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【連載第209回】 あの、おもちゃを徹底レポート




PCとつながった最新「たまごっち」!
バンダイ「超じんせーエンジョイ! たまごっちプラス」

「超じんせーエンジョイ! たまごっちプラス」
発売 バンダイ
価格 2,940円
電源 コイン電池(CR2032)×1(同梱)
発売日 発売中



 どこまで続くよ、「たまごっち」のリバイバルブーム。「たまごっち」の新シリーズ「たまごっちプラス」の人気はとどまるところを知らないようだ。トイショップにいくら足を運ぼうとも、入荷即完売のために、店頭に陳列されている模様すら見かけることができない。筆者にはまもなく小学6年生になる娘がいるのだが、「たまごっちは女の子のたしなみ。買って買って~」と懇願される日々を過ごしている。買ってあげようにも、肝心の商品が売っていないのだ……。

 そんな第二次ブームの最中の「たまごっちプラス」だが、旧シリーズにはない新機軸として、他のハードとの連携を打ち出している。最初の「たまごっちプラス」は、本体に赤外線機能を搭載。「たまごっちプラス」同士の通信や、トイショップの店頭に設置された専用筐体「でかたま」との通信を可能にした。2番目の「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」は、ケータイ電話と融合。遠く離れたたまごっち星へ旅行する遊びを追加した。

 そして、今回取り上げる最新作「超じんせーエンジョイ! たまごっちプラス」は、PCとの接続を果たした。いったい、どんな遊びが可能になるのだろうか。入手には壮絶な争奪戦や品切れが予想されたが、筆者は幸運にも発売日にゲットすることができた。かくして、このレポートを書いているのであった(笑)。


基本的な遊びに「たまごっちの人生」をプラス!

最新作のパッケージ。いまや店頭で見かけることすら難しい
 約10年前に日本全土を席巻した第一次「たまごっち」ブーム以来、「たまごっち」に触れていない、という人のために、最新の「たまごっちプラス」の基本的な遊びかたを紹介しておこう。

 基本的な部分は、ひと言でいえば「何も変わっていない」。電源を入れると、バーチャルペットの「たまごっち」が誕生し、手厚く世話をしながら、成長させていく。「たまごっち」は人間と同じ時間軸で暮らし、夜になると眠りにつく。朝昼晩の三食はきちんと与え、遊んでほしいとおねだりをしてきたら、いっしょにミニゲームに興じる。ときにはうんちをするが、このケアも大事だ。うんちを放置しておくと、「たまごっち」が病気になってしまうからだ。

 グラフィックスも驚くほど変わっていない。「たまごっち」たちは荒いドット絵で描かれ、昔のまんまの味わいをかもし出している。おそらくは精密な液晶画面を搭載することも可能なのだろうが、作り手たちも抽象的な部分を残したテイストこそが「たまごっち」だと、確信してるのだろう。

「たまごっち」がしたうんちをそのままにしておくと、山積みになる 成長した「たまごっち」。思春期を迎え、スクールに通う段階だ 食事はいろいろな種類から選べる。おやつも与えられる
ミニゲーム「カードあわせゲーム」。トランプの神経衰弱の要領だ ミニゲーム「コーディネイトゲーム」。降ってくるオシャレアイテムをキャッチする ミニゲーム「ベビっちをすくえゲーム」。だるま落としを楽しめる


 もちろん変更点もある。旧シリーズの本体は、誰もが持っていてもおかしくはない中性的なデザインが施されていたが、新シリーズの「たまごっちプラス」は完全な女の子向け。表面にはファッション性に富んだペイントがなされていて、キュートなストラップが標準で付属している。

 前述した基本部分はそのままに、内容面ではさまざまなアレンジが施されている。今回のテーマは「じんせい」。「たまご期」から「幼児期」をへて、「反抗期」を迎えると、たまごっち幼稚園に入園する。幼稚園を無事に卒業すると、「思春期」に突入し、たまごっちスクールへ入学。スクールを卒業すると、「産卵期」となり、就職をする、といった具合だ。

 たまごっちスクールでは、「かしこいクラス」、「オシャレクラス」、「やさしいクラス」のどれかに入り、職業も博士やパティシエ、お医者さん、アイドルなど多彩に用意されている。

 「たまごっち」本来の「育て方によって成長後の姿が変わる」という要素に、これらの仕掛けが加わって、これまで以上に「自分だけの大切なたまごっち」に育つわけだ。これは“育てがい”があるだろうし、“友だちとの見せあいっこ”も楽しいだろう。

たまごっち幼稚園に入園すると、ときどき先生が家庭訪問をしてくれる 1日1回、ポストに新聞と手紙が届くイベントもある


PCとの連動で「たまごっち」に色がつき、イキイキと動き回る

 さて、ここからは、最大の関心事であるPCとの連動について紹介していこう。

 PCとの連動は、インターネット・ブラウザを使用する。専用サイト「たまごっちタウン」へアクセスし、ここから旅に出かけるわけだ。足を運べる場所は、2か所ある。「たまごっちタウン」と「たまごっち星旅行」だ。

 「たまごっちタウン」や「たまごっち星旅行」へ行くには、ログインNoが必要だ。まず最初に「たまごっちプラス」本体のメニューから、「たまタウン」か「りょこう」を選ぶ。すると、液晶画面に14桁のナンバーが表示される。つぎにブラウザに表示された入国審査の画面に、この14桁のNo.を入力する。

ログインNo.には、そのときの「たまごっち」の状態が記録されている 「たまごっち星旅行」に必要なチケット。ぜんぶで3種類ある


 ここから先に体験した楽しさは、いまだに忘れられない。さっきまで「たまごっちプラス」本体の中にいたはずの筆者の「たまごっち」がブラウザ上に表示され、「たまごっちタウン」を闊歩しているのだ。

 「たまごっちプラス」本体ではドット絵だった「たまごっち」が、ブラウザの中ではアニメのようなクッキリとした線で描かれ、しかも鮮やかな色がついている。家庭用ゲーム機の世界では、「ポケットモンスター」シリーズがすでに実現しているアイデアではあるが、よもや携帯液晶ゲームでここまでできるとは、という思いがあるからか、感激させられた。「たまごっちタウン」では卒業したばかりのたまごっち幼稚園を訪問して園長先生と旧交を温めたり、ショップでおみやげを購入したり、すっかり楽しんだ。

 「たまごっちタウン」から帰還する場合は、同様にログインNo.を「たまごっちプラス」に入力する。こうすることで、「たまごっちタウン」での体験や買い物が「たまごっちプラス」本体にも反映される。

「たまごっちタウン」の入国審査。ログインNo.を正しく入力する 地球から旅立つシーン。期待が高まる 「たまごっちタウン」の全景。行きたい場所をマウスでクリックする
「たまごっちプラス」本体では淡々と描かれたイベントが、PC上では楽しげに表現される 意外と泣かせるイベントがある。さすがは「じんせい」! 買ったものは、「たまごっちプラス」本体へ持ち帰れる


 一方の「たまごっち星旅行」は、「たまごっちタウン」の上をゆく存在のようだ。「たまごっち星」へ行くには、「たまごっちタウン」で買える旅行チケットが必要で、しかもドロボーに会うリスクもあるのだという。

 筆者の進捗度では星の隅々を回るわけにはゆかなかったが、記念写真を撮ったり、名産品を買ったりすることができた。未探訪の場所として、博物館やインターナショナルスクール、図書館などがあり、長く楽しめる仕掛けが施されているようだった。筆者でもこれだけ楽しめたのだから、当のユーザーである女の子たちの興奮は想像にあまりある。きっと存分に遊び尽くすだろう。

「たまごっち星」に入るときは、このような警告も出される 入国にはあらかじめ用意しておいたチケットを1枚消費する
「たまごっち星」全景。最初は行ける場所が限られている 写真を撮ってPCで閲覧することも可能だ


 通信機能としては、過去のシリーズ作にあった「たまごっちプラス」同士の通信やケータイを使った通信などは、すべてプレイできる。過去作との互換性も、制限はあるが、可能な限り用意されている。このレポートを読んで、「おおっ、新しくなった『たまごっち』で遊んでみようかな」と思ったあなた、ぜひどうぞ。旧いものと新しいものが混ざり合った、豊かな「たまごっち」ワールドに驚かされるはずだ。

(C)BANDAI-WIZ 2004


□バンダイのページ
http://www.bandai.co.jp/
□「たまごっち」シリーズのページ
http://tamagotch.channel.or.jp/
□関連情報
【2005年10月11日】バンダイ、たまごっちの進路を選べる新型機
「超じんせーエンジョイ! たまごっちプラス」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051011/tamago.htm
【4月14日】バンダイ、初代たまごっちの3分の2の大きさ
「ちびたまごっち」を発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050414/tama.htm
【2004年12月16日】気になるe-Toy遊んでレポート
携帯電話との連動で遊びの幅が広がった!
バンダイ「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041216/toy167.htm
【2004年4月1日】気になるe-Toy遊んでレポート
赤外線通信で遊びが広がった!
バンダイ「かえってきた! たまごっちプラス」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040401/toy139.htm


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(2006年2月9日)

[Reported by 元宮秀介]


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