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会場:コーエー本社
「大航海時代 Online~La Frontera~」
■ 複数のチャプターで「新海域+新コンテンツ」を提供する異色の拡張ディスク
日本では2005年3月より正式サービスを開始し、登録ユーザー数は22万人、有効会員数は約2万5,000人、同時接続者数は1万人弱という成績を残している。日本だけなら中堅規模といったところだが、積極的にアジア展開を果たしているところが強味であり、初年度にして黒字化を果たしている。現在は、韓国、台湾、香港、マカオの4地域に加え、本日の発表会では中国での運営元となる盛宣鳴の董事長 楊峰銘氏が来賓として招かれ、中国展開についての発表も行なわれた。 冒頭で挨拶を行なったコーエー代表取締役社長小松清志氏によれば、同社では中国市場を「世界最大のオンラインゲームマーケット」と見定め、「信長の野望 Online」、「大航海時代 Online」の2作に留まらず、今後も積極的に中国展開を果たしていく意向をアピールした。また国内でも、同社のゲームポータルサイトGAMECITYの登録会員数がまもなく100万人を突破することを報告。6月下旬を目処に、100万人突破記念キャンペーンを各オンラインタイトルで実施するなど積極的な展開を強調した。コーエーのオンラインゲームビジネスは、スクウェア・エニックスやガンホー・オンライン・エンターテイメントといったオンラインゲーム大手に比べると派手さはないが、着実に階段をひとつずつ上っている印象である。 さて、今回発表された「大航海時代 Online~La Frontera~」は、運営1年半にして初となる拡張ディスク。公式サイト等で告知されているように、“新大陸”をはじめとした新エリアと、新エリアとヨーロッパを繋ぐ新しい海域、そして世界観の深みを増す新システムが多数盛り込まれる。 ユニークなのはそれら新規コンテンツの実装スタイル。「大航海時代 Online~La Frontera~」は、コンテンツ全体を複数のチャプターに分け、4カ月間隔で1年ほどかけて実装していく。発売直後に実装されるチャプター1は「AZTEC(アステカ)」と命名され、新大陸方面の街、ダンジョン、海域、そして新コンテンツが盛り込まれる。その後、4カ月間隔でチャプター2、3と順次実装されていくことになる。この間にも、現在実施されている新機能の追加、変更を目的としたアップデートは定期的に行なわれる。拡張ディスクユーザーからすれば楽しみが倍になるアップデートプランといえる。 このチャプター制度の導入は、「拡張ディスクビジネス」そのものにも変化をもたらしている。「大航海時代 Online~La Frontera~」のパッケージ版に封入されるディスクの中身、あるいはダウンロード版の内容は、チャプター1しか含まれない。チャプター2以降に導入される新コンテンツ、具体的には海域データ、BGM、新システム周りのデータといったものは、その都度ダウンロード提供されることになる。つまり、ビジネスモデルとしては、完全にダウンロードが主体となっており、「ビジネスモデルは未定」としたのも、そのあたりに理由がありそうである。 なお、「大航海時代 Online~La Frontera~」を購入しなくても、ある程度のコンテンツは全ユーザーに開放する方針としている。新しい海域に進入したり、いくつかの新コンテンツにアクセスすることはできるが、新天地での“目的”を達成することはできないといった具合である。このため、まずは未購入のまま試してみて、内容が気に入ったらダウンロード購入して、改めて全力で冒険するということも可能。その意味では、今回の拡張ディスクは、ユーザーにとって非常に利便性の高いビジネスモデルと言える。それでは、以下、「チャプター1 AZTEC」に含まれる新コンテンツの概要を見ていく。
■ 伝説の“エルドラード”を目指し、新天地(La Frontera)での冒険が始まる
ちなみに「エルドラード」は、16世紀にコンキスタドール(スペイン人の新大陸征服者)が、実在すると信じ、熱心に探し求めたと言われる伝説上の黄金の国。ゲームにも、実際に具体的な都市として登場するわけではなく、新海域の向こうにある未知の世界の総称としてこの言葉を使っているようだ。 「大航海時代 Online~La Frontera~」で実装される新天地の大きな特徴のひとつとして、無人島や荒地にユーザー街を建設できることが挙げられる。具体的な方法は不明だが、ユーザーが力を合わせさまざまなアプローチで街を発展させていくことにより、交易都市や軍事都市、学術都市といった方向性の異なる街に育て上げることができるという。また、海賊の庭として知られるカリブ海には、海賊島と呼ばれる海賊しか入れない秘密の拠点もあるという。カリブ海の航海にはより一層の危険が伴うことになるのは間違いなさそうだ。 また、大西洋を横断する大航海に備えるため、造船システムも拡張される。具体的には「ジョイントビルド造船」と呼ばれる、船のパーツを持ち寄って一隻の船を作り上げる造船工法が新たに導入され、航海者達はこの工法を使って無数のバリエーションを備えた自分好みの新型船の建造が可能になる。パーツの中には、新兵器なども含まれており、「ジョイントビルド造船」の導入によって海戦の様相も大きく変化するようだ。 戦闘については海戦だけでなく、陸戦も進化を遂げる。既存の剣、槍の接近戦に加えて、今回は銃をはじめとしたレンジウェポンが普及し、3つのレンジを駆使した5対5のパーティーバトルが楽しめるようになる。また、船乗りのもめ事に白黒付けるための1対1の「決闘」も導入される。 航海者達が新天地でもたらす様々な発見は、「発見物カード」として発見者のもとに記憶される。「大航海時代 Online~La Frontera~」では、これら発見物を巡るヨーロッパ各地での論戦を、カードの組み合わせによるデッキを使ったカードバトルとして再現する。デッキを構築するためにはカードが複数枚必要で、カードを得るためには新天地での「発見」が必要になる。 発表会で確認できた限りではカードには「ガネーシャ像」、「モナリザ」、「賢者の石」、「アマゾン川」、「コンゴウィンコ」、「ジャガー」といったものがあり、それぞれ属性のようなものが付与されている。発見物がレアであればあるほど強力なようだが、特定の組み合わせによってコンボが発生することもあり、それによってカードバトルが有利に進められるという。冒険者にとって大きなモチベーションとなりそうな新システムだ。
初心者向けの新コンテンツとしては「アパルタメント」と「定期船」が挙げられる。「アパルタメント」は、「大航海時代 Online~La Frontera~」の発売に合わせて全航海者に提供される自分だけの部屋のことで、衣装部屋や倉庫などさまざまな目的に利用できる。定期船は、文字通り、大都市間を結ぶ大型の定期船のことで、週に複数本のペースで運行される。海賊がいる危険海域を安全に移動できるだけでなく、広い船内でカードバトルを楽しむこともできるという。「大航海時代 Online」の新しい楽しみ方のひとつとなりそうだ。
(C)2006 KOEI Co.,Ltd.
□コーエーのホームページ (2006年6月1日) [Reported by 中村聖司]
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