バンダイ「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」
ふたを開けてみたら、驚いた。日本全国を巻き込んだ'96年のブームにはさすがに及ばないものの、この新シリーズも売れに売れている。大手玩具店では店頭のもっとも目立つところで販売されているし、ネット上のトイショップでは「次回入荷待ち」も見られるほど。筆者自身も街中で「たまごっちプラス」を大事そうに抱えながら楽しんでいる女の子たちの姿をたびたび目撃している。 このリバイバルヒットの要因には、バーチャルなペットを飼うという育成ゲームの変わらぬ面白さもあるだろうし、「たまごっち」のキャラクタたちの可愛らしさも挙げられるだろう。とにかく根強い、という印象だ。
今回の「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」は、タイトルが示すとおり、携帯電話との連動が可能になっている。どんな遊びが加えられているのか、とても興味深い。 ■ 成長した「たまごっち」は卵を産んで家系を広げる 携帯電話との連動を語る前に、「たまごっち」の基本的な遊び方をおさらいしておこう。 謎の生物「たまごっち」を大切に育てるゲームだ。「たまごっち」は生命のある生き物として表現され、世話をするとスクスク成長するが、世話を怠ると病気になって死んでしまう。 プレーヤーが行なえる世話は、「食事を与える」、「トイレの世話をする」、「ミニゲームで遊ぶ」、「病気を治療する」、そして叱ったりほめたりする「しつけ」の5種類が用意されている。
「たまごっち」は人間と同じように、24時間の時間軸で生活しており、朝や昼にはお腹をすかし、夜になれば寝てしまう。お腹がすいたといえばご飯やオヤツを与え、ふんをしたらトイレで流す。こうして大切に育てていくと、「たまご期」から「幼児期」へ成長し、「反抗期」と「思春期」をへて、「産卵期」を迎える。やがては「老後」を迎えて死んでしまう。
また「たまごっち」は、感情が豊かで人懐っこいという性質を持っている。ひんぱんにピーピーと鳴き声を発して、持ち主と積極的にコミュニケーションを取ろうとする。逆に言えば、非常にさみしがり。ほうっておくといじけてしまうし、放置の度が過ぎると死んでしまうこともある。 こんなときに有効なのが、ミニゲームで遊ぶことだ。ミニゲームで高得点を収めると、たちまちのうちに機嫌を回復する。 今回の「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」で遊べるミニゲームは3種類。「♪集めゲーム」は、空から降ってくる音符を集める遊び。「ふりーすろー」は、ボールをヘディングし、ゴールに入れるゲーム。「かけっこ」は、たまごっちたちの徒競走の結果を予想するゲームだ。
筆者は、今回のミニゲームの中では「♪集めゲーム」をよく遊んだ。空から落ちてくる音符をキャッチするというルールはシンプルだが、お邪魔アイテムとして空から大量の巻きグソが落ちてくる点が、いい意味でバカバカしくて気に入ったのだ。
新シリーズから加わったのが、「たまごっち」同士の結婚だ。内蔵されている赤外線通信機能を使って、友だちや家族が育てている「たまごっち」同士を交流させる。交流を重ねると互いの「たまごっち」が仲良くなっていき、結婚して子供を生むのだ。 通信する相手がいなくても、子供を育むことができる。産卵期に結婚をしないでいると、どこからか「おせっかいおばあさん」が現れ、お見合い写真を持って結婚を勧めてくれるのだ。
筆者は「おせっかいおばあさん」にすっかりお世話になって、2週間の育成で、親子3世代にわたるファミリーを築き上げた。初代は「でばっち」、二代目は「ござるっち」、三代目は「くちばっち」に成長を遂げた。
■ 携帯電話の中にある「たまごっち星」と交流ができる
さて、肝心の携帯電話との連動だが、結論を先に書くと、筆者は非常に楽しんだ。iモード、ボーダフォンライブ! 、EZwebの3機種に対応しており、専用サイトからアプリケーション「たまごっちパーク」をダウンロードして遊ぶのだが、このアイデアがふるっている。アプリケーションが起動している場所、つまり携帯電話がたまごっちの母星「たまごっち星」になっていて、そこと様々な交流を行なえる、というものなのだ。
交流には、たくさんの方法が用意されている。そのひとつが「ツーしん販売」。ミニゲームなどで貯めたポイントで、通常のゲーム中には登場しない、食べ物やアイテムを買う遊びだ。購入の方法は、携帯電話の画面に表示されたアイテムから気に入ったものを選び、ポイントを支払う、というもの。携帯電話と「たまごっち+(プラス)」とのやり取りは、表示されたパスワードを入力する、あるいはそれぞれの機器に内蔵された赤外線通信機能を使えば行なえる。パスワードの入力も苦にはならないが、やはり赤外線機能を使うと楽だ。 買えるアイテムは、バラエティに富んでいて飽きさせない。「たこさんウインナー」のような子供受けする食べ物があったり、「小倉トースト」のような地方名産品があったり、はたまたオバケが頭に付けている「三角頭巾」のようなブラックなものもあったりして、次はどんなものが飛び出してくるのだろう、と期待させられる。 個人的にもっともハマったのが、「親子ツーしん」。死んでしまった「たまごっち」は「たまごっち星」に帰っている、という設定になっており、この機能を使えば、なんと死んだ親と通信できるのだ。通信すれば、「たまごっち星」での暮らしぶりがわかったり、仕送りをしてもらえたりもする。ああ、素晴らしい親心。親子二代にわたる愛情表現にホロリとさせられた。 ポイントをたくさん貯めると、「たまごっち星」から「ごっち大王」を招くこともできる。必要なポイントは1,000にもなり、貯めるのが大変だが、わざわざ大王様に来ていただくのだから……と納得のいく設定になっている。もちろん筆者も招聘したが、お土産に巨大なウンコをおいていかれて驚いた。いやあ、面白い。
「たまごっち星」から品物を取り寄せたり、人物を招いたりするだけでなく、自分の「たまごっち」を「たまごっち星」に送ることもできる。「たまごっち」を旅行に出す、名産品の交換をする、などいくつかのことができるのだが、筆者の貯めたポイントは「ごっち大王」の招待で底をついてしまい、残念ながら今回の期間では試すことができなかった。「親子ツーしん」や「ごっち大王ご招待」の楽しさから想像するに、この遊びもきっと面白いに違いない。ぜひともポイントを貯めて、体験してみるつもりだ。
携帯電話との連動を謳ったゲームは、これまでたくさんあったが、オリジナルのゲームと有機的に結びつき、遊びの幅を広げる成功例は少なかったように思う。そう考えると、「祝ケータイかいツー! たまごっちプラス」の展開は実にお見事、としかいいようがない。おかげで早くも「たまごっちプラス」の次なる一手に期待してしまう。次回作ではどんな進化を遂げるのだろうか。 (C)BANDAI・WiZ 2004
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毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) (2004年12月16日) [Reported by 元宮秀介]
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