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★PS2ゲームレビュー★

変わらないポリシー、壮大なムダが心を暖める
「みんな大好き塊魂」

  • ジャンル:ロマンチック
  • 発売元:株式会社ナムコ
  • 価格:5,229円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(7月7日)



 7月7日、ついに「みんな大好き塊魂」が発売となった。「塊魂」に関しては、もはや前作のレビューに書いてあるとおりで、改めて語ることはネタばれ要素ぐらいしかない。続編となる「みんな大好き塊魂(以下、みんな大好き)」においても、操作方法、基本ルールは一緒なので、ここで改めて説明する必要はないだろう。ぶっちゃけ、前作が楽しめた人はこのレビューを読む必要はないといっていい。即、お店に駆け込んで初回限定の王子ストラップをゲットしにいってほしい。

 とはいうものの、「せっかく見に来たんだから、少しぐらい実になる話を書いてくれよ~」という方、そして、不幸にして前作を体験されたことのない方、また、「買う前に見に来たんだけど、ちょっとぐらい違いとかないのかよ? 教えろよ!」という方に向けて、本作のレビューをお届けしたいと思う。

体格、トークとなにをとっても宇宙一すばらしい偉大なる大コスモの王様と、王妃様が目いっぱいクローズアップされたオープニングムービー。バックに流れるは「塊魂」でもソウルフルなバラードを歌ってくれた松崎しげる氏による「塊オンザスウィング」。センキュー! アレ? 王子は?(小さいのでなかなか見えません)



■ 「みんな大好き」の世界にいらっしゃい

ディスクロード後、セーブデータの読み込みも塊を転がすのは前作と一緒
 まず、記事下にリンクしてある関連記事をごらんになればおおよそのことはわかるのだが、改めて「みんな大好き」の世界を順を追って説明していきたい。

 ふとしたことで宇宙の星々を破壊し尽くしてしまった大コスモの王様。我に返った王様は、息子である王子を地球に向かわせ、大きな塊を作ることを命じ、王子は見事に地球のありとあらゆるものを巻き込んで、いくつも塊を作り上げた。王様は大きくなった塊を星として浮かべ、なんとか地球の周囲だけでも星空を蘇らせることができたのだが、星空の復活ついでに、現実社会に山積みの難題まできれいに巻き込んでいった王様は、すっかりみんなの人気者。

 王様の下には、世界中から黄色い声が聞こえてくる。その声に応えるべく、ファンの夢を叶えてあげるため、王子は再び塊を転がすことになる……ってまた王子が働くのかよ!

【セレクト広場~課題スタートまで】
前作は「きのこ星」の上が基本的メニューになっていたが、今回は「セレクト広場」にいるみんなの声に応えることがメニュー代わり。3画面分の広さがある 声を上げているファンのところに行って○ボタンで会話を進行させれば課題がスタートする
ファンの声援でノリノリの王様。コロッと王子に課題を提出
ロード画面では左右のスティックを使って遊んでみよう 課題スタート。あわてて動くと条件を見逃しちゃうことも……


 前作未体験の方や、操作感覚を取り戻したい人には、「チュートリアル」の課題が用意されている。画面両サイドの操作方法を見ながら、塊を大きくしていけば、おのずと基本操作は飲み込めてしまうだろう。

【チュートリアル】
前作と違うのは、このチュートリアルに「段差を登る」操作の説明や「イトコを巻き込む」仕掛けがある、ということかしら?



■ 転がすだけのシンプルさと、逆転感覚こそが魅力

 さて、実際に課題をプレイしてみよう。学校ステージの課題は、規定の時間内に規定の大きさ以上の塊を作ること。最初は30cm程度の大きさの塊しかないので、目視でいいから塊以下の大きさのモノを探して巻き込んでいく。大きいものにはぶつかるだけで巻き込むことはできないが、「そろそろ巻き込めますよ」というものはぶつかると大きく揺れるサインが出る。

 また、巻き込めないモノに激しくぶつかるなどすると、巻き込んだものがはがれてしまうので要注意。動いている巻き込めないモノにぶつかると、弾き飛ばされてしまうこともある。学校ステージでは生徒や、飼育している(わりには野放し)動物たちが序盤のライバルになるだろう。彼ら(?)をよけながら、地道に塊を大きくしていくと、やがて「ホワーン」という効果音とともに画面がぶれる瞬間がある。塊が大きくなったことを表わすサインだ。この状態になるとカメラが少しずつだが上昇し、塊と周りの風景が見やすくなる代わり、どんどん王子が見えなくなっていく。

 この状態を幾度か潜り抜けると、巻き込めなかったものがじゃんじゃんと巻き込めるようになっていく。生徒や先生はおろか、机や椅子、果ては教室の壁などもどんどん巻き込めるようになる。そこまでの苦労が一気に報われる瞬間だ。

 塊を規定以上の大きさに時間内で作り上げれば成功。「王様レインボー」で帰還し、王様に星として打ち上げてもらうことができる。もし、時間内に塊を規定以上の大きさにできなかったら(課題の条件を満たせなければ)、「王様ビーム」が飛んでくる!! この「王様ビーム」に当たってしまうと小さい王子がさらに小さくなってしまうが、別にプレイに何か支障が出るわけではない。

最初は30cm程度の大きさの塊しかない。生徒や、飼育している動物たちにぶつかると大きく弾き飛ばされたりしてしまう
一定の大きさ以上になれば、王様から行動範囲が拡張したことを教えてもらえる。廊下は無限ループになっている。そして逆転の時が……!
動くものを巻き込むときは、一度塊をぶつけるときりもみ状に飛んでいく。その後を巻き込んでいくのだ。そして、規定の大きさの塊を作り上げると、花のエフェクトが出現する
その後も、時間内にできるだけ塊を大きくしていこう。特定のモノを巻き込むと、王様のシュールなトークが聞ける。また、制限時間が迫ってくると王様が教えてくれる。でも、告知時間はあいまい(笑)
制限時間終了。その後やり直すかそのまま帰るかを選択する。帰るときは前作よりパワーアップした「王様レインボー」で帰還!!
ファンの声はなかなか厳しいです。以前に星を作ったことがあれば、どちらを星にするかを選べます。残さない星は「王様ビーム」で星クズに変えられてしまいますが
もし、課題条件を満たせなければ、恐怖の「王様ビーム」が容赦なく降り注ぎます。当たると王子がどんどん小さくなってしまいますが、小さくなれば当たりにくくなるだけです



■ 多彩な塊が新たな遊びを生み出す

 ここまでは、基本的に前作から何も変わっていないところを改めて紹介したに過ぎない。あまりの変わらなさぶりに思わず笑ってしまうぐらい変わっていない。では、今作の存在意義はどこにあるのか? それはやはり「課題」の多彩さだろう。前作を振り返ると、

  • 「規定時間内に規定の大きさ以上の塊を作る」
  • 「規定時間内に規定数以上の指定したモノで塊を作る」
  • 「規定の大きさに近い大きさの塊を作る」
  • 「指定された種類のモノを巻き込んで、できるだけ大きな塊を作る」
  • 「とにかく大きな塊を作る」
といったルールが指定されていた。

 今作でもそこまでは同じ。ただし、塊の回転がスローになる「池ステージ」、雪の上で転がしているだけで大きくなる「雪山ステージ」、塊の移動スピードが上がる「レース」ステージをはじめ、塊の動作、そしてそれに合わせたルールが追加された課題がプレイできる点が大きな違いとなっている。

 このことによって何が変わったのかといえば、まずは操作感。「池ステージ」では水中で塊を転がすので、浮力によるフワフワしたフィーリングになるし、なんといっても気をつけなければいけないのは釣り人が垂らしている釣り針(エサ付き)。ひっかかって吊り上げられてしまうと一定時間ロスとなってしまう。また、「王子ダッシュ」を使うと水中でジャンプしたりなどの今まであまりお目にかかれなかった移動も可能となる。

 「雪山ステージ」では、雪の上でゴロゴロと塊を転がして聞くだけで塊が大きくなっていくので、ちょっと便利かな? と思う反面、止まりたくても急に止まれない(特に氷の上はすべる)、曲がりにくいといった違いが出てくる。このステージではくっつけたものの中に、しばらくするとさらに復活してくるモノもある。覚えておきたい。

 そして、豪快かつ爽快なスピード感が味わえるのが「レース」ステージ。前作から坂道を転がすとかなり加速してスリリングだったが、それがいつでもどこでも味わえてしまうのがこのステージだ。勢いあまって丘からジャンプしてみたり、塊をある程度大きくすると、人ごみに突っ込んでいくだけで阿鼻驚嘆のジェノサイドステージへと早変わり!

 また、子供のころには誰でも一度は夢見ただろう「お菓子の家」ステージのおいしそうなこと、花ばかりを巻き込んでいく「お花畑」ステージのきらびやかなこと……ほかにも、あんまり書くとネタバレてしまうので差し控えるが、ステージスタート直後からうっとりしてしまうようなシチュエーションや、ちょっと頭をひねりつつ、急いで塊を作らなければならないステージなどなど、塊のバリエーションの多さが新たな遊びを生み出している。これは前作にはなく、個人的にも待ち望んでいた、「みんな大好き」像だった。通常の塊を大きくするステージでも当然スケールは巨大になっており、前作以上の塊を作ることが可能。とにかく、「転がしているだけで楽しい」、「気がつくとまた遊んでる」という状態にあっという間に突入してしまうのだから、「塊魂」や恐るべし、といったところだ。

【池ステージ】【お菓子の家ステージ】【レースステージ】
釣り糸に引っかかるとちょっとピンチ おいしそうなステージは爽快感抜群 ハイスピードでハイテンションになれる
【雪山ステージ】【お花畑ステージ】【大きくするステージ】
地道な努力が実を結ぶ? 雪と戯れるステージ きれいなだけじゃない楽しい花もいっぱい 大きくするステージもスケールアップ


お気に入りのフォトグラフで空を埋め尽くせ!
 また、細かいところにも前作からの改良点が見受けられる。「王様プレゼント」でもらえる「カメラ」。1回で3点の写真が撮影可能だが、撮影した画像はなんとお空に貼り付けて掲示することができるようになった。ディスプレイする場所によっては、写真が移動するなどの仕掛けも用意してある。

 それと、タイムアタック派には何よりうれしいのが、プレイ中STARTボタンで表示されるポーズメニューに、△で「やりなおし」が選択できるようになったこと。アイテムコレクション派も、このポーズメニューで巻き込んだものリストがスクロール機能付きで表示されているので、集めたもの、集めそこなったものを確認できるのはありがたい。

 ポーズメニューでの王子たちのリアクションも楽しい。「雪山ステージ」で震えている王子、「池ステージ」でアクアラング装備の王子、いろんな王子が楽しめる。

機能アップがありがたいポーズメニュー 右下の王子のリアクションにも注目したい


 「塊魂」シリーズの魅力の1つは、相変わらず快適と感じられる短時間で終了するロード。「みんな大好き」でもロード時間は非常に短く、テンポよくプレイできる。前作からの違いという点では、唯一残念なのは、特定のステージでプレイ中に操作不能なロード時間があることだ。塊がある程度大きくなると、ステージオブジェクトの入れ替えが起こるのだが、その際10秒ちょっとだが操作ができなくなる。王様もロードはお嫌いのようで、ロードが終わると真っ先にコメントされるのだが、スケールアップの代償としてはそれほど大きな問題ではない気もする。

【プレイ中ロード画面】
特定のステージで塊を大きくしていくと、10数秒操作できないロード画面が入ることがある
新たなフィールドへと足を伸ばせるようになる


カメラの透過処理も変更されている
 また、塊がモノ影に隠れるようなシチュエーションのときの処理も前作とは変わった。前作では「塊」マークが表示され、塊の位置がわかる程度だったが、「みんな大好き」では、ステージの趣向に合わせたマスクが登場し、透過処理を行なってくれる。とはいえ、微妙な角度になると手前のモノと塊のどちらを表示するか悩むところもあるようだが、前作よりは遊びやすくなったと感じる人も多いのではないだろうか。


■ 「みんな大好き~」は1人で遊んじゃもったいない!

 前作からあった「対戦プレイ」、そして、「みんな大好き」から追加された2人協力プレイも今作の大きな魅力の1つ。対戦プレイはステージの大きさを選べるようになってスケールアップしたのがうれしいし、2人協力プレイは「右」、「左」、「前」、「後」を声を掛け合いながらプレイすると意外と楽しい。

 このゲーム、1人で遊んでもそれなりに楽しいが、シングルプレイ時も友達と転がす様を見ているだけで十分面白い。ご家庭でも、お友達同士でもぜひ、みんなで一緒に遊んでほしい。プレイ中は巻き込むことに一生懸命になってしまうと周りが見えにくいが、後ろから見ているほうは画面情報やキャラクタのリアクションなどを十分楽しめる余裕があるからだ。

【協力プレイ】【対戦プレイ】
コントローラ2つを使用し、ファンのところに2人で行くとプレイできる。王子ターンはL・R3ボタンを4つ同士押ししないとできないので難易度高し!? 3タイプのステージを選べるようになった対戦プレイ


王様プレゼントはイトコやハトコも付けられる
 パワーアップ要素に関しては、ほかにも「イトコ」、「ハトコ」の追加&プレーヤーキャラとして使用可能、「王様プレゼント」のバリエーション増加+2つまで同時装備可能といった要素がある。ただし、プレーヤーキャラを他のキャラに変更したからといって、何かパワーアップするわけではない。性能はまったく同じなのだ。

 また、「王様プレゼント」に関しても同じ。「カメラ」以外は機能を持っていないし、アクセサリを付けたからといってなにが変わるわけでもない。すべては好みのカスタマイズ要素であって、気分次第でいろいろ付け替えたりして楽しんでもらえれば十分、というものだ。

 ここまですっかり語るのを忘れていたが、前作でも話題をふりまいたサウンド関連に関しても少し触れておこう。今作の参加アーティストは以下のとおり(50音順)。宮崎吐夢さんは、オープニングムービーのナレーションも担当している。

 個人的にオススメなのはキリンジの「つよがり魂」、新沼謙治氏の「DISCO★PRINCE」、野宮真貴さんの「ベイビーユニバース」、有紗さんの「Everlasting Love」など。前作よりもさらに渋くておしゃれなナムコサウンドクリエイター陣作曲、作詞(一部異なる)の「みんな大好き」サウンドが堪能できる。王様のところに行く前に曲がセレクトできたりするのも前作と同じ。お気に入りの曲を楽しみながら塊を転がそう。

参加楽曲名 アーティスト名 プロフィール

Everlasting Love

有紗(ありさ)

'98年~'02年の間でNHK教育「天才てれびくん」にレギュラー出演後、チャンネルBB「Vジャンプテレビ」でもMC役を務める。'04年に はドラマ「美少女戦士セーラームーン」で“可愛い悪役”黒木ミオを好演。モデルとしても雑誌「CANDy」「けっこんぴあ」などローティーン誌からウェディング誌までと幅広く活躍する。

くるくるロック

イルリメ
 

大阪・高槻市出身のラッパー。独特のポップ感覚が炸裂したトラックやライムを武器に、地元・大阪、京都、そして東京のライブハウス、クラブをジャックし続けている。その強烈な存在感はコアなヒップ・ホップ・ファンの間のみならず、サブカルチャー周辺にも衝撃を与え、「QUICK JAPAN」誌、「STUDIOVOICE」誌等の雑誌でも特集を組まれるほど。

blue orb

カヒミ・カリィ

ミュージシャン。'91年デビュー以降、国内外で数々の作品を発表し、全米ツアーを行なう。NHKFMラジオのパーソナリティ、雑誌連載、映画字幕監修も。'04年、菊地成孔氏や大友良英氏らのプロジェクトに参加し話題に。前作「Trape´ziste」に続き、'04年アルバム「Montage」発表。'05年4月、5月イベントで約2年ぶりの単独ライブを行なう。by the courtesy of Victor Entertainment, Inc. Japan

つよがり魂

キリンジ
 

'96年、堀込泰行・高樹の実兄弟で結成。スウィートに練り上げられるメロディー、オリジナリティー豊かな詞世界、そして兄弟ならではのハーモニーと洗練されたサウンド・プロダクションで奏でる“キリンジ・ワールド”は若者を中心に絶大な人気を誇る。現在までにオリジナルアルバム5枚、シングル13枚をリリース。SMAPや藤井隆、Birdなどへの楽曲提供も行なっている。

塊オンザロック

Dokaka(ドカカ)
 

'76年東京生まれ。アカペラやヒューマンビートボックスのように楽器を使わず、声のみで音楽を表現する“口音楽”家。ビョーグのアルバムにギターの「声」・ドラムスの「声」で参加し一躍話題になる。「どうしよう。とにかくなにか革新的なことをやりたい」が今後のスケジュール。

DISCO★PRINCE

新沼謙治
 

'76年シングル「おもいで岬」でデビュー、この年の新人賞をシングル「嫁に来ないか」で総ナメにする。芝居でも才能を発揮し、NHK大河ドラマ「炎立つ」で高い評価を得る。'05年2月には歌手生活30周年記念アルバム「限りなき未来へ」を発売。前作「塊魂」では軽快なラップに挑戦している。

ベイビーユニバース

野宮真貴
 

元ピチカート・ファイブのヴォーカリスト。'01年よりソロ活動を開始。音楽だけでなく、ファッションリーダー的な存在として、本の執筆や洋服のデザインなど、多岐にわたる活動をしており、その存在は常に「ニューモデルの女性像」として時代のアイコンとなっている。今秋にはNEWアルバムをリリース予定。

塊オンザスウィング

松崎しげる
 

シングル「愛のメモリー」で日本レコード大賞歌唱賞を受賞。その後も数々の賞を獲得。年間100本以上のステージをこなす日本を代表するエンターテイナー。俳優としても数々のドラマに出演。ビックイベントでの国家斉唱もこなす。前作「塊魂」でもソウルフルな歌声でエンディングテーマ「愛の塊」を熱く歌い上げた。

キングオブキングのうた

宮崎吐夢
 

俳優。松尾スズキ主宰の大人計画に所属。舞台・TVで活動する傍ら、雑誌連載、音楽・映像製作もおこなう。主な作品にCD『宮崎吐夢記念館』(ミディ)、DVDBOOK「今夜で店じまい」(講談社)、対談本「恋人でもないのに…」(マガジンハウス)等がある。

天使の雨

YOU
 

元FAIRCHILDヴォーカル。現在はTVのバラエティ番組を始めとして、雑誌でレギュラーをこなす一方、舞台、TVCM出演、本の執筆等多岐にわたり活躍。また'04年には、「誰も知らない」、「いま、会いにゆきます」など話題の映画に出演するなど、新たなジャンルにも挑戦。





 「塊魂」は、既存の続編だらけのゲームのカウンターパンチ的存在として登場した。砂漠でオアシスを見つけたかのように、「塊魂」に飛びつき癒された体験を持った筆者は、その続編が登場するということを聞いて、まず「『塊魂』の存在意義はどうなるのだろう?」と考えていた。「複雑になっちゃうのもやだな」、「王子や王様はどうなるんだろう?」……なんてことは余計な心配だった。実際にプレイしてみると、「変わらぬポリシー」や「変わらぬ良さ」を十分感じ取ることができた。据え置き機のゲームだからといって、なにも10時間以上プレイに費やす必要はない。時間単価が高かろうが、それに対して十分満足できる内容があればいい。「みんな大好き」もとりあえずのエンディングを見るだけなら3時間もあれば十分。「塊魂」の良さは十分「みんな大好き」に引き継がれている。

 課題もどれから手をつけても問題ないし、追加された要素だって、それがなきゃ「塊魂」じゃない、というものでもないし、「あったらうれしいな」というものが追加されているに過ぎない。その追加されたテキスト、グラフィック、サウンドなどなど、とにかくその量には正直びっくりしてしまうわけだが……。

 制作サイドが「『塊魂』ってどんなゲーム?」ということを見失わずに、しっかりと足元を見つめて作りたいものを作ったのが、「みんな大好き」なのではないだろうか。もし、この先に何かあるとしたら、それはそれでとても楽しみだが、「みんな大好き」をこれからもちょこちょこと遊んでいきたいと思う。このゲームの面白さは、触ってみないとわからない類のものだと思うし、後で振り返っても、「(PS時代以降の)次世代機のゲーム」らしい1作であることはもはや疑う余地もない、そんなステキなタイトルだから。

幕間デモの行く末も非常に気になる……


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□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□塊魂オンザウェブ
http://katamaridamacy.jp/
□「みんな大好き塊魂」のページ
http://namco-ch.net/katamari_damacy_ps2/
□関連情報
【6月25日】大人も子供も楽しめる新作ゲームが続々登場!
「第22回次世代ワールドホビーフェア」開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050625/whf.htm
【6月8日】ナムコ、PS2「みんな大好き塊魂」
ステキソング入りのプロモーションムービーを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050608/kata.htm
【5月20日】ナムコ、豪華アーティスト達によるステキソングを発表
PS2「みんな大好き塊魂」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050520/mkata.htm
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協力プレイも可能に
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【3月13日】ナムコの高橋慶太氏がPS2「塊魂」について講演
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【2004年12月20日】ナムコ、「みんな大好き塊魂」詳報
課題がパワーアップで遊び応えもアップ?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041220/mkata.htm
【2004年3月17日】PS2ゲームレビュー「塊魂」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040317/kata.htm

(2005年7月7日)

[Reported by 佐伯憲司]



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