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会場:アドアーズカフェ錦糸町店
ヤフーBBユーザー向けのテクニカルテスト終了と合わせるタイミングで開かれた今回のイベントは、ヤフーBBユーザー以外の一般ユーザーが本作を体験できる唯一のイベントということもあり、現在発売されている「真・三國無双」シリーズのファンを中心に、小学生から年配の方まで、幅広い年代の人が訪れた。会場ではコーエーからプロデューサーの松原健二氏や、ディレクターの藤重和博氏をはじめとする開発陣がインストラクターとして体験者のサポートに回り、極めて快適なプレイ環境が整えられていた。 本日のイベントでは、午前中から会場前で配布された整理券を受け取ったユーザーの中から抽選で18名を選出し、「真・三國無双BB」のチームトーナメントが行なわれた。ユーザーは主に中学生、高校生から30代くらいまでの男女で、会場と併設するアドアーズのゲームセンターを目当てに訪れたユーザーが多かったようだ。「真・三國無双BB」をプレイしたことのあるユーザーはほとんどおらず、トーナメントを勝ち抜いたユーザーの多くは「無双」シリーズの経験者が多かった。そのため、本作では新要素となっている仙丹によるパワーアップシステムの解説が行なわれていた。 トーナメント参加者は、抽選で名前を呼ばれた順に6席の中から席を選択。1台づつすべてキャラクタの所持している武器が異なり、各武器の性能はおおよそ同じに調整されていた。曹操軍と劉備軍に別れて3人づつパーティで戦闘準備画面に入る。戦闘は最大8人対戦が可能なため、場合によってはオンラインプレイ中のほかのユーザーもプレイの中に入って来る場面もあった。隣同士お互いの画面を覗き込みあいながらゲーム内で挨拶したり、ゲーム内の女性武将のなまめかしいボイスに会場でいっせいに笑いがおきるなど、「無双」シリーズ初のオンライン機能をコンシューマオンリーのユーザーにもアピールできたようだ。
■ 注目の料金モデルが判明。アイテム課金は不採用。月額課金と従量制課金を併合し、月額およそ1,500円ほどのビジネスモデルに 今回は運営を担当するイレブンアップの担当者から、「真・三國無双BB」のおおよその課金モデルを聞くことができた。ヤフーBBユーザーについては月額300円~500円ほどの定額課金をベースに、1プレイ(1回出撃)あたり数十円程度の料金が発生する定額制と従量制を組み合わせたモデルとなるようだ。 課金形態としてはプリペイド式のポイントを事前購入し、一回のプレイで数十ポイントづつ消費していくようなシステムを想定しているという。目安としては、1カ月に基本料+従量制料金でおよそ1,500円程度で、何十回かのプレイ回数分を含めた形で1,500円や2,000円といった区切りでの課金プランも視野に入れているようだ。なお、開発元のコーエーでは課金モデルについては未定としている。最終的なビジネスモデルは、両社が協議の上に決められていくことになるため、実際の課金モデルとは異なる可能性もある。 次にネットカフェでの展開だが、株式会社テクノブラッドが提携ネットカフェに提供しているPOSシステム「TBマネージャー」を使っての配信となるようだ。「TBマネージャー」はプレイ時間やクライアント一括アップデート機能等を備えた総合的なPOSシステムだ。ネットカフェでの課金体系は、完全従量制となり、ヤフーBB会員向け料金よりは1回あたりのプレイ料金は若干引き上げられるようだ。 現在の「真・三國無双BB」のサーバーはヤフーBB以外のIPからは接続できない設定となっている。そのためサービス開始当初のネットカフェでのサービスも「TBマネージャー」を導入し、且つヤフーBBの業務回線が接続され、「真・三國無双BB」の動作スペックを満たす店舗での運用となる見込みのようだ。また、ヤフーBB回線を引いていない「TBマネージャー」導入ネットカフェにもサービスが提供されるかは未定とのこと。
他には、アイテム課金モデルは一切採用せず、無料でのプレイは排除するとのことだ。MMORPGで最近多く発表されている月額無料でアイテム課金というモデルとはその点ではまったく逆であるが、すべてのユーザーに手厚いサポートを継続していくためには無料でのプレイは採用しないというコンセプトだ。
■ ネットカフェの強力な囲い込みで、セキュリティやシステムの標準化が図られるきっかけとなるか
ネットカフェのチェーン店でのゲームコンテンツを中心にした事業は、いわゆる漫画喫茶を中心にした事業と比べ不振といわれている。その最大の理由は、ネットカフェで提供されているゲームコンテンツは、自宅でもプレイできるし、さらに高く付くということが挙げられる。プレイ時の経験値を何倍かにしたり、月額料金をネットカフェからの接続では無料にしたりといった形で、ネットカフェ利用者に対してなんらかのプレミアムを与えているケースは多いが、利用料金と鑑みてどれほどのコンテンツに多くのユーザーを店舗に引き付ける魅力があるのかというと疑問が残る。 本作はネットカフェにユーザーを呼び込むのにはまたとない一作になるだろう。なぜなら、本作をプレイしたいと思ったヤフーBB契約者以外のユーザーが最初に取る行動はヤフーBBに加入することではなく、まずは最寄の公認ネットカフェに立ち寄ると思われるからだ。ヤフーBB契約者でスペックの弱いPCを使っているユーザーも同様だろう。
本作の提供をきっかけに、PCスペックや、とりわけセキュリティ面など一口に「ネットカフェ」という括りでバラバラな水準で提供されている現状に、一定の標準化をもたらすきっかけになる。ネットカフェのPC管理が行き届かず、悪質なハッキングツールがインストールされたまま放置されるといった事態がしばしば見受けられるだけに、ネットカフェ業者のユーザーPC管理システムや支援ツールの導入は不可欠である。しかしながらそうした一元的な管理システムがネットカフェ事業者にとっては非常に高価なのもまた事実で、PC利用を副次的にしか想定していない店舗では費用対効果がさらに高くなる傾向にある。本作のような管理システムからの独占コンテンツ配信といった試みは、事業者にとっては扱いにくかった店舗内のPCコンテンツをブランド化に導く一端となるのではないだろうか。展開方法がユニークなタイトルだけに、サービス開始が待たれる。 (2006年6月12日) [Reported by 三浦尋一]
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