に優れ、敵の注意を己に引き付けるスキルを習得。盾を利用するスキルが多いのも特徴的。フェローシップではこれらの特性を生かし、盾役を担当することが多いだろう
ハンター弓での攻撃を得意とし遠距離攻撃に特化したタイプだが、罠や近接戦闘の攻撃も持ち合わせている。仲間を率いて、中つ国全体を素早く移動するスキルも使いこなす
ロアマスター既存のMMORPGにおける魔導師的な存在。敵の動きを封じたり、仲間やペットに自分の士気を分け与えて回復させるスキルを習得できる。カラスやクマなどを召喚し敵を攻撃させることもできる
ミンストレルフェローシップではヒーラー的存在の吟遊詩人。歌と歌を繋ぐことで様々な複合効果を生み出すことができる。攻撃や能力強化と多彩な力を合わせ持つ戦えるヒーラーだ



■ いざ、中つ国の世界へ!

 キャラクタ作成が完了したら、いざ中つ国の世界へ旅立とう。チュートリアルを兼ねたオープニングがプレーヤーを物語の世界へと導いて行く……。本来チュートリアルといえば、基本操作などをいわば流れ作業的に解説してくれるだけのものだが、こと「LOTRO」に関してはストーリーと密接した内容になっており、種族ごとに全て異なる点が印象的だ。

 灰色のガンダルフやエルロンドなど「指輪物語」には欠かすことのできないキャストが登場するオープニング。原作ファンはもちろんのこと、「指輪物語」を読んだことがないユーザーにとっては「LOTRO」の世界観を理解する絶好のチャンス! 目の前で繰り広げられるドラマティックなストーリー展開に、必ずや胸が高鳴ることだろう。是非とも全ての種族でこのオープニングはプレイしてもらいたい。

【スクリーンショット】
チュートリアルを兼ねたオープニングが終了すると、しばらくはメインストーリーと結びついたクエスト(序章)をプレイすることになる。このクエスト中は、初心者のみの限定エリアで展開(人間なら、クエストが完了するまでアーチェト村のパラレルワールド? で進行する)される エルフのオープニングではエルロンドが登場。「指輪物語」を語る上で欠かすことのできないキャストが登場する。何の前触れもなく、いきなり物語の世界へと引き込まれるような演出には脱帽だ



■ ストーリー(クエスト)重視のレべリング、ソロでまったりプレイも可能?

 序章クエストが終了したら、いよいよ自由の民と邪悪な影の壮絶なバトル。“指輪をめぐる冒険”が幕を開ける! さっそく頭上に燃え盛る指輪、または金色の指輪のマークが浮かんでいるNPCに話しかけよう。各キャラクタから、クエストが受けられる。特に燃え盛る指輪のマークは、ゲームのメインストーリーと密接に絡んでくる重要なクエストを示している。積極的に任務を遂行していきたい。

 オープンβテストではレベルキャップ15の制限が設けられるが、クローズドβテスト中、レベル15までプレイしてみたところ、レべリングに対する違和感があった。MMORPGに限らず、一般的にRPGのレベル上げの基本といえば、モンスターとの戦闘(経験知を得てレベルアップ)をイメージするだろう。街や城で仲間を集い狩り場へと出向く……。RPGは、とかくレベルを上げる狩り(戦闘)がメインだと思われがちだが、こと「LOTRO」に関してはいえば、それは当てはまらないのだ。

 「LOTRO」では、クエストの達成時に多くの経験値が得られる仕組みになっている。そのため、クエストの延長にモンスターとの戦闘があるといったイメージで、クエストを遂行していくことでスムーズにレベルが上がっていく。

 「エバークエストII」や「World of Warcraft」などでも、クエストを遂行していくことで経験値を取得できたが、それとは位置づけが異なるのだ。レべリングのためだけに闇雲にモンスター狩りに出かけても見返り(取得できる経験値)が少なく、効率が良いとは言い難い。それよりもクエストを遂行していくほうが、はるかに効率がいい。クエストを上手く遂行していけば、ソロでもそれなりに冒険を進めていけるというわけだ。

 とはいえ、本タイトルはMMORPGだ。ソロプレイを否定するわけではないが、フェローシップを組んだ仲間とクエストを共有できるシステムが用意されていることからも、仲間を集い中つ国を旅しながらクエストを遂行していく……そんなプレイスタイルが本タイトルにはベターなレべリングといえるのではないだろうか。

【スクリーンショット】
ユーザーインターフェイスやクエストの仕組みなど、操作感は「World of Warcraft」に近い。NPCの頭上にある指輪のマークがクエスト依頼の目印。クエストは最大40個まで受けられる。ソロでの攻略が難しいクエストは、プレーヤー検索機能を積極的に活用し、同じクエストに挑戦したい仲間を集めクエスト遂行に全力をそそいでもらいたい クラフト(生産)は防具職人、武器職人、探検家、歴史家、風来人、木こり、お百姓の7種類。筆者は武器職人をチョイス。アイテムを生産するたびにクラフト経験値を取得できる。クラフトの技術を向上(例えば、素人から見習いへ)させるには、クラフトクエストをクリアーする必要がある。レシピはモンスターのドロップアイテムなどからも入手可能。しかしクローズドβテスト時には、レシピ名の部分に文字化けが……改善されることを願う レベル5になると楽器を演奏できるようになる。戦闘スキルを覚えるのと同じように、各クラスの教練者からスキルを購入すればOK。楽器は街や村にいる吟遊詩人から購入可能。ストリートミュージシャンや、仲間と音楽団を結成し中つ国を旅してまわる……そんな楽しみ方ができるのも、「LOTRO」の魅力の1つ



■ 目指せレベル10! オープンβテストのモンスタープレイを見逃すな!!

 MMORPGの醍醐味の1つとして、大人数で同時にプレイする「レイド」がある。しかしレイドを楽しむには、当然ながら多くの仲間が必要なため、ギルド(「LOTRO」では「キンシップ」と呼ばれる)に属すなどしないと、なかなか参加できないのが現実だ。また実際にレイドを体験できる環境に身をおいていても、現実社会のスケジュールが邪魔をするなど、誰でも気軽に体験できるとは言いがたい。

 そこで、オープンβテストで是非ともお勧めしたいのがモンスタープレイだ。モンスタープレイは本来、PvPのために用意されているもので、モンスターを操るプレーヤーと、通常のプレーヤーキャラクタが特定のエリアで争える。参加条件は、モンスター側は元のプレーヤーキャラクタのレベルが10以上、プレーヤーキャラクタのまま参加するにはレベル40以上となっている。

 レベル上限が15に設定されているオープンβテストでは、このエリア(舞台となるエテン高地)にプレーヤーたちの分身であるキャラクタでは足を踏み入れることはできない。結果、オープンβテスト期間中はPvPは実現しない。

 しかし、モンスターとしてNPCの自由の民が死守する城や砦を攻め、自分(モンスター)たちの領土にすることはできる。モンスター軍団を結成し、NPCが守る領土を攻め落とすというレイドプレイが可能なのだ。

 クローズドβテスト期間中、筆者も運良くこの領土争いに参加することができたわけだが、このレイドプレイが、とにかく熱い! クローズドβテストということで、キンシップがまだ確立されておらず、レイドメンバーの大半が初対面、俗にいう野良グループの寄せ集めの状態。各プレーヤーのクラスをすべて把握してるわけもなく、さらには各々がどんな立ち回りをするのかわからない。それに加え攻略エリア(城など)の地形はもちろん、どんな敵が相手なのかもわからない、全くもって無知の状態。ある意味、無謀ともおけるこの状況下が、絶対に攻め落としてやる! とプレイ魂に火をつけ、高まる興奮に拍車をかけた。

 リーダーの「全員突撃!!」の合図で、レイドメンバーが一斉に城へとなだれ込む。善と悪の大激突!「指輪物語」の1シーンを彷彿とさせる、自由の民と邪悪な影の壮絶なバトルが目の前で繰り広げられた。

 もちろん、ただやみくもに戦っていても勝ち目はない。レイドリーダーの指示のもと一歩一歩着実に攻略していく緻密な戦闘。通常のフェローシップで体感する戦闘とは全くもって異なる。目の前で苦戦する仲間が入れば、すかさずそれをフォローする。敵を引き付け自らがおとりになることで、グループ全体を立て直す時間を作るメンバー。リーダーの指示に従うのは大前提。だが、それだけで攻略できるほどレイドプレイは甘くない。その時おかれた状況を瞬時に判断し、ベターな立ち回りをする。グループにとって最適な行動とは? 各プレーヤーが冷静に判断し、その場その場で臨機応変に対応する柔軟なプレイが重要になる。これがレイドプレイの醍醐味なのだ。

 正式サービスではレベル制限が引き上げられ、高レベルのプレーヤーが次第に現われ、自由の民の味方として参加することだろう。しかしオープンβテストの初期は、おそらく上記のようなクローズドβテストと同じ状態が起こるはず。期間限定ともいえるこの手軽に楽しめるレイドを、ぜひ逃さず体験してもらいたい。

【スクリーンショット】
モンスタープレイの入り口となる「汚れた占いの泉」。レベル10以上のキャラクタであれば誰でもモンスタープレイに参加できる 選べる種族はオークリバー(爆発的な攻撃力を秘めた近接攻撃タイプ)、スパイダーウィーバー(近接攻撃を備えた攻撃支援タイプ)、ウルフブラックアロー(遠距離攻撃タイプ)、ウルクウォーリーダー(蘇生なども備えた前衛タイプ)、ワーグストーカー(デバッファータイプ)の5種類。クラスの区別はなく、種族を選んだ時点で役割が決定される モンスタープレイを開始直後。右も左もわからない状況でいきなりレイドの誘いを受ける。何事も経験あるのみ! 迷わずレイド承諾
レイドパーティーは最大4組のフェローシップ(最大24人)で構成される。各メンバーのステータス表示はソーシャルウィンドウのレイドパネルから設定可能 レイドリーダーからクエスト共有をしようとのメッセージが! クエスト遂行が重要なゲームだけに主要クエストをレイドメンバーで共有しつつプレイするのが主流となりそうだ 想像以上に面白いモンスタープレイ。敵一人をレイドメンバー全員でタコ殴り! こんなプレイもレイドプレイならでは
遂に城の一つを攻め落とすことに成功! 勢いにのるレイドメンバーたちは、このまま2つ目のポイントを占領することに 残すは中央にそびえる城のみ。血気盛んに戦いに挑むがあえなく惨敗。その後。何度かリベンジを試みるものの……。各メンバーの都合もあり残念ながらレイド解散となった モンスタープレイでは宿命点を獲得。宿命点は通貨のように使うことができ、新しいスキルや容姿を磨くことができる



■ 気になる和訳の完成度は?

 欧米産のMMORPGということで、日本語への和訳の完成度が気になるユーザーも多いだろう。本タイトルがクエストをこなすことでレべリングしていくのがメインであることを考えると、クエスト内容がきちんと理解できるかどうかは、ゲームをストレスフリーにプレイできるかどうかに直結する。また原作をよく知るユーザーにとっては、物語に登場する村や町中で展開されるドラマティックなストーリーをきちんと共有することができるのか? 和訳の良し悪しは重要なファクターだ。

 限られた時間内でクローズドβテストをプレイした感想に限っていえば、和訳の完成度は非常に高い。一部のユーザーが同社のこれまでの作品を揶揄して言う「さくら語」の心配もないと言っていいだろう。和訳が100%完璧であるとは断言しないし、ごく一部に表現のおかしな翻訳も見られたものの、ゲームをスマートにプレイできるだけのクオリティは維持されている。今後もこの点は改善が続けられるであろうし、和訳に関しては全体的に完成度は高いといえよう。



■ マシンスペックはメインメモリの量が重要?

 必須環境、推奨環境は明記されてはいるものの、やはり自分のPCで快適に「LOTRO」を楽しめるのかは気になるところだろう。日本でのクローズドβテストの前にも、インターネットの掲示板などで、既に海外のオープンβテストに参加していたユーザーにマシンスペックについての質問が飛び交っていた。

 実際にプレイした感覚から言うと、「LOTRO」を快適にプレイしたいなら、ビデオカードはさておき、メインメモリはできれば2GBは欲しいというのが正直なところ。1GBの環境では、街中などオブジェクトの多い場所でHDDへのスワップが発生することが多いからだ。

 そう簡単にメインメモリを増設できない場合もあるだろうが、その際はアンチエイリアスを無効にしたり、低解像度の設定(800×600ドット)を選ぶなど、グラフィックスの設定を下げることで、それなりにパフォーマンスは改善される(もちろんグラフィックスの品質は落ちる)。

 参考までに、公式発表された動作環境と合わせて、筆者の2台のマシンスペックと、プレイ感を記述しておく。あくまでも筆者の個人的な感想であり、このマシンスペックで快適な環境を保障するわけではないので、「LOTRO」をプレイする目安として見ていただきたい。

● 動作環境(クローズドβテスト時のもの)

  • CPU:Pentium 4 1.8GHz以上 (2.8GHz以上推奨)
  • メインメモリ:512MB以上 (1GB以上推奨)
  • HDD:10GB以上の空き容量
  • ビデオカード:GeForce 3 または RADEON 8500以上 (GeForce 6800 または RADEON X850以上)
  • ビデオメモリ:64MB以上(128MB以上推奨)
  • OS:Windows XP/Vista



VAIO typeS プレミアムバージョンでのスクリーンショット
● VAIO typeS プレミアムバージョン

  • CPU:Core 2 Duo T7200(2GHz)
  • メインメモリ:2GB
  • ビデオカード:GeForce Go 7400
  • OS:Windows Vista Home Premium
 使用するコンピュータに最適なグラフィックス設定をゲームが自動的に選択してくれる、「最適な設定を検出」をクリックすると“高い”の設定となった。

 グラフィックスのクオリティは、今回掲載しているスクリーンショット全てが、この設定で撮影したものだ。筆者的には十分満足できるレベル。動きのほうも気になるところはなく、レイドプレイにいたっても、快適にプレイできた。



自作PCでのスクリーンショット
● 自作PC

  • CPU:Athlon 64 +3500
  • メインメモリ:1GB
  • ビデオカード:GeForce 6600 GT
  • OS:Windows XP
 こちらは「最適な設定を検出」をクリックすると“普通”の設定となった。

 VAIO typeS プレミアムバージョンと比較すると、グラフィックスのクオリティが一段階落ちた分、若干寂しい感じはするものの、筆者には満足できるレベル。ただしメインメモリを1GBしか積んでいないせいか、要所要所でHDDにスワップするのが気になった。

 スワップすると瞬間的に画面がカクカクする。VAIO typeSでかなり快適にプレイしているだけに、このカクカクが何回もおこるとかなりのストレス。グラフィックスのクオリティを下げることで多少は改善されるが、できればメインメモリを増設したいところだ。



 かなり端折ってお伝えしてきたが、「LOTRO」がどんなゲームか理解していただけただろうか。「よくあるMMORPG」には収まらない、「LOTRO」の魅力が伝わっていれば幸いだ。

 まとめとして改めてお話しさせていただくが、レべリングについてはクエスト重視の設計だけに、クエストをこなさなければ何も始まらない。しかもクエストは、こなしてもこなしてもなくならないほどの量がある(レベリングがクエスト重視なんだから当然だが)。広大な中つ国。様々な街や村で多くの人々との出会い、それだけであっというまにクエスト受注上限の40に達してしまう。次々とクエストを攻略していくのが嫌いな人には、またクエストかよ……と苦痛に感じるかもしれない。逆にこのポイントをクリアできれば、クエスト自体は短時間かつソロで遂行できるものも多いので、1日1時間しかプレイできない人でも十分楽しめるはずだ。

 しかも、「LOTRO」はゲームにログインしない間にもゆっくりながら「活性経験値」というものが蓄積されていく。この活性経験値を得た状態でモンスターを倒すと、取得経験値がなんと通常の2倍になる(クエストでもらえる報酬の経験値に変化はない)。忙しくてなかなかゲームに参加できないユーザーにも共済措置があるわけだ。

 では逆に、「LOTRO」の世界にどっぷりと浸かりたい人にとってはどうなのか? クローズドβテストの限りある時間の中では、残念ながらその真意は追及できなかった。しかしながら、レベル40以上からのPvPが用意されていることを考えると、最終的にはエテン高地を舞台にPvPを中心としたプレイが盛んに行なわれ、「LOTRO」をプレイするユーザー同士による、真の自由の民と邪悪な影の壮絶なバトル、“指輪をめぐる冒険”が繰り広げられるであろう。……そう願いながら本レポートを終了したい。

THE LORD OF THE RINGS ONLINE: SHADOWS OF ANGMAR interactive video game (C) 1995-2007 Turbine, Inc. and patents pending. All rights reserved. Middle-Earth Poster Map (C) 2007 The Saul Zaentz Company, d/b/a Tolkien Enterprises (SZC), under license to Turbine, Inc. All rights reserved. "The Lord of the Rings Online", "Shadows of Angmar", The Watcher logo, "The Lord of the Rings" 及びキャラクター、イベント、アイテム、場所の名前はSZCの登録商標または商標で、Turbine, Inc. が使用許可を受けたものです。Turbine及びTurbineロゴは米国及びその他の国における登録商標または商標です。 SAKURA Internet及び SAKURA Internetロゴはさくらインターネット株式会社の商標です。その他記載されている会社名、製品名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。その他すべての商標はそれぞれ所有者の所有物です。

□さくらインターネットのホームページ
http://www.sakura.ad.jp/
□「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」のページ
http://www.lotro-japan.com/
□「LieVo」のページ
https://www.lievo.jp/
□関連情報
【5月10日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
11日のオープンβテスト開始に向けた発表会を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070510/lotrop.htm
【5月7日】さくらインターネット、MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン」
5月11日よりオープンβテスト開始。方針が異なる3ワールド展開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070507/lotro.htm
【4月13日】さくらインターネット、「DDO」と「LOTRO」のセットを
1,000円割引でプレイできるプレイチケットを発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070413/sakura.htm
【4月6日】SeedCとテクモ、WIN「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」
4月24日よりクローズドβテストを実施。パッケージ発売日も決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070406/lotro.htm

(2007年5月10日)

[Reported by 平井信幸]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.