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マイクロソフト、Xbox 360用RTS「Halo Wars」先行体験会を開催
本格的なリアルタイムストラテジーをゲームパッドで実現した野心作

1月24日開催

会場:マイクロソフト代田橋オフィス



 マイクロソフト株式会社は、1月24日、東京代田橋オフィスにて、Xbox 360用の新作リアルタイムストラテジーゲーム(RTS)「Halo Wars」のプレス・ユーザー向け先行体験会を開催した。

 「Halo Wars」は、タイトルの通り、大ヒットFPS「Halo」シリーズの系譜に連なる作品だ。開発元は、RTSの代表的人気シリーズである「Age of Empire」シリーズを生み出したEnsemble Studiosで、本作はコンシューマ待望の本格的なRTSとして発売が期待されてきた。

 ゲームジャンルとしてのRTSは、PCゲームの分野でメインストリームの一角を担う存在ではあるが、その複雑なゲーム性のため、コンシューマ機ではあまり成功例がない。一番の難問は、沢山のユニットを生産し、複数の部隊に指示を与えながら戦いを進行していくというマルチタスク作業をどのように実現するかだ。PCではマウスとキーボードが使えるが、コンシューマ機ではそのすべての操作をゲームコントローラで可能にする必要がある。

 今回の体験会では、「Halo」シリーズのファンや、「Age of Empire」シリーズのファンを含むXbox 360コミュニティプレーヤー数十名と、プレス関係者が招待され、発売直前の「Halo Wars」体験版を先行体験した。本格的なRTSのゲーム性をうまくXbox 360に落とし込んだという、本作の興味深い内容を確認することができた。


■ 「Halo」事件の20年前。人類とコヴナントの衝突を戦略視点で描くRTS

本作のマーケティングディレクターを務めるマイクロソフトの南雲聡氏
体験版が2月5日に配信されたのち、製品は2月26日に発売。リミテッドエディションには各種特典が付属する
 「Halo Wars」は、マスターチーフの活躍が描かれた初代「Halo」よりも以前の時代を描く作品だ。突如連絡を絶った植民星「ハーヴェスト」で、それ以降人類の宿敵となるコヴナントと遭遇した地球軍は、5年に及ぶ歳月をかけ、惑星の一部を奪還。そして支援艦「スピリット オブ ファイアー」を中心とする艦隊が惑星に到着し、コヴナントとの戦いを巡る新たな局面が開始される。

 本作では、地球軍とコヴナントの戦いを描く方法として、純粋なRTSのゲーム性を採用している。その基本はこうだ。見下ろし型の画面で、プレーヤーは基地を作り、様々な建造物を作成し、それをもとに部隊を育成し、敵地に送り込んで戦う。リアルタイムに変化する状況に合わせ、内政や戦闘の様々な戦略を展開し、敵の基地を壊滅させるといった目的達成を目指す。

 このように本作では、プレーヤーは基地や部隊といった様々なゲーム要素の管理を一手に任されている。したがって、ゲームフィールドの状況を把握しつつ、短い時間に多くの操作を行なうことが要求されるので、一番の心配は「コントローラできちんと操作できるのか?」ということになるだろう。

 「Age of Empire」を生み出したEnsamble Studiosが手がけた本作は、まさにその点に多くの努力が振り向けられ、誰でも快適にプレイできるという操作性が実現したとされる。だが、やはり実際に試してみるまでは信じられない。今回の体験会で、確かめるべき内容はまさにそこだ。

 というわけで、早速本作のプレイ感触をお伝えしたい。今回の体験会でプレイできたのは、本作のチュートリアルミッションと、キャンペーンモードの序盤に相当する2つのミッション、そして対戦形式で展開する「スカーミッシュ」ミッションだ。

「Halo Wars」は、「Halo」で描かれた戦い以前に行なわれた地球軍とコヴナントの衝突を描くRTS。複雑になりがちな戦略ゲームの操作を、Xbox 360コントローラ向けのスタイルにうまく落とし込んでいる


・基本操作をチュートリアルミッションで確認。素早く意図した通りのプレイができる

画面は見下ろし型で、複数のユニットや基地の施設を駆使してゲームを進めていく
会場に用意されていた操作方法紹介シート。10分ほどでほぼ全ての操作を迷わずできるようになった
キャンペーンモードの各ミッションには、主目標のほか隠されたサブ目標も隠されており、達成度やスピードに応じてスコアが与えられる
 操作の基本は、マップを見回すカメラの操作と、部隊操作の2系統だ。基本のカメラ操作は左アナログスティックで移動、右アナログスティックで回転と、FPS系ゲームと同等のスタイルだ。ある程度の角度制限はあるものの、左右の両トリガーボタンでズームイン、ズームアウトして部隊の細かな動きを確認したり、戦場を広く眺めて状況判断に役立てる。

 部隊の選択はAボタンで行なう。操作対象は画面中央の照準点を合わせることで選ぶというスタイルだ。Aボタンを長押しすると円形の選択範囲が広がり、複数の部隊を同時に選択できる。Aボタンを2回連続でタップすると、対象の部隊と同種の部隊を同時選択する。また、LBで「画面内の全てのユニットを選択」、RBで「フィールド上の全部隊を選択」が可能であるなど、部隊の選択だけでも幅広い操作が用意されている。

 部隊を選択した状態で、地表や、敵の部隊や施設に照準を合わせてXボタンを押すと、移動もしくは攻撃の指示となる。最も大ざっぱなプレイ方法では、LBで画面内の全部隊を選択し、Xボタンで敵部隊への攻撃を司令すればいい。敵が近づけば各ユニットは個々の判断で攻撃を実行するので、部隊の質と量で勝っていれば、それ以上の操作をすることなく敵部隊を殲滅することができる。

 細かい操作を行なえばより良く戦うこともできる。ひとつは、各部隊が持つ独自の「特殊攻撃」だ。部隊を選択した状態でYボタンを押すとこれが発動し、地球軍の歩兵部隊なら手榴弾を投擲、ワートホグならば敵兵に体当たりして跳ねとばすといった強力な攻撃を繰り出す。特殊攻撃は一定時間に1回しか発動できないが、戦闘の要所でうまく組み合わせれば効果絶大だ。

 本作はほぼこれだけの操作でひととおりのプレイが可能だ。特筆すべきは、事前に想像していたよりもずっと直感的に操作できることだ。10分間ほどのチュートリアルミッションを一度プレイしただけで、戸惑うことなく本作をプレイできるようになった。

 チュートリアルを終えてキャンペーンモードのミッションに入ると、今度は基地の管理や部隊の生産といった要素が加わるが、こちらも快適な操作方法にまとめられている。まず、基地の場所はあらかじめきめられており、各種の施設を建設するときは、基地周辺に並べられたスロットに対して建設指示を出すだけだ。場所を自由に選べないかわりに、建物が常に整理された位置にあるというメリットがあり、プレイ中に混乱を来たすことがない。

 施設を建設したり部隊を生産するには、「資材」とよばれるリソースが必要だ。これはマップ上で少々回収できるほか、基地に建設する「物資パッド」で継続的に獲得できる。ある程度の「資材」が集まれば、基地をアップグレードして大型化し、技術レベルを上げる「リアクター」や、各種の兵器を作れる工場などの施設を建設して、部隊を拡充していけるようになる。

 基地を充実させてから良質の部隊を拡充するか、それともいきなり「兵舎」を作り、初期の歩兵部隊を大量につくって速攻をしかけるか、いずれもプレーヤーの考え次第。「物資」を集めるスピードを高めれば有利になるが、「物資パッド」ばかりを作っていれば防御が手薄になり、大勢が整う前にやられてしまうかもしれない。ここに本作の戦略性が凝縮されているのだ。

【会場の様子】
様々なゲームの体験会が行なわれてきた、マイクロソフト代田橋オフィスのプレイルーム。プレス関係者のほか、Xbox 360コミュニティのプレーヤーが招待され、「Halo Wars」のプレイ感触をその手で確かめていた


■ メインはやはり3対3の対戦が楽しめる「スカーミッシュ」モード

「スカーミッシュ」モードでは任意のマップやセッティングで対等の戦いをプレイできる
基地を拡充して攻めるか、素早く戦力を整えるか、プレーヤーの戦略が試される
 「スカーミッシュ」モードでは、ゲームのストーリーとは関係なく、対等な条件で1対1から3対3までの戦いを、対CPUもしくはオンラインでプレイ可能だ。今回の体験会では、対CPUの1対1のみがプレイ可能となっていたので、まずは「ノーマル」難易度で小手調べ。じっくりと基地を拡充してから攻め込むことで、難なく勝利できた。

 次は高難易度の「ヒロイック」で同様の戦術を試してみたところ、予想よりもずっと早くCPU側が戦車の群れを送り込んできたので、防衛が間に合わず、敢えなく敗北してしまった。そこで、基地機能が充実する前に有る程度の戦力を整え、しっかりと防備してから攻撃に出る作戦に変更。すると、危ないシーンもあったが、最終的には戦力で勝ることができ、2回目のプレイで勝利することができた。

 今回プレイしたバージョンは、2月5日に配信が予定されている体験版とほぼ同じものであり、製品版とは異なる可能性もあるが、全体的な難易度はやや低めか、という印象を受けた。CPU側の陣営は、部隊が揃っていても全軍まとめて攻めてくることが少なく、ある程度散発的な攻撃をしかけてくるので、プレーヤーが劣勢を覆しやすいのである。

 となれば、本作で一番手応えのある遊びは、やはりオンライン対戦ということになるかもしれない。今回の体験会の最後にプレイを披露した「Age of Empires」の熟練プレーヤー“まつじゅん”さんは、本作でプレーヤーがどこまで強くなれるのか?という疑問の、良い例だ。


・「Age of Empires」の熟練プレーヤーがトップレベルのプレイを披露

RTSの熟練プレーヤーとして高レベルのプレイを披露したプレーヤーのまつじゅんさん
「Halo Wars」では、本格的なRTSではセオリーとなる各種の戦略を採ることができる
十字パッドの機能をうまく使えば、塔と基地の管理を同時進行で操作できる。全体の展開スピードが勝敗を分ける
 事前に有る程度本作の練習をしたというまつじゅんさんは、「スカーミッシュモード」を最高難易度で開始。まつじゅんさんによると、「Halo Wars」では、「Age of Empires」などのPC用RTSと同じく、3つの典型的な戦術が取り得るそうだ。それは、内政で防御に徹する「タートル」戦術、内政よりも軍備を重視して速攻を仕掛ける「ラッシュ」戦術、内政を重視し戦力の拡充を急ぐ「ブーム」戦術だ。

 まつじゅんさんは、まずいくつかの「物資パッド」を作り、早速「兵舎」を作成。兵舎では歩兵を生産できるが、これをつかっていきなり全力で歩兵を作り、「ラッシュ」をしかける。ところがこの作戦は失敗。敵が「タートル」戦術を採っていたため、充分な打撃を与えるに至らない。

 そこで次に「ブーム」戦術へ移行。物資供給を優先し、技術レベルを高め、ユニットの質量を高めて攻め入るという作戦だ。最初につくったラッシュ用の歩兵を加え、ある程度まとまった数が防備用に揃っていたため、相手の散発的な攻撃は簡単にしのぐ。やがてまとまった軍備が整うと、素早く前線に送り込み、敵の本陣を激しく攻め立ててスピーディな勝利を収めた。

 そこで驚いたのが、まつじゅんさんのプレイするスピードだ。RTSでは基地での生産と前線での戦闘が同時進行するが、普通のプレーヤーはどちらか一方に集中しがち。だが、まつじゅんさんは画面を前線、基地、前線、基地と素早く切り替えながら、超高速にあらゆる操作を実行。基地での生産、前線での戦闘が万全の指示のもと、完全に同時進行で進められていたのである。

 その秘密は、十字パッドによるカメラショートカット機能を駆使するということだ。本作では、十字パッドの各方向に、「基地にカメラを移動」、「部隊にカメラを移動」といった機能が備わっている。これをうまく使うことで超高速な操作が可能になるのだ。その有様はマウスとキーボードを駆使するPC用RTSにひけをとらないほどで、本作においてプレーヤーが目指せる次元の高さを垣間見ることができた。


初回版には通常版・リミテッドエディションに共通して、スペシャルユニットのコードが付属する
 本作はXbox 360で本格的なRTSを実現するという、難しいテーマに挑戦し、それを見事に成功させたという手応えがある。また、「Halo」の世界を舞台とする作品であるだけに、登場する兵器類は、マスターチーフの戦いでも見ることのできた、なじみのあるものがそろい踏み。「スカーミッシュ」モードではコヴナント側をプレイすることもでき、巨大兵器「スカラベ」も生産可能など、作品の世界観がダイナミックに表現されている。

 2月5日には、この体験会でプレイできたものと同等の体験版が、Xbox LIVE上で配信開始される予定だ。製品は2月26日に発売予定。価格は通常版が7,140円で、グラフィックノベルや追加コンテンツが付属するリミテッド・エディションは7,770円で販売される。

 「Halo」シリーズのファンのみならず、手応えのある戦略ゲームを志向するゲーマーは、本作の発売を楽しみに待って欲しい。

【Halo Wars】
Xbox 360で快適な操作と本格的な戦略性を実現した「Halo Wars」。世界を表現するグラフィックスのクオリティも高く、マスターチーフと共に活躍した様々な兵器の姿を、プレーヤー自身が司令官となって楽しむことができる


(c) 2009 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.


□Xbox 360のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□「Halo Wars」のページ
http://www.xbox.com/ja-JP/games/splash/h/halowars/
□ニュースリリース
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20081205.htm
□関連情報
【11月6日】マイクロソフト、Xbox 360「Halo Wars」
発売日が2009年2月26日に決定。初回限定版も同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081106/korea_45.htm
【11月6日】MS Korea、ロッテワールドにて「Xbox 360 Invitational」開催
韓国初のXbox 360の祭典。「GoW2」、「バイオ5」など注目作が多数出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081106/korea_45.htm
【10月9日】マイクロソフト、「TOKYO GAME SHOW 2008 Microsoft Keynote」レポート
E3に続き「Halo 3:Recon」、「鉄拳6(仮称)」等、大量の新作を披露、“NXE”は11月19日導入決定!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081009/tgs_mskey.htm
【2007年7月15日】マイクロソフト E3セッションレポート(2)
「PGR4」の天候システム、「Halo Wars」の進化システムを体験
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070715/pgr.htm
【2006年9月28日】Microsoft、ゲームカンファレンス「X06」を開催
RTS「Halo Wars」やピーター・ジャクソンとのコラボを発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060928/x06.htm

(2009年1月26日)

[Reported by 佐藤カフジ]



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