ガンホー、元社員による不正アクセス問題の対応策を発表 流出したゲーム内通貨の調整案も検討
7月31日 発表
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、先日発覚した同社の元社員による不正アクセス問題に関して、社内で実施する改善策について発表した。
この問題は、元社員がガンホーに在籍中、上司のGMアカウントをハッキングし、その権限を利用してゲーム中の通貨「ゼニー」を複製したというもの。ゼニーは自らがプライベートで利用しているキャラクタに送金し、それをRMT(リアルマネートレード)業者に売却することで、不正に利益を得ていた。
ガンホーはこの対応として、代表取締役社長の森下一喜氏を責任者とするプロジェクトチームを発足。情報管理体制の再検証を行ない、再発防止に向けた緊急対策を8月末までに行なうことを決めた。
対策の内容は大きく4つに分けられている。まず「組織的安全対策」では、業務用ツールの利用状況を監視する部門や、社外の有識者を招く外部諮問委員会を設置し、社内での再発防止を継続して監視する。次に「技術的・物理的安全対策」では、業務用ツールの刷新やセキュリティの二重化などを行ない、ハッキング対策をより厳重にする。
「業務的・運用面での安全対策」では、業務フローを再整備するとともに、ツールの使用記録やログ分析の効率化、社内での不正行為に対する警報システムの導入などにより、事態の早期把握と抑止を狙う。最後に「人的安全対策」ではコンプアライアンス研修と社員のモラルを向上させる教育を定期的に実施することと、業務用ツール操作時に第3者が立ち会い確認することが挙げられている。
同社は本件について、「基本方針レベルに立ち返って対策を講じることの重要性を改めて認識するとともに、その実践のための組織・体制を構築し、ユーザーの皆様からの信頼回復に努めたい」としている。
また、本件によって「ラグナロクオンライン」のゲーム内に多額のゲーム内通貨が流出したことについては、8月中旬をめどに需給バランス調整施策を実施するとした。ゲーム内通貨の消費を促す施策を検討するとともに、不正の取締りを強化し、通貨と物資のバランスを調整するという。これは今回の事件だけでなく、根本的にインフレ傾向に陥りやすいゲームバランスを改善する目的もあるとしている。
なお、事件を起こした元社員に対しては、民事訴訟の手続きを協議しているとした。元社員は既に不正アクセスの容疑で逮捕され、その後ガンホーもこの社員を懲戒解雇しているが、同社はさらに責任を追及していく姿勢を見せている。
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.gungho.co.jp/press/091.html
□関連情報
【7月20日】ガンホー社員、「ラグナロクオンライン」の不正アクセスで逮捕
6,910億ゼニーを無断複製してRMT業者に売却、1,400万円超を不正取得
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060720/rormt.htm
(2006年7月31日)
[Reported by 石田賀津男]
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