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7月に開催された「Xbox Summit 2005」では参入サードパーティやタイトルなどが一挙に公開されたが、今回は東京ゲームショウ前日ということで「より突っ込んだ情報が公開されるのではないか」といった予測もあり、会場には国内外のプレスや業界関係者が多数詰め掛ける盛況ぶりとなった。
発表会はXbox 360タイトル開発状況、同社が提唱する“ハイデフエンターテインメント”とはどんなものか、「東京ゲームショウ 2005」Xbox 360ブースの詳細などが明らかにされたが、まずは速報版でもお知らせしている「Xbox 360」発売日と価格に引き続き、現行ユーザーも気になる“Xbox Live”から触れていこう。
● Xbox Live … クレジットカード不要の決済システムを導入
無料会員の「Xbox Live シルバーメンバーシップ」は、ブロードバンド環境にXbox 360本体を接続してサインアップするだけでOK。Xbox Live上のID「ゲーマータグ」が発行され、他の利用者に対して現在自分が遊んでいるゲームがどこまで進んだか、好きなゲームは何か、腕前はどれくらいかなどの情報が発信できる「ゲーマープロフィール」、文字や音声を使った「メッセージ交換」、有料または無料のデジタルコンテンツがダウンロードできる「マーケットプレース」などが利用可能になる。 有料会員の「Xbox Live ゴールドメンバーシップ」は、従来のクレジットカードのほか「プリペイドID」による加入および決済が可能になった。プリペイドIDは、全国のローソン、ファミリーマート、サークルK、サンクスといったコンビニエンスストアで販売される。価格は、819円(1ヵ月)、2,079円(3ヶ月)、5,229円(12ヵ月)の3通り(いずれも税込)。この販売網を構築すべく、マイクロソフトは株式会社イーコンテクストとプリペイドID販売に関する業務提携を行なった。購入には、コンビニエンスストア店内に設置されたマルチメディアキオスク端末を使用する。在庫を必要としないため、これで24時間どこのコンビニエンスストアでもプリペイドIDが発行できるというわけだ。 プリペイドID以外にも、Xbox Live「マーケットプレース」でコンテンツ購入などの際に支払う仮想通貨「マイクロソフトポイント」がコンビニエンスストアで購入できる。同ポイントの詳細については明らかにされていないが、販売形態などから、恐らくはマイクロソフト版「WebMoney」のようなものと推測される。
プリペイドIDはコンビニエンスストア専売となっており、ゲームショップでは販売されない。ただし、マイクロソフトではゲームショップ向けに新たなXbox Liveパッケージ「Xbox Live プレミアム ゴールドパック」を提供するとしている。本パッケージは、Xbox Live ゴールドメンバーシップ(12ヵ月間)、ゲームソフト「テトリス ザ・グランドマスターエース」、Xbox 360 ヘッドセット、Xbox Live 200 マイクロソフトポイントで構成される。12月10日発売予定で、価格は7,140円。
● “ハイデフエンターテインメント”デモンストレーション
会場には「GEARS OF WAR」開発元であるEpic Gamesリードデザイナー「クリフ・ブリジンスキー」、「NINTY-NINE NIGHTS」開発元のファンタグラム代表取締役CEO「サンユン・リー」氏とXbox事業部シニアプロダクトマネージャーの井上倫明氏が登場。それぞれ最新作のデモンストレーションを通じて、ハイデフエンターテインメントの実例がどのようなものかを来場者にアピールしてくれた。
光さえ差し込まない近未来の荒廃した市街地。周囲を警戒する主人公たちの重苦しい雰囲気、空気感が、スクリーンを通じてジリジリと伝わってくる。グラフィックのクオリティはこれ以上ないくらい鮮明。それゆえに映像に惹きつけられるし、没入するから全身が鉛のように重くなる感さえある。クリフ氏によれば、「GEARS OF WAR」はサードパーソンシューティングとアクションホラーの要素を兼ね備えたゲーム。部隊などとの協力プレイを中心に展開するが、ただモンスターと兵士が出てくるだけのゲームではなく、時には避難民などの助けを借りる必要があるという。 さらにクリフ氏は「GOWでひとつ大事なのは、敵の攻撃を避けるための遮へい物です。このゲームは、ただ走って撃つだけのゲームではありません。身を隠しながら攻撃する“Stop and Pop”と呼んでいる戦術的な要素も楽しめます。リアルで緊迫感のある戦場では遮へい物を使うことは生き残るために絶対必要なことです。戦術、機敏さ、周囲を活用することが必要で、動きながら遮へい物を作って、またそれを壊しながら先に進んでいきます。たくさんのローコストに囲まれてガソリンスタンドで銃撃戦が始まります。マーカスとドミニクは逃げ道を探さなくてはなりません」とゲームの特徴を説明する。
続けて披露されたデモムービーでは、物陰をつたいながら銃だけを出して敵を攻撃したり、廃車を坂から落として遮へい物にする、邪魔なら破壊してルートを確保する、ガソリンを排水溝に流し込んで脱出と同時に着火するなど、刺激的なシーンが立て続けに披露された。重厚な雰囲気を伝える圧倒的なグラフィックの情報量は「これでもか!」といわんばかり。デモ映像は短いものだったが、映像に対して完全に受身なのにも関わらず、これだけ惹き付けられるという現実。はたしてコントローラーを握ってプレイに没入したらどうなるのだろうか。今はただ、2006年の発売が待ちきれないという気持ちで一杯だ。
スクリーンに映し出されたのは、ファンタジー色の強いデザインが印象的な女性の騎士。サンユン氏が操作するデモ版はTGSに出展されるバージョンと同じで、「大軍勢相手のアクション」の面白さ、気持ちよさが存分に味わえる内容でまとめられているという。解説どおり、通常攻撃で敵をなぎ払っていくキャラクタの動きは、華麗なモーションや美しいエフェクトもさることながら、どれもこれも実にテンポがいい。明瞭な映像で奥行きが感じられる画面は、どこを切り取っても“絵になる”シーンばかり。 敵を倒すと出現する赤い魂のようなものを獲得して、画面左にあるゲージをMAXにすると必殺技が使えるようになる。必殺技はオーブアタックと呼ばれ、発動するとゲージがゼロになるまで無敵のパワーアップ攻撃ができる。物凄い勢いで敵兵が切り伏せられていく様子は、ただただ凄まじいの一言。ここで井上氏から「オーブアタックの最中は、赤い魂が“青く”なり、これを集めるともうワンランク上の攻撃が使えるようになる」と補足説明が入る。 必殺技やオーブアタックはキャラクタごとに効果や特性が異なるという。サンユン氏が操作する女性騎士は“加速”に特化しているキャラだという。「究極の必殺技“オーブアタック”は敵の密集地帯で使うのがポイント」という井上氏のコメントと同時にスクリーンで炸裂した“オーブスパーク”は、雲霞のごとく押し寄せてきた敵を強烈な閃光とともに瞬殺! 屍の山が延々と横たわる画面は、凄惨ではあるが非常にドラマチック。巨費を投じて制作された大河ドラマの合戦シーンを彷彿とさせる。
本作は、キャラクタ個人のアクションだけでなく、マップ上でアイテムを拾うなどのRPG的な要素、さらには味方の援護部隊を指揮するといったRTS的な要素も加味されている。デモ版はアクション中心だが、本編は“いかにエモーショナルな体験をしてもらえるか”に重点を置いて作られているという。端的にはドラマやストーリーといった部分にも一切の手抜かりがないといいたいのだが、TGSに出展される試遊台で数分触ってもそれを推し量ることは難しいということでもある。このあたりは続報を待つしかないが、アクションシーンだけでも十二分にインパクトがある作品だけに、TGS会場でも相当な注目を集めるだろう。
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● TGS出展タイトル・最新スクリーンショット集 Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏は、現時点で日本向けに開発が進んでいるタイトルは100本以上あり、その大半が2006年末までに発売される予定だと説明。世界全体では、日本市場向けも含めると計200タイトル以上が開発中で、このうち「ブルードラゴン」、「ロストオデッセイ」に関しては年末に新情報や映像などを改めて公開する予定だという。
速報版に掲載されている同時発売の7タイトル以外にも、同社では1月末までに別途6タイトルを発売するといい、可能性があるものを含めると2006年1月末までに約20タイトルが発売される予定だという。ここでは、明日から開催される東京ゲームショウ 2005のマイクロソフトブースに出展されるタイトルから、いくつかの最新スクリーンショットを公開しよう。
□Xboxのホームページ (2005年9月15日) [Reported by 豊臣和孝]
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