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Netclue、「コルムオンライン」体験ツアーを開催
バトルダンジョンやボスモンスターハンティングなどを体験

1月26日~27日開催

 韓国Netclueは、1月26日と27日の両日、現在オープンβテストを実施しているMMORPG「コルムオンライン」の体験ツアーを開催した。日本のプレスを対象にしたもので、同社の社内見学を初め、開発元eSofnetの社内見学、GMサポートによる体験会、関係者インタビューなどが行なわれた。


■ レベル150のキャラでバトルダンジョンを体験

Netclue社内の様子。日本展開に向けて日本人スタッフも増やしたという
Netclue CEOのKang Tai Hyun氏。日本滞在20年以上という知日家。レベル70のファイターでもある
体験ツアー前にGMのKim氏が内容を説明しているところ。彼も日本サーバーで日夜プレイしており、レベルも70を超えたという
ずるいぐらいに強かった「ホカゲの忘れ形見シリーズ」。ボーナスオプションが強すぎる
 Netclueは韓国内でもとびきり地価の高い、IT関連の企業が軒を連ねる江南地区の一角に本社を構えるオンライン専門のゲームパブリッシャー。10階建てのビルの2階にオフィスを構え、そこにマーケティングや運営、ローカライズ、GMチーム、ユーザーサポートなどすべての部署が入っている。社員は全部ひっくるめて25人ほどで、NC SoftやNEXONの創業時を彷彿とさせるような、小さいが活きのいいメーカーである。

 同社は「コルムオンライン」の日本展開において、通例である日本法人を置かず、韓国本社自らがサービス展開するという珍しいアプローチで日本進出を狙っている。日本語公式サイトはもちろんのこと、メールによるユーザーサポートやローカライズなどもNetclue内で行なわれており、ログインサーバー、ゲームサーバーといったハードウェア設備も韓国内に置かれている。

 我々日本取材陣一行が旧正月明けの1月26日に同社を訪れた際は、日本の有料化に向けたアップデートの準備と並行して、現地で28日からスタートする韓国語版の正式サービスの準備に追われていた。言うまでもなく社内はあわただしい雰囲気に満ちていたが、GM完全サポートによる体験ツアーのほか、CEO、マーケティング、GMチームとのインタビューが分刻みのスケジュールで行なわれた。インタビューは別稿でお届けすることにして、本稿では体験ツアーの模様を紹介したい。

 体験ツアーは、日本国内用のテストサーバーにおいて開催された。クライアントは日本語版で、バージョンは現バージョンを使用。ただし、媒体ごとに用意されたキャラクタはいきなりレベル150で、装備品もユーザー垂涎の高級セットアイテムに身を包んでいるなど、日本ではもちろん、韓国でもまだ到達できていないスーパーキャラクタを使っての体験会となった。

 弊誌に割り当てられたキャラクタ“kisya02”は、レベル150のレンジャーで、レベル100のセットアイテム「ホカゲの忘れ形見」シリーズをフルセット装備していた。ステータス等はGMなどと同様に内部処理されているらしく、各ステータスごとに1,000ずつ割り振られていて、スキルも振り放題だった。まさに無敵である。

 まず最初に行なわれたのは、バトルダンジョン体験。ゲーム誌チームとGMチームに分かれ、ゲーム誌チームがダンジョン攻めを担当し、GMチームがダンジョン防衛を担当というシチュエーションで行なわれた。

 バトルダンジョンは、韓国産MMORPGでいうギルド攻城戦のダンジョン版で、ダンジョンの所有権を賭けて、侵攻側と防衛側が熱戦を繰り広げる。我々攻撃側は、防衛側の攻撃をしのぎつつ、下層への扉を開くべく各階のモンスターを倒していく。最下層にいるボスモンスターを見事撃破すれば勝利となる。

 バトルダンジョンの対象となるダンジョンは1つだけではなく、ワールドマップ全体で数百個もあり、ダンジョンによって敵の強さや構造が異なるため、必然的に攻め方、守り方、戦術などが異なる。また、ダンジョンによって、所有者特権として与えられる採集できる鉱石が異なるなど、同作は「バトルダンジョンにのめり込むMMORPG」といっても過言ではないほどの花形要素だ。

 今回は、ゲーム誌側、GM側とも一応戦力のバランスは取っているようで、ダンジョンの各所で白熱した戦いが繰り広げられた。同作は職業を問わず、HPをポーションで連続して回復できるため、仲間たちと一緒に集中攻撃を仕掛けないとなかなか相手を倒すことができない。また、仮に倒してもプリーストの召喚魔法で即座に復活できるため、最後まで気が抜けない。高レベルのバトルダンジョンに参加したのはこれが初めてだが、予想以上に長く疲れる戦いだった。

 ちなみにレベル150レンジャーは、オーバードライブのひとつである「エール」を発動した状態で攻撃を仕掛けると6,000を越えるダメージを連続でたたき出せるだけでなく、物理攻撃を避けまくり、魔法による攻撃を除いてはほぼ弱点の見あたらない見敵必殺のスーパージョブになってしまっている。もちろん、他のジョブもそれぞれ強みはあるのだろうが、ツアーということで遠慮があるのかGMチームはあまり積極的に攻撃を仕掛けてこず、この点やや残念だった。このバトルダンジョンは、ゲーム誌チームが最下層のボスを撃破して勝利となった。

 続いて行なわれたのは、ボスモンスターハンティング。この場合のボスとは、プレーヤーが占有不可能なダンジョンの最下層にいる大型モンスターのことを指す。このボスのみ、そのダンジョンに出現する他のモンスターよりもレベルが高いためパーティーで狩るというケースが多い。また、倒すことで強力なレアアイテムをドロップすることもある。

 サーバー、キャラクタとも先ほどのものを使用し、ポータルを使って素早く対象のダンジョンへ移動。お相手は現状最強のモンスターというレベル150のデスストライカー。こちらもレベル150なのでソロでも倒せそうだが、今回はゲーム誌とGMがパーティーを組んで8人PTで乗り込んだ。

 このクラスのダンジョンともなると雑魚モンスターからしてすでに巨大で、攻撃パターンにも複数のバリエーション(物理攻撃と属性攻撃)があったりして、戦闘がずいぶん派手になる。正直に書くと、初めて潜ったダンジョンということもあって、どれがボスでどれが雑魚なのかよくわからなかったのだが、命中率の高いレンジャーがバシバシ攻撃を決めて一気に倒すことができた。

 史上最強というから相当身構えていただけにいささか拍子抜けのラストだったが、レベル100オーバーのゲームプレイの感覚が掴めただけでも収穫だった。中でもユニークアイテムやセットアイテムで身を包んだ、ハイレベルキャラクタたちの格好の良さが印象的だった。剣や鎧そのものが光りを放っており、村を歩けば一目でわかるというほどによく目立つ。ただし、現時点ではその装備品が何なのかは聞かないとわからない。せっかく豊富にレアアイテムが用意されているのだから、ポートレート機能ぐらいは実装して欲しいところだ。

【バトルダンジョン体験】
攻撃側は敵のパーティーに加え、モンスターとも戦わなければならないため、結構辛い戦いになる。モンスターにボックスされている間に敵パーティーに魔法攻撃をバンバン食らったりして、何度も瀕死の状態になった。ひときわ大きなモンスターが守護ガーディアン。これを倒したメンバーもしくはギルドが、次回からダンジョンを所有できる

【ボスモンスターハンティング】
全員レベル150という強力なメンバーで乗り込んだボスモンスターハンティング。魔法やスキルの大盤振る舞いでなかなか楽しかった。カマを持ったモンスターがボスモンスター「デスストライカー」。ちょうどゲーム誌3人でボスをボックス状態にして殴っているシーンだ


■ 「コルムオンライン」のゲームサーバーを見学

KIDCのビル。大型デパート並みの大きさがある
受付前。セキュリティの関係からここ以外の写真撮影は許可されなかった
この棚3つ分が日本サーバー。手前にあるひときわ大きなサーバーで全体の管理を行なっている
 滞在2日目、日本取材陣は「コルムオンライン」の日本サーバーが置かれているKIDC(Korea Internet Date Center)の見学を行なった。10階前後の横長の建物で、300社前後のIT企業がここを利用しているという。Netclueもここに日本向けのサーバー一式を置いてサービスを行なっている。

 ここにサーバーを置くゲーム会社は、Netclueのほかに「ラグナロクオンライン」を運営するGravityなどがある。NC SoftやNEXONなど大手は自前でサーバールームを持っており、こうしたデータセンターを利用するのは必然的に中小メーカーということになるが、KIDCだけでも韓国内に20箇所ほどのデータセンターを持ち、さらにライバルメーカーも多いということで、市場としての大きさを実感させられた。

 中に入ると受付があり、そこで登録してキーをもらう必要がある。受付のすぐ側には警備員室があり、20台のテレビモニタに180個の防犯カメラが映し出されており、よくよく見ればガラスはすべて防弾仕様になっていた。聞くところによれば12段階のセキュリティで守られているということだ。

 エレベータで上階に上がり、防塵のため靴を履き替え、さらにいくつもの鋼鉄製の扉をくぐり抜けた先にサーバールームがあった。図書館のようにサーバー棚が遥か先まで続いている広々とした空間で、明るすぎるほどの採光と、十分な換気、配管や通風口はむき出しになっていて装飾品のたぐいは一切ない。ハードウェアにとって最適な環境が整えられていた。

 日本サーバーは、ビルの中程まで進んだあたりにあった。現在、日本向けに実装されているゲームサーバーは2台だが、すでに3台目まで準備が終わっていて、計3セットのサーバー群が設置されていた。その背面には有料化に向けて10セット前後は拡充できそうな空のサーバー棚も確保しており、日本市場に対する熱意が伝わってきた。

 サーバーセットは、ログイン、ダンジョン、ワールドマップ、村がそれぞれ別のサーバーになっていて、これに加え、データサーバー、バックアップサーバー、アイテムログサーバーなどで1セットが構築されている。数にすると11台のサーバーで1台のゲームサーバーが構築されている。

 気になるのはユーザー増加時の遅延の問題だが、日本サーバー向けに十分な帯域を確保しているということで、問題はないとしている。また、CEO自らが日本サーバーでのプレイを奨励していることもあって、仮にひどい遅延が発生しても、すぐさま対応が施される安心感はある。

 さらに、すでに同社はこの珍しい運営方式で日本展開を果たしており、実際にそれらのサーバーも別の階において見ることができた。タイトルについては、日本向けに表だって社名を出していないということで未公表でお願いしたいということだったが、日本でも知名度の高いタイトルがいくつもあった。

【KIDC視察】
ダンジョン3,000個というだけあって、ダンジョンサーバーは5つで構築されていた。サーバーセットひとつで約5,000人を収容できるという

【eSofnet視察】
最後に訪れたのが開発元のeSofnet。明日(28日)から韓国版の正式サービスということで、細かい話を聞くことはできなかった。開発者インタビューの模様は別稿にてお伝えしたい

(C) 2003 Corumonline All Rights Reserved.

□Netclueのホームページ
http://www.netclue.co.kr/
□「コルムオンライン」のホームページ
http://www.corum.jp/
□関連情報
【2003年1月7日】本日到着! DEMO & PATCH 「コルムオンライン」オープンβクライアント
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031222/corum.htm
【2003年12月22日】ネットクルー、「コルムオンライン」のオープンβテストを1月1日より実施
ダンジョンを獲り合う異色3DMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031222/corum.htm
【2003年11月23日】Korea Amuse World Game Expo 2003現地レポート
古代朝鮮をテーマにした「Kal Online」ほか、NetMarbleブースレポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031123/k_mb.htm

(2004年1月28日)

[Reported by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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