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★Xbox 360ゲームレビュー★

音楽をテーマに丁寧に作り込まれた
王道かつ大作のRPG

「トラスティベル ~ショパンの夢~」



 Xbox 360の国産のオリジナルタイトルとしては「ブルードラゴン」以来となるRPG「トラスティベル ~ショパンの夢~」がついに発売される。今作はフィールド画面を中心に進み、豊富なイベントムービーやシンボルエンカウントでのバトルを経験して冒険を進めるというタイプのRPG。開発は「バテン・カイトス」シリーズの開発に参加した株式会社トライクレッシェンドが担当。作品を丁寧に作り込むことで知られる同社の技術がXbox 360という最高水準のプラットフォームの上で、斬新さの中にどこか懐かしさを感じる純度の高いRPGがアウトプットされたといえる。

 筆者はメーカーというブランド力にめっぽう弱く、トライクレッシェンドの作品というだけで「トラスティベル ~ショパンの夢~」を遊び始めてしまった。そして作品のシナリオの魅力、美麗なグラフィックで構築された世界観、操作の安定感、作曲家・桜庭統氏(さくらばもとい)のBGMによるゲームの盛り上げ方など総合的にハイクオリティな出来映えの今作にとても満足した。トライクレッシェンドというブランドへの期待と信頼は裏切られることがなかったのだ。

フィールドマップの様子や必殺技の演出、セーブポイントなど各所に「バテン・カイトス2」を思わせるところがある
バトル中に敵の写真を撮影できる「エネミーフォト」が「バテン・カイトス」の「カメラのマグナス」の復活のようでお気に入り。現像された写真は店で売ることが可能。その際の売値は低評価の写真でも割と高く買ってくれる


 ストーリーは、題名にもなっている実在の音楽家「ショパン」が見ている夢の世界を舞台としている。実際にゲームをプレイしていると、夢の中の「ショパン」は仲間の1人という立ち位置で、むしろポルカやアレグレットといった少年少女の冒険がメイン。

 自由意志があるのではないか? と思えるほど、生命力に満ちあふれているポルカやアレグレットたちの冒険を踏襲することで、夢であるはずの世界が現実味を帯びてくる。この世界は本当に夢なのだろうか? それとも、時折挿入される「眠っている現実のショパン」の世界が夢なのか? どちらが夢で何が真実なのかを知るために、筆者も時間を忘れてストーリーを進めることに集中してしまった。

リアルタイムムービーによるイベントシーン。スキップも可能だ


■ 存在感のある世界とキャラクタの細かなしぐさに注目

 本作の、トゥーンシェードに独特の処理が施されたと思われる温かみのある3Dキャラクタと、キャラクタたちの受け皿となる背景グラフィックの美しさはプレーヤーを没入させるだけの確かな説得力を持つ。

 例えば、雪が降るシーンでは画面の手前に振る雪がきちんと結晶の形であり、草原に咲く花は花弁や葉の1枚1枚まで見分けることができるなど、オブジェクトが緻密に作り込まれている。また、ただ美しいだけでなく、「え、ここにこれ?」と唸らせてくれるセンスも秀逸。西欧のRPGの世界観なのに、墓場のシーンで突然日本の墓場の「塔婆」のようなものが立てかけてあったりする意外性。フィールドが単なる移動のためのものではなく、現実味のある幻想世界のパーツとして大事にされているために散策自体を楽しめた。

 もう1つ、筆者がスタート直後に世界に引き込まれた仕掛けがある。俳優森本レオ氏のナレーションで、村の紹介が実に4分半(!)続くのである。世界観を大事にしているゲームは多々あれど、本作のこの導入部の丁寧な描き方によって、プレーヤーの意識は遊離し、「トラスティベル ~ショパンの夢~」の中の住人として世界に没入できるのではないだろうか。

「エネミーフォト」のように背景グラフィックのフォトも撮れれば最高だったが……それほどまでにこの世界は印象深い


それにしてもポルカのこのシーンは良い
 柔らかいタッチの絵のキャラクタも、髪の毛の先まで緻密にモデリングされている。おとぎの国のような幻想世界の住人であるキャラクタと、独特の手法の相性が良く相乗効果を生み出しているといえるだろう。

 また、キャラクタたちの仕草とそれに対応するオブジェクトのアクションにも注目したい。例えば、ドアがあるとする。キャラクタはきちんとドアノブを握って回し、引いて入ったドアなら、部屋から出るときはドアを押して出てくる。普通のRPGならブラックアウトで終了するだろう細かな生活風景まで作ってあるところがたまらない。また、ポルカが高所から飛び降りるシーンで、きちんとスカートを抑えている姿には女性らしい仕草まで再現されていて思わずグッときた。

キャラクタの微妙な表情の動きによる心境の変化もアニメで表現されていて、このタイトルのテーマといえる生命観が非常によく創出されている

 さて、序盤に仲間となるキャラクタは過去の記事(1)(2)(3)で紹介済みなので、軽いおさらいと、プレイしてのそれぞれのキャラクタをお伝えしたい。また、以降も仲間となるキャラクタはまだまだ登場するので、楽しみにしていただきたい。

【ポルカ】
魔法を扱うことで村人から疎外されているが、誰を恨むこともなく純真に生きている少女ポルカ。攻撃方法は傘の殴打で攻撃速度は遅く、ヒット数を稼ぎにくい。光の必殺技(魔法)での回復を得意とするが、闇の必殺技もそれなりに威力が高い
【ショパン】
ポルカたちの住む世界を「私の夢」として認識しているショパン。だが、冒険を進めるうちに次第に現実と夢の境界が曖昧なことを自覚していく。序盤は使える必殺技(魔法含む)は少ないが、レベルアップとともに回復・攻撃両面の魔法を覚えていくオールラウンダー。音楽家らしくタクトを振って攻撃するモーションも速い
【アレグレット】
口は悪いが面倒見の良い少年。イベントシーンでも、大人のショパンを差し置いて頼られるほどのリーダーシップを発揮する。剣での攻撃は威力が高く、移動スピードも速いので攻撃の要として期待できる。攻撃速度も早いため、ヒット数を稼ぎやすい
【ビート】
アレグレットとともに暮らす8歳の少年。攻撃に銃を使用し、遠距離攻撃を得意とする。明るい場所でのカメラ必殺技「ビビットショット」、暗い場所では「ナイトショット」はダメージを与えず「エネミーフォト(店売り可能)」を撮影する。撮影時のボイス「いいよ、いいよ、かーわいいよ」は戦闘中であることを忘れさせるほどキュートだ
【ビオラ】
放牧で生活する少女で、ある目的のためにポルカたちと行動をともにする。弓矢での遠距離攻撃を得意とし、ターゲットとの距離が開いているほど高ダメージを与える。必殺技「ヒールアロー」で回復を担当することもできるので、遠距離から攻撃と回復を担当するという芸当が可能
【サルサ】
「~だべ」という語尾のアゴゴの森の番人。マイペースかつ破天荒な性格で、チームのギャグ&トラブルメーカーといえる。ビートと張り合うイベントが何度もあるほど背が低いが、立派なアタッカー。両手に持ったリングで相手を張り飛ばす「ファイナルホーマー」の爆発力はすさまじいの一言


■ ゲームの進行に合わせてテンポアップするバトルシステム

 今作は「タイムシェアード リアルタイムバトルシステム」を採用している。まず、フィールドで敵と接触するとバトルフィールドへと移行するシンボルエンカウント制。敵、味方のキャラクタが順番に行動するターン制でバトルを行なう。バトルに参加できる味方キャラクタは最大3名。キャラクタを操作してバトルフィールドの敵をすべて倒すと勝利となる。1キャラクタが行動している間は他のキャラクタは防御と反撃以外の行動を取れないので、落ち着いて攻守に集中することができる。

 バトルの操作系統は左スティックでフィールド移動、Aボタンで攻撃(反撃)、Bボタンで防御、Xボタンでアイテムの使用、Yボタンで必殺技、左スティックボタンで行動パス、行動を起こす前にLB+RBボタン押しっぱなしで逃走、左トリガーで標準→全体、上方の順でカメラが切り替わる。オプションで攻撃ボタンをAからBボタンに変更できるので、別のハードのコントローラのボタン配置に慣れている人でも安心だ。

画面左端の「TT」という数値がシンキングタイム、縦のゲージと数値がアクティブタイムを表わす
 ここまでは一般的RPGのそれだが、今作のバトルのキモとなるのが、キャラクタに均一に設定された「シンキングタイム」と「アクティブタイム(行動時間、ゲーム開始時は5秒)」。この2種類のカウントダウンが終わるまでに、キャラクタの移動と攻撃を完了させなければならない。

 キャラクタに行動順番が回ってくると画面左情報のシンキングタイムがカウントダウンを始める。シンキングタイムは行動を考えるための猶予時間。シンキングタイムがゼロになるか、キャラクタに移動や攻撃などの何らかの行動を取らせるとアクティブタイム(行動時間)のカウントダウンが始まる。

 後述する「パーティクラス」のレベルでも異なるのだが、基本的にアクティブタイムは行動の有無に関わらず減少を続け、アクティブタイムがゼロになるまでキャラクタは自由に移動と攻撃が可能。アクティブタイムがゼロになると、次のキャラクタに行動順番が移る。アクティブタイム中にいかに行動を詰め込むかが重要になる。

 基本となる攻撃はAボタンを押すと近くにいる敵に向かって自動で攻撃する。アレグレットの剣やポルカの傘などの近接攻撃キャラは攻撃が当たる位置までターゲットに移動してから攻撃する必要がある。

 逆にビートの銃やビオラの弓などの遠距離攻撃の場合、攻撃する対象は、操作キャラクタの位置や向きなどから自動で決まる。複数の敵が近い場所にいるなどした場合のターゲットの切り替え方法は、対象ターゲットの方向を向き直す、近づく(離れる)などで行なう。きちんと自動補正してくれるとはいえ、「バカ、そいつを攻撃するんじゃないよ!」と思うこともあり、ボタン操作などでのターゲットの切り替えはできても良かったのではないだろうか。

ステータス変化にしてもポイズンなどの一般的なものとは別に、キャラクタの体が光り出す「シャイニングボディ」など光と闇に関する変化がある
 必殺技(魔法も必殺技として扱われる)は行動時間内なら何度でも発動できる特殊な技。威力の高い攻撃技から回復技までキャラクタによって様々な必殺技が用意されている。新しい必殺技はレベルアップで修得することが可能。必殺技はバトルフィールドの居る位置が明るければ光必殺技が、オブジェクトの影などで暗ければ闇必殺技が発動する。

 このフィールドの光と闇を利用した戦術は大きくバトルに影響する。例えば、草原などの上天気のバトルフィールドでは攻撃系の闇必殺技を出すために物陰や敵の影に入るような位置にキャラを移動させる。逆に回復効果のある必殺技は光必殺技に多いので、暗闇の多い場所では回復役を光(ロウソクの光、人魂など)の近くに立たせるなど工夫が必要になる。

 パーティレベルが上がっていくと、敵に攻撃を連続で当てヒット数をためると「エコー」と呼ばれるものが増加していく。エコーは4→8→12と4ヒットごとに増加し最大32まで増加。必殺技を使うときに自動的に消費され、エコー数の高さに比例して必殺技の威力が増大する。ヒット数とエコーはパーティ全体でためることが可能で、キャラクタからキャラクタへ引き継ぐことができる。攻撃速度が早くヒット数を稼ぎやすいビートやショパンでエコーを稼ぎ、別のキャラクタの必殺技を強化するといった運用法が望ましいだろう。

24以上ヒット数を稼いだエコーは必殺技のダメージ量が大幅に上がり、演出も豪華になる。キャラクタの正面にカメラが寄り、決め台詞のあと、技が始まる


素早い攻撃の防御は「Chance!」を見ても間に合わないことも。先行気味に入力しよう
 敵のターンでは、プレーヤーは主に防御に集中する。敵の攻撃時に画面下の「防御」が光り、キャラクタの頭上に「Chance!」と表示されたときに、タイミングよくBボタンを押すと、被ダメージ量を減らすことができる。入力タイミングはシビアで、ボタン連打では受け付けてくれない。

 難しいのは敵の攻撃方法によって防御タイミングが異なるということ。例えば、乱打系なら小刻みに「Chance!」が表示され、魔法なら直撃ギリギリまで「Chance!」が表示されない。新しい敵の攻撃方法は何度も練習して、防御の入力タイミングを覚えていく必要があるだろう。また、背後から攻撃されると防御不能。味方キャラクタは敵の方を向かせてターンを終了させたい。

 シンキングタイムやアクティブタイムの時間管理関係で重要となるのが「パーティクラス」という要素だ。パーティクラスはパーティ全体の能力を表すもので、第一章の中盤からレベル1、第二章の後半からレベル2、というようにゲームを進めていくとレベルが上がっていく。パーティクラスは主にシンキングタイム、行動時間、必殺技装備数に影響する。例えば、パーティクラスLV.1では「シンキングタイムが無限、行動時間・ストップ・5秒、必殺技装備2カ所」。TTが無限で、「攻撃や移動など行動している間だけ行動時間が経過」するために一撃ごとに立ち止まりながら次の行動をじっくりと考えることができる。バトルに慣れていないゲーム序盤では有り難みを感じるだろう。

 だが、戦闘になじんでくると、5秒という行動時間が、敵味方均等になっているために敵の行動時間終了を待つことが辛くなり、飽きがくる。その点を解消するために、今作ではパーティクラスの上昇という形で、戦闘のテンポを段階的に早めている。例えば、ゲームが進みパーティクラスがLV.3になると「シンキングタイム3秒、行動時間・リアルタイム・4秒、必殺技装備4カ所」という具合に戦闘時間のプロセスが詰まる。パーティクラスLV.1のように立ち止まっていてもカウントダウンがストップしないため、一歩でも動いたら4秒後にはキャラクタの順番は必ず終了するというわけだ。行動時間が縮まるということは損をした気分になるが、敵の行動時間も同時に少なくなっているので条件は同等。バトルに持ち込める必殺技やアイテム数が増えていくので、時間が少なくなった分を埋めるだけの戦略の幅は広がっていく。

 以上のように、「トラスティベル ~ショパンの夢~」は制限時間内にどれだけ行動が詰め込めるかを瞬時に考える必要があるバトルで、ボタンを連打するだけで戦闘に勝利できてしまうようなRPGでは得られない充足感があった。ゲーム序盤、パーティクラスLv.1の状態では戦闘のテンポの遅さにイライラすることもあった。だが、Lv.2、Lv.3とパーティクラスのアップにつれて行動計画を模索していくという楽しさが見つかってきた。バトルに不満を感じる人は、とりあえず3章中盤でパーティクラスがLV.3まで上昇したバトルスピードまで我慢して欲しいと思う。ただし、バトルを一手一手熟考して楽しみたいという人は注意。なぜなら、パーティクラスは一度上昇するとレベルダウンをすることができないからだ。


■ ブーニン氏が奏でるショパンの名曲と桜庭統氏のBGMでサウンド面も鉄板のできばえ

 今作のサウンドは、1800年代に実在したポーランドのピアニスト・ショパンのピアノ曲をテーマとして取り上げている。演奏は著名なピアニストのスタニスラフ・ブーニン氏によるものだ。ストーリーが章で区切られ、各章の題名にショパンのピアノ曲の曲名が付けられている(蛇足だが、キャラクタの名称も音楽関係の用語からとられている)。

 第一章なら楽曲「雨だれ」、第二章なら「革命」という形で、各章の特定の場面で題名と同じピアノ曲の演奏が流れる。つまり、ゲームをオールクリアすれば実績のロックが解除され、ゲーム内のすべてのピアノ曲が聴けるようになる。また、Xbox Liveのマーケットプレースで「アンロックキー」を購入し、すべてのピアノ曲のロックを解除することも可能だ。

曲が流れている間、画面にはショパンが作曲した当時の逸話がテキストで表示される。1800年代当時の西欧の情勢やショパンの作曲風景が語られる様子は、まるでNHKの番組「名曲アルバム」のようだ

 ショパンのピアノ独奏曲が流れる間は、クラシック音痴の筆者でも、美しい旋律に聞き入ることができた。このショパンの楽曲は、いわゆる評伝という扱い。現実世界のショパンについての伝記的意味合いで挿入されている。つまり、イベント、バトル、フィールドでゲームを盛り上げるための演出としてショパンのピアノ曲があるわけではなく、あくまでショパンのピアノ曲の演奏会という感じの独立した場面になっているわけだ。

 バトルやフィールドの曲は、「テイルズ オブ」シリーズや「バテン・カイトス」シリーズのBGMを担当した作曲家の桜庭統氏が担当。その壮大な曲調は今作でも健在で、特にロックテイストの濃いバトルの曲をファンが聞けば「あ、桜庭さんの曲だ」とわかるほど(特に『バテン・カイトス2』のファンなら即座に感じられるだろう)桜庭氏の音の個性が強い。キャラクタの愛くるしさと激しい戦闘曲のギャップは少々感じるが、戦闘意欲を存分に掻き立ててくれる名曲といえるだろう。曲数のボリュームもバトルで9曲、イベント曲で22曲、フィールド曲は31曲と多数収録。一度聞いた曲は、キャンプ画面の項目「ミュージック」から再生できる。早送りや巻き戻し機能はないが、タブでジャンル分けがされており、曲名付きで何度でも再生できるのが嬉しい。

 サウンド関連では、「セッション」と呼ばれるイベントがある。セッションを始めるには、宝箱やフィールドをチェックすることで入手できる楽譜のかけら「スコアピース」を入手して特定のNPCに話しかければよい。セッション可能なNPCが持っている1つのスコアピースに対し、こちらは所持しているスコアピースから1つを選択することでお互いのスコアピースを同時に演奏、つまりセッションのオート演奏が始まる。

 セッション終了後はお互いの演奏した曲がどれだけ合っていたかで評価され、高評価されるとレアなアイテムを入手することができる。高評価を得るにはリズムや曲調が合っていることが重要。プレーヤーがすることはスコアピースを選ぶだけなので、音楽シミュレーションゲームのようにプレーヤー自らが演奏する気分になれるわけではないが、意外に面白い曲ができあがったりするので、積極的にセッションをしたほうがいいだろう。

町やダンジョンにセッション可能なNPCが存在する


 各地で待ち受けているダンジョンは攻略に時間はかかるものの、頭をかかえて悩むような意地悪な仕掛けは少なめ。つまり回り道や行き止まりが多く、行く手を塞ぐ敵の多いダンジョンらしいダンジョンといえるだろう。また、ダンジョンやフィールドには、セーブポイントが「あれ、またあるよ?」というくらいポンポンと置いてあるので、少し進んでセーブして、続きはまた後日ということが簡単にできる。ゲームに長い時間を割けない人にはありがたいゲームといえるだろう。

 こうしてプレイを振り返ってみると、ハイクオリティなグラフィックや戦闘の特殊要素など最先端のハードのゲームらしさはたくさんあるが、ゲームの芯は極めてベーシックなRPGといえる。町から町へと冒険を続け、仲間を見つけ、武器を購入し経験を積むことでキャラクタを育てていく。余分な育成要素や武器強化システムやコレクション的な要素がさっぱりと排除(ミュージックのように必要最低限のコレクション要素のみ)され、RPGの本質が貫かれているといえる。

 悪く言えば、やり込み的な要素はそれなりに希薄なので(2周目にわらしべイベントはあるが)、そういった「究極まで遊ぶ」ことを目標にするプレイには向いていないかもしれない。だが、筆者としては最高水準の映像の中にどこか昔のRPGのような懐かしいニオイを今作に感じ、「RPGを遊んでいる」という、当たり前だが実は数少ないテンションを存分に満喫できたのが素直に嬉しかった。

(C) 2007 NBGI

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□バンダイナムコゲームスの家庭用製品公式サイト
http://www.bngi-channel.jp/
□「トラスティベル ~ショパンの夢~」のページ
http://namco-ch.net/trusty_bell/
□関連情報
【6月1日】バンダイナムコゲームス、Xbox 360「トラスティベル ~ショパンの夢~」
敵対勢力「フォルテ政府」の登場人物など、最新情報を一挙公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070601/tb.htm
【3月30日】マイクロソフト、Xbox 360本体と「トラスティベル ~ショパンの夢~」をセットにした限定パッケージを発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070411/tb.htm
【3月30日】バンダイナムコゲームス、新キャラ3人と予約特典情報を公開
Xbox 360「トラスティベル ~ショパンの夢~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070330/tb.htm
【2月23日】バンダイナムコゲームス、6月14日に発売日が決定
Xbox 360「トラスティベル ~ショパンの夢~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070223/tb.htm
【2006年9月23日】「東京ゲームショウ2006」バンダイナムコゲームスブースレポート その1
シリーズもの強し! ナムコレーベル
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060923/bn1.htm
【2006年6月23日】夢と現実の狭間で真実に出会う、新感覚クロニクルRPG
バンダイナムコゲームス、Xbox 360「Trusty Bell ~ショパンの夢~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060623/tb.htm

(2007年6月13日)

[Reported by 福田柵太郎]



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