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G★ 2006現地レポート

HanbitSoft、オンラインRPG「Hellgate: London」を全面展開
マルチプレイモードを初公開、正式サービスに向けて本格始動開始

11月9日~12日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:5,000ウォン(約650円)
子供3,000ウォン(約390円)


 韓国大手パブリッシャーのHanbitSoftは、「Granado Espada」、「スカッとゴルフパンヤ」、「Neo Steam」、「TANTRA」など、日本にも名の通った数々のオンラインゲームを擁する中、「G★」では出展内容をFlagship Studiosの「Hellgate: London」1本に絞るという思い切ったブースデザインで、同作の魅力を大々的にアピール。Flagship Studiosの古巣であるBlizzard Entertainmentと共に成長してきた同社らしい出展スタイルだった。

 今回、Hanbitは「Hellgate: London」のほかにも、プレスセンターや商談スペースを利用して、ファンタジーMMORPG「AIKA」やオンラインダンスゲーム「Groove Party」といった新作を公開した。ブース規模はそれほどでもなかったが、中身の濃い充実した出展内容だった。本稿では「Hellgate: London」の最新情報を紹介していく。


■ 待望のオンラインモードを初公開、韓国では一足先にクローズドβテストの募集も開始

まさに「Hellgate: London」一色のHanbitSoftブース。発表会のために訪れていたBill Roper氏も大満足だったようだ。Bill Roper氏のインタビューは追ってお伝えする
ブースには40台の試遊台を設置していたが、常時満席状態だった
「Hellgate: London」のスタート地点となるコベントガーデン駅。他のプレーヤーがいるのが確認できる。同駅は観光名所となっている駅だが、同作ではロンドンの主要な地下鉄駅がタウンとして実装される
 2005年のE3での初公開以来、世界中のゲームショウで少しずつ新しい内容が公開され、完成度を高めてきた「Hellgate: London」。日本でも2006年9月の東京ゲームショウでプレイアブル出展を果たし、初出で日本語版を公開するなど、大きな話題となった。ただし、E3や東京ゲームショウでの出展は「シングルプレイモード」に限定され、メインのゲームモードとなる「マルチプレイモード」に関しては、Flagship Studios CEOのBill Roperの口から部分的に明らかにされるのみとなっていた。

 しかし、今回の出展では、ついにマルチプレイモードが解禁された。40台の試遊台をブース内のサーバーに接続し、多人数でのオンラインプレイに対応していた。サーバー、クライアント間の技術的な仕様については、厳重な箝口令が敷かれているようで一切わからなかったが、現在の仕様では、「Diablo」におけるBattle.netのようなマッチングサーバーには接続せず、直にゲームサーバーに繋ぐ形になっていた。

 今回体験できた内容は、タウンと呼ばれるMMORPGにおける街に相当する地下鉄ターミナルにログインし、他のプレーヤーが混在するMMOエリアの中でクエストやタスクを受けて、周辺エリアでそれをこなしていくというもの。ちなみに同作ではクエストは、メインストーリーを展開させるために必須なもので、タスクは任意となっている。

 地下鉄ターミナルの「案内板」がセッションを作成する機能になっており、案内板をクリックすると作成済みのセッションの一覧が表示され、また、自らセッションを立ち上げることもできる。

 今回のデモプレイでは、マルチプレイモードをわかりやすく体験してもらうため、すべてのユーザーが同じセッションに参加し、同じフィールドを共有する仕様になっていたが、実際にはMMO部分はタウンのみで、屋外やダンジョンなどはインスタンス方式のMOエリアとなる。最大同時参加人数は8人程度を想定しているようだ。

 今回受けられたクエストやタスクは、クエストボスを撃破してクエストアイテムを取って来いというものや特定のアイテムを集めて来いなど、シンプルな内容のものが多かった。これらはあたかもMMORPGのように地下鉄ターミナルに点在しているNPCに話しかけていくことで、さまざまなクエストやタスクを受けることができた。

 ちなみに同じセッションに参加しているプレーヤーへの同士撃ちはできない仕様になっており、PKの概念も今のところない。対人戦については別途、独自のルームを使ったPvPモードが実装される予定だ。

βテストに申し込むために列を作るユーザーたち。今年の「G★」は、週末に入ってもあまり人が増えなかったが、Hanbitブースは常時多くのユーザーが集まっていた。韓国での大ヒットは間違いないと見ていいようだ

クエストを受けているところ。クエストを受けると画面右下にクエストの内容が表示される。時間制限が設けられている場合もある

他のプレーヤーと協力して強大なクエストボスと戦う。撃破後は、ボスからクエストアイテムを入手し、タウンに帰還して報告を行なう。これがクエストの基本的なサイクルになる


■ 3つ目のクラス「ハンター」を公開。手動照準必須のFPSゲーマーのためのロングレンジクラス

ハンターのバトルシーン。といっても序盤は専用ウェポンがないため、どのクラスでも似たような戦闘スタイルになる
ハンターのスキルのひとつ「インビジビリティ」。スキル1の状態ではわずか4秒しか効果を発揮しない。まさに緊急用だ
敵からドロップしたハンドガンで作成したDrone。スキルレベルの低いうちは攻撃力はハンドガン級で耐久力も低いため、それほど頼りになる存在ではないが、徐々に有用になっていくという
 今回の出展におけるもうひとつのトピックは、3つ目のクラス「ハンター」が公開されたことだ。刀剣を駆使した近接戦闘に特化したテンプラー、離れた距離から魔法攻撃や弱体を得意とするカバリスト、そしてロングレンジからボスの眉間を打ち抜くハンターと近距離、中距離、長距離が揃い、ようやくクラスが出揃ったことになる。

 ハンターは、多彩な銃器を使った遠距離攻撃を得意としたクラスデザインになっており、その最大の特徴は自動照準機能がオフになっているため、敵を攻撃する際はプレーヤー自らがしっかり敵に狙いを付ける必要があるところだ。

 専用ウェポンには、近未来を指向した多彩な銃器が揃っており、アウトレンジからの単体攻撃を得意とする。専用ウェポンによる攻撃は抜群の威力を持つ反面、うまく狙いを付けるために膝射(片膝撃ち)の体勢になる必要があるなど、味方の支援を必須としている。パーティープレイで活躍しそうなクラスだ。

 それではソロプレイは難しいかというとそうでもない。ハンドガンやマシンガンなど一般的な銃器は、同作ではオーソドックスな武器となっているため全クラスで使用可能だが、敵のアウトレンジから攻撃できる代わりに、数秒のリロードタイムが存在する。ハンターは、このリロードタイムを短縮するスキル「迅速な射撃(名称はすべてハングル版の独自訳)」を備えており、短銃や軽機関銃の類ならほぼ連発が可能になる。その代わり、ペナルティとして命中率が下がってしまう。ハンターのソロプレイ、あるいは乱戦時は、近寄ってくる敵に弾幕を張り、近寄られる前になぎ倒すというスタイルになりそうだ。

 そのほかのスキルは、数秒間敵から姿を隠すことができる「インビジビリティ」、片手銃を改造して護衛/支援用ロボットDroneを作成する「護衛ロボット」などが確認できた。インビジは緊急避難用として有用で、一方、Droneは、敵のターゲットをロボットに預けつつ、攻撃するといったプレイが可能になる。いずれも近接戦闘に難があるハンターにはありがたいスキルだ。

 ロボットは、がらくた金属パーツを組み合わせた体と、ハンドガンの頭というユニークな造形をしており、通常時はプレーヤーの後ろをついて回り、戦闘時は急速に移動して、銃撃を行なってくれる。高レベルスキルには、回復支援をしてくれるロボットが作成可能になるものもある。クリエイティビティを感じさせるユニークなスキルだ。

 なお、ブース入り口では来場者に対してクローズドβテストへの先行申し込みが行なわれ、多くの列ができていた。気になるサービススケジュールは、12月から1月を目処にクローズドβテストを実施し、早ければ来年前半にも正式サービスへ移行する見込み。このスケジュールは、あくまで北米と韓国を対象にしているということだが、同作の開発は世界同時に進められており、日本も運営元が決まらないなどの特殊な理由がない限り、これに準ずるタイミングでサービスが行なわれるものと予想される。

 ビジネスモデルについては、北米ではパッケージモデル+α、他国についてはパブリッシャーに一任する方針。パッケージ販売、月額課金、アイテム課金、ハイブリッド課金のいずれの課金方式にも対応可能だとしている。いよいよ完成が近づいてきた感のある「Hellgate: London」。βテストの開始が待ち遠しい限りだ。

【最新スクリーンショット】
テクノロジーパートナーとしてNVIDIAが参画してから、グラフィックスはますますパワーアップ。グラフィックス面ではまったく心配ない印象だが、その反面、当初より必要スペックがかなり増している印象があるのが心配だ

(C) 2005 - 2006 Flagship Studios, Inc. All Rights Reserved. Flagship Studios, the Flagship Studios logo, Hellgate: London and the Hellgate:London logo are trademarks and/or registered trademarks of Flagship Studios, Inc.

□G★ 2006のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□HanbitSoftのホームページ
http://www.hanbitsoft.com/
□Flagship Studiosのホームページ
http://www.flagshipstudios.com/
□「Hellgate: London」のホームページ
http://hellgatelondon.jp/
□関連情報
【11月7日】バンダイナムコゲームス、WIN「Hellgate: London」
キャラクタクラス「ハンター」の情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061107/hell.htm
【9月24日】Flagship Studios CEO Bill Roper氏特別インタビュー
マルチプレイ、ビジネスモデルなど「Hellgate: London」の気になる謎に迫る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060924/tgs_hell.htm
【2005年9月18日】米Flagship Studios CEO:Bill Roper他インタビュー
「Hellgate: London」数々の新システムが明らかに!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050918/hellgate.htm
【2005年9月15日】ナムコ、「Hellgate: London」記者発表会を開催
Flagship Studios CEO Bill Roper氏自ら最新情報を報告
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050915/hellgate.htm
【2005年5月21日】Flagship Studios、「Hellgate: London」プレビュー
「Diablo」クリエイターによるプロシージャルアクションRPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050521/e3_hell.htm

(2005年11月11日)

[Reported by 中村聖司]


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