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会場:パレスホテル
■ 「グランディアオンライン」、「北斗の拳オンライン」は年内にサービスイン
森下氏の説明は、基本的に今年2月に開催されたアジアオンラインゲームカンファレンス2006のキーノートスピーチの内容をベースにしつつ、特に株主向けの説明ということで、さらに経産省や野村総研、電通総研が出した客観的な未来予測データを織り込みつつ、現況は全面的にガンホーにとって追い風で、マーケットトレンドも歓迎すべき状況が到来しつつあり、今後も成長的収益拡大が見込めることを報告した。 今年の事業戦略は大別して3つのセグメントにわかれており、1つ目がオリジナルタイトル展開。これは著作権の確保、海外展開などによる収益機会の増大などが主な狙いで、この背景には昨年連結子会社化したゲームアーツを開発スタジオ化できたことが大きい。現在、ゲームアーツでは、ガンホーと共同で「グランディアオンライン」、「北斗の拳オンライン(仮)」を開発しており、共に年内のサービスインを見込んでいる。 「グランディアオンライン」については、早ければ春、遅くとも梅雨時期には正式サービスに向けて本格始動を開始するものと見られるが、「北斗の拳オンライン(仮)」については、現時点でゲーム画面はおろかコピーライトすら定まっていない段階であり、オンラインゲームビジネスの常識から考えて「2006年内サービスイン」は極めてきわどいラインだ。 ガンホー初のオリジナルタイトルである「エミル・クロニクル・オンライン」については、海外向けライセンスを保有する韓国Gravityを介し、シンガポールのInfocomm Asia Holdingsと、東南アジアおよびオセアニア8カ国でのサービス開始に向けて交渉を進めている段階だという。 なお、「グランディアオンライン」と「北斗の拳オンライン(仮)」についても、海外展開を前提に開発が進められているようで、共に原作とストーリーがあり、一定のファン層を抱えていることから、日本やアジア圏のみならず、欧米での展開も考えているようだ。質疑応答では、森下氏から今年5月にロサンゼルスで開催されるE3で商談を進める意志も明らかにされた。 2つ目は「ワンソースマルチユース戦略」。これもオリジナルタイトル展開と並んでゲームメーカーによく見られる展開のひとつだが、ブロッコリーやジー・モードとの業務提携をベースに、グッズやフィギュアといったマーチャンダイズ、モバイルプラットフォームへのマルチ展開、出版事業、eコマース(オンラインショップ)などを展開していく方針としている。 3つ目が森下氏が「ガンホーグループの中心的役割を担う」と紹介した「ポータル事業展開」となる。これはジー・モードとの合弁会社ガンホー・モードが今夏より正式サービスを開始するポータルサイト「ガンホーゲームズ」を指している。
■ ガンホーグループの中核事業「ガンホーゲームズ」
現時点で確定している「ガンホーゲームズ」の概略を説明すると、まず初夏の段階では、ゲーム、アバター、コミュニティの3つのサービスを開放し、順次機能を拡大させていく。サービスを利用するためにはガンホーIDが必要で、すでにガンホーIDを所有しているユーザーは新たな手続きなしでサービスを利用できる。逆にジー・モードの会員は、利用キャリアにかかわらず、新たにガンホーIDを取得する必要がある。仮にガンホーとジー・モードの会員それぞれをユニーク数として換算した場合、すでに230万人相当のユーザーを抱えていることになる。これは大きな強味だろう。 イメージデザインを見る限りでは、汎用ゲームポータルらしい外見を備えているが、提供ゲームコンテンツは、ガンホーグループ(ガンホー、ガンホー・モード、ゲームアーツ、ジー・モード、ブロッコリー、その他新規事業提携先)に限定する方針で、既存のガンホー公式サイトとの差別化については現在調整中としている。また、対応プラットフォームはPCのみで、順次モバイル(携帯端末)、次世代機へと広げていく。 初夏に提供が開始される3つのサービスの概要を紹介すると、まず、ゲームサービスについては、ガンホーグループのゲームコンテンツに加え、PC向けのカジュアルゲームも新たに複数が提供される。カジュアルゲームの開発はジー・モードが担当しており、ビジネスモデルについては未定となっている。 アバターサービスは、いわゆるコミュニティの分身としてのアバターと、そのオシャレアイテムの販売に加えて、ゲーム内アイテム(おしゃれ着、レア装備、レアカラーなど)の販売というニュアンスも含んでいる。現在、期間限定(3月31日まで)でオープンしているガンホーオンラインショップは、いわばそのテストモデルであり、ガンホーゲームズでは現在提供されているサービスの発展型が提供されると考えて良いだろう。 コミュニティサービスについては、「ユーザーの趣味・嗜好に沿った情報配信」、「ユーザーカスタマイズ機能」、「ブログ機能(ブログ作製、コメント、画像掲載機能)」、「ゲームイベント開催、スケジュール管理機能」などとしており、具体的なデモンストレーションなどは行なわれなかった。 最後に森下氏は、2006年リリース予定タイトルとして、「グランディアオンライン」、「北斗の拳オンライン(仮)」、「エクストリーム・サッカー」の3本を取り上げた。いずれも具体的なサービススケジュールについては言及しなかったが、同社の中核事業であるオンラインゲームの配信に今後も力を入れていくことをアピール。ガンホーゲームズが予定通りに初夏にサービスが始まり、さらにこれら3タイトルも年内にサービスインするということになれば、今年は2005年度以上に激動の1年になりそうである。
株主に対してアピールしたこれら努力目標がきちんと達成できるかどうか、オンラインゲーム時代のゲームプロデューサーである堀誠一氏が「グランディアオンライン」で何を見せてくれるのか、ガンホーゲームズの新世代のコミュニティサービスとは何なのか。これらが今年すべて明らかになる。引き続き今後の展開に注目したいところだ。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2006年3月30日) [Reported by 中村聖司]
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