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「東京ゲームショウ2005」マイクロソフトブースレポート
~プレイアブルタイトル・ファーストインプレッション~

9月16日~18日 開催予定(16日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,200円(前売1,000円)
     小学生以下無料


 先日のプレス発表会レポートにあるとおり、12月10日に向けて準備万端といった感のあるマイクロソフトブース。ブースの中央に円形の「Xbox 360シアター」設置し、映像出展タイトルを常時ヘヴィローテーション。円の外周に「Xbox 360体験コーナー」、「ファイナルファンタジーXI体験コーナー」、「Xbox 360コンセプトゾーン」に設置して来場者に猛烈アピールを敢行していた。

 出展タイトルは計28を数えるが、映像だけの出展タイトルも少なくない。よって、今回のレポートは試遊台に設置されたプレイアブルタイトルのなかから、主だったものについてファーストインプレッションをお届けしたい。


■ Call of Duty 2

 2003年度“GAME OF THE YEAR”を獲得した名作FPS「Call of Duty」の続編。本シリーズは第二次世界対戦の情景を描いた作品で、欧州やアフリカ戦線での激戦が個人視点で再現される。

 重度の3D酔いを自認する筆者だが、「Medal of Honor」、「Call of Duty」、そして「Call of Duty 2」のプレイ画面を眺めるにつれ「生まれ変われるなら3D酔いしなければ後は何でもいい」とさえ思えてしまう。それほど本作のグラフィッククオリティは鮮烈で、ミリタリーものに興味がない人すら確実にひきつけるクオリティを備えている。

 酔いに耐えつつプレイするたび、その凄さが内から外からジワジワと浸透してくる。Xbox 360のハードパワーをいかんなく発揮した奥行きのある画面は、敵はもちろん、構えた銃のモールドやげき鉄、射撃時の姿勢、硝煙の煙、軍服のシワに至るまで、そのすべてが「今、自分は戦場にいる。戦友たちとともに……」という強烈な没入感を与えてくれる。極上の5.1chサウンドが奏でる炸裂音や爆音は、思わず耳を覆いたくなるほどの恐怖を呼び覚ます。

 兵士や車両の動きも、戦争映画のいちシーンを彷彿とさせる。トラックの荷台に乗って前線に赴くときの、なんともいえない雰囲気。彼方から迫りくる敵軍。小銃を抱えたまま戦車に発見されたときの絶望感。横にいた仲間が敵弾に倒れたときの、腹の底に響くような鈍い感覚。ああ、なんで俺は3分以上続けてプレイできないんだろう……(回答:酔うからです)。

 戦術的な動きでプレーヤーを苦しめる敵AIの動きは、小憎らしいを通り越して「殺される前に殺せ。友軍のためにも効率よく」という気持ちを自分に徹底させてくれる。初のプレイアブル出展ということで、来場可能なFPSファンがこれを見逃すのは、ある意味“犯罪的”といっても過言ではない。「3D酔いしない身体で、これほどの作品がプレイできる機会をスルーなんてありえないだろ!!」と筆者は切に訴えたい。本当に自分の体質が恨めしいのと同時に、これがトコトン楽しめる人がうらやましくて仕方ないのだ。試遊台は2台と少ないが、それでもなるべく多くの人に体験していただきたいと願ってやまない。


■ クロムハウンズ(仮)

 ロボット型の機体をカスタマイズして戦うチーム型ネットワークアクションゲーム。製品版はオフラインミッションなども可能だが、出展バージョンは3対3の対人戦が基本。ただし、ブース内では不定期に5対5の対戦イベントが開催されている。

 出展バージョンで選択可能な機体は、車輪、ホバー、キャタピラの3タイプで、武器などのカスタマイズは未実装。それぞれ火力、機動力、接近戦などに性能が特化しているが「アーマード・コア」シリーズのように派手な立ち回りはできない。それというのも、本作があくまでも「チーム対戦」をベースにバランスが調整されているからだ。

 ホバータイプは多少軽やかだが、それでも単体で複数の敵を相手にしたら勝ち目はほとんどない。左右に動くなどの回避運動は有効だが、ひらりとかわすなどといった動きには程遠く、あくまでも被弾率を低下させるといった程度。火力重視で機動力が犠牲になっている機体は、なまじ回避など考えずとにかく射撃に集中したほうがマシといった雰囲気さえある。ただし、それもこれもすべては「チームワーク」を土台に成り立っているのがポイント。

 スタッフの方に「同じメンバーでプレイするスタイルが推奨されることになるんでしょうか?」と質問したところ「そうなってしまいますよね」とのこと。常に違ったメンバーでああだこうだと遊ぶのも面白そうだが、F-1やバイクの耐久レースよろしくチームとしての熟成度や総合力が問われるというのも、また違った魅力がある。

 チーム戦を重視した仕様で面白いのは、Xbox Liveならではの機能“ボイスチャット”が距離によって制限されることだ。友軍の場合、お互いの機体が相当接近しないとボイスチャットが通じない。指揮官用の機体なら、強力な無線機能で広大な範囲に(ボイスチャットで)指示を出せるが、いかんせん戦闘能力が乏しいというジレンマがあるらしい。“らしい”というのは出展バージョンに実装されていないからで、このあたりは一見さんばかりの会場といえどやれるなら試してみたかった部分もある。

 出展バージョンは戦闘部分しか体験できないが、左右の重さが極端に違うと重量バランスの悪化で出撃できなくなるなど、未実装の部分にこそ「クロムハウンズ」の真髄が詰まっているような気がしてならない。次にこうした機会が与えられるなら、ぜひともこのあたりをジックリと味わってみたいところだ。


■ エブリパーティ

 キャッチコピーは“新感覚パーティゲーム”だが、ボードゲーム通といわれる岡本吉起氏ひきいるゲームリパブリック開発だけに、ボードゲームの普遍的な魅力を追求した作品といった印象のほうが強い。斬新さではなく、あくまでも定番の良さをベースに周辺を手堅く掘り下げているといったイメージだろうか。

 最大4人まで同時プレイが可能で、ルーレットを回してキャラクタを進めてゴールを目指す。途中でとまったマスにより、アイテムの獲得やミニゲームなどのイベントが発生する。出展バージョンはプレイ時間を考慮して極めてシンプルなマップが採用されているが、製品版は3倍以上の広さになるという。ただし、シンプルといっても基本は“スゴロク”だけに、ゴールにとまれるかどうかはルーレット次第。実際、筆者がプレイさせていただいたときは4人全員が泥沼にハマったかのごとくゴールできず、やっとの思いでゴールできたときは期せずして全員から安堵の声が上がったほど。待ち時間が切迫しているTGS会場に出展するには、少々不利なタイトルだったかもしれない。

 だからといって擁護するわけではないが、本作には岡本氏らしい“独特のひねり”が加えられており、とても魅力的な作品になりつつある。そのひとつが“ルーレットカード”で、1~6まですべて同じ確率の「ふつう」、1と5が半々の確率になっている「いちご」、7つ進むか戻るか、いちかばちかの「らっきー7?」など、多彩なバリエーションが用意されている。ルーレットカードは最大5枚まで所持できるため、状況に応じて有利な目を出すべくルーレットが使いわけられる。ただし、あくまでも“ルーレット”なので期待どおりに目が出るとは限らないし、イベントなどでライバルに奪われる可能性を常に抱える。

 おじゃまキャラクタ「ちからっ子」も、一筋縄ではいかない存在。獲得した場合、すぐに設置可能なマスを指定するが、そこに他プレーヤーが止まるとランダムで「1回休み」、「コイン没収」などのペナルティが発生する。自分が止まったときはアイテムが買えるコインの獲得など、これまたランダムでイベントが発生する。ちなみに、プレイした範疇では「それ本当にペナルティなのか?」といった妙ちくりんなイベントも発生するが、さくらももこ氏の絵柄もあってか、いい感じで脱力感を与えてくれる。

 イベントにはコイン獲得などのシンプルなもの以外に「ミニゲーム」が発生する可能性がある。ミニゲームは「レース」、「皿まわし」などシンプルなルールが大半を占めるが、操作にちょっとしたコツを要求されるものが多く、慣れていないと「え? え!?」と呆気に取られること間違いなし。種類の多さとクセの強さは何ともいえないものがあるが、製品版にはミニゲームだけを練習できるモードが用意されるため、練習次第でライバルを出し抜くためのステップになるかもしれない。

 ここで“かもしれない”と明記したのは、本作が“運”と“戦略性”を適度にミックスする方向で調整されているからだ。運だけで勝つこともあるだろうが、ミニゲームに全敗しているようでは先行き不安。さりとてミニゲームに絶対的な自信があっても、発生頻度はそれこそ運任せだから、全体から見れば決定的な要素とはなりえない。コアなユーザーは戦略性をとことん重視するが、ライトユーザーは運だけで勝てる要素も欲しいと考えるのが常。出展バージョンのマップがシンプルなため現時点では目立たないが、ロングマップでどうなるか見極めるまで何ともいえないが正直なところ。筆者個人としては現時点でかなり好印象なため、期待しつつ製品版を待ちたい。


■ デッドライジング

 「スクープが欲しい!」功名心にはやるフリーランスのカメラマン「フランク・ウエスト」は、郊外の街で恐怖を目の当たりにする。ショッピングセンターを埋め尽くすゾンビ、ゾンビ、ゾンビ。「こいつは特ダネだぜ……生きて帰れたらな!」というイカした台詞とともにゲームスタート。出展バージョンでは、ここから「重要人物を探せ」など、特定のミッションをこなしていくことになる。

 カプコンお得意のサバイバルホラーだが、操作性は「バイオハザード」というよりも一般的な3D格闘アクションタイプ。視点が自分でコントロールできるため、ときどき手足を引きつらせながら徘徊するゾンビに不意打ちされたとしても、それはプレーヤーの責任。血がドバドバ吹き出るマッシヴホラー(?)な作りで、まとわりつかれたときは即座に「シィーット!」とハリウッド映画に登場するギャングスターばりに荒々しくはき捨てたいところ。

 開始直後のショッピングセンターを埋め尽くすゾンビは、質量ともに強烈なインパクト。一歩間違えるとギャグなのだが、その境界線をいったりきたりするようなシチュエーションやキャラクタアクションの数々が秀逸。武器やアイテムはストックが可能で、ダメージを受けたときのためにリンゴ、メロン、生肉などをせっせと確保するのがセオリーだが、その様子はある意味とてもシュール。ゾンビを攻撃するにも、パンチ、キックだけでなく、バット、鉄パイプ、ハンドガン、ショットガン、レジスターなどさまざまなアイテムが武器として使用可能。武器によっては攻撃ボタンを一定時間押しっぱなしにする“ため”が使える。バットのフルスイングでゾンビが吹っ飛ぶさまは爽快そのものだ。

 開発途中のためフレームレートは若干荒いが、雰囲気は十二分に伝わってくる。バイオレンス全開という近年風当たりの強いジャンルではあるが、むしろCEROレーティングを逆手にとって「良識ある大人を気取った連中が思わず目を背けるような」ステキな作品に仕上げていただきたい気持ちで一杯だ。


【ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド(仮称)】【WORLD AIRFORCE(仮称)】【Ridge Racer 6】
E3出展バージョンから飛躍的に完成度が高まった。TGSバージョンは公道レース、警官チェイスといった2種類のゲームモードが選択可能 フライトシューティング風にアレンジされたアーケード、新地氏のこだわり炸裂シミュレーターモードの2種類がプレイ可能。はじめて触る人はアーケードの選択必須 出展バージョンは車種が1種類しかないが、その走りはまぎれもなくリッジそのもの。発売まで辛抱たまらん人は体験しにきて損はないはず

【レッスルキングダム】【真・三國無双4 Special】【テストドライブ アンリミテッド】
プロレスゲームとしてシステム面で目新しさはないが、グラフィックは脅威を飛び越えて思わず笑ってしまうほど凄い。よくぞここまで似せて作り上げたものだと感心してしまうことしきり。ユークス恐るべし 画面の情報量が増えたことで、他機種版よりも若干ゴージャスな印象。ハードに特化した独自性の部分では若干寂しい気もするが、そこは正式発売までに期待 出展バージョンの完成度は低いが、パワーをもてあましたモンスターマシンを乗りこなす醍醐味が堪能できる。アメリカンな走りが体験したい人は要注目


□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「東京ゲームショウ2005」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□関連情報
【9月15日】マイクロソフト、「Xbox 360 プレス発表会」開催。TGS 2005に14タイトルをプレイアブル出展 最新スクリーンショットを一挙公開!
http://watch.impress.co.jp/docs/20050915/xbox2.htm
【9月15日】マイクロソフト、「Xbox 360」発売日と価格を発表
ソフトの価格は未定だが「中心価格帯はそれほど変わらないのでは」
http://watch.impress.co.jp/docs/20050915/x360.htm
【9月15日】マイクロソフト、「Xbox 360」を12月10日に発売。39,795円でHDD標準搭載 【速報版】
http://watch.impress.co.jp/docs/20050915/xbox1.htm
【9月14日】マイクロソフト、Xbox 360用ファンタジックアドベンチャー「カメオ:エレメンツ オブ パワー」
様々なモンスターに変身して多彩なアクションを楽しめる
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050914/kameo.htm
【7月25日】「Xbox Summit 2005」サードパーティタイトルレポート
38社45タイトルが発表!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050725/xb360_3.htm
【7月25日】マイクロソフト、「Xbox Summit 2005」開催
インターフェイス画面など公開。岡本吉起氏のパーティゲームも明らかに
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050725/xb360.htm

(2005年9月16日)

[Reported by 豊臣和孝]


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