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【カメオ:エレメンツ オブ パワー】 デモ版にはすでにローカライズが進んでおり、朴ろ美さん (“ろ”は王へんに路) の声も入っている。ローカライズはゲームの制作と同時に進められており、順調なようだ。
■ 「カメオ:エレメンツ オブ パワー」とは?
変身できるモンスターは植物、水、岩、氷、火の特徴のいずれかを持っており、火系であれば炎を吐くことができたり、氷系であれば冷たい息を吐き敵を凍らせることができるなどの能力も持つ。変身できるモンスターの数は10種類だが、はじめから全てに変身できるわけではない。ストーリーを進めていく中で順に能力を身につけることになる。 ちなみに、モンスターの能力はふつうのものと高度なものの2種類が用意されており、高度な能力は徐々に使えるようになる。ストーリーを進めていく中でさらに多くのアクションが可能となるよう、徐々にパワーアップしていく。 たとえば、大きな岩のような卵を背負ったアリのモンスター“サーマイト”に変身することができるようになる。この卵から爆弾を発射することができるのだが、パワーアップすると、より威力の大きな爆弾にパワーアップしていく (しかし、自分の発射した爆弾に巻き込まれる可能性もあるため、考えて使わなければならない)。このアリの爆弾の例は爆弾のパワーアップという継続性の高いパワーアップだが、まったく違うアクションが可能となる場合もあるという。 これまでのゲームでは1キャラに対してひとつのアクションが用意されているケースが多かったが、「カメオ:エレメンツ オブ パワー」では1つのキャラクタで様々なアクションが楽しめる。たとえば背中にトゲのある氷系のモンスター“チラ”であれば、氷柱のような武器を敵に向けて投げることができるほか、背中のトゲに敵を突き刺すこともでき、さらに敵をつかみ振り回して他の敵を吹っ飛ばすことができたり、敵を遠くに投げ捨てることもできる。1キャラに対して敵を倒す方法はいくつも用意されているわけだが、「カメオ:エレメンツ オブ パワー」では10種類のモンスターに変身できるというわけで、通常のアクションゲームよりも、より様々なアクションが可能になったといえるだろう。 しかし、ゲームが複雑化したわけではない。海外のゲームによくあるように、ゲームの中で単純にあたらしいモンスターに変身できるようになり、あたらしい能力を身につけていくだけではないという。細かいゲーム作りで知られるRAREだが、あたらしい能力を身につければ、その能力を使用しなければ進めないようなチュートリアル風のアクションやサブクエストがきちんと用意され、ゲームを進めることで、誰もが順に能力を身につけていくことができるような配慮がなされているという。 また、戦いの中ではそれぞれのモンスターの特徴をうまく組み合わせるといった戦略性もある。たとえば、氷系のモンスターで敵を凍らせておき、石系のモンスター“メジャールーイン”に変身。丸く丸まり凍った敵にゴロゴロとぶつかっていくことで簡単に敵を粉砕するといった戦法である。 【カメオが変身できるモンスター10種類】
■ 圧倒的なグラフィックスパワー デモプレイを拝見してまず最初に感じたのは、やはりその圧倒的なグラフィックスのクオリティである。ゲーム開始直後に空の彼方まで覆い尽くすほどたくさんの竜が飛び交うシーンが描かれるが、その全てが細かく描かれ、アニメーションする。この竜はそばに寄ってくるものもいるが、ただの背景ではない。難易度は高いのだが、倒すことも可能なのだという。そんな城のかなり高いところを舞台に、トロールとのアクションが繰り広げられる。 この舞台の床もデータ上は平らなのだが、グラフィック的にはパラマックス・マッピングという技術を使い、石が敷き詰められているかのようにでこぼこに描画されている。 プレーヤーキャラクタのカメオと、その変身するモンスターも細かく描き込まれている。モンスターは中心部分が若干透けて見えるようになっている。中にはカメオがいる様が描かれている。モンスターのアクションに合わせてカメオも中で動いているのが確認でき、まるでカメオがモンスターの着ぐるみをまとっているかのようだ。カメオがモンスターからモンスターに変身する場面では、その様子をさらによく見て取ることができる。この点についてAndreas氏は「カメオがモンスターに憑依して、モンスターをコントロールしているということをハッキリさせたかった」と語っている。また、Xbox 360で導入された技術“リップシンク”でグラフィックスと朴さんの声がリンクするようになっている。 フィールドには昼、夜といった時間的な経過が表現され、そこにいるキャラクタはそれぞれの時間帯に合わせた行動を取る。そして、炎が燃えさかるシーンでは周りが熱くなり陽炎が揺らぐなど、その空気感すらも表現。草原のシーンでは、草が風に揺らぎ、木が揺れたり子狐が目の前を横切っていき、まるでその世界の中に入っていけるかのようなリアルな感じを出すのに腐心したという。そんな中、特にこだわったのが水の表現で、Andreas氏によれば「大変難しいのだが、すごくお金をかけて水の効果を再現した」という。
また、Xbox 360ならではのシーンとしては、広大なフィールドに3,000以上のキャラクタが登場。戦場を表現している。それぞれが戦いを繰り広げているわけだが、カメオはその中に馬に乗って分け入り、敵を蹴散らしていく。戦場では馬から下りて、カメオのモンスターに変身する能力で戦いを挑むこともできるが、敵のトロールが密かに馬を盗んで行ったり気の抜けないギミックが用意されている。これらの演出によりAndreas氏は、総合的に戦場を表現していきたかったという。この戦場はストーリーを進めるごとに激しさを増す。後半になれば今度は5,000のキャラクタがフィールドに溢れ、戦車のような乗り物も登場するなど戦いは激しさを増していく。 ■ 2000年から5年越しで完成へ……
George Andreas氏: 2000年のはじめくらいから作っているので、一番はじめからは5年くらいですね。ニンテンドーゲームキューブ用タイトルとして制作をスタートさせました。MicrosoftにRAREが買われてXboxプラットフォームで作り始めましたが、昨年末までにだいたい80%終わっていたのですが、Xbox 360用としてのプロジェクトがそこからスタートしました。 -- 80%ということは、システム的な仕様はその時にほぼ完成していたという感じですね Andreas氏: 似ていました。システム的な部分の80%は現在と同じですが、背景やキャラクタ、ビジュアル面、グラフィックスは、その時点からまったくゼロからスタートさせました。特に戦場のシーンはXboxでは無理だったのですが、Xbox 360で可能となりました。 -- これまでハード的な制約で泣く泣く落としてきた部分があるかと思うのですが、Xbox 360をプラットフォームとすることで可能になったことがあるかと思うのですが、いかがでしょうか? Andreas氏: ひとつの大きなところとしては戦場シーンで、Xboxで制作していたときは、暫定的な作業を行なった段階で無理であるということが判明して諦めていました。戦場というのは壮大なものとして表現したかったからで、それは不可能でした。でもXbox 360でならできると思って、再度アイディアを引っ張り上げました。 他にもたくさんあるのですが、たとえばゲームをプレイしやすくするという意味で、ヒントシステムを搭載しました。オルソというキャラクタがいるのですが、プレーヤーがこれまでどういったプレイをしてきたかを分析したうえで、ヒントを出してくれるシステムです。この機能でゲームが取っつきやすいものとなっています。ゲームがうまい人にはそれほど話しかけないのですが、うまく進めることができない人には色々とヒントを出してくれます。これはXboxでも可能だったかもしれませんが、Xbox 360にプラットフォームを移すことで、色々と出てきたアイディアを実現させた例のひとつです。 4画面分割でアクションのパートを共同でプレイできるモードもあって、それもXbox 360で実現させたアイディアです。 -- 画面4分割ですか……Xbox Liveは使用しないのですか? Michael Johnson氏 (Microsoft Global Manager): Xbox Liveに関してゲームでどのようにフィーチャーしているかは、Microsoftとして正式に発表しておりません。あるのですが、詳細はまだ公表できないと言うところでご了承ください (笑)。 -- ゲームをクリアするにはどれくらいの時間を有するのでしょうか? Andreas氏: 平均的なプレーヤーであれば、30時間程度ですね。20時間程度でプレイし終えるような非常にうまいプレーヤーもいるかもしれません。 しかし、このゲームは1回やったらもうおしまいで、2度とプレイしないといったタイプのゲームとして作られているのではなく、何度もプレイして楽しんでもらえるように作ってあります。たとえばアクションを何度もプレイすることによって、スコアが上がり、ポイントが上がり、別の楽しみ方があります。カッコイイアクションを身につけることで、楽しみ方がまた変わってきます。 -- 現在ゲームの完成度はいかがでしょうか? Andreas氏: ほぼ完成に近い状態です。いまは最後のビジュアルなどの磨きあげをしているところです。仕上げ作業が大好きなので、仕上げて仕上げて仕上げまくってしまうので、時間がかかってしまうんです (笑)。 -- ありがとうございました。
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□Xboxのホームページ (2005年9月14日) [Reported by 船津稔]
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