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★ピックアップ アーケード★
「ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003 Ver.2.0(WCCF 2002-2003 Ver.2)」連載【SIDE-A】第4回は、CPUチームのいくつかをピックアップして、各フォーメーションにおける“狙うべきポイント”について考察してきたい。 前回バージョンのCPUチームが過去シリーズ中もっとも弱かっただけに、そのコントラストもあってか「WCCF 2002-2003 Ver.2」のCPUチームは際立って強く感じられる。広報氏は「別に強くしてないですよ」というが、これは特別なテコ入れを図ったわけではない、という意味だろう。実際、CPUの強さが増したのは、AIアルゴリズムと全体的なゲームバランスの再調整による影響が大きいと考えるのが自然だ。 ただし、その動きや特徴などを細かくチェックしていくと、気になる点がいくつか見受けられる。大部分は「そうなんだ……って、だったらどうしろっていうんだよ!」といったレベルの話になってしまうが、知らなかった人には必ず役に立つ部分もあるかと思われるので、まずはベーシックな知識として目を通していただければ幸いだ。 ※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ CPUチームの特徴・1 ~プレスの有無~
WCCFでは、ボールを持った選手が近寄ってきた場合、近くにいる選手から順次ボールを奪いにいく。プレスボタン点燈時は、ボールを持った選手を中心にフォーメーション全体が収縮する。全体で寄せることでボールを持った選手の動きに制約を加えるわけだが、反面フォーメーション全体に大きな偏りが出る。ただし、CPUチームでも上位タイトル戦だけに登場するチームは、チーム経験値などが最大値に設定されていると考えられることから、マッチアップでのやりとりが短い(レギュラーカード選手で戦っていると一瞬でボールを掠め取られてしまう)ためプレスの有無が確認しにくい。 このあたり、もっとも判断しやすい特徴としては“プレスをかけていると全体的にラインが下がらなくなる”というものがある。フォーメーションに関わらず“ボールの動きに比例してズルズルと下がりつづける”CPUチームは“プレスをかけてこない”チームと判断することができる。 プレスをかけてこないこと、それ自体には“一長一短”がある。CPUとしての“短”は、ボールを持った選手への寄せが甘くなること。プレスをかけてこないことがわかれば「ここを突破すれば最終ラインまでは余裕だな」などの判断がより正確にできるようになる。 もうひとつの“長”に関しては、チームによっては困ったことになっているはず。最終ラインが下がるのはいいが、なるべくゴールの近くでシュートを打ちたいと思っても、ペナルティエリアのなかほどまで下がった最終ラインのDFが、シュートボタンを押した瞬間にモノ凄い反応速度で寄せてくる場合が多々ある。多々あるというか、少しでも引き付けすぎると100%に近い確率でクリアされてしまう。 トップクラスのストライカーばかり揃えているチームなら、強烈なミドルシュートなりシュート動作が迅速なFWで力任せに潰せばいいが、なかには「ペナルティエリアの奥まで侵入しないと人並みのシュートを打ってくれません」というFWで構成されたチームもあるだろう。こうなると、非常に辛いことになる。「いっそ早めに寄せてきてくれないかなぁ。そこを突破できたら、GKと1対1になれるのに……」と思うこともしばしばだが、最終ラインが最初から異常なまでに低いCPUチームが相手だと、もはや釣り出して突破などは露のかけらほども期待できない。 こうしたCPUチームへのアプローチとしては、DF間のスペースが開き気味なら、DF1人に100%狙いを絞りフィジカルコンタクト1発で即シュートにいくか、さもなくば左右からクロスを放り込んでダイレクトプレイを狙うのが無難。ペナルティエリア内に直接放り込むので、FWは突破力よりもポジショニングに優れるタイプがベター。ポストワーカーなら、なおのこといい。優秀なDFが相手だとクリアされる確率のほうが高いが、最終ラインが目いっぱい下がるぶん、遅攻に備えてボールの出所を押さえておけば、こちらのボールポゼッションが高くなる。
最近は対人戦でも異様なまでにDFラインが低いチームをよく見かけるが、プレスをかけてこないCPUチームは、こうした極端なフォーメーションに対する練習相手として最適といえる。もちろん、人間が操作するチームだから、ペナルティエリア近くまで接近してくる前にプレスを指示することも十分考えられる。このあたりは、あくまでも“練習”と捉えて、ボタンを押すタイミングなどをシミュレートしながらプレイするといいのではないだろうか。
■ CPUチームの特徴・2 ~経験値と連携が最大値!?~
筆者が「あれと同じ動きが、どのレベルに達したら再現できるか」と、試しに数チームを立ち上げて時間の許す限り調べてみたところ「チーム経験値」と「選手間の連携」をなるべく上限値に近づくよう熟成し、コンディションを「最高潮」で維持していないと、CPUのように“常態”と化すことはできなかった。ATLE満載のCPUチームを再現しようとしたところ、フレンドリーマッチと賞金稼ぎのバランスが崩れ財政難が頻発したため、まず全体を統一して最高潮のコンディションを維持することが非常に難しかった。その点、Sクラス以上に登場するCPUチームは“常に最高のコンディション”にあると考えられる。特にテコ入れをしていなくても“強くて当然”というわけだ。 チーム経験値の熟成具合は、その選手がどれだけ強烈なパフォーマンスを示すかで判断がつくが、選手間の連携については、どうか。これは、熟成に応じて出されるパスの内容である程度まで判断できると筆者は考えている。選手間の連携が最高潮に達すると“黄金連携”が成立するが、実際どう凄いか? と問われると、大半の人は具体的に答えられないのではないだろうか。それでもプレーヤーの大半が黄金連携を目指すのは「よくわからないけど“黄金”っていうくらいだから、きっと凄いんだ」と頭から信じて疑わないから、という気がしてしまう。 一番わかりやすい判定方法は“どれだけキツいポイントにパスを通せるか”ではないだろうか。連携が未成熟の場合、相手ゴールに近づくほど“パス”という選択を拒否するケースが目立つ。チーム立ち上げ当初は「お前にボールを渡すくらいなら、俺がそのまま持ち込んだほうがマシ」とばかり、MFやDFがFWにパスを出さずにセンターライン付近からドリブルで駆け上がっていく姿をよく見かける。フォーメーションや選手の性質にもよるが、連携が一定レベルまで熟成すると、パスを出すべき場所に味方選手がいれば、指示することで(あるいはせずとも)必ずパスを出すようになる。 これがさらに熟成されると、パスのスピードと正確性が順次増していくといった印象。スピードが上がるぶんカットされにくく、さらには今まで通らなかったような狭いスペースでも平然とパスを通すようになる。ワンタッチのパスやリターン、ダイレクトプレーが増えるのもこの頃で、リーガ・エスパニョーラも真っ青のモノ凄いパス回しが行なわれることになる。CPUはデジタルに状況を把握しているので、ゴール前で敵味方が入り乱れるゴチャゴチャした展開でも冷静にボールをコントロールしてくる。 人間が同じ状況でボールをコントロールしようとしても(筆者がヌルいだけかもしれないが)立て続けに繰り出されるダイレクトパスに対して、戦術ボタンによる指示が追いつかなくなる。自分でやっておいて「なんだそりゃスゲェ! ってアワワワワ!」と混乱し、神懸りのダイレクトプレーをオシャカにしてしまうことが大半。ゴール前で混乱してもシュートボタンを連打していれば勝手に点を取ってくれるのだろうが、それは単なるガチャプレイと同じで、そんなやりかたで得点してもまったく意味がない。「これを自己判断でコントロールできたら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ……」とは思うのだが、判断が追いつかない以上、自分でコントロールできる範囲で最適なフォーメーションを考えるのが一番いいのかなぁ、というところに落ち着いてしまう。
これに関してはプレーヤーがどうこうすることはできないが「それくらい高度に完成されたチーム」と考えれば、対処の仕方も自ずと変わってくるのではないだろうか。少なくとも、フォーメーションにまったく手を加えずに対戦するのは避けたほうがいいと筆者は考える。空いている穴をふさがずバケツに水を注げば、そこから水がダダ漏れするのは必然。漏れる以上の勢いで水を注げばいいのだろうが、漏れていなければ水が早く溜まるし、なにより無駄がなく安定するというものだ。
■ 守備から入るフォーメーション対応 これはあくまでも筆者の場合だが、こと守備に関しては(対CPUに限らず)おおむね以下の3点に基づいてフォーメーションを修正している。
(2)は2列目の選手に多いタイプ。「こいつがボールを持ったら、そのまま強引に突っ込んでくる」、「ここから最前線に強烈なクロスが放り込まれる」といった選手に対してボールが渡らないようMFやDFを重ねておく。ただ単に重ねるだけでなく、どこからボールがくるかを把握して位置を調節するのがポイント。余裕があれば、パスコースの前後に2人ほど配置するといい。 (3)は、対CPUミランなどで特に気をつけたいポイント。2人の俊足FWが前線に張り付いていて、常にDFの背後を狙っている。しかもCPUは、ありえないほどのわずかな隙間にボールを出してくるし、これまた信じられないほどの勢いでF・インザーギやシェフチェンコがボールめがけて突っ込みワンタッチでゴールマウスをこじ開ける。これも最高レベルまで熟成された連携の為せる技なのだろうが、やられるこちらにしてみればたまったものではない。こうしたチームに対しては、ボールを正面から捉えられるよう最終ラインを可能な限り下げるべき。下げすぎるとミドルシュートの餌食になるが、そのあたりはMFの配置を工夫して対応したい。
これからご紹介する対応法や考え方は、必ずしも「コレが正解」というわけではない。同じようにやって上手くいかないことも多々あるだろが、そんなときこそプレーヤー各自で因果関係を追及していただきたい。あくまでも“ヒント”として捉え、自分なりのアレンジや工夫をもとにプレイの幅を広げてもらえたなら、これ以上嬉しいことはない。
■ CPUチームへの対応サンプル
MF … レコバ、アンブロジーニ、アルメイダ、トマソン DF … グロッソ、レグロッターリエ、コモット、オボード GK … ペルッツィ シンメトリーな配置だが、トマソンよりもレコバのほうが少しだけ前。しかも、左サイドのスローインを担当するのは“ロングスロー”のスキルを持つグロッソ。レコバの左足から放たれる高精度クロスとあわせて“出させない”のが基本だが、トマソンの右足も厄介。ここは両者を高い位置でマークして中盤のパス回し増やし、カットからそのまま中央突破を狙いたい。
4-4-2を採用しているCPUチームはいくつかあるが、すべてに通じるポイントは“プレスのかけ方にメリハリをつける”ということ。全体に均等にかけたのでは、ほぼかけていない状態と大差がなく、むやみにラインを押し上げた結果、最前線のFWにポンとボールを放り込まれてジ・エンドということも往々にして起こりがち。
MF … スタンコビッチ、ペロッタ、コリーニ DF … ヨルゲンセン、ナターリ、シミッチ、モーロ GK … トルド
反撃は、実質3バックともいうべき最終ラインの薄いところを狙う。左SBのヨルゲンセンがMFゾーンとの境目に配置されており、前方にスペースがあるため4バックとしてはほとんど機能しない。スタンコビッチの背後あるいはヨルゲンセンとの隙間を狙い、そこから右サイドに流れるか、あるいは前線にボールを中継するのがもっとも無難といえる。
MF … N.ベルティ、マンチーニ、アルベルティーニ DF … ペナリーヴォ、ベルゴミ、バレージ、コスタクルタ、フェラーラ GK … トルド
守備に関しては、中央を固めるのが一番。マンチーニのパスが秀逸につき、スルーパスを出されないよう最終ラインは低めにしたほうがいい。攻撃に関しては「どこから攻めればいんだ?」という印象だが、筆者的にはバレージを釣り出してその背後を突くパターンと、最終ラインの低さを逆手にとり前線へのフィードを高い位置でインターセプトし、そのままドリブラーにボールを渡してサイドから中央に切り込ませる2つのアプローチをオススメしたい。
MF … エムレ、トマソン、ナカタ、メンディエタ DF … マルディーニ、サムエル、ガマーラ GK … カリーニ
もっとも無難な対応は、人数のかけかたにメリハリをつけること。適当に散らしていると、無駄なボール回しをインターセプトされやすい。カウンターならココ、といったふうにポイントを絞ることでリスクを最小限に留め、3バックの隙間をついて素早く相手ゴールを陥れたい。
MF … ポゴシアン、ジョルカエフ、ラムーシ、ジュンティ DF … アルジェリーノ、ジェトゥー、テュラム GK … ヂダ
ただし、最終ラインが大きく開いた3バックで、守備的MFと距離が開いていることもあり実際には付け入る隙だらけのチーム。FWとMFが中心に寄っているためパスのインターセプトが容易で、マッチアップで立て続けに負けない限りはそうそう簡単に失点する相手ではない。パワーで負けていない場合は、DFの裏を突くのが上手いアンリとトレゼゲを警戒。最終ラインはやや低めに設定したほうがいいだろう。
MF … ダヴィッツ、ネドヴェド、タッキナルディ、カモラネージ DF … ザンブロッタ、モンテーロ、フェラーラ、テュラム GK … ブッフォン パッと見、左に大きく張り出したカモラネージがキープレーヤーのように見えるが、一番恐ろしいのは左SBのザンブロッタ。前方スペースが大きくあいていることから、味方がボールを持ったとたんにオーバーラップを敢行。最前線のFWめがけて、目にもとまらぬ光速アーリークロスを放り込んでくる。 対処法としては、右サイドと左SBをきっちりマークし、FW2人とトップ下による強烈な縦の突破はCBを低めに配置し、DHのラインで可能な限り阻止したい。ただし、選手間の連携が熟成されまくっているCPUユベントスは、些細な隙間も見逃してくれない。きっちり隙間を埋めたつもりでも、フォーメーション全体の動きから生じる“ズレ”めがけて高精度のパスを平然と通してくる。FWに弾丸パスが出されたら、あとはDFの個人能力に任せるしかない。
反撃は、オーバーラップしてくるザンブロッタの背後を狙うのがセオリー。豊富な運動量を誇るダヴィッツに追いつかれることもしばしばだが、カード位置を調整してギリギリ追いつかれない位置を常に探ることで十分対処できる。
MF … アンリ、R.バッジョ、ジダン、オリセー、デシャン DF … ユリアーノ、フェラーラ、トリチェッリ GK … ファン・デル・サール こうしたフォーメーションは、中央突破もさることながら、左右MFにタッチライン側に走られると追いかけるのが辛くなる。この場合はアンリとジダンということで、相手にする側にとっては“最悪”というほかない。しかも、ペナルティエリアで待ち構えているのはポジショニング、パワーともに群を抜くFW2人。 基本的な考え方としては、MFの外側を若干余裕をもって固めるのが無難。縦の突破に備えて、パスカットと守備の両面でDHに期待するものは大きい。ボールを正面から捉えられるよう、CBは低めに配置。ただし、下げすぎるとパワー抜群のFWとトップ、あらゆる選手からミドルシュートを狙われる点に注意。 3バックが均等に配置されているため、FWは2人まとめて1点集中が無難。ただし、GKがファン・デル・サールということもあり、正面から普通に打つよりもボールをもらったら“サイドに流してクロスを上げさせる”という手もある。この場合、なるべくマイナスのクロスになるよう、フリーのFWをゴールから斜め下方向にカード位置を少しだけずらすといい。
ちなみにこれは、コーナーキックのときでも有効。GKの飛び出しで必ず取られてしまうという人は、恐らくFWをトップにベタ貼りしていないだろうか。あまり引きすぎるとペナルティエリアの外にボールが出てしまうが、相手の最終ラインが低いときには有効な手段のひとつだ。
MF … パスクァレ、エムレ、レコバ、ザネッティ、サネッティ DF … I.コルドバ、マテラッツィ、F.カンナヴァロ GK … トルド
MFの運動量が豊富なだけに、カウンターでDFラインに直接ボールを放り込みたくなるが、メンバーそれぞれがマッチアップに強いため得策とはいえない。レギュラーカードの選手で攻撃を組み立てるときは、トップ下などでワンクッション置いたほうが上手くいくケースが多い。この場合、正面からいくとボールに対する食いつきはマテラッツィのほうが早いため、やや右からアプローチをかけ、飛び出してきたところにあわせてタイミングよくパスが出せるようフォーメーションを工夫したい。
MF … セードルフ、ルイ・コスタ、ピルロ、ガットゥーゾ DF … カラーゼ、マルディーニ、ネスタ、シミッチ GK … ヂダ
すでに触れたとおり、縦の突破に備えてCBは低めのほうがベター。後方からのアーリークロスは、マークさせるMFのカード位置もさることながら、プレスボタンによる最終ラインのキープが重要。全体が下がりすぎると、ピルロやセードルフが横ではなく前にボールを出してくるようになる。
■ 対CPUで選手カード移動の効果を実感
今回の記事は「CPU攻略」ではなく、CPU戦で“フォーメーションに対するアプローチや考え方”をより深めて欲しいというのが主な趣旨だ。また、起用する選手などの諸条件により、必ずしも同じようにいかないことを改めて念押ししておきたい。次回【SIDE-A】第5回は、追加選手カード(レギュラー)を中心に、使用感などをまとめてご紹介する予定だ。
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2004年8月20日) [Reported by 北村孝和]
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