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会場:幕張メッセ
もうひとつ感じたのは、ネームバリュー、ブランド力に優れるコンテンツのオンラインゲームは強いという単純な事実だ。「ファイナルファンタジー XI」、「ファミスタオンライン」といった、すでにコンシューマゲームで確固たる地位を築き上げているタイトルは、吸い込まれるように人が集まる。いかに人を集めるかがオンラインゲームでもっとも重要な要素であり、この単純な事実はオンラインゲームビジネスを考える上で、重大なヒントを示唆している。来年はもっともっとそうしたタイトルが増えていくことだろう。 さて、今回出展された新作オンラインゲームの中でももっとも高い人気を博していたのが、コーエーとELEVEN-UPの両ブースで大々的に展開された「真・三國無双BB」である。あらかじめある程度の集客を見込み、20台規模の試遊台を設置したにもかかわらず、常時90分待ちの長い行列ができるほどの盛況となった。メーカー関係者は9月27日よりスタートするプレオープンサービスに向けて大きな手応えを感じたようだ。 今回は「真・三國無双BB」のプレオープンサービスに先駆け、プレオープンで導入される新しいコンテンツの内容、テクニカルテストからの変更点、ビジネスモデル、正式サービスに向けてのアップデート計画などを伺った。 インタビューに応じていただいたのは、「真・三國無双BB」プロデューサーの松原健二氏とディレクターの藤重和博氏、そしてELEVEN-UPから運営を担当する栗原哲氏の3名。今回のインタビューではじめて明かされる情報も満載なので、ぜひ隅から隅までご一読いただきたい。
■ 東京ゲームショウ出展での手応え、キャリアフリーの体験版配布の真意とは?
松原氏: 実際並んで頂けるというのは嬉しかったのですが、長くお待たせすることになって申し訳なかったなと。私共も試遊台を20何台用意したのに空きが出るどころか、長い行列ができるというのはすごいことだなと思いました。 編: コーエーとELEVEN-UPでブース対抗戦というのもユニークでした。 栗原氏: コーエーさん強すぎ(笑) 松原氏: 今日の対戦(9月23日)では3対0でコーエーの勝利でした。以前ネットカフェでの「真・三國無双BB」イベントの優勝者が来てくれましたからね。開発者もびっくりするぐらいの強さでした(笑)。 編: 発売前のゲームですでに強いユーザーというのは「無双」シリーズのユーザーなのでしょうか。 藤重氏: 彼は「無双」シリーズのユーザーでしたね。 松原氏: でも対戦もうまい。対戦型のオンラインゲームが好きなのでしょうね。 編: TGS2006での出展を通してどのような手ごたえを得られましたか。 松原氏: 想像以上ですね。やってくれた人が「楽しかったな」と感想を言ってくれていたのが印象的でした。プレイしてくれてる人はやっぱり「無双」経験者が多い印象なんですけど、これまで「無双」シリーズをやってこなかった人も遊びにきてくれて、チャージ攻撃をやってみて「こんな攻撃できるの?」というような新鮮な反応もありました。こんなゲームがあるならやってみようというチャンスをTGS 2006で広げていると思いますね。 編: 新作オンラインゲームの出展では、「真・三國無双BB」がもっとも人気が高かったように思いますが、個人的には「無双」のブランド力が大きく作用したのかなと見ました。松原さんはどうお考えですか。 松原氏: それはあると思いますね。「無双」というブランドは世界中で大ヒットしていますから、「無双」と聞いてどういうゲームなのかを理解しているユーザーがすでにたくさんいるというのは大きな強みですね。また、それ以上に今まで「無双」をやってこなかった人もやってくれたというのが大きいですね。 編: また、今回は試遊者に「真・三國無双BB」体験版を配布したことも人気の要因になったと思います。この体験版配布の狙いを教えてください。 栗原氏: 「真・三國無双BB」は、Yahoo! BBおよびソフトバンクブロードバンドサービス(注)専用ですので、人気タイトルでありながらも敷居が高いと考えています。いくら「無双」の人気が高くてもその上にあぐらをかいていてはだめだと思っています。まずは遊んでもらわないと始まらないと考えたのがその理由です。 編: Yahoo! BBありきのビジネスだとおっしゃっていたのが、そのありきが崩れてしまいました。 松原氏: Yahoo! BBのインフラが一番の強みになることは間違いないと思います。体験版では2対2までの制限がありますが、そうした形であれば他のISPのサービスを受けている方でも体験できるのではないかというのがお配りした理由です。 編: 体験版ではあらゆるキャリアでプレイすることができますが、サービス開始時に他のキャリアにも開放される可能性があるのでしょうか。 栗原氏: 正式サービス時での開放は無いです。 編: 他のISPの人が体験版で面白く遊んでくれたけれども、継続して遊んでもらうためにはYahoo! BBに申し込んでもらうということでしょうか。 栗原氏: 基本的にはそういうことになりますが、キャリアの乗り換えは荷が重いという方にはネットカフェで遊んでもらうことを提案していきます。 編: ネットカフェの展開についてはどのようなプランをお考えでしょうか? 栗原氏: 正式サービス開始時から11月までの1カ月間を使って、ネットカフェでの現金後払いシステムを構築します。通常、ネットカフェの料金は帰りに払いますよね。その料金に「真・三國無双BB」の料金を上乗せするシステムです。課金と同時にシステム構築を行なっていきますので、半分試験をしながら導入店舗を広げていくという形になります。 編: ほうほう。料金後払いとは何を後払いするのでしょうか。 栗原氏: 従量料金の分です。 松原氏: 「真・三國無双BB」では出撃時に「無双軍檄」というゲーム内ポイントを使います。家庭で遊ぶ人は最初に軍檄をある程度買ってプレイする形になりますが、ネットカフェではそれを最初に買わなくていいのです。ネットカフェは1時間いくらという形が主流ですよね。入店すると利用前にカードなどを貰います。仮に2時間遊んだとしたら2時間分の料金と無双軍檄の料金を退店時に支払う方式です。
■ 9月27日スタートの「プレオープン」の内容について
藤重氏: まずは対戦の通信まわりの検証をしたいですね。テクニカルテストでデータはだいたい取れましたし、後はお客さんの反応というのもありますので、正式サービス前の最終的確認と調整という意味合いがあります。 編: コンテンツの内容としては正式サービスと変わらないのでしょうか。 藤重氏: いくつかはそうでない部分もありますが、ここはカギだろうというものから優先して実装し、徐々に正式サービスの内容に近づけていきます。後はサービスの強弱の調整をしたいと思っています。例えばコミュニケーション機能ですと、普段こうした使い方をしたいなというものを、お客さんが望むだろうと思ってこちらも導入するわけです。しかし、実装してみたら、実際に望む部分と食い違うことがあると思いますので、最終調整を兼ねてお客さんの遊び方の流れを把握したいのです。 編: プレオープン時に無双軍檄は使わないのでしょうか。 藤重氏: 最初は使いません。しかし無双軍檄を使ってサービスする形になりますので、プレオープンの途中でそのためのテストを行うことになります。 松原氏: プレオープン時に、お金はかからないのですが無双軍檄をチャージして使うという機能を入れます。本当のお金は頂かないですが、システム上軍檄を消費してプレイして頂く課金システムが一貫して動くかどうかの確認の1つですね。 編: 注目されるのは「都市争奪戦」の実装ですが、これはどういった展開になるのでしょうか。 藤重氏: 激突の結果、1番激突度の高い拠点が奪い合う拠点になるのですが、1番国力の高い国の中でリクエストの高い所から優先的に都市争奪戦の順番が決まります。1回に3箇所くらいの都市が決まります。 編: プレオープンで実装される年代と勢力数、都市の数はどれくらいなのでしょうか。 藤重氏: プレオープン中、シナリオは「反董卓連合」1本でやります。テクニカルテストのときは勢力数を限定していましたが、今回からは5勢力でやります。劉備、曹操、孫堅の3勢力に加えて、董卓と袁紹の2勢力が追加されます。 編: 都市の数はいくつになるのでしょうか。 藤重氏: 各勢力ごとに違いますが、少ないところで2つのところもあれば、3つ4つと持っている勢力もあります。全体では31です。これは正式サービスと同じ数です。 編: 新シナリオをプレオープンでプレイさせる考えは無いのでしょうか。 藤重氏: いまのところプレオープンでは、まずは「反董卓連合」1本でいく計画です。あとの調整は弊社内で可能ですし、お客さんの流れをしっかり確認しながらやりたいです。 編: 「真・三國無双BB」といえばなんといってもアクション部分が重要になりますが、バトルデザインに関してどういったチューニングが行なわれたのでしょうか。 藤重氏: アクションのレスポンスなどは、テクニカルテストに比べて見違えるほど変わっていると思います。アクション部分でも、技が1つ増えています。「エレメンタルガード」といいまして、ガード中に△ボタンを押すと、相手に切り返す際に属性攻撃を追加します。出陣するとき氷の属性がつくものですとか、火の属性がつくものを持っていけるのですが、攻撃の際にその属性効果が乗る仕組みです。 また拠点ですが、テクニカルテストでは回復する効果だけでした。それが拠点にもいろいろ雷などの属性がついたものがあります。これもエレメンタルガードに影響がありますし、拠点を持っている人にも恩恵が受けられることになります。 編: アイテムや武器、防具についてはいかがでしょうか。 藤重氏: テクニカルテストではキャラメイク時に選択できる武器が6種類だったのですが、6種類増えて12種類になっています。お客さんが迷わないような仕掛けは考えています。 編: そうすると、プレーヤーは12種類もの武器を育てることができるのでしょうか。 藤重氏: 理屈では好きな武器を同時並行して育てることが可能ですが、実際に所持できる武器の数は武器庫の数で決まります。武器庫1つで4つまで武器をストックすることができます。つまり武器庫が1つしかないと武器は4つまでとなりますので、序盤は4種類の武器をうまく使い分けていくことになります。 編: キャラクタの成長要素についてはいかがでしょうか。 藤重氏: メインの成長要素となる、武器の強化システムについてはかなりバランスを調整しました。また、クエストのような「特務」を新しく用意し、特務をこなすことで内政をスキルを上げるというギミックを取り入れました。 編: 内政スキルというのはどういったものでしょうか。 藤重氏: 武器がちょっと安く買えたり、流通するときに恩恵を受けられたり、自分の味方の兵士がちょっと強い状態になったりといった恩恵があります。内政スキルは流通、商業、技術、治安、軍事の5種類になります。
■ テクニカルテストから改良点。アイテム課金の計画はなし
藤重氏: 最初は10分から15分ぐらいで固定しようかなと思っていたのですが、最終的にマップの広さに応じて変えていくことに決めました。短いものでは9分、長いものでは18分です。全部で6パターンの戦場があるので、分単位でプレイ時間を調整していきます。最終的には同じ時間になるものも出てくるかもしれませんね。 編: 時間設定における基本的な考え方を教えてください。 藤重氏: 対戦したときの勝負のつきやすさのバランスで決めました。というのも、毎回拠点を落とせずに判定勝ちだけで終わるのでは面白くないので、拠点を取って勝負を決めたいと。でも長くしすぎると中だるみが発生します。全体的に3回に1回くらいは判定になってもいいかなというバランスで調整しています。 編: テクニカルテストでは、勝敗が決まるまでの流れが結構荒っぽい印象を受けました。この部分はどのように変わったのでしょうか。 藤重氏: 荒っぽいという理由に目的が希薄だったことが挙げられます。拠点を落とすということがルールに対して、とりあえず目の前の敵だけを倒していても、それが結果につながらないということがありました。明確な勝敗条件とか、「この拠点を落としなさい」というガイドを出したり、どっちが優勢なのかというのを分かりやすく示し、お客さんが見た目に分かりやすく意識できるような工夫をしました。 あとは、アイテムや武器とか服は、戦闘終了後に勝利した陣営だけ手に入れられるという方式に変えました。勝った時に手に入れられるということを第一条件にして、あとはどうやったら勝てるのかというところを考えて頂けるのではないかと思っています。 編: そうなると、プレイ時間が長い広いマップのほうが、敵と接触する機会が増えますから、アイテム拾得の面では有利になるのではないですか? つまり、広い戦場に人気が集まってしまうのではないかと思ったのですが。 藤重氏: 必ずしも時間が長いからいっぱいアイテムが取れるわけではないです。宝箱の数も時間に合わせて調整していきますので、必ずしもマップの広さで人気が変わることはないと思います。時間が短いマップ、長いマップどちらも同じ無双軍激を消費するので、ユーザーさんの好みに合わせて適度に散らばってくれればと思います。 編: 戦場地形の追加とありますが、どのような地形が追加されるのでしょうか。 藤重氏: 今回対戦でやっていました「堅関」というマップが、新しい地形を採用したマップになります。それから「隔壁」のマップがありますので全部で6パターンになります。実は、まだまだ地形の追加は予定していて、まだ半分も実装していないくらいです。最終的な調整をして、自信を持って出したいなと思っています。新しい戦場、地形については随時皆さんにご提供したいなと考えています。 編: 新しいマップでの新しいギミックはあるのでしょうか。 藤重氏: いろいろとあります。プロモーション映像をみていただければわかることもあるかもしれません。いろいろ想像して楽しみにしていてください。 編: 武器に加えて衣装も追加されるそうですが、どういったものが追加されるのでしょうか。 藤重氏: 今回、3人のコンパニオンのお姉さんが着ているものそうです。個人的に気に入ったのがあったので、プレオープンに入れないものも先に入れてしまいました(笑)。 編: TGSでは女性衣装ばかりが目立っていましたが、男性衣装についてはどうでしょう。 藤重氏: いろいろと足しています。基本的には同じ数ずつ足しています。ただ、思った以上に女性のキャラを使うユーザーさんが多いので、今後そのバランスは変えていくかもしれません。 普通プレーヤーの性別は男性の方のほうが多いではないですか。でも、一部女性に扮する方もいらっしゃいますので、最終的にサーバー上の性別は大体半分くらいだと思って私たちも進めていました。しかし、実は女性のキャラクタを使う人のほうが断然多くてですね。私もよくよく考えてみたら、「どうせいつも見るなら女性キャラのほうがいい」ということがやっとわかるようになりました(笑)。こんなことならもっと女性キャラを増やしておけばよかったなと。 編: キャラメイクでは、各パーツに対していくつかの種類が用意されていますが、この数は変わらないのでしょうか。 藤重氏: 数は8種類ずつですね。公開テストのときは3種類でしたから5種類追加されることになります。髪型なども追加しました。 編: 「真・三國無双BB」における服飾は、最終的にはどういった扱いになるのでしょうか? 藤重氏: 自慢の対象ですね。かっこいい、かわいい、色々なバリエーションを用意しています。 編: ビジュアル的な派手さと強さというのは比例しないのでしょうか。 藤重氏: それは比例しないです。ただ、見た目は同じでもその中に段階がありますし、そうした意味で付加価値はつきます。例えば無双ゲージがちょっと増えるやつとか、攻撃力が少しつくものなどです。 編: 今後そうした華美なアイテムを有料アイテムとして販売する考えはあるのでしょうか。 栗原氏: いわゆるアイテム課金を導入する計画はありません。 松原氏: アクションゲームですからね。アイテムを買って強くなるというより、ゲームをうまくなってもらいたいです。世界観を乱さない限りで、アイテムを販売する形が将来的にはあるかもしれません。今は従量制でプレイしてうまくなってもらうために使って頂くということだけを考えています。
■ ビジネスモデルとマルチキャラクタに対する考え方について
松原氏: それはどうでしょうか。戦闘していても、基本的にチーム戦闘が多くなりますから、チャット好きな方も、街でのチャットより、戦闘でのチャットのほうが楽しいと思われるのではないでしょうか。システム的には1人で戦闘に出て部屋に戻ってきて、再び1人で戦闘に出て行くことは可能です。でも本当にこのゲームで楽しもうと考えたときに、お金を貯めて家具などを買い揃えていかないと面白くない。そのときにブリーフィングや街での会話、武器の売買のコミュニケーションが必要になってきます。基本的に戦いに参加してお金を得られるようにしないと楽しくない仕組みなので、その辺はあまり心配していませんね。 編: 「信長の野望 Online」では2アカ(2つのゲームアカウント)でプレイされているユーザーは珍しくないですが、「真・三國無双BB」に対するアカウントの考え方を教えてください。シングルアカウントで遊んで欲しいのか、マルチアカウントもある程度ふまえたゲームデザインになっているのか、そのあたりはいかがですか。 松原氏: 1アカウント1キャラですね。男キャラも女キャラも遊びたいということになると2アカウント必要です。「信長の野望 Online」について補足しておくと、「信長の野望 Online」では職業が明確に分かれています。ですから、同じサーバーで様々な職業を楽しみたいというときに数アカウント取らなければならないシチュエーションは出てくるんですね。 編: 1アカウント1キャラということになると、やはりコアなユーザーさんは、マルチアカウントでプレイすることになりそうですね。 松原氏: うーん(笑) 藤重氏: その部分に、まだ言えないことがありますね(笑) 編: おや、まだ課金周りに謎、つまり定額の部分に仕掛けがあるということでしょうか? 松原氏: 謎というほどのものではないですが、もう少し後になったら発表します。具体的な課金モデルと共に、キャラクタの扱いはこういう風になりますよ、というものです。もうちょっとだけ言うと、定額の中にマルチアカウント的な要素が含まれるということです。来月のサービスインに間に合う時期に、基本料金とキャラの話と、従量制のところについて、分かりやすくお話したいと思います。 編: 今回パッケージの値段が発表されて、大体の月額の値段というものがどれくらいになるだろうと類推できるわけですが、月額の利用料金、無双軍檄の値段はいくらになるのでしょうか。 栗原氏: どちらもまだ決まっていないです。 松原氏: ほう、予想できますか。おいくらだと思いますか。メディアさんがいくらと予想してるかはみんな聞きたいところだよね(笑) 編: オンラインゲームの月額利用料金は、数百円から3,000円ぐらいまで本当に何でもありというのが実情ですよね。それに対して今回パッケージの価格を1,995円と設定されたことで、少なくともそれ以上にはならない。つまり、ある程度常識的な価格に定額部分が設定されることは類推できるかなと思います。ただ、無双軍檄の値段がいくらかになるかがわからないと、どれくらいのコストパフォーマンスのゲームなのかは見えてきません。 個人的にはむしろ無双軍檄のほうが気になっています。たとえば、従量制の代表格であるアーケードだと昔は1プレイ数十円といったところでしたが、現在では1プレイ数百円というビジネスになっていますよね。オンラインゲームにおける従量課金は未知の領域ですから、いくらと出てきてもおかしくないところに怖さがあります。 松原氏: 我々としてはできるだけ間口を広くしたいのですよ。 編: これが今後従量課金のモデルケースとなる可能性もふまえ、びっくりするような価格設定を持ってくることを期待したいです。 松原氏: それそのまま書いてくれていいです(笑)。どうぞご期待ください。
■ 新しい交流の場となる街について。仲買商でアイテム売買、NPCからクエストも
藤重氏: テクニカルテストでは街は単に武器を鍛えるだけのところでした。プレオープンでは、「仲買商」を通じて、アイテムの取引が可能になります。お客さんが手に入れた武器を売りたい値段を設定し、他のユーザーがそれを買うというものです。 編: 取引はゲーム内通貨のみでしょうか。仮にそうなるとお金があれば、比較的服などを簡単に増やせるのではないでしょうか。 藤重氏: 「軍資金」というゲーム内通貨のみです。確かにお金があれば服は揃えやすいとは言えるでしょうね。 編: ゲーム内通貨は最終的にどのように取得するようになったのでしょうか。 藤重氏: お金の入手手段は大きくわけて2つあります。1番大きいのは俸給といって、戦果によってスライドする身分に応じて勢力から払われる給料みたいなものです。あとは武器を単純に売ったりしてお金が入ることもあります。バトルで直に手に入れるということはないです。 編: その他の機能はどのようなものがあるのでしょうか。 藤重氏: 「特務」というクエストがあります。街の人に話すと「山賊を倒してくれないか」といった頼み事をされます。インスタンスバトルで、賊を倒すと報酬を得られる形になります。 編: インスタンスバトルの参加人数は何人なのでしょうか。 藤重氏: 最初はソロプレイを考えています。というのは、いきなり対戦するのはハードルが高いという意見がテクニカルテストのときに多かったからです。対戦をしてもなかなか勝てないので1人修行をしていたユーザーさんがいました。特務を入れたのは、まずはそうしたお客さんの要望に応えたいと思ったからです。 ですから、まずは1人でプレイできるものをしっかり用意し、後はユーザーさんがゲームに慣れてきたら2人で入れる特務などを用意して、「一緒にやらない?」と誘いあえるような環境を作っていきたいと考えています。 編: インスタンスは基本仕様として最大何人まで同時に入れるのですか? 藤重氏: いまのところ最大1人です。対戦よりはシングル主体のお客さんがまずは入ってきます。「真・三國無双BB」のテクニカルテストでは、「無双」シリーズの経験者が7,8割もいました。ですから、まずはそうしたユーザーさんが遊びやすいものを揃えて、後でインスタンスの仕様を拡張していきたいと考えています。 編: 街でのコミュニティ機能はどのようなサービスが提供されるのでしょうか? 藤重氏: プレオープンスタート時は、パーティチャットだけになりますが、最終的には何人かで入れるクエストを作ったり、組合というギルドのようなものやフレンド機能など、1人で楽しむところからみんなで楽しむところまで、段階的に提供していく予定です。 編: フレンド機能は、ワールドをまたがっても有効なものなのでしょうか。 藤重氏: そこに誰がいるのかは分かります。ワールドが終了して、別々のサーバーに別れても、フレンド状態を維持することができます。 編: 今後複数のシナリオの実装が予定されていますが、育てたキャラクタは別のシナリオ(ワールド)に引き継げるのでしょうか。 藤重氏: 引き継げます。勢力に依存するものだけがリセットされるという考え方です。ワールドが終わってしまうので、それ以外の個人に依存するものは引き継げます。 編: 武器や衣装なども引き継げるということですね。比較的気軽にワールド間を移動できそうですね。 藤重氏: そうですね。基本的にパラレルワールドのように思っていただければいいと思います。ただ、ワールドを移動すると、過去の自分みたいに武器は一旦封印という形になります。その封印を解くのにちょっと軍資金がかかります。 編: そのほか、今後予定している拡張要素としてはどのようなものがありますか? 藤重氏: まずなんといってもアクション部分のバランスが一番だと考えています。この調整にしばらく掛かるのではないかと思います。正式サービス以降にも武器の追加を考えていますので、そのバランス調整がなんといっても一番です。後は特務の充実でしょうか。コマンドやUIの改善なども、お客様の意見に耳を傾けながら反映させていきたいです。
■ プレオープン後のアップデートスケジュールについて
栗原氏: アクティブな課金ベースのユーザー数の目標は10万人です。 松原氏: 同接ですとアクティブユーザーの3割くらいを最大と考えているので3万人ぐらい。戦闘参加者数はだいたい1万人くらいを考えています。 藤重氏: 同接を一般的に3割と考えてその半分くらいの人が戦闘をしているのではないかという計算からです。1勢力当たりのキャパシティは5,000人くらいを考えています。 編: プレオープンテストでは、「反董卓連合」のワールドが複数並ぶような形になるのでしょうか。 藤重氏: そうなります。お客さんの人数が増えたら「反董卓連合」のワールドを随時増やしていきます。 編: プレオープンのデータは、正式サービスではどうなるのでしょうか。 藤重氏: 今回システム的にワールドが終結するという仕様があって、乱世を統一させようという目的があります。プレオープンの終了は、ワールドの終結と同じように、所持している武器や服飾は、数は限定されますが、次に引き継げます。 編: ワールドの終結条件は何でしょうか? 藤重氏: 国力が一定以上になると、最終決戦が発生します。それに勝つと天下を取ったということになり、ワールドがいったん終結します。期間で区切ることはしません。 編: 期間で区切らないということになると、仮に小競り合いばかりに終始すると、延々とワールドが続くということもありえそうですが。 藤重氏: システム上そういうことになりますけど、そうならないように少しずつ決まるような形にはなっています。人口を元に国力が決まる形になっていますので、戦闘した結果で治安などが良くなることがあります。治安が良くなると人口が増えていったりすることがあります。人口が増えていくと勝利条件が叶いやすくなります。 編: キャラクタの所属勢力の移動は可能ですか? 松原氏: 常時はできません。自分の所属勢力が滅亡したときに、勝利した勢力に属することはできます。 藤重氏: 後は他勢力に属するという道も選択できます。例えば自分の劉備勢力が曹操軍に敗れたとします。その場合、曹操に吸収される道を選んでもいいですし、孫堅軍に入って曹操軍を倒すという選択をすることも可能です。基本的に滅亡ベースです。 松原氏: 「信長」シリーズで言う「出奔」は無いのです。 編: それでは在野に下って、最終決戦には参加せず、街で不平不満をこぼすようなことは起こらないわけですね。 松原氏: そういうのはないです(笑)。そういう人は、違うシナリオのワールドに移ってくださいということになりますね。 編: 今回初めてオープニングムービーを公開しました。ストーリー性のある印象的なムービーでしたが、ゲーム中何らかのストーリーは取り入れられるのでしょうか。 藤重氏: 我々が「真・三國無双BB」をご提供する際に、お客様にこうやって遊んで欲しいなという思いを込めました。皆さんもいつかは無双武将たちと互角に戦えるようになるのだという道のりをこめたつもりです。 編: ムービーに登場する呂布のような有名な無双武将はどういった形でゲームに登場するのでしょうか。 藤重氏: 街の中にいることもありますし、戦闘に登場することもあります。詳しいことはネタばれになってしまうので言えません。プレイして確かめてみてください。基本的に無双武将がいる世界に自分たちが入るとお考えください。呂布も1人の意思をもった武将として登場しています。味方として登場したり、敵として劉備軍の武将が登場したりすることもあるかもしれません。 編: 無双武将を倒したら何か報酬を貰えるのでしょうか。 藤重氏: それはほしいですよね。ユーザーさんの期待に添うものを用意しています。 編: しかし、たとえば、敵に呂布がいて、こちらが優勢でなんとか勝てそうだということになると、みんなワーっと寄っていってアイテム争奪戦ということになりませんか? 藤重氏: 誰かが倒した人のアイテムを横取りしたりするのは、不毛な争いですよね。そういうことで喧嘩になるのはイヤなので、武器などの無双武将が落とした戦利品は誰かが取ればみんなに入ります。ただ、それ以前に倒すのが大変だと思いますね(笑)。やりこんだ人が、武将係、拠点係、小物係といった具合に役割分担して戦うという戦闘スタイルをとる事も考えられます。 編: 最後にユーザーさんに向けて一言ずつお願いします。 松原氏: 待ちに待っていたユーザーの皆さん、大変お待たせいたしました。開発員一同一生懸命努力して参りましたので是非楽しんでください。Yahoo! BBをご利用でないお客様も、一度は体験版を楽しんで頂いて、気に入って頂けたらネットカフェに行くなり、Yahoo! BBに申し込んで遊んでいただければと思います。 栗原氏: 運営サイドとしては、「真・三國無双BB」はアクションゲームではありますが、運営体制としてはMMORPG並みのものを提供しようと思っています。プロバイダ限定というハードルの高さは承知していますので、今回お配りした体験版もさらにいろいろ配るところを増やす予定です。是非一度試してみてください。 藤重氏: 今回のTGS 2006では数多くのお客様に楽しんでいただけました。色々なお客さんの求めている爽快感や、一騎当千の「無双らしさ」、無双武将とのコミュニティなど、お客様の期待にしっかりと沿えるものを提供していきたいと思います。 編: ありがとうございました。 ※(注)『真・三國無双BB』は、Yahoo! BB、およびSoftBank ブロードバンド サービス(株式会社デオデオが提供するエンジョイBBサービス、株式会社Nexyz.BBが提供するNexyz.BBサービスをご利用の方)専用サービスとなる。
□コーエーのホームページ (2006年9月25日) [Reported by 中村聖司]
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