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会場:国際フォーラム
玩具業界は良い意味で流行に敏感で、時代の流れに沿った商品がひとつの流れを作る傾向にある。2005年のひとつの流れは音楽関連の商品と、液晶を使った小さなカワイイ育成ゲームがヒットを記録した。その他では、比較的高年齢層を対象としたパズルなどで脳のトレーニングを行なったり、記憶力の減退を防ぐタイプの商品だ。具体的に流行の元を辿ってしまえば身も蓋もないのだが、音楽はiPod、液晶携帯ゲームは「たまごっち」、脳のトレーニング系は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」だ (これはおもちゃ業界の方が早いのだが)。 2006年初めての商談会と言うことで、年の前半が対象となるため新しい流れは見えづらく、やはり“音楽”、“液晶を使った育成ゲーム”、“癒し”といったキーワードが見え隠れする商品が比較的堅調なイメージだ。そんな中でも少子化を見据え、「30台から40台の遊び盛りの男性」といったキーワードもちらほらと見えてくる。今年の後半にはそういったターゲットを狙った商品がより多く登場しそうだ。
今回は、新春商談会「TOYフォーラム2006」の中から気になる商品をピックアップしテレポートをお伝えする。 ■ コナミ、ミュージックプレーヤーにつないでキャラを育てる「オトイズム」 コナミは小さくてポップなデザインの音楽をテーマとしたグッズ「オトイズム」を出展。セガトイズやタカラが低年齢層をターゲットに音楽プレーヤーをテーマにしたものをリリースしているが、「オトイズム」はひと味違い、これ単体で音楽を録音することはできない。iPodなどのミュージックプレーヤーとヘッドフォンの間に「オトイズム」を接続すると、流れる音楽の周波数を分析し、「オトイズム」がどういったタイプの音楽を聴いているのか判断。聴いている音楽によってキャラクタが違ったタイプに育っていくというグッズだ。 色は3種類あり、写真を見ていただいてわかるとおり、デザインはOLが持っても遜色ないポップなものだ。いつもの音楽を聴くという行動を妨げることはなく、この「オトイズム」を接続するだけで、プラスアルファのちょっとした楽しみが得られると言うことになる。 ユーザーは、流れる音楽のリズムに合わせてサイドにあるボタンを押し、キャラクタとダンスをすることができる。キャラクタは色々なアニメーションでユーザーを楽しませてくれるという。さらにキャラクタは前述の通り、ユーザーの聴く音楽によって一定時間ごとに成長する。成長する段階で「オトイズム」は1フレーズずつ憶える。成長は4段階で、最終的にはそれらのフレーズを繋げ合わせ曲を作曲し歌い始めるという。 赤外線通信も搭載しており、友人の持つ「オトイズム」と通信させ、ダンス大会に参加することもできる。音楽的な相性で審査され、結果に反映されるという。この育てる楽しみのあるキャラクタとは別に色々な言葉を集めることもできる。マイクが付いており、そこから声を吹き込むと、「コトバイズム」が誕生。恋人や友人の声や、気に入った音などをあつめ、この「コトバイズム」を収集する楽しみもある。
音楽系のグッズと癒し系のグッズの融合ともいえる商品だが、その裏では日本音響研究所が開発に協力しており、音楽の周波数解析の技術など高度のことを行なっている点も面白い点だ。
□コナミのホームページ http://www.konami.co.jp/ □コナミ「トイ&ホビー」関連ホームページ http://www.konami.jp/th/
■ セガトイズ、音楽関連グッズから「古代王者恐竜キング」関連トイまで セガトイズはセガの大ヒット中のアーケードゲーム「甲虫王者ムシキング」、「古代王者恐竜キング」、「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の関連玩具が約半数を占める。今回の商談会では、「恐竜キング」の商品の立ち上げを一気に行なうべく、ブース入り口から大々的にプッシュ。参考出展ながら「ムシキング」で人気の「リモコンバトル (リモコンを使いフィギュアを操り戦わせる)」の「恐竜キング」版を企画中だという。甲虫同士のバトルもなかなかだが、男の子的には恐竜同士のリモコンバトルも興味深いところだろう。 そんな中セガトイズで特に注目なのは、得意の音楽系のトイだろう。idogがヒットしたこともあり、今回の商談会では大幅にシリーズ商品を拡充。魚をイメージしたデザインで音楽を聴かせたりおでこをなでると水の音や心地よいメロディを流したり、イルミネーションや体を揺らすなど癒しの要素が増した「ifish」が2月上旬に5,229円で発売されるほか、音楽をえさにしているという点では同じだが、小さくなり、手軽になった「idog mini」が6月上旬に3,129円で発売される。 育成ソフトとしては「nintendog」的な側面も持つ「わんpod」、「にゃんpod」が6月中旬発売予定。価格は2,783円。犬やねことコミュニケーションを取ることで、しつけや芸を仕込むという流れだが、インターフェイスにタッチパッドを採用しているところが面白い。非常にデザインがすっきりしており、ボタンがほとんど見あたらない。たとえば犬にジャンプを憶えさせるためには、タッチパッドの下から上に指をなぞってやることで覚え込ませる。また、パッドをトンッと叩くことでペットが気づき、手前に向かってくるなど直感的な操作が可能となっている。
最初はごはんをこぼしていた犬も、しつけることでキチンと食べるようになるなど、かなり育て甲斐がありそうだ。芸は20種類以上収録される予定。このほかにしつけも用意されるので、コミュニケーションを十分取って自分のペットをじっくり育てることができるだろう。また、アラームは鳴き声になっているので、時計モードで目覚ましをセットすると、自分のペットの鳴き声で起こしてくれる。こういった機能はこのヴァーチャルペットをより身近に感じさせてくれることだろう。
□セガトイズのホームページ http://www.segatoys.co.jp/
■ タカラ、デジタル化した新時代のスロットカー「Quattrox」ついに発売 タカラはこの春一緒になるトミーと共同で発表会を開催し、まさに「20歳台から40歳台の遊び盛りの男性」をターゲットにした商品を発表してきた。それがこれまでのスロットカーをデジタル化させることで大幅に進化させたタカラの「Quattrox」と、赤外線通信で飛行機をコントロールする「TOMITECH エアロソアラ」だ。 実は両製品とも今回が初出ではない。「Quattrox」はちょうど1年前の商談会に出展されており、そういった意味ではじっくりと開発が進められており、意気込みの程がうかがえる。「TOMITECH エアロソアラ」もすでにトミーの2005年10月の商談会で披露されている。 これまでのスロットカーは基本的に1レーン1台しか走行できず、スピードを競いながらもレースするという点では若干難があったわけだが、今回「Quattrox」はデジタル化することでコントローラに車両IDを認識させ、1レーンで最大4台までプレイを可能とさせた。さらにレーンにレーンチェンジトラックを設けたことにより、同じレーンの前に車が走っていれば、レーンを変えることで追い抜くことも可能となるわけだ。 車両は1/32で、GTカーをリアルに再現。ドライバーまで再現されているという。ミニカーファンも納得するリアルさを目指した一方で、1/32へのこだわりは、世界的なスロットカーのスタンダードであることから来ているという。 今後は周辺パーツの充実を図ると共に、大人のユーザーの訴求力を高めるために、ダーツバーなどと協力し大人のおもちゃとして、店舗などで遊べるようにアピールしていきたいという。 一方、トミーの「TOMITECH エアロソアラ」は、室内で遊ぶことを前提とした赤外線コントロールの飛行機モデルだ。機体は発泡スチロールでできており、3.5gという極限まで軽量化。従来の充電池などを搭載するのでは重くなるため、コンデンサをベースに充電池を一から開発し直したという。モーターも超小型のものを開発し、ここまで軽量化している。30秒の充電で40秒の飛行が楽しめる。 「TOMITECH エアロソアラ」は室内で遊ぶことが前提となっている。これは、飛行機のラジコンはだいたいが大きく、広い場所で遊ぶしかない。しかし室内であれば手軽に誰もが遊ぶことができる……ということから室内にこだわったのだという。ちなみに操縦可能範囲は6mから7mだが、場合によっては10mでも操作可能だとか。 旋回はもちろん、テクニックを磨けば8の字を描くこともできるし、ポイントを決めてそこに着陸させることができるかを競うこともできる。テクニックを磨いて、自分たちでルールを作り、自在に遊べるという点で、大人でも十分楽しめる赤外線コントロールモデルといえるだろう。 ちなみにタカラではこのほかにもPCと接続することで各種機能を実行するUSBで接続するおもしろグッズ「秘密基地をつくろう!」も発売する。たとえばアニメなどでよく目にする「自爆ボタン」。これを操作できたらなぁと考えた人は多いだろう。この「秘密基地をつくろう!」はそれを実現してくれるグッズだ。 会場で試してみたのは「エマージェンシーボタン」。USBでPCに接続。シャッターが降りているので“OPEN”とかかれたボタンを押すとそのシャッターが開きボタンが出てくる。このボタンを押すとPCディスプレイには総員退避といった雰囲気たっぷりのアニメーションが流れ……自動的にシャットダウンする。基本的にはそれだけのグッズなのだが、細かいバックグラウンドストーリーはもちろん、主題歌まで作る事で、世界観を大切にし、それっぽい 雰囲気を再現してくれる。
メールの着信をLEDで知らせてくれたり、レバーを引くと設定したアプリケーションを起動してくれるなど、いくつかツールは用意されている。
□タカラのホームページ http://www.takaratoys.co.jp/
■ エポック社、カードを使ったTVゲーム エポック社一押しなのは、「カードスキャン! エキサイトステージ サッカー日本代表チーム」だ。この商品はテレビにAVケーブルを繋げるだけですぐに楽しめるゲームシリーズの最新作だが、これまでの同社のシリーズ作品が体感ゲームが多かったのだが、今回はカードをスキャンさせるタイプの商品となっている。テーマはサッカー。 タイトルにあるとおりゲームには日本代表が登場。カードをスキャンさせることで選手を強化させて他のチームと戦わせることができる。カードは3枚が本体に付属するが、別売もされる。つまり別売のカードをたくさん勝って揃えていけば、どんどんと選手を強化することができるわけだ。 カードをスキャンさせた後は、コンシューマゲーム同様自分で選手を操作して試合に望むことになる。十字キーで選手をコントロール (選手の切り替えは、ボールに1番近い選手に自動的に切り替わる)。シュート、ショートパス、ロングキック、ゴロキックの4つのボタンを駆使して勝利を目指す (ディフェンス時のボタン操作は別)。2P用コントローラも同梱されているので買ったその時から対戦を楽しめる。 ちなみにカードは同じ選手でも色が違うものが用意されている。たとえば青色のものをスキャンさせればキック力がアップ。緑色のカードは決定力がアップ、黄色はダッシュ力がアップするといったタイプだ。どれを選択するかで、戦術も変わってくるだろう。カードには選手の情報が書かれており、コレクション要素もある。
発売は4月中旬ということで、ワールドカップ前に発売される。価格は7,329円を予定。別売カードは200円。。 □エポック社のホームページ http://www.epoch.gr.jp/
□関連情報 (2006年1月23日) [Reported by 船津稔]
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