【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Microsoft、ゲームカンファレンス「X06」を開催
RTS「Halo Wars」やピーター・ジャクソンとのコラボを発表

9月27日 開催 (現地時間)

開催地:スペイン・バルセロナ

東京ゲームショウ2006の開幕直前に東京で行なわれた発表会でも登場したHD DVD。今回は欧米での価格がスライドに表示され、リモコンと映画「キングコング」のHD DVD版がパックされることが明らかになった
 毎年、米Microsoftは世界中のプレスを集め発表会を行なっている。それが「X」で始まる発表会で、今年は9月27日、28日にスペインのバルセロナで「X06」が開催されている。初日となる27日にはプレスカンファレンスが行なわれ、新規タイトルや映像も公開された。

 このMicrosoftの発表会では毎回トピックスが発表されている。たとえば以前では、任天堂の作品を手がけていたRareがMicrosoftのファーストパーティとなった発表などが行なわれている。そう言った意味では世界中のプレスの注目を集めている。残念ながら欧米と日本の温度差の違いからか、日本ではそれほど話題に上らない発表会だが、Xboxファンのみならず海外では大きく取り上げられている。

 しかし今年は日本の作品も取り上げられ、各国メディアに向けてアピールされていた点が大きい。Microsoft Game Studioの作品である「BLUE DRAGON」ではムービーが、「LOST ODYSSEY」ではデモプレイが行なわれた。日本発の作品としてMicrosoftが欧米でもリリースすることもアナウンスしている。日本市場が大切なのと同時に、世界市場に向けてもMicrosoftを通じて輸出していく意向があることが明らかになったわけだ。これはXbox 360が海外においてこれまで以上に好調である点が理由としてあげられるだろう。

 「X06」で発表されたタイトルは欧米に向けてのアナウンスで、残念ながら日本での発売は未定ものが多い。残酷描写の多い作品もあり日本でのそのままの発売は難しい作品も多く、そう言った意味では厳しいところだが、ぜひとも海外作品の魅力にも注目して欲しいところだ。


今回の「X06」一番のビッグサプライズ。発表会の最後に流されたムービー。その最後に現われたロゴには「HALO WARS」の文字が!!
 今回の発表会において一番のサプライズは映画監督のピーター・ジャクソン氏の登場、そして新作「HALO WARS」の発表だろう。ピーター・ジャクソン氏は「ロード・オブ・ザ・リングス」3部作や、「キングコング」を手がけた映画監督。この発表は一連の流れの中で順番に発表された。というのもすでに以前からMicrosoftは、ピーター・ジャクソン氏とパートナーシップを結び、映画「HALO」のプロデュースをピーター・ジャクソン氏が行なうこと、ゲームの制作を行なうことなどを表明していた。

 「X06」の発表会も終盤にさしかかったところでいきなり舞台に招き入れられ、登場したピーター・ジャクソン監督に会場はざわめいた。ピーター・ジャクソン氏は制作する予定のゲームについて構想を語った。内容はまだ抽象的で「伝統的なスタイルのゲームではなく、映画のように観ながらも能動的に参加していく作品となる」とコメント。これまでにないドラマ性が高いながらも、しっかりゲームとしてのインタラクティブ性も実現していくこれからのゲームの制作を目指すようだ。

 ピーター・ジャクソン氏とMicrosoftのパートナーシップでなにが生み出されるのか。まずひとつは映画「HALO」である。その詳細は全く空かされていないが、監督はすでに決定し、現在出演者の選定が行なわれている。マスターチーフが誰になるのかが非常に気になるところ。さらに、次期「HALO」シリーズのベースとなる部分の監修を行なうと言うことだ。これは「HALO」シリーズが次の「HALO 3」で終了しないことを意味している。Microsoftは今後も長期にわたって「HALO」シリーズを育てていきたい意向だ。

 発表会後にMicrosoft Game Studioの方にお話を伺ったところ、ピーター・ジャクソン氏と子供さんは共に「HALO」の大ファンだという。Microsoftとピーター・ジャクソン監督のどちらがアプローチしたかは定かではないが、ピーター・ジャクソン氏はゲームが好きでかなりプレイしており、この話題は生まれるべくして生まれたと言えるだろう。

 このピーター・ジャクソン氏のプレゼンテーションが終わり、ピーター・ムーア氏も「明日は試遊台を用意するので楽しんでいって欲しい」とのコメントで会場が暗くなったときに突然上映されたのが「HALO」だった。まず最初に「ENSEMBLE STUDIO」ロゴが登場。なにのゲーム化わからないままに氷の場面が映し出されたが、ここで「HALO」だとわかる。氷の世界を舞台に多くの兵士たちの戦いが描かれ、最後にはスペースネイビーが登場するところで終わり、「HALO WARS」のロゴが登場。そのまま発表会は大きな拍手と歓声の中で終了した。その時点ではゲームジャンルも全く明らかにされていなかった。

 発表会後にMicrosoft Game Studioの担当者との会話で、リアルタイムストラテジーであることが判明。これは「AGE of Empire」を制作してきたENSEMBLE STUDIOが制作していることをみれば当然なのだが、あまりに両者が結びつかないために驚いた。これまで「HALO」はFPSだったわけだが、なぜRTSなのか? これについては「これまで『HALO』はFPSということで自分からの視点だった。だが、『HALO』という戦いの世界観の中で、大きな視点から(兵士たちの動きを)描きたいと思ったときに、RTSしかないと思ったからだ」と説明してくれた。

 ではなぜENSEMBLE STUDIOなのか? これについては非常に明確で、「実績」で選択したという。ここがMicrosoftの強いところで、ファーストパーティであるが、あのENSEMBLE STUDIOを引っ張り出すところが凄い。クオリティの高さはほぼ保証されたと言えるだろう。「HALO WARS」はXbox 360で発売されるが、Microsoftは現在、VISTAの発売に向けてWindowsをゲームプラットフォームとして力を入れている。RTSならばWindowsでもリリースすることは考えられるが、担当者によれば「現在は考えていない」としている。コントローラーで遊べるように工夫しているようだ。

「X06」におけるビッグサプライズのもうひとつがピーター・ジャクソン監督の登場だろう ピーター・ムーア氏がピーター・ジャクソンにどのようなゲームを製作しようと考えているのか質問する形式でいくつかやりとりがあった ピーター・ジャクソン監督とのパートナーシップについて今回明らかにされたスライド。次期「HALO」フランチャイズはすでに確約されているという
会場で流された「HALO WARS」のムービー。地球人がコブナントに倒され戦闘が発生、次々と現われるコブナント。しかしそこにスペースマリーンが到着する……。Xbox 360用ソフトとして登場。Windows版については現状考えていないという



世界中を飛び回っているピーター・ムーア氏。今回のプレゼンテーションも行なった
 つい先日、東京ゲームショウの直前に行なわれた発表会でも登場したピーター・ムーア氏がここでも登場。その他の大多数のタイトルを発表していった。ムービーだけのものもあれば、開発者を呼び入れてのデモプレイも行なわれた。中でも注目だったのはUbiの「ASSASSIN'S CREED」だった。すでにE3で発表されているタイトルだが、ここでは開発者による一連のゲームの流れが説明された。

 ゲームはタイトル通り暗殺者となって進めていくもので、街の外からデモはスタート。馬に乗って街に入り降りて群衆の中を歩くプレーヤー。この街の中を歩くという何気ない行為だが、これが非常に自然に描かれている。すっとよける形で歩いてみたり、肩がぶつかってみたり。さらには突き飛ばしたりも可能。突き飛ばしたときも各人がそれぞれ違ったリアクションを見せるという凝りようだ。

 街中はあちこちに行けるなど自由度は高い。壁に捕まるなどは当然で、駆け上ることもできる。ゲームの面白い機能としては第六感を使用するシーン。この機能を使うと多くの人の中から自分がターゲットとしている人を探すことができるのだ。そうやってターゲットを確定すると、そこに近づかなければならない。ここでは派手な行動は厳禁で、デモでは信者の行列に紛れて更新して近づき、ターゲットを暗殺。そこからダッシュで逃げ去った。街にある店などを破壊して追っ手の邪魔をすることなども出来、こういったところは物理演算などを使用しているようだ。最後は敵に囲まれやられてしまったが、自由度の高いだけでなく、戦略も必要となるゲームのようで、仕上がりが楽しみなゲームだった。

開発者によるプレゼンテーションが行なわれたUbiの「ASSASSIN'S CREED」。非常にクオリティの高い作品で、街中を歩くときに群衆をかき分けて歩く姿などはこれまでにない自然な動作となっている。アクションとしても一級で、フィールド内を駆けめぐりどこにでも行けるという。人混みに紛れターゲットに近づき何気なく暗殺を行なう……。たとえて言うなら「プリンス・オブ・ペルシャ」と「スプリンターセル」のいいところを合わせたかのような作品だ
ピーター・ムーア氏のはじめのゲストとして登場したのは「GEARS OF WAR」の製作を手がけているCliffyB氏。氏は東京の発表会でプレゼンテーションを行なったこともある 発表会では今回もシングルプレイヤーモードをプレイ。細かいグラフィックス表現が目を引くが、ゲームプレイにおける細かく気を配られている ヨーロッパでは「November 17」と先に表示され、そして米国では「November 12」と表示された。注目作だけに大きな拍手を持って迎えられた
ピーター・ムーア氏のプレゼンテーションでは日本のパブリッシャーの作品としていくつか紹介された。紹介されたのは「BLUE DRAGON」と「LOST ODYSSEY」、そしてカプコンの「LOST PLANET EXTREME CONDITION」。「BLUE DRAGON」は東京ゲームショウ2006でのムービー、「LOST ODYSSEY」ではローカライズ担当によるデモプレイが行なわれた
氷の街を疾走する車のムービーが流された「PGR4」。カットインする形で瞬間的に街の様子なども入るが詳しくはわからなかった。グラフィックス的に注目度の高い作品なだけに、どのようなクオリティに仕上がるのか気になるところ 「GRAND THEFT AUTO IV」については2つの追加エピソードがXbox 360で配信される。これはXbox 360のみで行なわれる

「MARVEL UNIVERSE ONLINE」。こちらは各ヒーローが次々と登場するムービーが流された。サービスの運営はMicrosoftが行なうという(日本は未定)

非常に独特なムービーが流された「BIOSHOCK」。海の底にある街中での戦いが描かれていた。退廃した雰囲気と残酷な描写が特徴的で、海外関係者には拍手で迎えられていた。Xbox 360とWindowsでのみ発売される。日本では未定 人気シリーズの最新作「SPLINTER CELL」の最新作もXbox 360とWindowsでのリリースとなる。こういった作品を矢継ぎ早にたくさん紹介していったのが今回の発表会の特徴だ


会場となったシアター。非常に大きな会場で、ここに全世界のプレスが集められた。見ての通り、多く用意された席がぎっしり埋まっている。世界的規模でのXbox 360の人気の現われだろう 欧州担当のクリフ氏が最初に登場し、Xbox 360が好調であることが伝えられた。先日の東京ゲームショウ2006の発表会とほぼ同じで、好調なセールスと世界各国で発売されている点をスライドで示した
合わせて紹介された「Xbox Live Arcade」。大きなトピックとして紹介されたのは「DOOM」、「Sensible WORLD of SOCCER」。日本のユーザーにも有名な「DOOM」は楽しみなところ。このほかでは米国では圧倒的な人気の「ルミネス」や、残酷描写の先駆けとなったシリーズ「Ultimate Mortal Kombat 3」、「Contra」なども拍手で迎えられた


□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「X06」のページ
http://www.xbox.com/en-US/community/news/events/x06/default.htm

(2006年9月28日)

[Reported by 船津稔]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.