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会場:コーエー本社
今年のインタビューでも松原氏は精力的にさまざまな提言や、自社タイトルに対する抱負を述べてくれたが、昨年に比べるとニュアンスに大きなズレを感じた。特に次世代機に関しては、一定の留保を付けつつも、まずはPC、次に海外展開、そして拡張ディスクという明確な姿勢を示した。これは、次世代機へのオンラインゲーム展開は大前提であり、問題はどのプラットフォームを選ぶのか、というレベルで語っていた昨年のニュアンスとは大きく異なる。松原氏自身もインタビューの中で「(自分の見込みより)大分違ったな(笑)」と情勢の“読み誤り”を認めている。少なくとも2007年は、これまでのオンラインゲーム開発、運営のノウハウを詰め込んだ刺激的なタイトルが、次世代機において生まれる可能性は低くなったと言えそうだ。今年のAOGCで松原氏が何を語るのか楽しみである。 さて今回のインタビュー前編では、「信長の野望 Online」、「大航海時代 Online」、「真・三國無双BB」といった既存コンテンツの手応えと今後の展望をふまえつつ、次世代機戦略について語っていただいた。後編では、現在クローズドβテスト中の「三國志 Online」と、昨年実施されたGAME CITY事業部へのオンラインゲーム運営事業の移管、そしてリアルマネートレードなどを通じて、コーエーが現在推進するマルチコンテンツ戦略の今後の行く末を語っていただいた。
■ ユーザー増の起爆剤は「拡張ディスク」。PS3版「信On」は否定的
松原氏: シンガポールで作っている分には影響はありませんでした。クローズドβは日本でサーバーを立ち上げますが、海底ケーブルが寸断された影響で、データが日本に送れないなどの影響があり、地震当日は仕事どころではなかったです。日本ではあまり話題になりませんでしたが、台湾・香港・マカオはインターネット系で大騒ぎになったと聞きます。(インターネットは)まだまだ安定したインフラとは言いがたいなと思いましたね。 編: 2006年は松原さんにとって本当に忙しい年になりましたね。 松原氏: 昨年は、私が担当しているオンラインゲーム各タイトルで拡張パックをリリースしました。また、「真・三國無双BB」がサービスインし、今年1月からですが中国で「大航海時代 Online」の課金サービスが始まりました。拡張パックと海外展開で本当に広がった1年でした。 編: ビジネス規模としては成長したのでしょうか。 松原氏: 確実に成長していると思います。もっともっと成長させたいところです。「大航海時代 Online」や「信長の野望 Online」の拡張パックをリリースすると、新しい方が入ってきてくださったり、以前プレイされていた方が戻ってくるきっかけになったりしています。8月に始まった「大航海時代 Online ~La Frontera~」、12月の「信長の野望 Online ~破天の章~」はお蔭様で右肩上がりの好調です。このままのペースで行って欲しいと思います。 編: 拡張ディスクを発売するとユーザーは増えるのでしょうか。 松原氏: お陰様でかなり増えましたね。今回の「信長の野望 Online ~破天の章~」では新しい職業を追加し、グラフィックもかなりの追加要素がありました。プレイしている方も面白みを感じていただいているようで、戻ってこられる方が多いのを実感しています。 編: 「信長の野望 Online」、「大航海時代 Online」共にローンチではつまずいた部分がありましたが、今回この辺はいかがでしたか。 松原氏: 「信長の野望 Online ~破天の章~」は、前回「信長の野望 Online ~飛龍の章~」の反省を踏まえ、すべての職業に全部の機能を実装時に盛り込みました。ユーザーの皆様へ順調にサービスできたのではないでしょうか。 編: 「信長の野望 Online」は随分と息の長いタイトルになりました。人気が持続している理由は何だと思いますか? 松原氏: 引き続きプレイステーション 2でプレイしていらっしゃる方が多く、WindowsとPS2で半々くらいになっています。家庭用ゲーム機でMMOがあまり普及していない時に始めて、最初にユーザーさんを獲得できたところが大きいのではないでしょうか。 また、ゲームの中の取り組みとしては合戦でしょうか。戦いをテーマにしたMMOはたくさんありますが、合戦は仕様を少しずつ変えながらも盛り上がっています。東西合戦を6月のサービスインの記念日に合わせて毎年行なっていますが、だんだん年中行事化してきました。この流れを活かしていきたいと思います。 編: PS2版のユーザーが期待するのはPS3版ではないかと思います。12月にPS3への動作対応はしました。今後どうなるのでしょう? 松原氏: これは「信長の野望 Online」のようなオンラインゲームに限りませんが、あくまで我々コーエーはPS2プラットフォームに提供しています。PS3にPS2タイトルのコンパチビリティがあるかどうかはSCEさんの提供なさる内容、という認識です。PS3対応です、と我々が言うよりも、PS2とコンパチビリティがあるからPS3でも動きます、という形です。他のパッケージゲームでも同じです。 編: となると、やはりPS3版「信長の野望 Online」を作るのか否かという話になってくるかと思いますが。 松原氏: PS3版のクライアントを作っていくかに関して、現時点ではそこまでのコストをかけて同じゲーム性の中でグラフィックスを綺麗にすることがユーザーの皆様に対してのメリットに繋がることでしょうか? 私はそれよりは次の拡張パックに向けて新しいことをやった方がいいのではないかと考えます。ご質問の趣旨を先取りしますと、グラフィックスが古びてくるのはMMORPGの宿命ですね。しかしどこかでグラフィックスエンジンを差し替えるのは実際には難しいですね。 編: それはグラフィックスは変えずに、PS2のまま行くという覚悟を決めたということですか? 松原氏: はい。PS2のプラットフォームで出していますので、あの環境で動くという部分はキープしなければなりません。パソコンですと時代と共にCPUであれグラフィックであれメモリであれ、毎年毎年進化があります。PS2のように固定されているプラットフォームでは、それがメリットとなる反面新しいものを大きく追加するのは大変なことです。グラフィックスを1から作りかえるというのは難しいと思います。
■ オンラインゲーム事業の次世代機戦略に変化あり
松原氏: 国内に1,800万台もあるPS2と100万台にまだまだ届くかどうかというPS3という現状を見ますと、我々はまだまだPS2には頑張ってもらわないと、と思っています。実際、PS3が立ち上がってきてもスッとシュリンクするのではなく、ゆっくりフェードアウトという感じに近いと想像しています。将来的に見れば、PS3の開発がメインになる時代が来ると思うのですが、それが今年の年末なのか。もっと先なのかちょっと見えなくなってきている部分もあると思います。 去年、私は2006年はコンソールのオンラインゲームの幕開けだとコメントしました。しかし大分違ったなと(笑)。正直に言ってしまうとPS3にかなり期待していた部分もあって、そういう方向に進むのではないかと思っていましたが、少し状況は違いましたね。 編: 年末商戦を見て、次世代機の売れ行きやローンチタイトルの内容が松原さんの予想とはちょっと違ったということですか? 松原氏: 言い訳になりますが、ゲーム業界はIT業界も含めて、1年先はわからないのだなと思いました(笑)。去年のAOGCで自分で言った事を覚えていますよ。「長い夏になるのでしょうね。PS3が出てくるまで」と。 編: WiiとDSの躍進は予想範囲内でしたか? 松原氏: DSに関しては、2005年の時点で「脳トレ」などが出ていてかなりきていたのはわかっていました。ああいったゲームで伸びるだろうというのは大体予想はできました。しかしこんなに早く1,300万台突破するという予想はできませんでした。「おいでよ! どうぶつの森」やオペラブラウザが出たりといった動きを見ていると、今までのMMORPGとは違うオンラインゲームにいくのではないかな、というのが現状だと思います。そういう意味では、まだまだWiiでもDSでもこれぞというオンラインゲームタイトルはまだ出ていないように思います。 編: 韓国のNEXONさんが「メイプルストーリー」という代表作をDSでリリースするという発表を行ないましたね。 松原氏: どのような形で出すのでしょうね。私もはっきりわからないのですが、DSに対する韓国の積極性を感じます。任天堂の韓国マーケット正式参入はDSが初めてだと思いますが、NEXONさんという韓国のデベロッパーとして歴史のあるところが名乗りを上げたのは追い風になると思いますね。 編: 私はむしろ日本に置き換えて考えてみたいんですが、「信長の野望 Online DS」のようなタイトルが出てきてもおかしくないと思うんです。しかし、実際はコーエーさんを含む各メーカーさんはプラスワンのビジネスとしてモバイルを指向されていた。その間に、いつのまにかというぐらいのスピードで、巨大なDS市場が出来上がってしまいました。オンラインプラットフォームとしての可能性はいかがお考えでしょうか? 松原氏: 確かにWiiとDSのオンラインに関してはこれから非常に積極的に取り組むべき課題です。任天堂さんはDSを出したときに、WiFiコネクションの特徴として「簡単、安心、無料」の3つを挙げました。「簡単、安心」は良いのですが、最後の無料というのはMMOのコンセプトと違うのではないでしょうか。オンラインゲームにとって「無料」というのは、「おいでよ! どうぶつの森」のように数百万本売れるなら別ですが、サービスに対してお金を頂くモデルでやってきましたのでビジネスモデルでマッチしない点はあります。 しかし、子供やお年寄り向けにも安心してオンラインゲームに入っていただくには非常に重要なテーマを持っています。これから先オンラインゲームの中で、サービスに対する課金を任天堂さんがどうするかはわかりませんが、DSやWiiは機能としては持っている。任天堂コネクトという、プリペイドポイントを使ってお支払いすることができる仕組みもあり、Wii Connect24がどのように使われるようになるのか、オンラインゲームの可能性に注目しています。 編: 昨年松原さんが大本命としていたPS3についてはいかがでしょうか。 松原氏: 非常に期待をしているのは変わりませんが、世間の期待にはまだちょっと追いついていないと感じています。それだけハードとして難しい。本格的にPS3のハードの能力を使うゲームタイトルが出てくるのが今年の後半以降といわれています。それだけPS3のポテンシャルを活かしきるためには、まだまだ時間がかかるのではないかと思います。 現時点では開発環境の整備においてXbox 360の方が先行していると思います。XNAという開発基盤が成熟してきておもしろいタイトルが生まれつつあります。両社を比較すると、PS3はまだ開発の途中にあるのだろうなと思います。今年はこれが成熟してきて、コーエーも作っていますが、かなりタイトル数が増えるし、PS3の性能を活かしたゲームが見えてくるのではないでしょうか。 編: 次世代機で共通しているのは、オンラインゲームのメインストリームであるMMORPGの新作がまだ出てきていないというところです。デベロッパーとしてお伺いしたいのですが、これは何故なのでしょうか? 松原氏: オンライン環境が普及していくと共に、もっともっとカジュアル系のオンラインゲームが出てきます。オンラインゲームの本来の魅力である「人と一緒にやる」という楽しみはMMORPGか否かにかかわらず等しく存在します。やはり、レベルを上げて長期間かけて成長していくというMMORPGよりも、入りやすさという点でもう少し簡単に入れるカジュアルなタイトルを、コンソール機のプレーヤーの方々は期待しているのだと思いますね。 編: なるほど。DSではこのところ「オシャレ魔女 ラブ&ベリー」や「ドラゴンクエストモンスターズ」などサードパーティ製タイトルに勢いが出てきていますが、実際にプレイしている内容は本質的にオンラインゲームと変わらない気がします。 松原氏: 確かに「ラブ&ベリー」は、中国や韓国で流行っているオンラインタイトルに近いものがあります。そういう意味では確かに土壌はありますね。DSやWiiに我々も注目していないわけではないです。ただ、市場の波がものすごく早い。 「信長の野望 Online」はPS2で出していますが、他のオンラインゲームは全部PCで出しています。それは日本だけではなくグローバルに、特にアジア展開を考えていたので、「大航海時代 Online」以降はパソコンというプラットフォームを中心にすえていたのは確かですね。 編: そういえば、「大航海時代 Online」は商業的に成功したといえると思いますが、以前、成功した後はコンシューマ展開があってもいいという発言をされていましたよね。 松原氏: うーん。果たしてコンシューマへの展開は、ユーザーの皆様が望む姿かなと思うのです。パソコンで出したMMOがコンソールに行くのがこの先のオンラインゲームの姿なのか。一部にはその可能性もあるかもしれませんが、私はコンソールは操作性の点からカジュアル性の高いゲームのほうが望ましいのではないかという気がしています。そういう点で「真・三國無双BB」の方がコンソールへの親和性は高いと思います。 編: PS2で誕生したオンラインゲーム「モンスターハンター」が、PS3ではなくPCに来ました。個人的に時代の動きを象徴した出来事だと思いました。 松原氏: 私も非常に注目しているタイトルです。PS2でもPSPでも本数が出ているタイトルがPCに来たというのは楽しみですよね。 編: 松原さんの中では、オンラインゲームプラットフォームは、やはりPCという結論が出ているような印象ですね。 松原氏: 現時点で新たなMMOを作るプラットフォームとしてはですね。どのようにコンソール向きのオンラインゲームを出していくのかについて我々はまだ探っているところです。リソースが無限にあればやりたいことはあるんですけど、私はすでに4タイトル抱えてますしね(笑)。 現時点では、PCを優先的にやっていますが、当然コンシューマに向けてのアイデアもあります。ただ、コンソールに対して、いつ、どのような形で行くのかに関してまだ外にお話できる段階ではないです。私は今年のAOGCで、「今年からコンソールのオンラインゲームの方向性が見えてくるだろう」と、2006年に言った台詞をもう一度言わなければいけないと思っています。
■ 気になる「真・三國無双BB」の今後の展開について。今後はニーズに応える施策を
松原氏: 開発当初からネットワーク上でリアルタイムのアクションを実現できるかというチャレンジングな試みでした。お蔭様でサービスインでき、Yahoo!BBさんの会員様専用(注1)でサービスしています。 しかし、我々としてはもっと多くのユーザーさんに遊んでもらいたいなと思っています。ユーザー増に結び付けられていない要素として、パソコンの要求スペックが高くて、まだまだ普及レベルにまで十分達していないことが挙げられます。それからISPを限定していることで「遊びたいんですけど……」というお客さんのニーズに届いていないのかなと思います。本来のニーズの高さに関してはゲームショーでは非常に多くのお客様からレスポンスを頂いていますので十分に感じています。それに答えていきたい。 パソコンのスペックについては、できるだけ普及レベルの仕様を目指しました。CGにおいてもXbox 360やPS3と同じ世代の表現を「真・三國無双BB」に採用したため、ある程度高いスペックにならざるを得ませんでした。お蔭様で遊んでいただいた方には次世代機以上に綺麗だと言ってくださるのですが、それを実現するためにはそれなりに性能の高いグラフィックスカードが必要です。 編: ゲーム内のコンテンツは順調にアップデートされていますけれども、ビジネス的な部分でISP固定による入り口の狭さが、結果として敷居の高さになっていますが、これは今後どのように乗り越えられていくのでしょうか。 松原氏: より多くのユーザーさんに楽しんでいただくというのがELEVEN-UPさん引いては我々にとってもビジネスになるので、そのあたりの方策も考えていきたいと思います。我々はそういう状況に適応できるようなコンテンツを提供したりイベントを行なったりしていきます。 編: 要求スペックの高さについては、低スペック版のクライアントをリリースする予定なのでしょうか? 松原氏: 低スペック「版」という形ではなくて、今の形のまま普及レベルのPCでも動作するように徐々に対策をとっていきたいと思います。たとえば「大航海時代Online」は元々かなりの低スペックのマシンでも動くように作りましたが、「真・三國無双BB」でもそれは意識していたのです。しかし2006年にリリースして長く長くプレイしていただこうと考えたとき、2006年はPS3もXbox 360も出てくる。その中でコーエーが「真・三國無双BB」を出すときに、やはりその時代の最先端のグラフィックスが必要だと考えました。ですからどうしても普及レベルよりはもう少し上のPCが必要になりますが、もっと裾野を広げられるように今後も改良を続けます。 編: 「真・三國無双BB」は、現在ネットカフェとYahoo!! BBという2通りの接続方法がありますが、この比率はいかがでしょうか? 松原氏: ネットカフェは店舗が伸びていますので、具体的な数は毎週数字が伸びています。比率という点では、まだ初めて間もないので、どちらがということを判断する段階ではないと思います。 編: なるほど。日本でISPを変えるのはいささか大変で、それを裏付ける動きなのかなと思いますが、固定ISPとネットカフェ展開だけでは、ちょっとやはり入り口が狭いのかなという気がしますが。 松原氏: ソフトバンクさんはブロードバンドで高いシェアをお持ちですが、できるだけ多くの方へぜひプレイしていただきたいという気持ちはあります。ELEVEN-UPさんもそれは同じ考えだと思います。ネットカフェをどう展開していくかという中で、状況を見ていきたいと今は考えています。 編: たとえばネットカフェ大手さんと全面的に組むというのも1つですし、日本のゲーム業界はなんといってもアーケードが引っ張ってきているので、アーケードに展開するというアイデアもあると思います。 松原氏: 「真・三國無双BB」の開発コンセプトとしてはMMOの要素を持った「無双」なので、やはり家庭で楽しんでいただく姿を想定しています。アーケードとはちょっとコンセプトが違うと思います。ネットカフェ展開もあくまでネットカフェで楽しんでみて、ずっとやりたいというのであれば家庭でどうぞという流れです。 編: 「無双」シリーズはもともとコンシューマゲームですが、果たしてその層にリーチできているのかなという疑問があります。 松原氏: 理想を言えば、百何十万人いるすべての「無双」ユーザーにプレイしていただきたい。さらに新規のプレーヤーを獲得したい。しかし、この辺がやはりコンシューマのオンライン展開で考えなければいけない点ですが、現時点ではプラットフォームはPCが最善だと思います。 というのは、3年前にインターネットの上で「無双」のアクションを実現しようと思ったときには、コンソール機でそれだけ多くのユーザーがインターネットサービスを利用するという姿が想像できなかった。割りとゲーマーの中でもテクノロジーに対してある程度関心の高い層がターゲットになると思ったんです。3年前に比べて光回線が普及し、インターネットの環境は変化してきていますが、ゲーム専用機をインターネットに繋がせて遊ぶというタイプのゲームは、ゲーム性を含めてもう少し時間をかけて捉えていきたいと思います。 編: 「真・三國無双BB」は、「無双軍檄」という形で従量制の課金モデルを採用しました。ユーザーさんの反応はいかがでしょうか。 松原氏: ご意見としては色々伺っていますが、受け入れていただける内容だと考えています。ただ、○×の評価を下すというものではないと思います。オンラインゲームではゲームシステムと同じように、ビジネスモデルもバランス調整の変化をすることもあるでしょう。現時点では、まだまだユーザー数を増やしていく段階なので、こちらもELEVEN-UPさんと一緒に状況をみたいと思います。 世の中に同じ課金モデルはあります。例えば遊園地です。入場料という固定料金があった上で、追加で料金を払ってアトラクションを楽しむこともできる。従量制と固定制を併用した形です。我々がチャレンジしたかったのは「真・三國無双BB」のMO戦闘の部分をどうビジネス化するかでした。単純に基本プレイ無料のアイテム課金という形ではなく、新しいチャレンジをしましたので、ぜひプレイしていただきたいと思います。 編: 「無双BB」の海外展開について聞かせてください。 松原氏: まだご案内できないですが、話は進んでいます。今年のそう遠くないうちにいろいろお話がご案内できるのではないでしょうか。最初の展開地域は、やはりアジアの中でもブロードバンドが十分発達しているエリアです。将来的には世界中にいきたいですね。 編: 欧米も含めてでしょうか。 松原氏: そうですね。しかし欧米はブロードバンドという点ではまだまだです。一部の地域は良くてもまだまだ値段が高い。ブロードバンドの普及に関して価格が非常に重要だなと思います。ソフトバンクさんが参入して、急激に価格破壊が起きました。欧米でも高速ブロードバンドの提供はあるのですが、価格が日本の何倍もするのですよね。韓国と比べても、普及率では韓国のほうが上なのですが、1Mbpsあたりの実勢価格でいえば日本のほうが安いのです。そういう世界になってくれば「真・三國無双BB」にとっては歓迎良い状況ではないかと思います。 編: 話は変わりますが、「ガンダム無双」は面白いコラボレーションだと思いました。「ガンダム無双BB」にすれば、とても楽しいのではないかと(笑) 松原氏: 難しいなあ(笑)。そもそも、オンラインでどういうゲーム性を期待しているのでしょうか、イメージできますか(笑)。私はそんなにガンダムは詳しくないんです。今回も社内のテストプレイに参加しながら、世界観の部分は他のスタッフに任せて、アクション性などをチェックしていました。ゲームとしてはとても面白いと感じました。あれをオンライン化するのでしたら「真・三國無双BB」とはまた違った切り口を考えないといけないだろうなと思いました。 以下、後編へ (C)KOEI Entertainment Singapore Pte.Ltd / (C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved. ※(注)『真・三國無双BB』は、Yahoo! BB、およびSoftBank ブロードバンド サービス(株式会社デオデオが提供するエンジョイBBサービス、株式会社Nexyz.BBが提供するNexyz.BBサービスをご利用の方)専用サービスとなる。
□コーエーのホームページ (2007年2月14日) [Reported by 中村聖司]
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