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会場:東京ビッグサイト
2002年までは東京ビッグサイトにおいて業界関係者に対して披露した後、週末には一般来場者も入場することができるユーザーデイを設けるといった、2つの側面を持つ展示会として開催されてきた。しかし、メーカー側からは「業界関係者と一般ユーザーでは見せたいものが違う」といった意見も聞かれ、2003年には定例の6月に業界関係者向け「東京おもちゃショー」を開催し、7月末に一般ユーザー向け「おもちゃみらい博/2003 JAPAN TOY SHOW」が開催された。しかし、昨年は「おもちゃみらい博」は開催されず、台東区の展示場で業界関係者向けの「東京おもちゃショー」が開催されるのみにとどまった。 今年は昨年を踏襲する形で関係者向けの展示内容となったが、会場は広々とした東京ビッグサイトに再度変更となった。「ロボット旋風」が吹き荒れたあと、「小さなラジコン」や「テレビにつなげてすぐに遊べるゲーム機」などいくつかの潮流はあったが、今年はやはりキャラクタと“癒し”に主流が置かれた製品が目立った。小さな子供向けの玩具ではキャラクタでがっちりと心を掴み、OLを中心とした女性には癒しをテーマにしたアイテムを提供する。このほかにも「脳力トレーナー」など、高年齢者を対象とした商品も人気を集めている。
少子高齢化の中で各年齢層に向けた市場を開拓することがメーカーには求められているようだ。 ■ アイディア満載のe-Toy関連商品を多数出展したセガトイズ オリジナリティあふれる商品がずらりと並んでいたのがセガトイズのブース。「PICO」の新製品となる「Beena」から、「idog」をはじめとした「iシリーズ」の新作「ifish」、そして「甲虫王者ムシキング」を使用した新商品の展開、すでに品薄が伝えられている「家庭用星空投影機ホームスター」など、幅広い層に向けた商材を展開している。 中でも面白そうだったのが「サウンド キャリア ミニ」。iPodを手にすることができないが、憧れてはいるという層をターゲットにした商品で、CDプレーヤーなどと接続することでダイレクトに音楽を録音することができる。録音時間は12分程度で、モノラルのみ。スピーカーは搭載していないため、イヤホン(両耳タイプ)で聴くしかない。音質的にはAMラジオ程度だという。 セガトイズらしい点としてはゲーム機能を搭載している点。収録されているのは、音符キャッチゲームやカーレースゲーム、リズムゲーム、逆転再生で曲当てクイズなど5種類。これらのゲームは録音した音楽と連動している点が面白い。たとえば収録した曲のスピードによってカーレースのスピードが変化するといった具合だ。このほかにもかける音楽によってペットの機嫌が変わったり、たくさん聴かせることで芸を憶えるといったギミックも搭載している。また、他の「サウンド キャリア ミニ」と接続することで音楽やメッセージの交換も可能。
パーソナライズの一環としてパネルを取り外し、その下のシートを取り替えることで着せ替えが可能となっている。着せ替え携帯からきているアイディアだが、女性をターゲットとした商品としては、“個性を出す”のは重要な要素の一つかもしれない。
「24hピクトハウス」も発売まで1カ月を切り、ほぼ完成した状態で展示されていた。家の形をした中には液晶がセットされ、キャラクタが時計機能やセンサー類に合わせ、様々なリアクションを起こす。年頭に行なわれた同社の商談会でも出展されていたが、さらに完成度が上がり、ほぼ完成間近となっている。 ミニチュアハウスをたたく(ノックする)とそのキャラクタがアクションを起こす。ただ単に液晶部分にキャラクタのアニメーションが表示されるだけではなく、各種ギミックが作動。たとえば電気が点灯したり、階段を上がっていくと階上のトイレから「ジャー」っと音が聞こえたり……立体的に楽しめる。 また、「24hピクトハウス」は3軒まで接続可能。接続するとキャラクタは扉を開けて(実際に扉が開閉するギミックが搭載されている)隣の家を訪ね、コミュニケーションを交わす。仲良くしたりけんかしたり、様々なドラマを見せてくれるという。 こういった時計と連動していると、真夜中型の人間は時計をずらさなければ楽しめないのでは……と考えてしまうが、「24hピクトハウス」では夜には夜の、泥棒が入るといったイベントが用意されていると言うことで、それなりに楽しめるのだという。
さらにこの商品は他企業ともタイアップしている。たとえばおやつの時間であれば、明治製菓のお菓子を食べてみたり、「DAKARA」を飲んでみたり。生活に密着した商品をこういったところに織り込んでいくのは、ある意味、新しい広告形態といえるだろう。 8月13日の発売を予定している「家庭用星空投影機ホームスター」。すでに初回分は予約で完売状態の店舗も数多く見られるこの商品。家庭用のプラネタリウムとしてかなりの期待を背負っている。星空を収録したホームスター専用恒星原板をセットしスイッチを入れるだけで、天井に映し出される。基本的には白い天井に投影したいところだが、担当者によれば「木目くらいなら大丈夫ではないでしょうか。もちろん白い天井などの方が美しく表示されます」という。
天文ファンだけでなく、癒しグッズとしても広めていきたいようで、冬には冬季限定のバージョンを発売したり、今後はアーティストとのコラボレーションなども検討していきたいという。 ■ 体脂肪測定と同じシステムで肌に触れあうだけでスイッチオン!「ビートでタッチ!」 エポック社で面白そうなおもちゃが出展されていた。「ビートでタッチ!」というゲーム機で、体脂肪測定と同じ体に通電させる技術を使って、体をスイッチ化させるというシステムだ。4辺にそれぞれ端子部分があり、それを握ることで体に通電させる。 ゲームそのものは単純で、色が光っていく順番通りにスイッチにタッチするというもの。たとえば赤色の端子部を握っている人がいれば、赤色のスイッチをタッチしなくても、赤色の端子部を握っている人にタッチするだけでいいわけだ。その人そのものがスイッチ化するわけで、ゲームでふれあうことができるという、若い男女にはたまらない(?)システムとなっている。
ゲームはいくつか収録されており、チームワークゲームやタッチゲームなどいろいろと楽しめる。ある意味パーティゲームとしてよくできたインターフェイスといえる。みんなでわいわいと楽しんでいただきたい。できれば男同士ではなく、カップルで楽しみたいものである。
■ テレビにつないですぐに楽しめるゲーム類はすでに1ジャンルを形成 すでにひとつのジャンルとして定着したと言っていいのが、テレビに接続するだけですぐに遊べるゲーム機だ。今回もいくつか出展されていたが、そのほとんどがキャラクタと連動した商品となっている。 注目なのはトミーの「テレビで遊びた隊 韋駄天翔 ~激走! イダテンバトル~」。ハンドル型コントローラで傾きセンサーを搭載しており、ハンドルを傾けることでコントロールする。ハンドルの動かし方でコマンド入力を行ない、様々なトリックを実現する。アクション要素の強いゲームに仕上がっている。
また、すでに「講談社スーパーキャラクターフェスティバル 2005」などに出展されているコナミのPLAY-POEMSシリーズ最新作「マリンバ天国」も楽しみだ。音ゲーに精通しているコナミが作っているだけに、いい仕上がりになりそうだ。 ■ そのほかの注目商品
このほかにも注目の商品がいくつか出展されていた。太陽工業の「R/C空とぶドラえもん」は、逆方向に動く2つのプロペラを持つ本格派のラジコン。シュイーンという音と共に会場高く舞い上がり、多くの来場者の耳目を集めていた。
□日本玩具協会のホームページ http://www.toys.or.jp/ □「東京おもちゃショー2004」のページ http://www.toys.or.jp/toyshow/toyshow.htm □関連情報 【2003年6月10日】バイヤーズデイとユーザーデイに分かれた初めての「東京おもちゃショー2003」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030610/toyshow.htm 【2004年6月15日】日本玩具協会、東京おもちゃショー2004開催 セガ トイズの「メガドライブ プレイTV」など出展 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040615/toy-s.htm (2005年7月19日) [Reported by 船津稔]
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