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東京ゲームショウ2008現地レポート

マイクロソフト、「TOKYO GAME SHOW 2008 Microsoft Keynote」レポート
E3に続き「Halo 3:Recon」、「鉄拳6(仮称)」等、大量の新作を披露、“NXE”は11月19日導入決定!!

10月9日~12日開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 マイクロソフトは、東京ゲームショウ初日の10月9日、TGSフォーラム2008基調講演「TOKYO GAME SHOW 2008 Microsoft Keynote」を開催した。

 スピーカーは、E3でも登壇したLIVE担当コーポレートバイスプレジデントのジョン・シャパート氏が務め、TGSフォーラム基調講演の体を取りながらも、実質的にはさながらE3の延長戦といった趣で、複数の新作発表を含む、濃密な内容の堂々たるプラットフォームキーノートを展開。Microsoft陣営の勢いの良さを見せつけてくれた。さっそく、基調講演の模様をお伝えしたい。


■ TGSフォーラム基調講演のサプライズは、「鉄拳6(仮)」、「Halo 3:Recon」

LIVE担当の米Microsoftコーポレートバイスプレジデントのジョン・シャパート氏。今回はXbox事業の代表者として基調講演を行なった
日本市場にとって最大のサプライズはやはり「鉄拳6(仮称)」の発売決定だろう。これで主要格闘ゲームのほとんどがXbox 360で遊べるようになる
「ナインティナインナイツ」に早くも続編が登場。発売時期未定となっているが、今回もXbox 360独占配信になる
 TGSフォーラムの基調講演の内容に入る前に、簡単にE3のメディアブリーフィングの発表内容をおさらいしておくと、ハードウェア方面の発表はなりを潜め、その一方で、「Fallout3」(Bethesda Softworks)、「バイオハザード5」(カプコン)、「Fable II」(Microsoft Game Studios)、「Gears of War 2」(Epic Games)といった強力なソフトウェアラインナップを披露した。

 プラットフォーム側のサービスとしては、Xbox LIVEの新たなGUIとなる“New Xbox Experience”(以下、NXE)が発表され、それに付随して多人数参加型のオンラインアトラクション「Xbox LIVE Primetime」や、LIVE上でパーティーが組める「Xbox LIVE Party」、「ビデオ マーケットプレース」の大幅強化など、欧米向けの新サービスが続々発表された。そして最大のサプライズはXbox 360版「ファイナルファンタジー XIII」の欧米市場での発売発表だった。

 今回の基調講演は、最近のトレンドを拾いながら、日本市場向けに特化した発表に終始。「インフィニットアンディスカバリー」に続くスクウェア・エニックスのRPG「スターオーシャン4-THE LAST HOPE-」や「ラスト レムナント」、東京ゲームショウ2008の台風の目である「バイオハザード5」、そして「アルカノイド Live!」(タイトー)などのXbox LIVEタイトルが披露された。

 今回のサプライズは、マイクロソフトのプラットフォーム向けにはシリーズ初の提供となる「鉄拳6(仮)」(バンダイナムコゲームス)と、2006年11月にXbox 360エクスクルーシブタイトルとして発売された「ナインティ・ナイン ナイツ」の続編「ナインティ・ナイン ナイツII(仮称)」(キューエンタテインメント)、そして「Halo」シリーズの最新作「Halo 3:Recon」(Bungie)の正式発表だった。

 また、このところ音沙汰がなかったEnsemble Studiosが開発している「Halo」ユニバースの世界観をモチーフにしたRTS「Halo Wars」の初の実機デモが世界で初めて披露されたほか、NXEについても、改めて実装日が11月19日と発表されるなど、日本のメディアにとってはもちろんだが、欧米のメディアにとっても見逃せない内容が目白押しだった。


■ Xbox 360値下げで日本での売り上げが5倍に!! 勢いを増す日本市場と、日本メーカー

値下げ前と後で、日本でのXbox 360の売り上げが5倍に。欧米市場でも伸びており、世界的に好調なようだ
XboxよりXbox 360のほうが、日本産タイトルの売れ行きが良いというデータ。このデータそのものにあまり意味はないが……
ホリデーシーズンまでに10億ドル。つまり2億ドル売り上げを上乗せするという
 ジョン・シャパート氏は、基調講演の冒頭で、Xbox 360の好調ぶりを示すデータを披露した。まず、Xbox 360の出荷台数が全世界で2,000万台を突破したことを報告し、中でも日本市場の売り上げは、9月11日の値下げを受けて、以前の5倍に伸びたことが明らかにされた。

 また、現在、全世界で日本のサードパーティーによるタイトルの販売本数がもっとも高いゲームプラットフォームはXbox 360であるとし、これまでにXboxより62%高い8億ドル(約800億円)を売り上げ、ホリデーシーズンまでに10億ドル(約1,000億円)に達するというきわめて強気の見込みを示した。

 さらに、ホリデーシーズンまでの日本国内のラインナップとして、「テイルズオブヴェスペリア」(バンダイナムコゲームス)を皮切りに、年末まで続く、全5本のRPGラインナップが紹介された。そのラインナップは以下の通りだ。

    ・「テイルズオブヴェスペリア」(バンダイナムコゲームス、2008年8月7日発売)
    ・「インフィニットアンディスカバリー」(スクウェア・エニックス、2008年9月2日発売)
    ・「ラストレムナント」(スクウェア・エニックス、2008年11月20日発売予定)
    ・「Fallout 3」(ベゼスダ・ソフトワークス、2008年12月4日発売予定)
    ・「Fable 2」(マイクロソフト、2008年12月18日発売予定)

 シャパート氏は、「これに留まらない」として、「スターオーシャン4」、「バイオハザード5」、「ナインティ・ナイン ナイツII(仮称)」、「鉄拳6(仮称)」と次々に強力なラインナップを披露した。「スターオーシャン4」は、今回改めて発売日が2009年2月19日(北米は2009年3月3日)とアナウンスされ、すでに発売日が2009年3月12日(欧米は3月13日)と発表されている「バイオハザード5」は、開発の好調ぶりを示すクオリティの高い最新映像を披露した。初公開された「ナインティ・ナイン ナイツII」は、Xbox 360エクスクルーシブタイトルで発売時期未定。「鉄拳6(仮称)」は2009年秋発売予定となっている。

    ・「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」(スクウェア・エニックス、2009年2月19日発売予定)
    ・「バイオハザード5」(カプコン、2009年3月12日発売予定)
    ・「ナインティ・ナイン ナイツII (仮称)」(キューエンタテインメント、発売時期未定)
    ・「鉄拳6(仮称)」(バンダイナムコゲームス、2009年秋)

「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」と「バイオハザード5」はそれぞれ発売日も決まり、マイクロソフトブースでも試遊台が出展されている。年末に続く、次のビッグウェーブとなる大作群だ

 Xbox LIVEアーケードについてもいくつかの国産の新作タイトルが紹介された。Xbox LIVEの性質上、公開日や価格は明示されなかったが、トピックとしては「アルカノイド」と「スペースインベーダー」のXbox LIVEバージョンを公開するなど、タイトーがXbox LIVEへの本格参入を表明したことだろう。それから往年の名作シューティング「R-TYPE」のリメイク作品「R-Type Dimensions」も、一見、単なるHD版かと思わせておいて、ステージが突然3D空間に切り変わるなど、ユニークな演出が見逃せない。気になるラインナップは以下の通りだ。

    ・「アルカノイド Live!」(タイトー)
    ・「The King of Fighters '98 Ultimate Match」(SNKプレイモア)
    ・「Metal Slug 7」(SNKプレイモア)
    ・「Meteos Wars」(キューエンタテインメント)
    ・「R-Type Dimensions」(マイクロソフト)
    ・「スペースインベーダーエクストリーム」(タイトー)
    ・「Shadow Assault ~TENCHU ~」(フロムソフトウェア)


Xbox LIVEアーケードも続々新作タイトルが登場。New Xbox Experienceと時期を合わせて、Xbox LIVEの「コミュニティーゲームチャンネル」から、XNA Game Studiosで開発されたゲームが配信される予定となっている

真打ちといった印象で最後の最後に発表した「Halo 3:Recon」。続編でもアドオンでもなく、サイドストーリーを描いた新フランチャイズだ
 そしてシャパート氏は、基調講演の最後に「Halo」フランチャイズの新展開として「Halo Wars」と「Halo 3:Recon」を発表した。たちまち欧米のメディアから拍手がわき起こり、特に欧米での期待度の大きさを伺わせた。

 完全初出となる「Halo 3:Recon」は、他のタイトルと同様、動画の撮影は禁止だったため、雰囲気をお伝えできないのが残念だが、基本的な内容としては「Halo」シリーズの主人公マスターチーフではなく、UNSC(国連宇宙軍)海兵隊に属する軌道降下特殊部隊ODSTのメンバーのひとりとして「Halo 3」のサイドストーリーを楽しめる。

 ストーリーラインとしては、伝説の戦士マスターチーフがコヴナントを追い、南アフリカのニューモンバサの地へ帰還する一方で、UNSCの軌道降下特殊部隊ODST がこの地で体験した、地球の運命を暗示させる驚愕の事実に直面する……というもの。会場で公開されたプロモーションムービーで印象的だったのは、荒廃した都市の中で、コヴナントの集団と対峙した主人公の身の振り方で、彼は銃を手に戦うのではなく、なんと物陰に身を潜めて、コヴナント達をやり過ごしたのだ。リリースによれば、「Halo」シリーズのゲームシステムを継承しつつ、“潜入などの戦術的なテクニックを必要とする”とある。「Halo 3」のバトルにプラスして、「METAL GEAR SOLID」シリーズや「Splinter Cell」シリーズのようなスニークアクションも楽しめそうだ。

 ちなみに、なぜわざわざこのタイミングで日本での発表に踏み切ったのかは、マイクロソフトの関係者数人に聞いたが不明確だった。しかし、米Microsoftは「Halo 3:Recon」を東京ゲームショウで公開するために、周到な準備を重ねていたことだけは間違いないようだ。東京ゲームショウがインターナショナルショウとしての性格を明確にしつつあるといった印象だ。シャパート氏も、「東西(日本と米国)のベストを提供できた」と喜びを隠さなかったが、自他共に納得できるラインナップと言えるだろう。

「Halo Wars」は、「Halo」ユニバースの世界観をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。発表そのものは2006年9月とかなり古いが、具体的な形を見せ始めたのは、今年になってから。日本での公開も今回が初めてだ。発売時期は2009年初旬を予定


■ New Xbox Experience公開日は11月19日に決定

New Xbox Experienceの実装日を公開するシャパート氏。11月19日。意外と時間がかかったというのが正直な印象だ
 基調講演の後半では、シャパート氏の担当分野であるNew Xbox Experienceの実装日と開発の進捗が明らかにされた。E3で公開されたものとは多少デザインが変えられ、また日本語へのローカライズも完了しており、いよいよ完成間近といった印象だ。  まず実装日については、11月19日と発表された。開発の進捗を伝えるデモンストレーションでは、アバターの完成度が高まったためか、E3公開時よりもアバター関連機能がさらに充実した印象を受けた。

 まず、アバター作成のデモが披露されたが、ユーザーはランダム生成されるサンプルアバターから気に入ったものを選ぶことからスタートする。このサンプルアバターは1度に10体ずつ表示され、気に入らなければいくらでも10体ずつ“おかわり”ができる。好みの1体を選んだ後は、顔、体、服、アクセサリーなど、ディテールをカスタマイズしていく。

 今回初公開された機能としては、ゲーマーアイコン作成機能がある。これは自分のアバターに動きを取らせて、それを撮影にしてオリジナルのアイコンを作成するという機能だ。なお、髪型や服、アクセサリーといった各パーツを有料販売するつもりはないという。基本的にすべて無料で提供される。もちろん、パーツを追加する機能も備えており、ゲームの褒賞としてパーツが提供される可能性はあるようだ。

 作成したアバターは、常にメニュー上に表示され、LIVEパーティーに参加するときはそのまま自分の分身として表示され、「UNO RUSH」等のアバター対応ゲームでも分身となる。このアバターはサードパーティーにもAPIが開放されており、今後、カジュアルゲームの宝庫であるXbox LIVEで対応タイトルが生まれてきそうだ。

 なお、E3での発表と比較すると一目瞭然だが、米国で予定されている内容と、日本の内容は機能的にかなりの差がある。日本でも実装される機能としては、Xbox LIVEパーティー、Xbox LIVEコミュニティゲーム、スポットライトなどが挙げられる。逆に日本では実装が見送られたものとしては、「1vs100」等のアバターを軸としたオンラインエンターテインメント「Xbox LIVE Primetime」や、「ビデオ マーケットプレース」によるストリーミングによる映像配信サービスなどが挙げられる。

 最後に、これは基調講演では発表されなかったが、Xbox LIVEを楽しむための専用パッケージ「Xbox 360 ハードディスク(60GB) LIVE パック」が11 月13 日より発売されることが明らかになった。60GBハードディスク、Xbox LIVE3カ月ゴールドメンバーシップ、ヘッドセット、LANケーブル、「Hexic HD」のコードがついて11,550円となっている。

最新のNew Xbox Experienceのデモンストレーション。テーマで背景を変えられたり、オリジナルのゲーマーアイコンが作成できたり、クローゼットにコーディネートを登録できるなど、かゆいところに手が届くアバターシステムとなっている。11月19日が楽しみだ

□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□マイクロソフトのページ
http://www.xbox.com/
□関連情報
【10月9日】バンダイナムコ、舞台は次世代機へ
PS3/Xbox 360「鉄拳6(仮称)」2009秋発売!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081009/t6.htm
【7月15日】米Microsoft、「E3 2008 Media Briefing」を開催
「FF XIII」、「Fallout 3」、「Rockband 2」など大量の新作を発表
Newダッシュボードとアバターを軸にした“New Xbox Experience”とは!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080715/e3_ms.htm

(2008年10月9日)

[Reported by 中村聖司]



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