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★PS3ゲームレビュー★

「RRs」から「6」を踏まえてさらにステップアップ
「リッジレーサー7」



ミニゲームは「ゼビウス」。HDDへインストールするときも遊べる
 “新ハードのローンチに「リッジ」あり”……これはプレイステーションから続く「リッジ」シリーズの伝説とも言えるだろう。PS、PS2、PSP、Xbox 360、そして今回、プレイステーション 3で「リッジレーサー7(RR7)」が発売日に手に入るという偉業が達成された。まずは開発の皆様、お疲れ様でした、といいたい。

 PSP「リッジレーサーズ2」から2カ月、Xbox 360版「リッジレーサー6」から約1年。PS3での「リッジ」はどうなっているのかをレポートしていこう。


■ コースバリエーションのベースは「RR6」だが、ちょっと待って!

 本誌でも何度もレポートしてきた「RR7」。その中で情報として欠けていた部分からまず確認しておこう。コース数は全部で44ということは明らかになっていたが、その中で新コースといえるのは14(逆走含む)。後は、ほとんどがXbox 360版「RR6」と共通したものになっている。だが、初代「リッジレーサー」に登場していたあのコースが復活しているというトピックスもあったりする(PSP『リッジレーサーズ』にも登場)。また、6と共通のコースでも、コースのグラフィックスは変化している。噴水などの仕掛けもパワーアップ。見え方もハードのグラフィックチップの違いなどもあって、細かく見ていくとかなり違った印象になっている。

 特に、HDMI接続のFULL HDで見たときのコースの奥行の広さや、マシンの光沢表現などははっきりと「違う」と思わせる説得力を持っている。違うハードだから比較しても仕方ない話だとも思うが、シリーズをすべてプレイしている人も、一度リプレイ映像や、プレイしているときにわざと止まって周りを見回してみるといい。ガードレールに厚みがあったり、いろんなところを見て、少なくとも筆者は「おおっ!」と声を上げてしまった。

 また、ニトロ使用時のエフェクトなども、単なるブラー(ぶれ)表現にとどまらない。特にトリプルニトロでは、体感スピードもかなりのものになる。これだけドキドキできるのはやはり「リッジ」だからだろうか?

旧来からのコースも、新コースもグラフィックスは強化、進化している


■ 簡単かつ効果的!? なカスタマイズ

マシンやパーツを手に入れたいなら、「メーカーズトライアル」に参加すべし
 「RR7」の新要素である「カスタマイズ」。マシンの性能に関する「パフォーマンスチューニング」、そして外観の変更ができる「エクステリアカスタマイズ」と2つがあるが、いずれもメインモードの1つである「リッジステイトグランプリ」モードでメーカーが主催するレース「メーカーズトライアル」に参加し、実績を残して各メーカーとコネクションを築くことが必要。メーカーズトライアルで結果を残せば、主催するメーカーとの間にコネクションが生まれ、マシンやパーツを購入したり獲得できるという仕組みになっている。

 新たなマシンを手に入れたり、カスタマイズパーツを入手するには、クレジット(CR)だけでなく、メーカーとのコネも必要になっているわけだ。勝敗の鍵を握るニトロでさえ、このカスタマイズなしには、単なるドリフトでたまる標準状態でしかない。

 この仕組みが非常に楽しい。いくつか試しにレースに参加して、マシンを手に入れたり、パーツを手にしてみるとわかってくるが、それぞれのメーカーやチューニングファクトリーごとに「色」がある。気に入ったものならどんどんそのメーカーやチューニングファクトリーのレースに参加してパーツを購入すればいい。気に入らないものは後回し、といった遊び方ができるのだ。パーツにはいろんな特徴があるが、特にエクステリア(外装)は、まるで実在のパーツメーカーのような存在感のあるパーツが、しかもそれぞれ特徴のあるデザインで統一されているように感じられるのだ。

 実際に車を所有している身からしても、「あのメーカーのエアロとあのメーカーのホイールを組み合わせたらかっこいいな」なんてことをしょっちゅう考えているわけで、非常に現実味がありわかりやすい。現実には「あそことあそこのフロントリップは似てるなー」なんてことがあって、購入には迷いがあったりするわけだが、このゲームにおいてはそれぞれのデザインポリシーがはっきり分かれていて、わかりやすいのがありがたい。

 また、カラーバリエーションもゲームの進行に合わせて増えていく。玉虫色に光る「マジョーラ」カラーなどは、今までのカーレースゲームでもあまり見なかった表現だ。ぜひ、手に入れて試してみることをお勧めする。

 カスタマイズできることで、ありがたみが増したのがパフォーマンスチューニング。特にサスペンションセッティングの変更が可能になったので、今まででは、たとえば「RAGGIOはダイナミックだから、あんまり得意じゃないんだよなー」ということであきらめていたものが、「サスペンションでステアリングの反応を機敏にすることで乗りやすくなった」ということができる。マイルドをスタンダードよりに、スタンダードをマイルドやダイナミックよりに、ダイナミックをスタンダードよりに、といったセッティングの変更で、乗りたいマシンを乗って楽しいマシンに仕上げていく楽しみが増えたのだ。

 対戦でもこのチューニングの効果は現われるだろう。たとえば、ダイナミック特性のマシンはどうしても競り合い時にぶつけられると挙動が乱れてコントロールしにくかった。スタートの混乱をうまく抜け出さないと逆転するときに気を使ったが、今回はチューニングすれば少し楽になったな、という感覚だ。

 また、多種多様なニトロキットも楽しい。この記事でも触れられているが、ニトロのチャージ、そして使い方のバリエーションがぐっと広がっている。初心者にお勧めなのはオートチャージ。時間が経てば勝手にたまっているので、ドリフトが苦手でもニトロが使えるようになるのはありがたい。また、使いたい時間だけ任意にニトロが使える「フレックスニトロ」なども面白い。しばらくはニトロ研究だけで楽しい思いができそうだ。

 もう1つ。「プラグインユニット」も見逃せない。マシン1台に1つしかセットできないが、いろんな効果があるパーツだ。オンラインバトルでライバルのニトロ量などデータをハッキングできる「レースデータアナライザー」を見れば、オンラインでほかのプレーヤーがどんなニトロキットを使っているのか一目瞭然。自分のマシン構築の参考になる。

外装パーツを変えても相当イメージが変わるし、カラーを変えるとさらにイメージが変わる。当然中身も……


■ 改良されたニトロチャージなどなど

 さて、普通に遊んでいるところの操作感に関しては、まさにPSP「リッジレーサーズ」からの伝統といえる3タイプのドリフトタイプのマシンが、それぞれそのまま、さらにパワーアップした味わいで遊べるようになっているという感触。滑りやすいダイナミックでは修正舵が忙しいし、がっちり食いつくマイルドではライン取りの研究が楽しい。もちろんスタンダードは走りやすくて誰にでも「リッジ」の楽しさが味わえるだろう。

 ただし、ドリフトとニトロの関係は少し変わっている。「RR6」では直線でもハイスピードでドリフトすればニトロがグーンとたまったが、「RR7」ではそこまではたまらない。また、ドリフト中に後ろからどつかれたときも、「RR6」ほどはチャージされないようになっている。このあたりはオンラインプレイ時にも影響が出るだろう。1人プレイでもCPUカーにどつかれてラッキーでチャージできたり、幸運なことがあったという人にはちょっと「RR7」は苦しいことになっているかもしれないが、その分きちんとゲームを攻略できた楽しみに浸れるというものだ。

 さらに、「スリップストリーム」の効果もなかなか見所がある。前走車の背後につき、そのボディを壁として利用して空気抵抗を減らし、より少ないパワーでスピードが上げられるのがリアルなスリップストリームだが、本作でもスリップに入ったマシンは最高速が伸びる。これを利用して、背後に張り付いて直線でもニトロなしに抜き去ることができる。このスリップを使いまくることで、1人プレイでも、最高速に劣るマイルド特性の車でもしっかりと勝ち抜けるのだ。

 また、「7」では、1人プレイのメインとして「リッジステイトグランプリ」が登場。「RR6」の「ツアー」形式ではない(『6』はどこまで連戦するかをある程度自分で決定できた)形で連戦グランプリを勝ち進んでいくことになる。1つのグランプリが4~5戦ぐらいで終わる(さすがに最後のほうはそうはいかない)が、短時間でテンポよく進んでいけるので、忙しい人にはありがたいうえに、集中力が切れる前にレースが終わってくれるリズミカルなプレイが可能だ。このテンポ感こそが「リッジ」が「リッジ」たるゆえんだと筆者は考える。短めのコースを連続してプレイする、ジェットコースター感覚が味わえる。

 CPUカーの手ごたえもバランスよく、ダンゴになった敵を抜き去ると追いすがってくる。ニトロもちゃんと使ってくるし、アルティメットチャージも狙ってきているようだ。

ニトロでの加速はエフェクトもあって爽快感がある


■ 参加者求む! 楽しいオンラインプレイ

 「RR7」でのオンラインプレイは「オンラインバトル」で楽しむことができる。基本的にオンラインで対戦プレイができる、という要素はオンライン対応レースゲームでは普通のことだが、最大14台までの同時プレイが可能なオンラインプレイでユニークなのは、チームプレイやコンビプレイといった多種多様なルールが設定できること。また、自分で対戦ルームを作ることで、FP(名誉ポイント)が増えるという特典もある。

 前述のシステムの変更により、本来の「ドリフトがニトロを生み、ニトロがドリフトを生む」という循環に戻ったといえる「RR7」の対戦はなかなか楽しい。ニトロをチームメンバーに分け与えたり、もらったりといった駆け引きを考えながらのプレイは慣れないうちはなかなかうまくいかないだろうが、うまくいったときのことを考えるとちょっとうれしくなる。

 まだまだ普及台数も(事情もあって)それほどではないが、これから全世界でPS3が発売されたら、オンラインプレイも盛り上がってくることだろう。また、グローバルタイムアタックなど、世界中で記録を競うことができるのもうれしい。今作から追加した2人でのタイムアタックも、リプレイが見てみたいものの1つ。それと、「ヒーローインタビュー」も楽しみな要素だ。早速すでにいくつかコメントがあがっていたが、どんどんオンラインプレイに参加してもらいたいと思う。

■ 「リッジレーサーズ」からの集大成といえる「RR7」

 いろいろ見てきたが、「RR7」は、PSP版「リッジレーサーズ」からの主要スタッフたちが手がけてきた一連の作品の集大成的タイトルといえる。原点回帰と対戦プレイを家庭用携帯ゲームタイトルでチャレンジした「RRs」、「RRs2」、そして次世代機と呼ばれるXbox 360でのオンラインプレイを手がけた「RR6」の成果が、すべてこの「RR7」に注ぎ込まれているといってもいい。

 オンラインシステムの違いで「RR6」であったボイスチャットなどがなくなっていたり、「RR6」から続いてプレイする人には同じコースがあるから新鮮味がない、という人もいるだろうが、細かいところにいろいろ気配りがされている「RR7」は、完璧とはいわないまでも、ちゃんと「リッジ」として楽しいタイトルに仕上がっていると思う。

 また、大久保博氏を中心としたサウンドスタッフの仕事も、「RR7」の大きな魅力だ。サラウンドシステムで聞くと、フロアの中心にいるかのような包まれ感を感じるBGMと、バックミラーを見ながら、まさに背後にいるようなライバルたちのエンジン音を聞くと、FULL HDのモニターと5.1chサラウンドシステムがほしくなること間違いなしだ。できる限り自分のベストの環境でプレイしてもらいたい。そんな気持ちになる1作だ。

RIDGE RACERTM 7 (C)2006 NAMCO BANDAI Games Inc.
※画面は開発中のものです。

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□製品情報
http://namco-ch.net/ridgeracer7/index.php
□関連情報
【11月2日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
「オンラインバトル」など詳報公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061102/rr7.htm
【10月23日】第2回「digital TIFFシンポジウム」において「リッジレーサー7」多地点生中継実験が実現!
対戦イベントが大画面スクリーンで楽しめる時代に!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061023/dtiff.htm
【10月13日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
無限の可能性を実現したマシンカスタマイズの魅力に迫る!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061013/rr7.htm
【10月11日】バンダイナムコゲームス、PS3「RIDGE RACER 7」、「機動戦士ガンダム ターゲット イン サイト」購入キャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061011/randg.htm
【9月1日】新要素で新たな「リッジレーサー」の世界を作り上げた
バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060901/rr7.htm
【5月11日】バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」のE3出展映像を公開!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060511/rr.htm
【5月10日】「リッジレーサー7」インタビュー
アソシエイトプロデューサー・寺本秀雄氏に聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/rr7.htm
【4月28日】14人のオンラインバトルが楽しめ、マシンカスタマイズ機能も搭載
バンダイナムコゲームス、PS3「リッジレーサー7」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060428/rr7.htm

(2006年11月13日)

[Reported by 佐伯憲司]



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