「ソウルキャリバーII」合同プレイ取材で新事実発覚!

3月2日 開催



 株式会社ナムコは、「AOU2002 アミューズメント・エキスポ」に出展したものと同じバージョンの「ソウルキャリバー(SC)II」を用いて、プレス向けの合同プレイ取材を主催した。このバージョンは開発度50%程度のもの。会場では、試遊台4台が設置されたほか、開発プロデューサー・世取山宏秋氏によるシステム解説、質疑応答などが行われた。


開発プロデューサー・世取山宏秋氏によるプレゼンテーション
3すくみの関係を強調するインストカード
登場するキャラクタは空きスペースだけに留まらない
2Pカラーは初登場のもの
コマンドも新たに整理されたキャラクタもいた
世取山氏によるシステム解説--「ソウルチャージは導入される!」

 世:取山氏によるプレゼンテーションは、まず「SCII」の特徴についての解説から始まった。

 氏は、「ソウル」シリーズの「特性の異なる武器を用いた格闘であり、キャラクタごとの特徴の違いが顕著に現れる」、「『SC』から導入した“8-Way Run”システムにより、フィールド上を自由に動ける」、「シリーズを通して、美麗なグラフィックや演出、職人技のこだわりを見せるモデリング・モーション」などのセールスポイントをまずアピール。

 そして「SCII」では、“8-Way Run”の操作変更により、より走り出しやすくなった「新8-Way Run(仮称)」をまず新要素として挙げた。レバー入れっぱなしの入力で走り始めるように変更された「新8-Way Run(仮称)」は、システム面の変化により、「走り」がより重要なファクターであることを示している。実際、「SC」よりも走りやすく、走りからの攻撃が多彩になったこともあり、間合いを意識した駆け引きを仕掛けやすくなった。

 次に、「SCII」から導入された「壁」について触れた。壁はリングアウトしにくくするとともに、壁を利用した多様性のある戦略展開を可能にすることを狙ったものだという。AOUバージョンでは、攻撃を食らって壁に激突すると、“ズルッ”という感じで崩れ落ちていたが、これはまだ仮のもので、将来、そこからの起き上がり方法を選択することで、駆け引きの新たな材料を提供するようだ。

 さらに、従来からアピールしていた「縦斬り、横斬り、走り(8-Way Run)の関係を3すくみとし、駆け引きをよりわかりやすく、ゲームの爽快感をまし、避ける、回り込むといった立体的な攻防を可能としているという点に関しては、「AOUバージョンは、特に縦斬りと横斬りの優劣をはっきり認識してもらうために、よりわかりやすいようにチューニングしてある」と言及。実際、縦斬りと横斬りの攻撃判定がぶつかった場合、「ガキーン!」といったSEが鳴り、閃光のようなエフェクトとともに縦斬りが横斬りをつぶすようになっていた。これは既報だが、今回の取材で確認できたのは、「蹴り」に関しても、直線系統の攻撃は「縦斬り」、回転系の攻撃は「横斬り」と同じ扱いということ。いずれも「攻撃判定が重なれば」優劣関係に準じて勝ち負けが決まる。

 そして、縦斬りと走りは、走りが勝つようによりわかりやすくなっていることも解説された。「縦斬りが当たりにくいというユーザーさんの意見もありましたが、それはこちらとしてある程度意図した範囲のことです。より3すくみの関係を理解してもらうために、ちょっとキツめの調整になっています」と、氏はあくまでこれが仮のバージョンであることを強調した。実際、相手の攻撃をかわして側面や背後に回りこんでから、縦斬りで攻撃すると当たらなかったりすることもしばしばあったが、「SC」に比べて、はっきりと「走り>縦斬り」という関係を強調していたことは感じ取れた。

 続いて、上半身と下半身を別々に制御する「モーションブレンド」技術にも触れ、アイヴィー、ナイトメアなど、「構え」を持つキャラクタが、「構えながら走る」ことを実現できたことを報告。前作で入れたかった仕様だったが、今作で実現できたことを挙げた。個人的には、特にアイヴィーは前作である意味未完成であったことが「II」に触れて確認できた。ムチ状態に変化させたアイヴィーブレードを頭上や横で回しながら走り回り、さらなる派生技で遠距離攻撃を可能にしている。

 AOUショーで発表された「1Pモードの充実」に関しては、現状の「ARCADEモード」、「TIME ATTACKモード」、「VSモード」のほかに何が登場するかは明らかにされず、タイムリリースによって追加されるモードに関しては、「もうちょっと発表は待ってください」という氏の言葉に留まった。

 また、登場キャラクタに関しては「10キャラ以上」ということが明らかになったほか、「タイムリリースキャラはいます」と正式にタイムリリースキャラについて言及された。ステージ数も10以上ということで、キャラクタそれぞれにステージが用意される可能性は十分といえよう。さらに世取山氏は、「今セレクタで空きになっているスペースが、すべての登場キャラクタとは言えません。AOUバージョンで使用できるキャラクタのほか、発表となっているキャラクタのほかにも登場するキャラクタがいますので、これからお楽しみに」と続けた。弊誌で行なったアンケートの結果もなんらかの形で反映されることを祈ろう。

 最後に、AOUバージョンについての補足解説があった。ガードインパクトに関しては、→Gで上・中段、←Gで中、下段を受け返すようにコマンド変更された理由として、「新8-Way Run(仮称)」のレスポンスアップのためのコマンド変更であることが明らかにされた。また、ソウルチャージは、AOUバージョンでは入っていないが、「なくなるとさびしい」という意見を多数いただいているので、よりゲームを楽しくする方向で導入する」とコメントがあった。「AOUバージョンではリングアウトしにくくなったとか、壁も通常の状態とあまり変わっていないというご意見もいただきましたが、もちろん製品版にはきちんとしたものが入ります。ご期待ください」という言葉でプレゼンテーションは締めくくられた。

「SCII」企画の赤塚氏らによるデモンストレーションプレイも行なわれた。構えながら走っているキャラクタが確認できるだろうか


世取山氏特別インタビュー--プロデューサーの語る「SCII」

 弊誌では、今まで発表された要素から、「SCII」により迫ってみるべく、プレゼンテーションの終わった世取山氏に、短時間ながら個別インタビューの機会を得た。

編集部:まず、現在の開発状況についてお伺いできますか? AOUバージョンよりは進んでいるというお話でしたが

世取山氏(世): 開発度は公称67%と言っています。すでにAOUバージョンでは実装していない要素も開発部では実装されているんですが、バグが取れていなかったり不都合があるので、プログラマと相談してAOU版からははずさせていただきました。おかげさまで先日行なったロケテストも好調でしたし、海外で行なっているロケテストに関しても、AOUより前のバージョンですが結果はいいようです。

編集部:今回のバージョンで入っていなかった壁に関してですが、実際どんなものになるのでしょうか?

世: 「SC」でゲーム性を考えたとき、キャラクタの状態は、「立ち」、「しゃがみ」、「ダウン」という状態が大まかなものでした。今回「II」では、それに「壁」の要素が入ってきます。「壁」の要素はほかの3要素と同じような関係として考えていこうよ、ということで開発を進めています。ダウンから起き上がるときと同じように、壁に激突した場合は「圧倒的不利にはしたくない」と考えています。

編集部:現状の起き上がりに似た感じでしょうか?

世: 「SC」の起き上がりは、特別な場合を除いて、横転したり後転するなど移動要素はありますが、攻撃は起き上がってから行ないますよね。それに似た感じになると思います。

編集部:次に、「新8-Way Run(仮称)」に関してですが、前作にもあった「ステップ」との差ですが? RUNの入力方法も変わりましたが……

世: まず、入力ですが、レバー入力は基本的に入力し始めから、ステップとRUNの両方をチェックしています。ちょっと入力して離せばステップに、入れっぱなしであればRUNになるようになっているはずです。どちらも、縦斬りを避けられるということでは同じですね。

編集部:前作では、ステップ中に攻撃を食らってもカウンターにはならず、8-Way Run中では「RUNカウンター」になっていましたが?

世: AOUバージョンでは、ステップ中に攻撃を食らうとRUNカウンターになるようになっているはずです。縦斬りをすんでのところで避けると、足元にエフェクトが追加されているのもステップ、RUNともに共通になっています。

編集部:AOUバージョンではステップやRUNで縦斬りを避けたあと、相手が動いていないのに縦斬りが当たらなかったりしましたが……? これはいわゆるホーミング能力の調整と関係があるのでしょうか?

世: ホーミングに関しては、ちょっと難しい問題ですね。新しい概念のものを導入しようとしているところです。「スカるという状況が増えた」というのは、AOUショーでもユーザーの方々からの反応にありましたが、それはこちらの思っているとおりのもので、いただいたご意見も至極当然のものでしたね。海外でもそうですが、結果がよくても、私たちはそれに満足している、ということではなく、現状の課題に取り組んでいるところです。
 そのひとつが「3すくみ」であり、AOU版は「3すくみに関してレスポンスをとにかく上げてみよう」ということで制作したものです。プレイされた方々はおわかりいただけると思いますが、この関係を上手に利用すると、「SC」で強かった中段横斬りの強いキャラクターが「II」でも強いか、というとそうでもない、という新しい概念で遊んでいただけるのではないかと思っています。レスポンスを上げた分、縦斬りに関して攻撃が当たりにくくなってしまったのは、こちらとしても考えている部分なんですよ。前作どおりの調整ではうまくいかないということはわかっていましたので、今いろいろ試行錯誤している段階です。

編集部:実際に触って確認した感じですが、縦斬り対横斬りの関係では、攻撃判定が重なったときに優劣が発生する、というイメージですが?

世: その通りです。だから、中段横斬りを読めれば、上段でも縦斬りでつぶすことができます。下段横斬りに対しても、中段縦斬りや下段縦斬りでつぶすことができますね。攻撃判定が重なれば優劣をチェックしますので。

編集部:それから「モーションブレンド」に関して解説していただけますでしょうか?

世: 2つの動作を融合するという技術で、これは従来もあった技術なんですが、「SCII」では、さらに細かく任意に調節できるようになっているんです。例えば、構えながら走る場合、構えを維持する上半身から、走る動作を行なう下半身につながる各関節の位置や動きを任意の割合で混ぜ合わせて生成することができるようになっています。剣を持つ手の角度や、肩の位置、胴体のひねり具合、足の角度などをすべて調節可能になっています。
 この技術は、構えから技を出して、そこから戻って次の動作に移行するところなどにも応用できます。従来ですと、RUNからの攻撃は、RUN~停止~攻撃モーション~終了といった流れでしたが、停止することなく攻撃が出るようになっているのもモーションブレンドの効果です。ほかにも、立ち状態でもステップしながらたっているキャラクタが攻撃を出す際にも、立ちモーションから違和感のない形で攻撃が出せるようになっていたりと、いろんなところで役立っています。

編集部:「SCII」のセールスポイントの中で、特に世取山さんが「ここをぜひ見てほしい」というポイントはどこでしょう?

世:縦斬りで横斬りをつぶす、という関係は前作にはあまりクローズアップしているところではなかったので、従来の読み合いとは違った概念のものになっていると思います。ぜひ遊んでみてもらって体感していただきたいと思います。

編集部:ありがとうございました


 なお、3月8日には、今回のAOUバージョンから「SCII」に関する詳報をお届けする予定。お楽しみに。


※画面はすべて開発中のものです
(C)NAMCO

□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□関連情報
【2月22日】ブースレポート(ナムコ編)
「ソウルキャリバーII」など話題作が多数登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020222/aou03.htm
【2月1日】「ソウルキャリバーII」AOUショーにプレイアブル出展決定!
アンケート結果も発表!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020201/sc2.htm
【2001年12月28日】【特別インタビュー】
「ソウルキャリバーII」開発者インタビュー
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011228/sc2.htm
【2001年12月7日】ナムコ「ソウルキャリバーII」シャンファ登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011207/namco.htm
【2001年11月22日】ナムコ「ソウルキャリバーII」、キリク参戦!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011122/namco.htm
【2001年11月16日】ナムコ「ソウルキャリバーII」動画公開!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011116/namco.htm
【2001年11月12日】ナムコ、AC「ソウルキャリバーII」動画到着! 11月16日公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011112/namco.htm
【2001年10月26日】ナムコ「ソウルキャリバーII」新キャラ+プロローグを一挙公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011026/namco.htm
【2001年10月12日】ナムコ「ソウルキャリバーII」
新キャラ「タリム」と「ナイトメア」推参!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011012/namco.htm
【2001年9月28日】AC「ソウルキャリバー2」鋭意開発進行中!!
スクリーンショットには旧キャラ4体と新キャラ1体が登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010928/sc2.htm

(2002年3月2日)

[Reported by 佐伯憲司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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