← 前回分  【バックナンバー】

【連載第52回】 あの、おもちゃを徹底レポート




プラレールと連動するキッズコンピュータ!
セガトイズ「PICO」+「プラレール・ピコ」

「PICO」+「プラレール・ピコ」
発売 セガトイズ
価格 12,800円(PICO)
7,980円(プラレールピコ)
電源 付属ACアダプター使用
発売日 発売中


10年目を迎えるロングセラー商品「PICO」

 キッズコンピュータ「PICO」。触ったことはなくても、トイザらスなど大型トイショップなどで、試遊台と群がる子供たちの姿を見たことがある人は多いはず。
 実際に根強い人気を誇っている。'93年の発売以来、今年で10年目を迎える超ロングセラー商品。販売台数は、昨年末で290万台以上を記録。3歳から7歳の子供がいる家庭の約3割が保有する普及率(!)というのだから、ただただ驚くばかりだ。

 本体にはペンとタブレットが付属しており、絵本型のカートリッジを挿して遊ぶスタイル。絵本のページをめくると、テレビに表示された画面が切り替わり、クイズやミニゲーム、お絵かきなど、様々な遊びが楽しめる。
 もちろん本来の狙いは「子供の知育」なのだが、無味乾燥な学習教材になっていないところがポイント。「お勉強」を全面に出さず、ドラえもん、とっとこハム太郎、仮面ライダーなど当代の人気キャラクタを起用し、子供の興味を大いに引き付ける。文字通り「楽しみながら学べる」ところが、子供だけでなく親にも受け、長期に渡って愛され続けているのだ。

 テレビゲームと同様に、外部デバイスを用いて遊ぶカートリッジもある。キーボードを接続して、はじめてのキーボードを体験。人形や医療器具の模型を使い、医師や看護婦の仕事を学ぶ……などなど、すべてを挙げていくとキリがないが、「子供のころに、こんなオモチャで遊びたかった」と心から思わせるような魅力的なアイテムがそろっている。

 そんな「PICO」のカタログを眺めていたら「プラレール・ピコ」が発売されるという告知が目に飛び込んできた。あのプラレールとピコが連動する!? これは面白そう、とさっそく手に入れ、遊んでみた次第だ。

「PICO」。物語を楽しんだり、ペンで絵や文字を描いたり、と様々な楽しみ方ができる カートリッジはこのように挿す。最初のページをめくると、コンテンツが画面に表示される


連動で東海道線上を走るオモチャに早変わり!

 「プラレール・ピコ」は、プラレールを使って電車の運転を学べるセットだ。パッケージにはカートリッジと駅舎型コントローラ、そしてプラレールの車両(新幹線)とレールが付属している。駅舎型コントローラをPICO本体のタブレットの上に載せ、両者をガイドでガッチリと固定すれば準備完了。コントローラと本体がまさに「合体」をする仕掛けの大胆さに、ワクワクしてくる。

 様々なモードの中でも、「プラレールであそぼう」はこのキットの目玉的存在。駅舎型コントローラにレールを組み合わせ、コースを組み、実際にプラレールを走らせる。コントローラの動きに合わせ、電車がレール上を走り、加速し、停止する。テレビ画面にはその動作に連動したアニメーションが表示されていく。駅舎型コントローラから出発した電車がレールを一周し、再びコントローラ上に戻ってきたら、停止にする。すると画面は駅のホームの映像に切り替わり、新たな客が乗り込んでいく。そうして再び出発をして、東京から名古屋、京都、そして果ては博多へと、東海道線上の旅を続けていくのだ。

 プラレール単体ならば同一コースを周回するだけだが、駅に停止し客を乗せる要素を加えることで、東海道線を走る遊びにパワーアップする、というわけだ。なんとも楽しそうだが、これを満喫するには、別途プラレールが必要。相応の量のレールと動力車が1台なくては遊べないのだった。くう~残念!

「プラレール・ピコ」の駅舎型コントローラ。中央の青いレバーで電車を操作する PICO本体の上に駅舎型コントローラを重ね、「合体」させて遊ぶ


電車の運転を学びながら東海道線を一直線!

 とはいえ、このセットだけで遊べるモードも豊富に用意されている。「うんてんゲーム」は、前述の「プラレールであそぼう」から、プラレールとの連動を抜いたモード。新幹線の運転手になりきって、東海道新幹線と山形新幹線上の旅が楽しめる。

 新幹線の操作に使用するのは、運転レバーのみ。これを手前に引き倒すと、ストップ → ロー → ハイと速度を変化させることができる。出発地点は「とうきょう」駅のホーム。行列をなす客がゾロゾロと車内に乗り込むと、駅員が旗を上げる。このタイミングで、赤いボタンを押し、発車ベルを鳴らす。すると新幹線のドアが閉まり、運転レバーをストップからローに入れれば、電車が走り出す。大まかにアレンジはされてはいるが、電車の出発までの流れを学習することができる。

 新幹線が走り出すと、画面は運転席の視点に切り替わる。次の駅に到着するまでの間、運転レバーを操作し、減速、加速の操作を行なえる。さらに赤いボタンを押せば警笛が、黄色いボタンを押すと「お弁当にお茶はいかがですか~」と車内販売のアナウンスが鳴り響く。駅に止まれば、客を乗せ出発をする動作を繰り返す。

 筆者が気に入ったのは、各駅の模様。それぞれの駅に、その地域を代表するランドマークが、大胆なスケールで描かれているのだ。例えば京都なら五重塔が、大阪なら通天閣が、目立つように巨大なサイズでそびえ立っている。その様子がとてもカワイイ。岡山のように特にランドマークがない(失礼!)駅ではどうするのだろうと、興味深く見守っていたら、駅ビルの屋上に巨大な看板が設置され「ももたろうのまち」と書かれていた。ワハハッ、そうきたかっ!

 さすがに子供向けなので、鉄道を走らせるすべての作業と流れが再現され体験できるわけではないが、レバーを握って電車を動かす動作は楽しい。夢中になって東海道線と山形線を完走してしまった。

新幹線の発車をオペレーション。客の乗車前に列車を出発させると失敗となる 運転中の画面。コース上の赤い駅は停車、白い駅は通過。停止と通過の違いも学べる 博多駅に到着! やや、向こうには福岡ドームが見えるぞ!(現実では見えません)


クイズにパズル、ミニゲーム……と遊べる仕掛けまだまだ豊富

 「れっしゃクイズゲーム」は、窓の外を走り抜ける列車の車種を当てるクイズ。7レールスターやマックスなどの人気新幹線をはじめ、北海道を走るスーパー北斗、大分県を走る由布院の森など、地方の車種もあり、なかなかに知識が問われる内容になっている。鉄道好きの子供が夢中になって答える姿が目に浮かぶようだ。

 「ポイントきりかえゲーム」は、複雑な形をしたレールの上に電車を走らせ、3カ所に散らばる駅を通過させるゲーム。レールの分岐ポイントで、電車が左右のどちらに進むかを指示し、目的をこなしていく。制限時間があるので、もたもたしていたらアウトだ。「かしゃれんけつゲーム」は、転車台を操作して、電車を連結させるゲーム。転車台に乗っている車両を、画面の指示通りに、上中下と3台並んだうちの1台と連結させる。「ジオラマをつくろう」は、離れ離れの駅の間にレールを敷き、鉄道を開通させるゲーム。さしずめ「バーチャルプラレール」だ。

 ほかにパスル形式のレールを整え、線路を作り、電車を走らせる「レースパズルゲーム」。そして倒れてくる無数の石像との衝突を避けるべく、加速、減速を使い分ける「アクションレールゲーム」などが楽しめる。

「れっしゃクイズゲーム」。通過する車種は何? あなたも当ててみてください 「ポイントきりかえゲーム」。ポイントを切り替え、制限時間に3カ所の駅を通過する 「かしゃれんけつゲーム」。画面の車体もレールもみなプラレールを再現

「ジオラマをつくろう」。まさにプラレール。カーブの設置も簡単に行なえる 「レースパズルゲーム」。うってかわって未来の電車が古代へタイムスリップした設定 「アクションレースゲーム」。加速、減速を使い分け、目前に迫るトラップを通過する


 予想以上にボリュームのある充実した内容で、すべてのモードを遊ぶだけでゆうに3時間はかかった。当の子供ならこれを何度も何度も繰り返して遊ぶわけで、定価7,980円はけして高くない。単純ながら面白さのツボを突き、かつバラエティに富んだ内容になっている。

 当初、密かに抱いていた「子供向けだけに単調だったら……」との心配はどこへいったやら、熱くなって遊ぶこともしばしばあった。くどいようだけど、こんなにスゴイオモチャで遊べる、今の子供が心底うらやましい。プラレール好きの子供だったら、狂喜乱舞してしまうのではないだろうか。決定! 友達の子供(3歳・男・プラレール狂)の次の誕生日には、この「プラレール・ピコ」を贈ることにしよう。

JR北海道・JR東日本・JR西日本・JR九州
JR貨物 商品化許諾済
※プラレールは(株)トミーの登録商標です。
(C)SEGA TOYS 2001

□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「ピコクラブ」のページ
http://www.pico-club.com/


 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

→ game-watch@impress.co.jp ←

(2002年2月7日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2002 impress corporation All rights reserved.