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【特別座談会】ナムコ「リッジレーサーズ」
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「Disco Ball」(H. OKUBO)
――CMなどでも使われている曲ですよね。
大久保 最近「おしゃれ」とか狙うのやめようと思って。土臭いフィルターディスコみたいなものを狙って作りました。自分が担当した他の2曲を作った後、もう時間がなくてネタ探しからすごく短い時間で作ったんですけど、ラフを企画サイドに聴かせたらすごく反応がよくて。「いいのかなー」とか本人は思ってたんですけどね。
――お祭りっぽいイメージの曲ですよね。
高橋 そうですよね。
大久保 勢いで作った曲ですね。
三宅 勢いって大事ですよね。
佐野 これ、フィルターは何を使ってるの?
大久保 FL Studioですね。フルーティフィルター(笑)。最近FL以外使わないですからね。
佐野 この張り付くような音色のストリングスは?
大久保 E-MU E4 ULTRAのスーパーストリングスをコンバートしてサウンドフォントにしたモノですね。勢いがあるというか強いイメージですよね。
佐野 いいなー。
大久保 いいですよFL Studio。ピアノロールも「Vision」ライクなんですよ。「レイジ」、「R4」は「Vision」で作ってたんですけど、今は何を作るにもFLになっちゃいましたよ。
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「Night Stream」(KOHTA)
高橋 これは「R4」ユーザー向けの曲ですね。こういった曲は得意なので。聴きどころはPSGっぽいシーケンスフレーズですね。佐野さんの「EXH*NOTES(『レイブレーサー』」を意識して。ああいった感じのシーケンスを作りたくて。オマージュですね。
佐野 あの名曲ね～。
大久保 ミックスのときも言ったけど、ディレイが変わっていくのが素敵。
高橋 ディレイは全部打ち込みで、単純なフレーズを32分ディレイで次は16にシーケンスをずらして。基板のプログラムっぽいじゃないですか。
佐野 やってましたねー。
相原 うん。
――「リッジレーサーズ」ゲーム本編の中でゲットできる「プライズ」には「レイブレーサー」のアトラクト映像がありましたけど、そのバックで流れているのが「EXH*NOTES」でしたよね。それと聴き比べると面白いかもしれませんね。
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「Light Groove」(ASUKA SAKAI)
三宅 この曲も、攻めてるよね……。サックスは生音?
境 ハイ。「本気でやろう」と思って作った曲ですね。
大久保 最初にオーダーを出したとき、「『R4』といえば『Your Vibe』みたいなジャズだよね」という感じで、お願いした気がするんですが。
境 そうそう。
大久保 そうしたら、すごくかっこいいのができてきたので、ビックリしました。ミックスエンジニアの岡村さんも「すごくかっこいい。アナログにしちゃいたいぐらい」って褒めてたし。
境 作業はとても楽しかったですね。
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「Vanishing Horizon」(J99)
相原 これはボツを食らった後に作った曲で、猛スピードで作った分、記憶があまりない……。もともと「レイブ」の「Blue Topaz」で、レースゲームのBGMの流れからハズれてるんじゃないかってくらいメロディアスなアプローチをやってみたんだけれども、「あそこまでやっていいならもう少しやってみよう」とA、B、Cで展開するメロものを作ったんです。
が、大久保君から遠まわしなダメ出しが(笑)。しかも、「この部分はクラブっぽいんでこれを使って展開してください」って言われた部分が4小節ぐらいしかなくて。
――(笑)。
相原 それを1曲にするんなら作り直したほうがいいかな、という感じで……。ちょっと頭の中の時代を巻き戻して、以前、コラージュものなどをやっていた感覚で、ビットクラッシュ系の音色プラス、ちょっとボサノバ系のエッセンス、南米系の感じの音にまとめてみました。まとめてみたら、意外と気に入った曲になったかな。
――「RRR」のテーマは「リゾート」だったと思うのですが、「リッジレーサーズ」にもそれにあった形で、この曲とセットで入ってますね。
相原 南国のリゾート感は出ているかなと。後付けで(笑)。でも、カーレースものでメロディアスなものはダメなんですかねぇ?
大久保 「Blue Topaz」からの流れでいくと、いろんな方向があると思うんですが……。
佐野 遠まわしだなあ。
相原 実は、Paul Mauriatのような曲でダンサブルなものができないか、と思ったの。失敗だった!(笑)。
佐野 すごいっすねえ。踊りたい。
相原 本当は「エーゲ海の真珠」みたいな曲で踊らせてやろうと思ったの。
三宅 すごいなあ。
相原 作っているときは佐野みたいに「俺、天才」って思ってたの。でも完成したら「しまった! この曲を作るときに使った時間をどうやって取り戻そう」と(笑)。
佐野 そのしわ寄せが僕がオーダーしている別の仕事にもね(笑)。
三宅 Paul Mauriatの4つ打ちあったら面白いだろうなあ。フロアで受けそう(笑)。
佐野 フロアではウケるだろうね。
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「Tunnel Visionary」(T. NAKANISHI)
中西 皆がいわゆる「リッジ」や「R4」みたいな曲を作ってくると思っていたし、作り始めた当時、参考曲がなかったので。キーワードも本当に想像の域しかなかったので……。
大久保 キーワードは「リッジレーサー」だったんですよ。
中西 でも、たぶんそれをストレートに捉えて作ると、みんなとカブるだろうから、あえて淡々とずーっとあまり展開しないような感じで、テンションがじわじわ上がっていくように作りました。単体で曲を聞くというよりは、開発機材で映像を見ながら、エンジン音をBGMに作りましたね。
「R4」の時はもう少し明るい感じだったんですけれども、この曲は差別化を意識して、バリエーションの1つとしてストイックなイメージにあえてしてみました。入っているボイスをスタッフに聞かせたら「○○○」って言われました。
大久保 このボイスはMacだよね。
中西 Macの「TEXT TO SPEECH」ですね。「Highway」、「Nightmare」、「Ridge Racer」と「Drive on」と……。
佐野 （小声で）「中西最高!」……いや、そう言ってたらおもしろいな、と。
中西 最初はそんな感じで遊んでいたんですけど。どこまで皆がはじけてるからわからなかったんでやめちゃいました。
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「Tek Trek」(H. OKUBO + K. NAKAGAWA)
大久保 今回、中川さんが忙しくて、「できない」って言われて……でも全員参加にしたい目標があったので、「ネタをよこせ」と(一同笑)。
中川 「ネタをください」と言われて、シーケンスのネタをとにかくいっぱい作って、大久保君に「はいっ」って渡したんだよね。そうしたら、「中川さんこれ、僕はどうすればいいですか?」って言われて(一同笑)。
高橋 どうすればって(笑)。
中川 「俺はこれを並べたりなんだりして……」って説明して。
大久保 作り方がわからないネタが来て……どう使えばいいかわからなかったんですよ。
中川 俺的には「ネタ」って言われたらああいうものなんだけどなー。
大久保 小さい部品がガラガラガラって送られてきて(笑)。で、どうすればいいかを聞いたら、なんとなくやり方が見えてきたというか。中川さんがこのネタで作るときはどうするのかという説明を聞いて、組み立てたという感じです。結構ネタはちゃんと入ってますよね?
中川 使ってます。いい感じに使ってます。
佐野 じゃあ中川は作ってないのぉ?
中川 作ってないね(笑)。ネタ投げ逃げ、みたいな。
佐野 なんだよー。それで一緒にやった形になっているんだ。最初やるっていったんでしょ? うそつきっ!(爆笑)
大久保 でも、全員参加にしたいじゃないですか。このままだと中川さんは忙しくてできないから、「じゃ、できる範囲までお願いしよう」と思ったんですよ。
佐野 ネタって何? 1～2小節のフレーズ?
大久保 そう。全部で200個ぐらいかな。
佐野 200個ぉ? すごいねそれ。ちょっとしたスパムメールだよ。曲作れよぉ～そんなに作ってる暇があるならぁ(一同爆笑)。200個ってサンプルCD作ってるんじゃないんだからさぁ。すごいね。それどうしていいかわかんないよね?
大久保 KONTACT(ソフトサンプラー)に並べてみて……並べてみたら鍵盤足りなくて。
佐野 (笑)だから多すぎだって。
三宅 それだけあると困りますよね。
佐野 困るよぉ。
大久保 しょうがないからモジュールを2個にして。
佐野 そんなにしてまでロードしたかったんだ。はははは。
大久保 全部ロードしないと、中川さんが参加するためには中川さんの音で作らなきゃいけないわけで。それからFLで並べて作りました。
――それもFLで。
佐野 へーっ。だけどキックがないとかそういうオチはないの? 200個もあるのに……とか。
大久保 正解!(一同爆笑)
中川 キックねぇ……ないんだよ。「キックとハットは4つ打ちでテンポいくつだから適当に入れておいて」って。
佐野 ウソ!? マジ? 嫌がらせだぞそれ(一同爆笑)。ひでぇなそれ、どんな大御所だよ……マジでキックないって……そんなぁ。
大久保 でも、ハットはありましたよ。
中川 あった?
佐野 それもフォローかあ?
大久保 ハットとスネアっぽいのはあって、使ってますよ。
佐宗、境 「ぽい」って(笑)。
佐野 200個全部使ったの?
中川 使わないものは使わないですよ(笑)。
大久保 どこで使ったらいいのかわかんない音も結構あったかな(笑)。
佐野 ネタはイチから作ったの?
中川 ネタはイチから作ったやつですよ。シンセとかで。
佐野 それをね……売ればいい。
中川 ああ……。
佐野 サンプリングCDで(一同爆笑)。
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取材協力:有限会社mafmaf
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□製品情報
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□関連情報
【12月22日】ナムコ「リッジレーサーズ」サウンドチーム大集合! (前編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041222/rrs.htm
【12月12日】4.3インチワイド液晶と無線LAN対応の携帯ゲームマシン
「PSP」(プレイステーション・ポータブル)試用レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041212/pspr.htm
【12月11日】PSPゲームレビュー「リッジレーサーズ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041211/rrs.htm
【12月08日】【特別インタビュー】
ナムコ「リッジレーサーズ」 開発スタッフに聞く(後編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041208/rrs.htm
【12月6日】まさに全部入り! ナムコ、PSP用「リッジレーサーズ」
ワイヤレスバトルやサウンド、そして新マシンやコースも紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041119/rrs.htm
【11月22日】【特別インタビュー】
ナムコ「リッジレーサーズ」 開発スタッフに聞く(中編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041206/rrs.htm
【11月19日】ナムコ、PSP用「リッジレーサーズ」
ニトロシステムやワールドツアーズモードなどを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041119/rrs.htm
【11月15日】【特別インタビュー】
ナムコ「リッジレーサーズ」
開発スタッフに聞く(前編)
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041115/rrs.htm
【11月10日】ナムコ、PSP用「リッジレーサーズ」3タイプの動画を公開!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041110/rrs.htm
【11月8日】ナムコ、PSP用「リッジレーサーズ」
PSP本体と同じく12月12日発売決定!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041108/rrs.htm
【9月25日】TGS2004ブースレポート～ナムコ～
プレイアブルタイトルてんこ盛り!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040925/namco1.htm
【9月21日】SCEJ、「PSビジネスブリーフィング」開催
PSPの実機を公開!! ただし発売日は公開せず
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040921/scej1.htm
(2004年12月27日)
[Reported by 佐伯憲司]
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