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任天堂、「ニンテンドーDS カンファレンス! 2006.春」で
好調なDSの今後について岩田社長語る
「年内のできるだけ早い時期に1,000万台の普及を達成したい」

2月15日 開催



 任天堂株式会社が同社の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」に関する発表会「ニンテンドーDS カンファレンス! 2006.春」を都内で開催した。3月2日に発売を控えた「ニンテンドーDS Lite」の実機が公開されるとあって、関係者が多数詰め掛けた。


● 「ニンテンドーDS」史上最速で600万台を達成。年末商戦では据え置き型ゲームを圧倒

任天堂の岩田聡代表取締役社長
 速報の通り、壇上に立った任天堂の岩田聡代表取締役社長は、発売から1年2カ月あまりが経過したDSに関するデータをいくつか開示しながら、その分析を行なってみせた。DSは昨年末に発表した「500万台達成」から、「発売14カ月で600万台を達成」したことを報告。今まではGBAの20カ月が最速であったが、それを超えたスピードで普及したことになる(ちなみに、PS2では21カ月かかった)。

 また、ソフトも昨年11月から急激に伸び、1,700万本を突破。昨年4月の「Nintendogs」から、本体は爆発的に普及したことをグラフで見せた。ソフトの販売本数比率についても、「昨年の年末商戦において、初めて携帯ゲームの市場占有率が据え置き型ゲーム用ソフトを圧倒した」と、本体だけでなくソフトの普及スピードに関しても言葉を続けた。さらに、ミリオンタイトルが7タイトルにも及ぶなど、ソフトの販売も好調である点をアピールした。

 岩田社長が取り上げた主なソフトの売り上げは以下の通り。
・「Nintendogs」……118万本(海外では500万本)
・「おいでよ どうぶつの森」……238万本(出荷217万本)
・「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」……180万本
・「やわらかあたま塾」……114万本
・「たまごっちのプチプチおみせっち」……100万本
・「マリオカートDS」……121万本(海外でもミリオンセラー)
「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」……154万本
・「だれでもアソビ大全」……51万本
・「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」……57万本(累計受注91万本)
・「さわるメイドインワリオ」……累計出荷本数98万本
・「スーパーマリオ64DS」……累計出荷本数98万本(海外ではミリオンセラー)
・「JUMP SUPER STARS」……累計出荷本数54万本

岩田社長が示したDSの各種データ。本体は実売600万台を至上最速で達成したことに加え、発売1年でミリオンセラーを7本も送り出したことをアピール


 また、試遊台が女の子で独占されていたり、次世代ワールドホビーフェアでのDSダウンロードにおいて、来場者が非常に高い割合でDSを持ち込んでいたこと、1月から行なっている「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」の新宿KOMAでの試遊イベントでは、幅広い年齢層が試遊台の前で「座って」試遊しているさまを挙げ、「今までのゲームユーザーとは違う」客層の広がりについても言及した。

 また、Wi-Fiコネクションに関しても「開始3カ月だが、全世界で90万人以上が1度は接続しており、これまで2,200万回以上の接続回数を記録している」という。

 さらに、全国の小売店に設置している「任天堂Wi-Fiステーション」も、約800店舗が展開を終え、春には1,000店舗を達成するとした。この「Wi-Fiステーション」はネットワークに接続できるアクセスポイントとしての機能と、複数のソフトを同時に試遊できる試遊環境におけるソフト配信もまかなっているが、2006年1月では延べ114万回の試遊が行なわれており、そのなかで最も遊ばれていたのが「マリオカートDS」であることを明らかにした。「おいでよ どうぶつの森」で2月に行なっているデータ配信は、47万件のアクセスがあったという。3月には、「任天堂ゲームセミナー」で制作しているDSソフトをダウンロード試遊も行なう予定。

 しかし、この年末商戦の売り上げの勢いは任天堂側の想定を大幅に超えており、「長期間にわたり、ハード本体の供給不足を招く結果となってしまいました。私たちが供給責任を果たせず、結果、せっかく店頭まで足を運んでいただいたにもかかわらず、お買い求めいただくことができずにご不便をおかけしたお客様の皆様に、そしてその対応にご苦労された流通関係者の皆様に深くお詫びを申し上げます」と謝罪した。


● 「DS Lite」と「DS」とともに広がる「Touch! Generations」シリーズ

岩田社長が「ニンテンドーDS Lite」を取り出すと、一斉にフラッシュが炊かれた
 続いて、岩田氏は「ニンテンドーDS Lite」を取り出し、「ボディは薄く、小さくなりましたが、画面の大きさは変わりません。この商品の魅力をご理解いただくには、直接触っていただくのが一番ですので、実際に触っていただけるように準備をしております」とアピールした。ニンテンドーDSの「上位モデル」と位置づけられた「DS Lite」は、「DSの発売後、お客様からお寄せいただいたさまざまな声を、できる限り反映させることを心がけました。そして、『DS Lite』と『DS』の2つのモデルで、より幅広いお客様の多彩なニーズにお答えすることで、普及をさらに加速していきたい」と意気込みを語った。

「旅の指さし会話帳DS」
 さらに「Touch! Generations」シリーズの今後のラインナップについて明らかにされた。「旅の指さし会話帳DS」は、言葉が通じない相手と指を指して会話する書籍を電子化したもので、会話したい内容をタッチパネルで選択すると、それにあわせて発音してくれ、検索機能まで備えている。タイ、韓国、中国、ドイツ、アメリカの5つのバージョンを展開。3月発売予定。

「漢字そのままDS楽引辞典」
 同じく3月に4,800円で発売する「漢字そのままDS楽引辞典」の最大の特徴は、タッチパネルに漢字を書くことで辞書を引く機能。読めない漢字をそのまま書くことで、辞書を引くことができるのは非常に便利だろう。また、主要な英単語では発音してくれる。大修館書店の「ジーニアス英和・和英辞典」、「明鏡国語辞典」を収録。レベルに合わせた英単語練習帳や出題に手書きで答える日本語クイズも収録されている。

 さらに、4月に発売する「テトリスDS」を紹介した。任天堂らしいアレンジを加え、Wi-Fiコネクションにも対応。「マリオ」をはじめとした任天堂ゲームの世界観をミックスし、オリジナルモードを搭載。1つのソフトで最大10人までのゲームシェアリングに対応。「『Touch! Generations』シリーズで久しぶりにゲームに触れたという方に、ゲームの面白さを久しぶりに味わっていただきたい」と岩田氏が述べていたが、任天堂だけに単なる「テトリス」を出してくるとは思えない。期待される1作だといえるだろう。

「テトリスDS」


「DS美文字トレーニング(仮称)」
 ここからは、発売日はまだ未定なものの、初公開となるタイトルが明らかにされた。1つ目は「DS美文字トレーニング(仮称)」。生活の中で文字を書く頻度は減ってきているが、「きれいな文字を書きたい」という人に向けたタイトル。お手本を見ながら自分が書く文字を2画面を使って表現している。

「しゃべるDSお料理ナビ(仮称)」
 2つ目となるのは「しゃべるDSお料理ナビ(仮称)」。「DSで料理本を電子化できないか」ということでスタートした企画で、単に料理本を電子化するだけでなく、声でしゃべることでガイドしてくれる。音声はシャープ株式会社の技術を使っており、DSで合成したもの。手順を済ませたら、「OK」とDSにしゃべれば音声認識により料理本のページをめくるように次の手順が示される。冷蔵庫にある材料から何を作ることができるかを検索したり、買い物に持っていき、メインにする食材を決めれば必要な材料を示してくれるなどの機能も用意されるという。

 岩田氏は「『Touch! Generations』シリーズでせっかくビデオゲームに興味を持っていただいたお客様に継続的にビデオゲームの世界に関わりを持ち続けていただくために、今後もさまざまな提案を継続的に行なっていく」と締めくくった。


● いよいよサードパーティタイトルも充実

 ソフトメーカーの持ち味を生かした、間口の広いものから歯ごたえのあるものまでといった幅広い層をフォローするタイトルも、徐々にそのラインナップを整えてきている。

 スクウェア・エニックスが3月2日に発売する「聖剣伝説DS CHILDREN of MANA」、同じく3月2日にミッチェルが開発した「瞬感パズループ」、「ポケモン不思議のダンジョン 赤/青の救助隊」で141万本を出荷を記録した「ポケモン」シリーズの新作「ポケモンレンジャー」は3月23日発売。ナムコが3月30日に発売する「Xenosaga I・II」、同じく3月30日に発売になるマーベラス・インタラクティブのRPG「Contact」、フロム・ソフトウェアが4月6日に発売する「天誅 DARK SHADOW」、ナムコの「テイルズ オブ ザ テンペスト」は4月13日発売……と、次々と今後のソフトラインナップが紹介された。

 さらに、2D新作アクション「スーパーマリオ」シリーズとしては14年ぶりの「ニュー・スーパーマリオブラザーズ」を紹介。ファミコンミニで登場した「スーパーマリオブラザーズが122万本のヒットとなったことを受けて、「時代を超えて楽しめる2Dマリオの世界を幅広い層に向けて遊んでいただきたい」ということで、5月に発売されるという。巨大化したマリオが土管やブロックを破壊する新しいアクションを見せていた。

 夏以降の有力タイトルとしては、3Dでリメイクされているスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーIII」、「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル」のDS版、「ドラゴンクエストモンスターズ」の新作、昨年のカンファレンスで明らかになった「マリオ バスケ 3 on 3 (仮称)」も順調に開発が進んでいる。コナミからは「ウイニングイレブン」シリーズ最新作が登場。Wi-Fi対応も明らかになった。コーエーの「真・三国無双DS」、バンプレストから「スーパーロボット大戦DS」、カプコンの「逆転裁判4」、バンダイの「たまごっち」シリーズの新作、セガからは「ムシキング」の新作、「おしゃれ魔女ラブandベリー」、ミストウォーカーのシミュレーションRPG「ASH」などが紹介された。「ポケモン」の新作「ダイヤモンド」、「パール」も2006年内に発売を予定していることが明らかにされた。

 また、会場にはいくつかのタイトルの試遊台が設置されていた。「聖剣伝説DS」、「テイルズ オブ ザ テンペスト」、「ゼノサーガI・II」、「天誅 DARK SHADOW」、「Contact」、「ポケモンレンジャー」、「瞬感パズループ」、「漢字そのまま楽引辞典」、「旅の指さし会話帳DS」、「テトリスDS」といったラインナップで、一番人気はやはり「テトリスDS」だったが、そのほかのタイトルにも多数の人だかりができていた。

「聖剣伝説DS CHILDREN of MANA」 「Xenosaga I・II」
「Contact」 「天誅 DARK SHADOW」
「テイルズ オブ ザ テンペスト」 「瞬感パズループ」
「ポケモンレンジャー」 「ニュー・スーパーマリオブラザーズ」
「ファイナルファンタジーIII」 「ウイニングイレブン」シリーズ最新作



● DSに新たな要素を提案「ニンテンドーDSブラウザー(仮称)」、「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮称)」

 最後に「ニンテンドーDSに新たな分野に応用し、新たな要素を提案する」ということで、ブラウザーソフト「ニンテンドーDSブラウザー(仮称)と「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮称)」が紹介された。

 6月に3,800円で発売を予定している「ニンテンドーDSブラウザー(仮称)」は、携帯電話にも搭載されているフルブラウザー「Opera」を提供しているOperaと提携して開発されている。「ブラウザーソフトの搭載は以前から検討していた。ただ、せっかく開発するなら2画面とタッチパネルをうまく生かしたものにしたいと考えていた(岩田氏)」。

 2画面を全体画面と拡大画面に分けて使うことができるうえ、全体画面と拡大画面の上下の入れ替えも1クリックで行なえる。また、2つの画面を縦につなげ、1つのブラウザー画面として連結して表示させるモードも備える。さらに、手書きで漢字を含む文字入力も可能。また、ジャストシステムの日本語変換ソフト「ATOK」も搭載。ソフトキーボードによる予測変換も備わっている。

「DS Lite」用と「DS」用で異なる「ニンテンドーDSブラウザー(仮称)」の商品構成。GBAスロットにセットするメモリユニットの形が異なる
表示画面。左は上画面が拡大表示、下画面が一覧表示。右はソフトキーボードを表示しているところ

 実際にブラウザーを使ってみたが、やはりタッチパネルによる直感的な操作性は非常に魅力だ。Flashなどへの対応はPCのそれと比べるとやはり簡略化されるということだが、Googleを使った検索などには文字を打ち込む必要があるため、どうしても手書きとソフトキーボードによる文字入力が必須となる。そこでタッチパネルによる操作が生きてくる。さらに、拡大表示やスクロールの指示などもすべてタッチパネルで行なえるので、操作は非常にシンプルだ。画面分割や拡大表示などの切り替えもアイコンをクリックするだけと簡単。レンダリングしなおすため、画像の多い重たいページなどでは表示の切り替えに多少時間がかかるが、それを補って余りある操作性のよさと、2画面を使った閲覧性の高さは特筆に価する。

 地上波デジタルの移動体向け放送「ワンセグ」に対応し、DSを携帯テレビに変貌させる「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮称)」は、タッチパネルでチャンネル切り替えが可能。DSカードから伸縮式アンテナが伸びている。「放送を見るときは、手に持って見るよりも、何かの台にDSを置いてみることになると思うので、結果的にアンテナが邪魔にならない合理的なフォルムになったと考えている(岩田氏)」。

「DS Lite」と組み合わされた「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮称)」のモックアップ
右は会場で行なわれていた受信実験

 「我々が1つの中間目標として設定しているのは、国内の普及台数をできるだけ早期に1,000万台に到達させること。GBAでは30カ月、PS2では32カ月、つまり発売から2年半以上かかっていたが、我々は現在のDSへの幅広い支持を背景に、年内のできるだけ早い時期に1,000万台の普及を達成し、圧倒的な普及を実現していきたい」と岩田氏は力強く述べ、カンファレンスを締めくくった。


● 「DS Lite」の実機に触れてみた

この状態で輝度は最大の4段階目
 会場にて、多数の「DS Lite」の実機、そして試遊台が展示されており、実際に触れてみることができた。簡単なインプレッションをお届けしたい。

 まず、クリアカラーを前面に押し出した本体だが、クリスタルホワイトはクリスタル素材の下にホワイトの塗装が見え、「POWER」などのステンシルが浮きあがって見えるので、アップルの「iBook」を思い起こさせる処理だ。思ったよりも小さく見えるし、持ってみると、DSより軽く感じる。

 電源ボタンは本体右に位置し、スライドすることで電源のON/OFFが行なえる。輝度の調整が可能となった「DS Lite」だが、輝度調整は「DSメニュー」で行なう。画面左下にランプのアイコンがあり、それをタッチするごとに「1」から「4」までの輝度変更が行なえる仕組みとなっている。

 本体下の各種ボタンだが、ちょっと硬質な印象だったDSのボタンに比べて、ややタッチはやわらかめな印象。タッチペンは大型化したおかげで、大人の手にも持ちやすくなった。

 本体が小型化したせいで、液晶画面は多少大きく見える。明るさも4段階目ではDSよりも圧倒的に明るく、しかもクリアに見える。ソフトを動作させてみたが、残像感はあまり感じられない。また、上下の画面の輝度の違いもDSに比べると差は縮まった印象だ。

「DS」と「DS Lite」の画面比較。「DS Lite」の画面輝度は最大 本体横から取り出す大型化したタッチペン
電源スイッチはスライド式に変更された。スライドするごとにON/OFFとなる 本体下部の様子。GBAスロットカバーですっきりした印象


□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「ニンテンドーDS」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ds/index.html
□「Touch! NINTENDO DS」のページ
http://touch-ds.jp/
□プレスリリース「ニンテンドーDSブラウザー(仮称)」
http://jp.opera.com/pressreleases/ja/2006/02/15/
□関連情報
【2月15日】「ニンテンドーDS カンファレンス」公開スクリーンショット
「テトリスDS」、「しゃべる! DSお料理ナビ(仮称)」など
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060215/nin2.htm
【2月15日】任天堂、「ニンテンドーDS カンファレンス! 2006.春」開催
WEBブラウザや「DS地上波デジタル放送 受信カード (仮称)」も発表 (速報版)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060215/nin1.htm
【2005年10月5日】任天堂、ニンテンドーDSの新作ラインナップ一挙公開
スクウェア・エニックスがバスケットゲーム? カプコンは「逆転裁判4」!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051005/nin1.htm
【2005年10月5日】「ニンテンドーDSカンファレンス2005秋」
試遊台レポート&スクリーンショット
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051005/ndc.htm
【2005年6月7日】任天堂、経営方針説明会を実施
「『REVOLUTION』のインターフェイスにはサプライズがある」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050607/ninten.htm

(2006年2月15日)

[Reported by 佐伯憲司]



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