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開催地:スペイン・バルセロナ
このMicrosoftの発表会では毎回トピックスが発表されている。たとえば以前では、任天堂の作品を手がけていたRareがMicrosoftのファーストパーティとなった発表などが行なわれている。そう言った意味では世界中のプレスの注目を集めている。残念ながら欧米と日本の温度差の違いからか、日本ではそれほど話題に上らない発表会だが、Xboxファンのみならず海外では大きく取り上げられている。 しかし今年は日本の作品も取り上げられ、各国メディアに向けてアピールされていた点が大きい。Microsoft Game Studioの作品である「BLUE DRAGON」ではムービーが、「LOST ODYSSEY」ではデモプレイが行なわれた。日本発の作品としてMicrosoftが欧米でもリリースすることもアナウンスしている。日本市場が大切なのと同時に、世界市場に向けてもMicrosoftを通じて輸出していく意向があることが明らかになったわけだ。これはXbox 360が海外においてこれまで以上に好調である点が理由としてあげられるだろう。
「X06」で発表されたタイトルは欧米に向けてのアナウンスで、残念ながら日本での発売は未定ものが多い。残酷描写の多い作品もあり日本でのそのままの発売は難しい作品も多く、そう言った意味では厳しいところだが、ぜひとも海外作品の魅力にも注目して欲しいところだ。
「X06」の発表会も終盤にさしかかったところでいきなり舞台に招き入れられ、登場したピーター・ジャクソン監督に会場はざわめいた。ピーター・ジャクソン氏は制作する予定のゲームについて構想を語った。内容はまだ抽象的で「伝統的なスタイルのゲームではなく、映画のように観ながらも能動的に参加していく作品となる」とコメント。これまでにないドラマ性が高いながらも、しっかりゲームとしてのインタラクティブ性も実現していくこれからのゲームの制作を目指すようだ。 ピーター・ジャクソン氏とMicrosoftのパートナーシップでなにが生み出されるのか。まずひとつは映画「HALO」である。その詳細は全く空かされていないが、監督はすでに決定し、現在出演者の選定が行なわれている。マスターチーフが誰になるのかが非常に気になるところ。さらに、次期「HALO」シリーズのベースとなる部分の監修を行なうと言うことだ。これは「HALO」シリーズが次の「HALO 3」で終了しないことを意味している。Microsoftは今後も長期にわたって「HALO」シリーズを育てていきたい意向だ。 発表会後にMicrosoft Game Studioの方にお話を伺ったところ、ピーター・ジャクソン氏と子供さんは共に「HALO」の大ファンだという。Microsoftとピーター・ジャクソン監督のどちらがアプローチしたかは定かではないが、ピーター・ジャクソン氏はゲームが好きでかなりプレイしており、この話題は生まれるべくして生まれたと言えるだろう。 このピーター・ジャクソン氏のプレゼンテーションが終わり、ピーター・ムーア氏も「明日は試遊台を用意するので楽しんでいって欲しい」とのコメントで会場が暗くなったときに突然上映されたのが「HALO」だった。まず最初に「ENSEMBLE STUDIO」ロゴが登場。なにのゲーム化わからないままに氷の場面が映し出されたが、ここで「HALO」だとわかる。氷の世界を舞台に多くの兵士たちの戦いが描かれ、最後にはスペースネイビーが登場するところで終わり、「HALO WARS」のロゴが登場。そのまま発表会は大きな拍手と歓声の中で終了した。その時点ではゲームジャンルも全く明らかにされていなかった。 発表会後にMicrosoft Game Studioの担当者との会話で、リアルタイムストラテジーであることが判明。これは「AGE of Empire」を制作してきたENSEMBLE STUDIOが制作していることをみれば当然なのだが、あまりに両者が結びつかないために驚いた。これまで「HALO」はFPSだったわけだが、なぜRTSなのか? これについては「これまで『HALO』はFPSということで自分からの視点だった。だが、『HALO』という戦いの世界観の中で、大きな視点から(兵士たちの動きを)描きたいと思ったときに、RTSしかないと思ったからだ」と説明してくれた。
ではなぜENSEMBLE STUDIOなのか? これについては非常に明確で、「実績」で選択したという。ここがMicrosoftの強いところで、ファーストパーティであるが、あのENSEMBLE STUDIOを引っ張り出すところが凄い。クオリティの高さはほぼ保証されたと言えるだろう。「HALO WARS」はXbox 360で発売されるが、Microsoftは現在、VISTAの発売に向けてWindowsをゲームプラットフォームとして力を入れている。RTSならばWindowsでもリリースすることは考えられるが、担当者によれば「現在は考えていない」としている。コントローラーで遊べるように工夫しているようだ。
ゲームはタイトル通り暗殺者となって進めていくもので、街の外からデモはスタート。馬に乗って街に入り降りて群衆の中を歩くプレーヤー。この街の中を歩くという何気ない行為だが、これが非常に自然に描かれている。すっとよける形で歩いてみたり、肩がぶつかってみたり。さらには突き飛ばしたりも可能。突き飛ばしたときも各人がそれぞれ違ったリアクションを見せるという凝りようだ。
街中はあちこちに行けるなど自由度は高い。壁に捕まるなどは当然で、駆け上ることもできる。ゲームの面白い機能としては第六感を使用するシーン。この機能を使うと多くの人の中から自分がターゲットとしている人を探すことができるのだ。そうやってターゲットを確定すると、そこに近づかなければならない。ここでは派手な行動は厳禁で、デモでは信者の行列に紛れて更新して近づき、ターゲットを暗殺。そこからダッシュで逃げ去った。街にある店などを破壊して追っ手の邪魔をすることなども出来、こういったところは物理演算などを使用しているようだ。最後は敵に囲まれやられてしまったが、自由度の高いだけでなく、戦略も必要となるゲームのようで、仕上がりが楽しみなゲームだった。
□Xboxのホームページ http://www.xbox.com/ja-jp/ □「X06」のページ http://www.xbox.com/en-US/community/news/events/x06/default.htm (2006年9月28日) [Reported by 船津稔]
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