ナムコ「ソウルキャリバーII」、ロケテストバージョンインプレッション
プロデューサー世取山氏からのメッセージも掲載!!

稼動時期:未定



 株式会社ナムコの3D武器格闘ゲーム「ソウルキャリバーII」。ロケテストバージョンを早速プレイしたので、インプレッションをお届けする。また、ロケテストバージョンに関して、「ソウルキャリバーII」プロデューサーの世取山氏からもコメントをいただいたので合わせて掲載する。

 なお、ロケテストバージョンは日々アップデートが行われており、プレイ時点で今回のインプレッションとは異なる動きなどが可能となっていたり、逆もまたありうることをあらかじめご了承いただきたい。会場ではアンケートをとっているので、「ソウルキャリバーII」に関して一家言あり、という方は人はぜひ、会場に足を運んでもらいたい。

 また、本記事中のコマンド表記だが、
レバーに関しては

7 8 9
 \/
4 5 6
 /\
1 2 3

というパソコンの10キー表記となっている。
ボタンに関しては

A=横斬り
B=縦斬り
K=キック
G=ガード
小文字=直後のボタンと連続押し(スライド入力)

となっている。ご了承いただきたい。


ロケテストバージョンインプレッション!

【システムインプレッション】

 まず、今回のバージョンで新規に導入された要素からチェックしてみよう。まずはソウルチャージに関して。歩きながらのチャージが可能であることは前回もお伝えしたが、エフェクトが足元から頭上までいきわたる(フルチャージ)前にGでキャンセルすることができる。この2つの状態の違いは、フルチャージは一定時間に攻撃を繰り出すことで、攻撃がガード不能になったり、ガード崩しになるという付加効果を持つことに対し、途中でキャンセルしたものはガード崩しまたはヒット時にはカウンターヒットになるという違いがある。前作と似ているが、微妙に異なるのは、ガード崩し技の追加だろう。また、歩きながらチャージできるので、相手の攻撃を歩いてかわしながらフルチャージも狙えるのも大きい。

 そして、壁に関するシステムだが、基本的にアッパー系統などの打ち上げ技を壁近くでヒットさせると、壁に激突し、一定時間動けない状態になる。その最中にボタン押しで通常状態に復帰することができるが、その後の落下は早め。追撃のチャンスはそれほどないが、制御しないと位置関係が変わらないので、その後も厳しい攻めを受けることだろう。また、壁近くで攻撃をガードしても、それほど距離関係には変化がないが、空中に浮いた場合は間合いが開かないため空中コンボを食らう可能性がある。

 空中コンボの話に関連して、今回の空中制御もチェックしてみよう。前作では、空中に浮いた場合、1発目以降はレバーを入力することで、浮かされた側が吹き飛び方向、距離を選択できたが、今回もそのシステムは継承されている。しかし、どうもキャラクタごとにその移動量が変わっているようだ。また、横方向への入力は意外と移動せず、回転系の攻撃を食らっているシーンを何度か見かけた。

 AOUバージョンと比較してみると、予告どおりリングアウトに関しても調整が施されている。前作から引き続いて登場したキャラクタでは、AOU版では「落ちなくなった」といわれていた技が落ちるようになっている。しかし、ロケテスト版は日によって調整が施されているので、前日リングアウトさせられていた技がそうでなくなったりしているものもある。また、縦斬り属性の技の当たりにくさは、ある程度解消されている。追尾性能に関しても、技動作に時間がかかるものはそれなりに、すぐ攻撃判定が出るものはほとんどホーミングしないような作りになっており、3すくみを意識した戦いが重要のようだ。

 また、ガードインパクトに関しては、受け付け時間がやや前作に比べて長めの設定のようだ。ただし、投げに対してのインパクトはやや難しくなっている感もある。投げはつかみまでがゆったりしているのは前作同様で、抜けコマンド受け付け時間はやや長め、というのが前作に比しての感想だ。

 縦斬りには8Way-Run、8Way-Runには横斬り、横斬りには縦斬り、という3すくみの関係だが、注目すべきは横斬りに対しての縦斬りの有効性だろう。状況が五分、もしくはやや不利の状態でなら、横斬りで移動を防ごうと牽制する相手に対して、とっさに出の早い縦斬りを選択することで一方的に打ち勝てるのだが、実際は、ガードで固まってしまって反応が遅れがちになったり、タリムやタキ、カサンドラなど近距離でラッシュをかけてくる相手に対しては、プレーヤーサイドが縦斬りを出す、という選択肢にまだ対応しきれない、といったところ。ただし、不用意に中間距離から横斬りを出す相手には効果的で、まさに叩き潰すという感じで縦斬りを使っているプレーヤーも多かった。縦斬り属性の技を基本に攻め入り、相手の反応を見ながら読んで横斬りで行動制限する、もしくは横斬りを読んだ相手の裏をかいてステップや8Way-Runを使ってかわし、反撃するというロジックをうまく利用することで、お互いの攻防が成り立っているという実感は十分味わえた。

【キャラクタ別インプレッション】

・「蝶のように舞い、蜂のように刺す」--ラファエル

 腕の振りだけで繰り出される攻撃は素早く、リーチに優れており、扱いやすかったのが第一印象。AやBといった単純な攻撃なら、モーションも小さく中距離の牽制に十分な能力を発揮してくれる。特にBBの縦斬りは、相手の接近を防ぐのに非常に頼れる技だった。相手が前後に走るだけであれば、これだけでもかなり戦える。使い始めは持ち前のリーチを生かし、中距離での細かい攻撃だけで勝てるだろう。また、前進と後退の2種類の特殊ステップもある。どちらからも攻撃が繰り出せるようになっているため、一気に踏み込んでの強襲、退いたと見せかけての奇襲といった戦法も使える。ただし、縦斬りに頼りすぎると、ステップや走りで軸をずらされて空振りしやすくなるので注意したい。横斬りなども使って、相手の走りを牽制していくことも大切だった。横斬りは縦斬りほどのスピードはないがリーチは申し分ない。中・下段の連係ももっているため、横斬りを使った対軸の攻防もそつなくこなせた感があった。
 このように、素早い縦斬りを持つラファエルは、中距離での攻防を得意とするキャラクタ。ステップを駆使すれば、相手の隙をついて一撃をお見舞いもできる突進力もあり、攻めの力強さもある。中距離での細かい牽制で相手の動きを止め、そこから一気に攻め込み、再び離れるといった闘い方となる。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」といった、華麗な闘いがラファエルの真骨頂ともいえるだろう。

・「『II』の3すくみを利用せよ」--タリム

 単発の攻撃は非常に早く、相手の懐に潜り込んでのラッシュを得意とするといった感じのタリム。突進系攻撃の「ヴァンヴレイ(66B)」の能力も高めで、中距離からの攻めに使える。この攻撃は相手に飛び込むという性質上、下段攻撃をかわせるのも大きなポイント。
 移動系の技もあるが、モーションが大きいため対処されやすく、タキのようにスピードのある移動技までとはいかないようだ。移動系の技は前方へのジャンプ系と、回転しながらの軸移動があり、軸移動の方はヴォルドの「背向け」に近い。これから下段攻撃や中段攻撃といった攻撃に派生するので、連係に組み込んで攻撃の緩急をつけていくことになるだろう。連係から軸移動が可能なので、これを軸に接近戦を狙っていける。単体の移動よりは遙かに使いやすかったのは確かだ。
 スピードに任せて押し通すといったスタイルではなく、攻めに間を組み込んで相手を翻弄していくといったタイプ。簡単な連係だけなら初めのうちは勝てるが、決定打がないので細かい攻撃を積み重ねていき勝ちを取るといった、少々地味な戦いとなりやすかった。使い始めのレスポンスは上々だが、突き詰めると上級者向けのキャラクタ。走りや攻撃の相殺といった「II」の新システムを、十二分に活用して初めて強くなると思う。

・「新技に魅力的なものが多し」--キリク

 リーチはあるが素早い攻撃が少なく、前作では最弱キャラクタとまでいわれたキリク。だが、今作ではかなりパワーアップしており、面白いキャラクタに仕上がっている。目についた強化として、2Aで繰り出す下段攻撃をはじめ、いくつかの技が若干スピードアップしている点。前作での主力技が強化されているのは嬉しいポイントだ。また、追加された構え技の「凖奉師」は、縦斬り(縦属性の蹴りも含む)をインパクトでき、これを利用した攻防にもふくらみが出てきた。リーチのある横・縦斬りで相手を牽制してから、捻刺棍やコンビネーションで攻めていくといったスタイルは、前作同様といったところだ。ただし、空中コンボで主力としていた6kBなどが決まりにくくなっている。相手を浮かせた場合のコンビネーションを、新たに開発する必要がありそうだ。
 リーチは申し分ないが、接近戦での決定打に欠けるのは今作でも同じ。中距離での攻防が主となる。ここから相手の動きに合わせて構えを利用しつつ、柔軟に対応していくといったタイプといえるだろう。

・「基本は変わらず」--シャンファ

 プレイしてみた感覚では前作とさして変化がないように思えたキャラクタが、このシャンファ。機動性や攻撃スピードは前作そのままのようで、攻撃の性能も別段変わったようには見えなかった。だが、微妙な部分で変化があったのは確か。例えば、前作になかった自分から倒れこむ技が追加されている。これにより、攻撃を繰り出してから倒れ込み、相手の中段横斬りの反撃をかわしたりできる。また、既存の技に手を加えられているのもポイントである。目立ったところではないが、祥紿刺(立ち途中aB)をガードボタンでキャンセル可能となっている。他にも移動兼、インパクト技の性能が向上しているように見受けられた。なお、シャンファの主力ともいえる紅明剣(3B+K)は威力がダウンしたようだ。ただし、空中コンボでの確定追撃に使えるのでそれほどの性能ダウンとはならない。
 中距離では新8Way-Runで相手の牽制をかわし、素早い縦斬りでこちらも攻撃して相手の横切りなどを潰しにいく。ここから相手の隙をついて懐に潜り込んでラッシュをかけると、前作と同様の闘い方となるキャラクタだ。

・「構えがより有効に」--マキシ

 マキシの基本となる「構え」は前作の感覚で利用できる。6種類の構えを利用しての戦いがマキシの楽しみなので、これがそのまま生かされているのは嬉しい限りだ。この構えから様々な技へと派生させていくのだが、使ってみたところ構えが完全に完成する前に攻撃へと移ることができるため、構え中の攻撃がスムーズになった。構えを変えながらの攻撃に関しては、前作よりも遙かに出しやすくはなっている。ただし、構えに移行する技は構えに戻るまでが1セットになっているので、構えから構えへ移行するときなどのスキは相変わらず大きく、ここを突かれると弱いのは変わっていない。
 目新しいところとしては、構え技の「禄存(A+K)」がレバーとの組みあわせで、4方向に移動できるようになっている。禄存だけであれば前方へ移動して構えへ。4A+Kなら後方へ退いて構えへと移行。さらに2(8)A+Kで左右へ移動後に構えるようになっているのだ。また、構えチェンジ中に前作同様にレバー入力やA+Kを押しっぱなしにしていると構えをループしながら維持できる。この状態から左右(手前or奥)に構え状態を維持したまま新8Way-Runが可能。この最中はガード不可能だが、構えを維持したまま相手の縦斬りをかわせるのはありがたい。これらの構えをうまく利用して様々なコンビネーションへ移行していくといった変幻自在の戦いは、前作以上に楽しそうだ。
 マキシの場合、BやAを小刻みに使って相手を牽制し、ヌンチャクの届くギリギリの距離で構えて別のコンビネーションへといった闘い方となる。いかに構えのスキを見切られないようにしつつ、近~中距離で自分なりのコンビネーションを駆使して攻められるかがポイントになるだろう。

・「ジ・ラックからの連携に注目」--ヴォルド

 「ジ・ラック(2A+Kor3A+K)」移行技や派生技の追加が、ヴォルドを語る上での重要ポイントとなる。新たに追加された「ピロリーブレイク(4B)」はボタンをホールドすることでジ・ラックへ移行。この他にも新技となる4Kのボタンホールドでも移行可能。さらには移動技の「ワグミミック(6B+K)」、「ザニィーミミック(8or2B+K)」のどちらからもレバーとボタンをホールドしているだけで移行できる。なお、ザニィーミミックの場合、移行時にレバーを前後に入れ直すと頭向けで移行するか、足向けで移行するかを選択できるようになっている。
 ジ・ラックからの派生技もいくつか追加されており、DC版で加わった「フールリチュアル(ジ・ラック中B+K)」もあってホールドも可能となっている。また、手前や奥へ横転して軸をずらすことができた。他にも平泳ぎのような動きで下段攻撃したり、バタフライのような動きの中段攻撃「ランドフィッシュ(ジ・ラック中8or2B)」を繰り出すなど、奇妙な技がある。
 このようにジ・ラックからの技が充実したのに対し、背中を向けてからの攻撃にスキが増し、弱体化している。背向けを攻撃の軸とするヴォルドにとっては少々残念なところ。今作では接近戦を背向けからの細かい連係で攻めるのではなく、ジ・ラックへと移行する連係、そしてそこからの攻撃を軸にするチューニングに変化しているようだ。なお、攻撃のリーチは前作同様にあるので、中距離での攻防には変化はなかった。

・「基本性能は変わらずだが3すくみを考えて戦え」--御剣

 リーチ、攻撃力、スピードと全てにおいて安定感のあるキャラクタはAOUバージョンと変わらない。居合いや霞といった構え状態での新8Way-Runにも変化はなかった。ただ、居合いの構えからAを押すとインパクト効果も含む攻撃「火筒捻」が繰り出された。これは「火筒返し(居合中にG)」の変更に伴い追加された技と思われる。霞からの派生技でも、Aによる上段の突きから「六道ノ裁(霞中B)」の繋ぎが早く、連続ヒットのようにも見える。
 走り中BBといった、走りコンビネーションも大きな変化はなく、ここから弧月の構えへの派生もしっかりとあった。弧月の最中も移動が可能となっているので、走りからのコンビネーションに組み込んでも機動性は失われない。中距離からの攻め込む際に使えるので、ここから接近戦に持ち込み、「稲穂刈(2KB)」の下段攻撃を警戒させての中段攻撃で相手を浮かしての空中コンボを狙っていくという戦法が主体となる。なお、やはりこのバージョンでも「稲穂刈(2KB)」の使い勝手は良かった。多少スピードが落ちているような気はしたが、近距離の下段攻撃として有効なのは間違いない。
 中距離からの走りコンビネーションを利用しつつ、弧月の構えで連係に間を入れて相手のガードインパクトのタイミングをずらして攻める。これで接近戦に持ち込むのが御剣の戦法といえよう。また、前作で猛威を振るった3方向走り中Bの当たりが薄くなっているなど、より3すくみを頭に入れた攻防が必要なキャラクタになっていることは間違いない。

・「ラッシュ能力向上! より自在な攻めが可能」--タキ

 「宿(214)」中の移動は変わらずといったところで、機動性や「鉄砲掛け」の性能の高さなどはAOUバージョンと遜色なかった。連係から宿へとシフトすることで、攻撃の緩急をつけられ、さらに宿から投げ・上・中・下のどれにも派生できる。これを駆使して連勝をしているタキも見受けられたので、宿の使いやすさは上がっているようだった。それ以上に攻撃のスピード、そして軸をずらしての攻撃が魅力。宿に関しては構えという性質上、ガードができないため、出の早い技で潰すことも不可能ではない。この欠点を補うためには、小刻みな横・縦斬りで牽制して相手にガードを意識させ、そこから宿からの連係を狙うといいだろう。おまけに宿からの移動で相手をホーミングするため、軸をずらして逃げようと思っても追撃がくる。最初の攻撃を走りでかわしたら、出の早い攻撃で潰しにかかるしかないだろう。
 蹴り攻撃の性能も上中下段のどれも素早く、横属性のものも多いので接近戦での攻防に役立つ。ほかにも新技がいくつか追加されており、ラッシュ力は上がっていると思われる。
 技のスピードに優れたタキは、接近戦のエキスパートといった感じ。新8Way-Runや移動技などを使って、相手の攻撃をかわしつつ接近して、斬りと蹴りを織り交ぜたコンビネーションから宿りへと移行。ここから打撃技や投げといった攻撃へとつなげて、ガードインパクトのタイミングをずらしながら攻めるといったラッシュを得意とするキャラクタだった。

・「連携が強化! 斬っても落としてもよし」--ナイトメア

 実際の対戦となると、構えながらの走りはあまり見受けられなかったナイトメア。ガードができないといったデメリットがそうさせるのだが、それ以上にコンビネーションの強化によるところが大きい。中段から下段へと変化するコンビネーションが早くなり、さらにベースホールドからの攻撃が素早く、ガードされても反撃を受けにくい感覚。また、稲穂刈りほどではないが下段回し蹴りの速度が早めで、単発の下段攻撃も申し分なしといった具合。これに浮かせ技からの「テラーストンパー(チーフホールド中B)」が確定するのだから、押しの強さはかなりのものだ。
 もうひとつ、ナイトメアの強みとして上げられるのは、リングアウト能力。相手をはじき飛ばす技は健在なので、相手を追い込んでからの「メイルシュトローム(立ち途中BB)」、「シャドウスライサー(1B)」でリングアウトを狙ったりもできる。逆に追いつめられた状態では「スラストスロー(1B)」でリングアウトが狙える。ちなみに今回は、「アップトス(しゃがみ状態でA+GorB+G)」でもリングアウトするようにもなっていた。
 持ち前のリーチを生かしての中距離戦は、前作のまま。中距離から横斬りで相手の走りを牽制し、相手の動きが止まったら各種構えから派生するコンビネーションで、中下段を攻めて相手をパワーで圧倒する。相手の反撃を予測しつつ、インパクトを交えながらのラッシュがナイトメアの持ち味といったところだ。

・「打撃技の使い分けが玄人好み?」--アイヴィー

 構えに関してはAOUバージョンと比べて大きな変化はなく、そこから派生する技にも大きな変化はなかった。どの構えも中距離での牽制で使用することが多く、近距離でこの構えを使う人は少なかった。また、剣を巻き付ける3つめの構え「メタエレム・ジルフェ」は移動が鈍くなる上に、攻撃もA以外はスキが大きかったりとリスクが目立つ。剣を頭上で振り回す「メタエレム・テジャス」から縦斬りや下段攻撃などを使う方が、相手の反撃を受けにくく利用価値が高かった。
 「マイトアトラス(376231A+B)のダメージが低下している点が、非常に気になったが、カウンターで決まった場合はそこそこのダメージ。威力の低下という点では、「ケイジランブラー(8B+K)」も同じだ。相手を浮かした時の空中コンボで威力を発揮していた技なのでこれも痛いところ。ちなみに、AOUバージョン時ではケイジランブラーのコマンドが8B+Kのみとなっていたが、ロケテストバージョンでは6B8でも出た。
 今回のアイヴィーは、新しく加わった構えからの派生技を使い、中距離からの打撃で勝負するキャラクタとなった。ただし近距離では、投げ技のマイトアトラスを主軸に攻撃を組み立てていくといったものとなる。これを嫌ってしゃがんだ相手に中段攻撃で浮かせてのコンボを狙っていくことに。ただ、空中コンボを使ってのダメージはそれほど期待できないので、カウンターなどの付加価値を狙っていきながらの、細かい攻防が主体となりそうだ。

・「打撃と投げのバランスよし」--アスタロス

 「スルバルト(66(ロング入力)K)」の強さはAOUバージョンと比べて差異は見受けられず、使い勝手も上々。投げに関してもB+G系投げがインパクト不可能と、特性は変わっていなかったので使いやすかった。新たに追加された投げの中には、軽く前方へとジャンプしてからしゃがんだ相手を掴む下段投げがあった。ホールド技が打撃投げに変化するといった特徴もそのままだ。リーチも申し分なく、中距離では斧を使った攻撃、近距離では下段投げや足などを使った小技も絡めた、主に投げを狙うといった従来の闘い方で通じるようだ。
 「ムズルヴィシア(8(2)走り中B)」は、新8Way-Runの影響で空振りが目立つ。リーチがあり破壊力が抜群と前作では結構使えただけに痛いところではある。決める状況として、投げ技の「メルファディア(B+G4)」後の追い打ちが主となる。ちなみに、この投げから空中キャッチ投げ「ロ・エリオクラッグ(空中の相手にB+G)」につながらないという変化も。
 斧のリーチを生かした中距離戦がメインとなるが、大ダメージなどを狙っていく場合には投げが必要になるので、接近戦を余儀なくされる。中段蹴りが接近戦でも使えたところから、蹴りで相手の動きを止めてから投げへと移行するといった闘い方となる。このあたりは前作と変わりないので、戦法自体は前作通りで問題なさそうだ。

・「中距離は斬り、近距離は蹴り技を主体に」--ユンスン

 AOUバージョンに比べて見ると、蹴り攻撃のバリエーションが増えている。モーションも速くなった感もあり、かなり強化されていることは間違いない。一方斬りの方だが、こちらはあまり強化されたという感じは受けず、AOUバージョンとそれほど変化がないように思える。ただ、相手を浮かす縦斬り系攻撃は強いと感じた。モーションは多少遅いものの、体勢の低くなるものがあって相手の上段をかわしやすいメリットもある。また、多少の軸ずれがあってもヒットしたので使い心地は悪くない。
 片足を上げるユンスン特有の構えは、攻撃を止める上に軸がずれた場合のホーミング能力が低いため、空振りが目立って使いにくかった。だが、構えからの移動を使うことでこれを補正できるので、相手との位置をよく見て使っていくといい。ちなみに、足を使った攻撃の連係の中に構えへと移行できるものが多くあるので、これを利用して攻撃の派生を変化させるといった事もできる。連係のパターンを読まれないよう、構えで一瞬の間を作ってガードインパクトのタイミングをずらしたりと、近距離での立ち合いに変化をつけていくのがポイントとなる。
 中距離では斬りを主体にしての攻撃で牽制。接近戦に持ち込んだら蹴りを多用した素早い攻撃といった使い分けをしていくことになる。このあたりはファンと同じと思っていい。蹴り関係の連係を途中で止めて投げを狙ったりなど、変化をつけて戦うのが面白いキャラクタだった。

・「新モーションの利用価値は大」--カサンドラ

 独特のタイミングや微妙なモーションのお陰で、下段攻撃を見切られにくい。相手にとっては素早い中段攻撃の方に気を取られるのも、その一因。横斬りや縦斬りのスピードに優れ、接近したら投げを絡めつつの攻撃で相手を圧倒しやすかった。もちろん、ガードインパクトなどを使われる事も多いので、攻め続けることは難しいが……。
 AAやBBといった基本的な部分はソフィーティア譲りのため、これだけでも結構戦える。慣れてくると「エンジェルステップ(236)」からの攻撃を織り交ぜて、中距離から接近戦を挑むのもストレスなく行なえる。このエンジェルステップで接近したら、派生する連続技で押し切るか、単発での縦・横斬りでの牽制。または蹴りによる下段攻撃といったもので、相手を圧倒していけるのが強み。
 全体的に大技は狙わず、細かい牽制やスキのないコンビネーションで相手の動きを止めて、下段攻撃や投げをからめて接近戦主体で押していくタイプ。技は違えど、基本はソフィーティアと同じといったところだ。ただ、大技のスキはソフィーティア以上なので、使いどころが難しい印象もある。


世取山氏からのコメント公開! 週末には新バージョンが導入される!!

 今回のロケテストに関して、開発プロデューサー・世取山宏秋氏、そしてナムコ広報からコメントをいただいたので掲載する。日々ロケテストバージョンが変更されていることは本誌でも確認していたが、この週末に大きなバージョン変更が行われるようだ。

【世取山氏より】

 ナムコの世取山です。皆さんお元気でしょうか?

 この度ソウルキャリバーIIの公開ロケテストを行っておりますが皆さん足を運んでいただけたでしょうか?

 現在プレイキャロット巣鴨ではプレイ状況をビデオ録画し一定期間後持ち帰り解析しております。両ロケーションに置いてあるアンケート用PCの内容も丁寧に読ませていただいております。

 また、ロケテスト現場にこっそり開発員が紛れてプレイ状況を観察していたりします。当然、WEB上での意見は大いに参考にさせていただいております。

 などなど……ロケテストにおけるユーザーの皆様の声は開発現場まできちんと届いております。

 その採取した貴重なデータと、未調整な部分を再調整した次のバージョンアップを今週末に向けて行ないたいと思っております。

細かい箇所かもしれませんが、バージョンアップした内容を列挙させていただきます。

  • 各キャラバランスの悪い技の再調整
  • 各キャラ細かい挙動の再調整
  • 各キャラ多少の技追加、コマンド変更等

  • 空中制御まわりの再調整
  • やられ行動中の制御の再調整
  • 8WAY-RUN周りの再調整
  • 軸追従関連の再調整
  • 壁・リングアウト関連の再調整
……等々です。(この他にも多々ありますが長くなりますので割愛させていただきます)

 ご覧の通りかなりの範囲で修正を行わせていただきました。おそらくまた相当ゲームが変わってきているかと思います。是非この週末はロケテスト現場であるPC巣鴨ならびにPCなんばの方に足を運んでいただいて、屈託のない意見をお寄せください。

 反映できるところは片っ端から反映していくつもりです! ユーザーの皆さんと一緒に作り上げていくつもりでおりますので是非ともご協力ください。
 よろしくお願いいたします。

【ナムコ広報より】

 現在、プレイシティキャロット巣鴨店及びプレイシティキャロットなんば店にてロケテスト実施中の「ソウルキャリバーII」。実はプレイヤーの皆さんのアンケート及びプレイを参考に、日々データ修正をおこなっています。

 足を運んでいただいたプレーヤーの皆さんの要望もきっと反映されているはず!?

 ぜひ、再度足を運んでいただいて確かめてみてください。もちろん、引き続き皆さんのご意見も受け付けておりますので、ロケテストにいらした際にはぜひアンケートにご協力ください。



※画面はすべて開発中のものです
(C)NAMCO

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□製品情報
http://www.namco.co.jp/home/aa/am/vg/soulcalibur2/index.html
□関連情報
【4月27日】「ソウルキャリバーII」ロケテスト開催中!
http://watch.impress.co.jp/docs/20020427/sc2.htm
【4月22日】ナムコ、「ソウルキャリバーII」公開ロケテストを東京、大阪で開催
http://watch.impress.co.jp/docs/20020422/sc2.htm
【4月12日】ナムコ「ソウルキャリバーII」、ヴォルド参上!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020412/sc2.htm
【3月8日】「ソウルキャリバーII」最新画像とAOUバージョンのファーストインプレッション
アスタロスのストーリーも公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020308/sc2.htm
【3月2日】「ソウルキャリバーII」合同プレイ取材で新事実発覚!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020302/namco.htm

(2002年5月2日)

[Reported by 佐伯憲司・渡辺洋二]

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