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ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、10月24日、東京地裁で、不正アクセス禁止法違反で逮捕された元社員戸枝雅亮被告に懲役1年、執行猶予4年の判決が下されたことに対して、弊誌取材に応じ、原告側としての見解を明らかにした。 戸枝被告は、裁判の過程で、発覚当初ガンホーより発表された1,400万円相当ではなく、実際にはその3倍に相当する5,000万円相当の金銭をリアルマネートレード(RMT)によって不正に荒稼ぎしていたことが明らかになっている。しかし、現行法ではRMTそのものを規制した法律がないため、「不正アクセス禁止法違反」で立件したという経緯がある。 判決は、「懲役1年、執行猶予4年」という執行猶予付きの判決だが、執行猶予期間は、懲役の倍数相当が通例ということを考えると、実刑に次ぐ判決が下されたことになる。だが、今回の裁判はあくまで不正アクセスに罪を限定した判決であり、ゼニーという仮想通貨の無断複製や、幾重もの規約を破ったうえでゼニーをRMT業者に売り渡したことについては罪に問われないままとなっている。 また、不正に取得した約5,000万円の償還義務もなく、ガンホーが戸枝被告によってもたらされた社会的信用の低下に対する賠償責任も負っていない。こうした部分は、別途、民事裁判によって争っていく必要があるが、ガンホー側でも現在、民事裁判に向けて検討しているという。さらに、これにあわせ、RMT問題に関する法整備に向け、業界や各省庁への働きかけも行なっていくという。 ガンホーでは今回の判決に対し、会社を代表して代表取締役社長森下一喜氏と、元上司に当たる取締役開発本部長堀誠一氏よりコメントをいただいた。以下、全文を掲載したい。
■ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長森下一喜氏 本件につきましては、ユーザーの方、株主の方、その他関係者の方々に大変ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。 当社の社内調査で発覚し告発した事件ではございますが、一方で当社の元社員が犯罪を犯し、この様な判決を受けたことを真摯に受け止めています。この問題を契機に社内の管理体制の見直し、強化を行なっており、今後も関係の方々からの信頼回復に努めてまいりたいと存じます。 ■ガンホー・オンライン・エンターテイメント取締役開発本部長堀誠一氏 まず、ユーザーの皆様に楽しいプレイを提供することを目的としているにもかかわらずご迷惑をおかけしてしまったことを大変申し訳なく思っております。 この事件はRMTと切り離して考えることは大変困難であり、それに対応する法がないということにつき、とても歯がゆく感じております。
弊社はゲーム内の経済バランス調整や、不正対策の実施を強化するとともに、RMT問題に関する法整備について業界に働きかけ、関係各省に訴えて行かなければと改めて強く感じております。
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□ガンホーのホームページ (2006年10月25日) [Reported by 中村聖司]
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