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【連載第208回】 あの、おもちゃを徹底レポート




新世代のキッズコンピュータ!
セガトイズ「Beena(ビーナ)」

「Beena」
発売 セガトイズ
価格 13,440円
電源 ACアダプタ(付属)
発売日 発売中



 キッズコンピュータの分野で圧倒的なシェアを誇っていた「PICO(ピコ)」。今回紹介する「Beena(ビーナ)」は、その「PICO」の後継機に当たる商品だ。名作と呼ばれる「PICO」がどのような進化を遂げたのか、くわしくレポートしてみたい。


使いやすさを向上させた本体

パッケージ。名前は「Be Natural」。自然に遊ぶという意味から
 後継機、新世代機と聞くと期待が膨らんでしまうため、パッケージから「Beena」を取り出したあとは、「あれ?」と拍子抜けの声が思わず漏れてしまった。「Beena」の第一印象が、「PICO」とさほど変わっていない、という印象が強かったのだ。

 フタを開けて使う本体。タッチペン。十字ボタンを思わせる配列の丸いボタンの数々。正直に書き記せば「まんま『PICO』じゃん!」と思ってしまったのだ。

 そんな筆者の驚きや疑問は、「Beena」のサイトを読み込んでみると、すべて誤解に基づくものだったとわかった。「Beena」は「PICO」の進化形ではあるが、性能や機能をパワーアップさせたものではない。「PICO」の本質はそのままに、使いやすさと便利さを追求したものなのだ、という。

本体は折りたたみ式。すべてが曲線で構成されていて、手にやさしい 入力装置はタッチペンとボタン。下部の中央がタブレットだ 専用ソフトはカートリッジタイプ。「PICO」のものと同じサイズだ
ページをめくると、画面も連動し、映像が切り替わる ソフトは本体上部のフタにセットして使用する 画面を使わないときは、絵本を直接タッチして入力する


 変更点は大きく分けると4種類ある。

 1つ目は、テレビありとなしの両方のプレイが可能になった点。テレビの有無や接続の手間を問わずカジュアルに遊べるようになり、本体も軽量化されているので、小さな子どもたちも持ち運びが可能になった。

 2つ目は、2人同時プレイが可能になった点。本体の左右にペンとボタンが配置されているので、友だち同士や親子、兄弟でコミュニケーションを取りながら楽しくプレイできる。

 3つ目は、ユニバーサルデザインの徹底。3歳児からお年寄りまでを対象に、電源の切り忘れやフタの開閉で指を挟む危険を避ける工夫などが随所に凝らされているのだという。

 4つ目は、パーソナルデータの入力。子どもの名前や性別、誕生日を入力しておくと、ゲームの達成度に応じて、キャラクタが名前を言って励ましてくれたりする仕掛けが可能なのだという。

 CPUやRAM、グラフィック表示能力などの耳目を引く話ではないが、遊び手からすると日増しにその良さが実感できる変更点といえるだろう。


家族みんなで脳のトレーニング

 「Beena」には、対応ソフトが多数発売されているので、その中から2本をピックアップして紹介したい。

 1本目は、「家族みんなの脳力トレーナー」。そう、東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授の監修によるソフトだ。すべての大本となった書籍版や、人気の高いニンテンドーDS用ソフト「脳を鍛える大人のトレーニング」は、脳の活性力が衰えた大人に向けた内容だったが、「家族みんなの脳力トレーナー」は家族みんなが遊べるものになっている。

 「家族みんなの脳力トレーナー」のソフトを「Beena」本体にセットする。ソフトは絵本の形になっており、ページをめくることでテレビの映像が切り替わる仕組みだ。

 映像が表示されたら、タッチペンを使い、「Beena」本体のタブレットをタッチする。こうすることでカーソルを動かしたり、クイズの答えを選択したりすることができる。

 ソフトは、「色と図形でトレーニング」、「数字でトレーニング」、「総合トレーニング」、「ペンでトレーニング」、「声に出してトレーニング」の5種類のモードから構成されている。各モードにはそれぞれ3種類のゲームが収録されており、自由に楽しむことができる。ゲームの中で脳の活性化に有効なものには、「活性」というアイコンが添えられている。

 「色と図形でトレーニング」の1ゲーム「色と形の順番」は、画面に表示される図形の色を記憶して、それを当てるもの。レベルが上がると、色に加え、図形の形も増え、より複雑さを増す。

 「数字でトレーニング」の1ゲーム「数を数えよう」は、画面に表示される星の数や色を認識し、それらに関する質問に答える。さまざまな要素を複合的に見分ける必要があるため、頭を使う。

 「総合トレーニング」の1ゲーム「じゃんけんポイ!」は、画面に表示された指示に従って、カードを選んでじゃんけんをする。指示は「あいこになるカードを選んでね!」などトリッキーなもの。普段のじゃんけんでは勝つことばかりを考えているので、頭の違う部分を使う感じだ。

 「ペンでトレーニング」の1ゲーム「つないであそぼう」は、指示にあわせて、絵や文字を順番どおりになぞって線を引くもの。レベルが上がると、問題に関係のない絵や文字が混ざるようになり、混乱させられる。

 「声に出してトレーニング」の1ゲーム「はやくちトレーニング」は、「あたりき、しゃりき、くるまひき」などの早口言葉を口に出して読み上げ、脳の活性化を促すもの。

 ゲーム中は常にかわいらしい動物のキャラクタと、やさしい笑みをたたえた川島教授が表示されているので、小さな子どもや勉強が苦手な子どもでも、抵抗感なく遊べるのではないだろうか。同じ題材ながらも大人向けのDS用ソフト「脳を鍛える大人のトレーニング」とは違う切り口から表現しており、感心させられた。

「家族みんなの脳力トレーナー」のゲーム選択画面 「色と形の順番」。記憶力が問われるシンプルなゲーム ゲーム成績は、開花の数に応じて評価される
「数を数えよう」。星の色と数を正確にカウントする 「じゃんけんポイ!」。指示に応じた正しいカードを選ぶ 「つないであそぼう」。指示に沿って順番どおりに線を引く


アンパンマンで食に関するお勉強

 2本目は、「それいけ! アンパンマン すききらいないこ げんきなこ!」を取り上げる。シリーズ名として「食育シリーズ」と銘打たれており、食に関する知識を学べるようになっている。監修は、服部栄養専門学校校長の服部幸應氏が担当している。

   「家族みんなの脳力トレーナー」と比べると、対象年齢が低く、電子版「飛び出す絵本」というべき内容だ。画面に表示されている料理や食材をタッチすると、アンパンマンの仲間たちの声によって、それらの名前が読み上げられる。さらにキャラクタをタッチすると、ミニゲームがスタートすることがある。

 「ざいりょうをあてよう!」は、食卓に並んでいる料理の元となる食材を5つ当てる。例えば握りずしなら、えびやイカなどのアイコンをタッチする。料理への関心が深まる仕組みだ。

 「やさいをキャッチしよう!」は、バイキンマンが落とす野菜を下に落とさないようにキャッチするもの。息抜きのアクションゲーム、という風情だ。

 「たべものクイズ!」は、食べ物の断面図から、それがどんな食べ物なのかを当てる。食べ物に関する「発見」を楽しめるクイズだ。

 「もりつけしよう!」は、お皿やコップに自由に食べ物を盛り付ける遊び。食べ物に相応しい食器を理解したり、盛り付けの美観を磨いたりすることが可能だ。

 これまで国語や算数など学校のカリキュラムに応じた知育ソフトはたくさん登場していたが、食に関する知育ソフトは確かに珍しい。遊びを通じて、ご飯や食材っておもしろいな、と感じさせるつくりになっている。自分の子どもに食への関心を持ってもらいたい、あるいは食事嫌いを解消したいというときに有効な内容といえるだろう。

基本画面の1つ。タッチペンで気になるところを自由に触れながら遊ぶスタイルだ 「ざいりょうをあてよう!」。使われている材料を5つ当てる
「やさいをキャッチしよう!」。アンパンマンを操作して野菜をキャッチ! 「たべものクイズ!」。断面図から食材を当てる。これはタマネギ 「もりつけしよう!」。盛り付けの良し悪しがアンパンマンに評価される


 駆け足での紹介となったが、本体、ソフトともに子どもへの深い愛情が感じられる内容だった。もし迷っている方がいらっしゃったら、購入を強くお勧めする。

Copyright 2005 (C)SEGA TOYS


□セガトイズのページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「Beena」のページ
http://www.beena.jp/
□関連情報
【2005年7月19日】「東京おもちゃショー2005」開幕
iPodなどを意識した“音楽系”おもちゃも登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050719/toy-s.htm
【2002年2月7日】プラレールと連動するキッズコンピュータ!
セガトイズ「PICO」+「プラレール・ピコ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020207/toy52.htm


 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

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(2006年2月2日)

[Reported by 元宮秀介]


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