|
会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円) Roper氏とは、今年すでに9月の東京ゲームショウでインタビューを行なったばかりだが、今回、クローズドβテストの募集開始を手始めに、マルチプレイモードでの出展、3番目のクラスとなる「ハンター」の公開など、比較的作品に大きな動きが見られたため、改めて詳しく話を伺ってみた。
■ 気になるマルチプレイモードのゲームデザインについて
Roper氏: 各ブースは非常に魅力的で、私たちのブースでも多くのフィードバックを得られ、嬉しいです。G★ 2006は素晴らしいイベントだと思います。 編: G★ 2006に合わせてネットワークモードを始めて公開しましたが、これは何か理由はあるのでしょうか? Roper氏: 特に意図したことではありません。Bllizardにいる時から開発チームのモチベーションのために、こうした大きなイベントスケジュールに合わせて開発の区切りを設けています。今回のG★ 2006はネットワーク機能の作りこみと、新しいキャラクタの「ハンター」の実装を目標に開発を進めてきて、そのタイミングがうまく合いました。 編: 今回ようやくマルチプレイモードを公開しましたが、現在の開発状況はどれくらいでしょうか? Roper氏: 正確に答えるのは難しいですが70~80%程度です。12月末から正月にかけてアルファ版やクローズドベータが形になるよう開発を進めています。私もクリスマス休暇を返上でチームとともに開発に注力するつもりです(笑)。 編: マルチプレイモードの基本的な仕様を教えてください。 Roper氏: まず、ゲームプレイに関するところですが、数百人くらいのプレーヤーが集うタウンを地下鉄の駅の中に設けます。1度の戦闘でプレイできる人数は4人から8人で考えています。これはタウンの規模によって違います。デザインとしてはギルド40人から50人でのギルドシステムも実装して、大規模なPvPコンテンツも実装するつもりです。 編: タウンとは、街なのか、フィールドなのか、建物なのか、ダンジョンなのか、どこまでを含む概念なのですか? Roper氏: タウンは地下鉄フィールドのことです。いわゆるMMORPGの街にあたります。プレーヤーが集まってグループやギルドを作りコミュニティを作ることができます。また、トレードやオークションハウスなどの経済活動もできますし、クエストを受けたり「Hellgate」の世界の人々と会話したりすることができます。ここには敵は出現せずセーフゾーンの役割も持っています。 グループを作った後は、ランダムマップインスタンスでアドベンチャーを行なうこともできます。この点のデザインは「Diablo 2」や「Guild Wars」によく似ています。しかしこれらと「Hellgate: London」の差はインスタンスの柔軟性です。最初8人でスタートして途中でプレーヤーが抜けたとします。すると、抜けた人数に合わせてダンジョンのモンスターが減るなど、プレーヤーたちに合わせてレベルが変わります。また途中からインスタンスに入ってくることも可能です。 編: ゲームでカバーしているロンドンの地域を教えてください。 Roper氏: ゲームを作るにあたり、実際にロンドンに行って写真を撮るなど取材を行ないました。ロンドンに実在のミュージアムやマーケットなどもゲームに再現しています。ゲームの中でランダム生成されるマップもロンドンの一部に見えるようになっています。 正確なエリア数までは判りませんが、10個ほどの場所が実在のロケーションとして存在すると思います。例えばテムズ川やヴィクトリア宮殿など実在の場所にありますが、水が枯れていたり、廃墟になっていたりと、ゲーム内での姿はずいぶん違います。もちろん架空のものも存在します。タウンの最終的な数は判りません。ただ多いとしか言いようがありません。 編: タウンとして有名な地下鉄の駅は再現されているのでしょうか。 Roper氏: 実在のものも含め、多数再現しています。 編: 「Diablo 2」ではクエストを進めることで、次々に新しいエリアに進出することができました。「Hellgate: London」ではこの点はいかがでしょうか? Roper氏: 新しいエリアを経験する方法は2通りあります。シングルプレイとMMOマルチプレイモードです。シングルプレイでは24時間~48時間のゲームプレイでストーリーを一通り経験できます。もちろん同じストーリーをキャラクタなどの条件を変えた上で繰り返し遊ぶこともできます。 マルチプレイではストーリーにとらわれないマルチプレイ限定の追加的なクエストや、1ライフのハードコアモード、PvP、ギルド機能などさまざまなコンテンツが用意されています。オンラインプレイでは非常にオープンで新しい経験ができると思います。正式サービス後もアップデートを通じていろいろな機能が追加される予定です。ビジネスモデルやユーザーの動向に合わせて、随時「Hellgate: London」をアップデートしていきます。 シングルプレイではチュートリアル的な側面もありますが、ハードなモードや他のユーザーとのプレイを楽しみたい場合はマルチプレイが良いでしょう。マルチプレイと協力したり競争したりができるので、ゲームへのモチベーションはこちらのほうが高まると思います。 「Diablo 2」では、マルチプレイしかプレイしないユーザーはごくわずかでした。大半のユーザーはシングルプレイで「Diablo 2」を始め、うち半分のユーザーがマルチプレイをしませんでした。そして残り半分のユーザーが一度シングルプレイで世界観を楽しんだ後マルチプレイに移行しました。マルチプレイではほかのプレーヤーと切磋琢磨することによってモチベーションが高まります。 編: オンラインプレイで拡充される新しいコンテンツはどのようなものがありますか? Roper氏: いろいろありますね。まずはシングルプレイでは味わえない他のプレーヤーとの体験があげられます。すでに決まっているものもあるのですが、まだ実装しきれていません。例えば、その日やその週で一番モンスターを倒した人にはランダムで特別なアイテムが貰えるなど、PvPでの他のプレーヤーとの対戦以外にも競争要素があります。 編: マッチメイキングサービスは別にあるのでしょうか。 Roper氏: それを行なうのがタウンの役割になります。「Hellgate」は、クライアントサーバー型のサービスなので、「Counter-Strike」や「BattleField」のようなP2P型のゲームと違い、「World of Warcraft」や「Lineage II」のようなMMORPGと似ているといえるでしょう。サーバーにきたユーザーに高いセキュリティ環境を提供することが可能です。 また、コミュニティを確立するためにギルドやパーティを作るためにユーザーたちは時間がかかりすぎています。例えばオンラインプレイに参加すると簡単にギルドリストやフレンドリストを参照することができます。グループに参加するのも容易ですし、誘うことも簡単です。 編: 「Battle.net」と何が違うのでしょうか。 Roper氏: 「Battle.net」はチャットルームロビーとしては非常に優秀です。アバターやトークなどゲームプレイのきっかけ作りには適しています。大きな違いは何かといえば、MMORPGと大きく違うのはチャットルームから接続するところでしょう。まずチャットルームから接続し、次にゲームが立ち上がります。「Hellgate」では、いきなりゲームに接続するようになります。ここが大きな違いです。
■ ハンターの魅力と能力、パーティープレイでの立ち回りについて
Roper氏: 「ハンター」の特徴は「Hellgate: London」におけるFPSのポテンシャルを盛り込むべく実装しました。特徴はほかの2キャラが自動標準機能が搭載されているのに対し、「ハンター」はプレーヤーの手動によるエイミングが必要となります。 エイミング能力や位置取りなどプレーヤースキルを重視したユーザー向けのクラスとなるでしょう。それを実現させるためにハンター専用のテクニカルな遠距離武器を装備します。FPSプレーヤーを満足させるキャラクタデザインになっています。「Hellgate: London」は、アイテムを集めたりスキルを覚えたりと純然たるRPGですが、FPSゲーマーにも大きな関心を持たれているのも事実です。 編: 「ハンター」専用武器に何があるのでしょうか。 Roper氏: 近代的な武器がそうです。例えばスナイパーライフルの他、専用のスコープアイテムなどサポートアイテムがあります。「ハンター」の武器はプレーヤースキルに依存するように作られており、ハイテクなコンセプトで作られています。他の2キャラはソードやシールドといった近距離武器が主体になりますが、「ハンター」の武器は遠距離武器になります。正確なエイミングの他に戦術的な行動が不可欠です。 専用スキルには、伏せて命中率を上げ、かつ射程距離を伸ばす代わりに動けないといったスキルもあります。他にはラピッドファイヤのような銃を連射する代わりに命中力を犠牲にするといったスキルがあります。これらは何らかの能力を犠牲にして別の何かの能力を上げるスキルが多く、こうした組み合わせはFPSが好きな玄人のユーザーには好まれるでしょう。 「Counter-Strike」などの代表的FPSを例にとると、10分から15分で楽しめるようなゲームにデザインにされています。しかし、「Hellgate: London」では、非常に長いスパンでのゲーム体験を楽しむ設計になっています。長い時間をかけてキャラクタを育て、新しい武器を手に入れ、カスタマイズし、スキルを使いこなしていく。これが一連のゲーム体験になります。FPSライクでありながら、長期間にわたってキャラクタとユーザーとの関連付けされるのがRPG「Hellgate: London」の「ハンター」の姿です。 編: パーティプレイにおける「テンプラー」、「カバリスト」、「ハンター」の役割を教えてください。 Roper氏: 「ハンター」はモンスターと遭遇した際の、ロングレンジからの火力によるサポートに適しています。そこらじゅうの敵をバリバリ倒していくことになるでしょう(笑)。テンプラーは硬い装備を纏ってモンスターに直接対峙し、味方から敵を遠ざける役割になります。カバリストはテンプラーのやや後方から補助魔法をかけ、敵を弱体化させる魔法を使います。そして自身の手下のペットを連れています。ちょろちょろそこらにいたり、空を飛んでいたりします。 例えばボスとのバトルを例に説明しますと、防御に特化したテンプラーがタンク役となってボスをひきつけます。そして、手下を連れたカバリストがすぐ後方からの支援に入ります。テンプラーを支援しつつボスを弱体化させます。ハンターは単体の敵を一撃必殺するようなスキルに長けていますので、遠距離からボスを直接狙っていきます。 もっとも、ハンターは、銃器の扱いだけでなく、大きなドローンやロボットを作成するようなスキルも持っていますので、戦い方はこの限りではありません。プレーヤーの好みによって特化していきます。一口にハンターといっても多様な種類のハンターに出会うことでしょう。 編: この3つのキャラクタクラスを最後に正式サービスが始まるのでしょうか。 Roper氏: 現在は3つのキャラクタクラスですが、新たなキャラクタを開発する計画もあります。今は非常におおまかな分け方で3種類です。どのスキルを上げていくかによってキャラは随分と多様化します。おそらく何十というタイプに派生すると思います。1つのスキル帯に特化したキャラからバランスをとったものまで、ハンター1つとってもいろいろとできると思います。
■ ビジネスモデル、サービススケジュール、マルチプラットフォーム展開について
Roper氏: ロンチする国によって最適なビジネスモデルを検討していくつもりです。北米の場合はパッケージとオンラインで展開予定です。アイテム課金、カード決済やプリペイドカードなど多様な決済手段に対応できるように設計されています。日本や韓国などのアジア地域でのビジネスモデルは現在検討中ですが、何がベストなのか現地パブリッシャーとじっくり検討していきたいと思います。 編: 北米ではパッケージ販売のみになるのでしょうか? Roper氏: パッケージとオンライン課金です。それが月額課金になるかアイテム課金になるかはまだ決めていません。北米でもアイテム課金はポピュラーになっていると思いますので、まだまだ検討の余地はあると考えています。ビジネスモデルについては正式発表までははっきりは申し上げられません。 編: 「Hellgate: London」は、現在PCのみの展開が予定されていますが、マルチプラットフォームの計画について教えてください。 Roper氏: 「Hellgate: London」のコンソールへの対応は、提携パートナーと協議しているところです。環境の移行などやらなければいけないことはいくらでもあって難しいと思いますが、私個人の気持ちとしては大歓迎です。コンソールとPCでゲーム体験を共有できれば良いなと思いますね。 編: 日本でのサービススケジュールを教えてください。 Roper氏: 正確にはわかりませんが、米国サンフランシスコからβテストを始め、ドイツ、韓国、日本、オーストラリアなど全世界に向けて行うつもりです。 編: 来年の前半頃には遊べると期待していいでしょうか? Roper氏: はっきりは申し上げられませんが、来年中ということならハッキリYesと言えるでしょう。 編: 最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。 Roper氏: 「Hellgate: London」をTGS 2006で出展できてとても嬉しかったです。目の肥えたゲーマーから豊富なフィードバックを得てチームのモチベーションが一層高まりました。本当にありがとうございます。日本にはゲームの長い歴史があります。発信しているゲームを見ても、ゲームの歴史を語る上で非常に重要な役割を果たしていると思います。今後も日本のパブリッシングパートナーと協力し、日本のユーザーの皆さんに精一杯の出来の作品をお見せできるでしょう。
編: ありがとうございました。
□G★ 2006のホームページ (2005年11月13日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|