【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★ピックアップ アーケード★

ワールドクラブ チャンピオンフットボール
セリエA 2002-2003 Ver.2.0

連載【SIDE-A:第4回】

  • ジャンル:スポーツ(サッカーゲーム)
  • 発売元:セガ
  • 操作デバイス:カード移動、戦術ボタン×5、データ表示ボタン、シュートボタン、キーパーボタン
  • 構成:サテライト席8席+メインモニター
  • 料金:1プレイ300円、2プレイ500円
  • 稼動日:稼動中

【ゲームの内容】

 イタリアのサッカーリーグ「セリエA」を題材にしたサッカーゲーム。ジョイスティックなどで選手を直接操作するのではなく、フィールド上に“実在する選手のカード”を配置して、それを動かしたり、戦術ボタンで指示を与えながらプレイする。練習と試合を繰り返しながらチーム経験を積み重ねていき、チームを強化してカップ戦での勝利を狙う。試合後には選手カードが1枚排出される。



 「ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003 Ver.2.0(WCCF 2002-2003 Ver.2)」連載【SIDE-A】第4回は、CPUチームのいくつかをピックアップして、各フォーメーションにおける“狙うべきポイント”について考察してきたい。

 前回バージョンのCPUチームが過去シリーズ中もっとも弱かっただけに、そのコントラストもあってか「WCCF 2002-2003 Ver.2」のCPUチームは際立って強く感じられる。広報氏は「別に強くしてないですよ」というが、これは特別なテコ入れを図ったわけではない、という意味だろう。実際、CPUの強さが増したのは、AIアルゴリズムと全体的なゲームバランスの再調整による影響が大きいと考えるのが自然だ。

 ただし、その動きや特徴などを細かくチェックしていくと、気になる点がいくつか見受けられる。大部分は「そうなんだ……って、だったらどうしろっていうんだよ!」といったレベルの話になってしまうが、知らなかった人には必ず役に立つ部分もあるかと思われるので、まずはベーシックな知識として目を通していただければ幸いだ。

※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。


■ CPUチームの特徴・1 ~プレスの有無~

 CPUチームには、プレスを“かけてくるチーム”と“かけてこないチーム”が存在する。こう書くと「だって、ボール奪いにくるじゃん。全部プレスかけてくるんじゃないの?」と疑問を抱かれるかもしれないが、これは「WCCF 2001-2002 Ver.2」で強調されて以来、現在まで特に変更もなく継承されている基本ロジック。「WCCF 2001-2002」はプレスを押さないとボールが奪えないほど極端な仕様だったが、「Ver.2」から無点燈でも近くに選手がいれば積極的にボールを奪いにいくようになった。

 WCCFでは、ボールを持った選手が近寄ってきた場合、近くにいる選手から順次ボールを奪いにいく。プレスボタン点燈時は、ボールを持った選手を中心にフォーメーション全体が収縮する。全体で寄せることでボールを持った選手の動きに制約を加えるわけだが、反面フォーメーション全体に大きな偏りが出る。ただし、CPUチームでも上位タイトル戦だけに登場するチームは、チーム経験値などが最大値に設定されていると考えられることから、マッチアップでのやりとりが短い(レギュラーカード選手で戦っていると一瞬でボールを掠め取られてしまう)ためプレスの有無が確認しにくい。

 このあたり、もっとも判断しやすい特徴としては“プレスをかけていると全体的にラインが下がらなくなる”というものがある。フォーメーションに関わらず“ボールの動きに比例してズルズルと下がりつづける”CPUチームは“プレスをかけてこない”チームと判断することができる。

 プレスをかけてこないこと、それ自体には“一長一短”がある。CPUとしての“短”は、ボールを持った選手への寄せが甘くなること。プレスをかけてこないことがわかれば「ここを突破すれば最終ラインまでは余裕だな」などの判断がより正確にできるようになる。

 もうひとつの“長”に関しては、チームによっては困ったことになっているはず。最終ラインが下がるのはいいが、なるべくゴールの近くでシュートを打ちたいと思っても、ペナルティエリアのなかほどまで下がった最終ラインのDFが、シュートボタンを押した瞬間にモノ凄い反応速度で寄せてくる場合が多々ある。多々あるというか、少しでも引き付けすぎると100%に近い確率でクリアされてしまう。

 トップクラスのストライカーばかり揃えているチームなら、強烈なミドルシュートなりシュート動作が迅速なFWで力任せに潰せばいいが、なかには「ペナルティエリアの奥まで侵入しないと人並みのシュートを打ってくれません」というFWで構成されたチームもあるだろう。こうなると、非常に辛いことになる。「いっそ早めに寄せてきてくれないかなぁ。そこを突破できたら、GKと1対1になれるのに……」と思うこともしばしばだが、最終ラインが最初から異常なまでに低いCPUチームが相手だと、もはや釣り出して突破などは露のかけらほども期待できない。

 こうしたCPUチームへのアプローチとしては、DF間のスペースが開き気味なら、DF1人に100%狙いを絞りフィジカルコンタクト1発で即シュートにいくか、さもなくば左右からクロスを放り込んでダイレクトプレイを狙うのが無難。ペナルティエリア内に直接放り込むので、FWは突破力よりもポジショニングに優れるタイプがベター。ポストワーカーなら、なおのこといい。優秀なDFが相手だとクリアされる確率のほうが高いが、最終ラインが目いっぱい下がるぶん、遅攻に備えてボールの出所を押さえておけば、こちらのボールポゼッションが高くなる。

 最近は対人戦でも異様なまでにDFラインが低いチームをよく見かけるが、プレスをかけてこないCPUチームは、こうした極端なフォーメーションに対する練習相手として最適といえる。もちろん、人間が操作するチームだから、ペナルティエリア近くまで接近してくる前にプレスを指示することも十分考えられる。このあたりは、あくまでも“練習”と捉えて、ボタンを押すタイミングなどをシミュレートしながらプレイするといいのではないだろうか。


■ CPUチームの特徴・2 ~経験値と連携が最大値!?~

 「JAPAN TROPHY(JT)」、「CHAMPIONS TROPHY(CT)」、「INTERNATIONAL CLUB CHAMPIONSHIP(ICC)」など、Sクラス以上のタイトル戦に出場するCPUチームを相手にしたとき“ボールを奪うまで繰り返されるチェイシング”、“目にもとまらぬ弾丸クロス”、“精密な光速パス”などを経験されたことはないだろうか。実はこれ、プレーヤーが同じメンバーでチームを育成しても、そうそう簡単に再現することはできない。

 筆者が「あれと同じ動きが、どのレベルに達したら再現できるか」と、試しに数チームを立ち上げて時間の許す限り調べてみたところ「チーム経験値」と「選手間の連携」をなるべく上限値に近づくよう熟成し、コンディションを「最高潮」で維持していないと、CPUのように“常態”と化すことはできなかった。ATLE満載のCPUチームを再現しようとしたところ、フレンドリーマッチと賞金稼ぎのバランスが崩れ財政難が頻発したため、まず全体を統一して最高潮のコンディションを維持することが非常に難しかった。その点、Sクラス以上に登場するCPUチームは“常に最高のコンディション”にあると考えられる。特にテコ入れをしていなくても“強くて当然”というわけだ。

 チーム経験値の熟成具合は、その選手がどれだけ強烈なパフォーマンスを示すかで判断がつくが、選手間の連携については、どうか。これは、熟成に応じて出されるパスの内容である程度まで判断できると筆者は考えている。選手間の連携が最高潮に達すると“黄金連携”が成立するが、実際どう凄いか? と問われると、大半の人は具体的に答えられないのではないだろうか。それでもプレーヤーの大半が黄金連携を目指すのは「よくわからないけど“黄金”っていうくらいだから、きっと凄いんだ」と頭から信じて疑わないから、という気がしてしまう。

 一番わかりやすい判定方法は“どれだけキツいポイントにパスを通せるか”ではないだろうか。連携が未成熟の場合、相手ゴールに近づくほど“パス”という選択を拒否するケースが目立つ。チーム立ち上げ当初は「お前にボールを渡すくらいなら、俺がそのまま持ち込んだほうがマシ」とばかり、MFやDFがFWにパスを出さずにセンターライン付近からドリブルで駆け上がっていく姿をよく見かける。フォーメーションや選手の性質にもよるが、連携が一定レベルまで熟成すると、パスを出すべき場所に味方選手がいれば、指示することで(あるいはせずとも)必ずパスを出すようになる。

 これがさらに熟成されると、パスのスピードと正確性が順次増していくといった印象。スピードが上がるぶんカットされにくく、さらには今まで通らなかったような狭いスペースでも平然とパスを通すようになる。ワンタッチのパスやリターン、ダイレクトプレーが増えるのもこの頃で、リーガ・エスパニョーラも真っ青のモノ凄いパス回しが行なわれることになる。CPUはデジタルに状況を把握しているので、ゴール前で敵味方が入り乱れるゴチャゴチャした展開でも冷静にボールをコントロールしてくる。

 人間が同じ状況でボールをコントロールしようとしても(筆者がヌルいだけかもしれないが)立て続けに繰り出されるダイレクトパスに対して、戦術ボタンによる指示が追いつかなくなる。自分でやっておいて「なんだそりゃスゲェ! ってアワワワワ!」と混乱し、神懸りのダイレクトプレーをオシャカにしてしまうことが大半。ゴール前で混乱してもシュートボタンを連打していれば勝手に点を取ってくれるのだろうが、それは単なるガチャプレイと同じで、そんなやりかたで得点してもまったく意味がない。「これを自己判断でコントロールできたら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ……」とは思うのだが、判断が追いつかない以上、自分でコントロールできる範囲で最適なフォーメーションを考えるのが一番いいのかなぁ、というところに落ち着いてしまう。

 これに関してはプレーヤーがどうこうすることはできないが「それくらい高度に完成されたチーム」と考えれば、対処の仕方も自ずと変わってくるのではないだろうか。少なくとも、フォーメーションにまったく手を加えずに対戦するのは避けたほうがいいと筆者は考える。空いている穴をふさがずバケツに水を注げば、そこから水がダダ漏れするのは必然。漏れる以上の勢いで水を注げばいいのだろうが、漏れていなければ水が早く溜まるし、なにより無駄がなく安定するというものだ。


■ 守備から入るフォーメーション対応

 これはあくまでも筆者の場合だが、こと守備に関しては(対CPUに限らず)おおむね以下の3点に基づいてフォーメーションを修正している。

  • (1) … FW~トップ下の選手まで、前線の選手を“くるむ”ようにMFやDFを配置
  • (2) … 突破やラストパサーとなるキーの選手をフリーにしない
  • (3) … FWのタイプにより最終ラインの高さを調節
 まず(1)だが、これは容易にサイドを突破させないため。FWなどが左右に流れていくと平均的なレギュラーカードのDFではまず追いつかないし、そこから決定的なクロスをあげられてしまうことが多い。外側から全体をくるむように守備網を構築すればフォーメーションの内側でボールがまわるため、そのぶんパスカットが狙いやすくなる。ただし、選手によってはDFの後方スペースが一定以上空いていると、そこにボールを放り込んでくるタイプが存在する。こんなときは別の選手でスペースをカバーするか、あるいは1人でもフォローできるよう配置そのものを工夫する必要がある。

 (2)は2列目の選手に多いタイプ。「こいつがボールを持ったら、そのまま強引に突っ込んでくる」、「ここから最前線に強烈なクロスが放り込まれる」といった選手に対してボールが渡らないようMFやDFを重ねておく。ただ単に重ねるだけでなく、どこからボールがくるかを把握して位置を調節するのがポイント。余裕があれば、パスコースの前後に2人ほど配置するといい。

 (3)は、対CPUミランなどで特に気をつけたいポイント。2人の俊足FWが前線に張り付いていて、常にDFの背後を狙っている。しかもCPUは、ありえないほどのわずかな隙間にボールを出してくるし、これまた信じられないほどの勢いでF・インザーギやシェフチェンコがボールめがけて突っ込みワンタッチでゴールマウスをこじ開ける。これも最高レベルまで熟成された連携の為せる技なのだろうが、やられるこちらにしてみればたまったものではない。こうしたチームに対しては、ボールを正面から捉えられるよう最終ラインを可能な限り下げるべき。下げすぎるとミドルシュートの餌食になるが、そのあたりはMFの配置を工夫して対応したい。

 これからご紹介する対応法や考え方は、必ずしも「コレが正解」というわけではない。同じようにやって上手くいかないことも多々あるだろが、そんなときこそプレーヤー各自で因果関係を追及していただきたい。あくまでも“ヒント”として捉え、自分なりのアレンジや工夫をもとにプレイの幅を広げてもらえたなら、これ以上嬉しいことはない。

※注 …… 以下CPUチームへの対応サンプルは、あくまでも“プレイの幅を広げるためのポイント”の解説であり「こうすれば必ず勝てる!」といった類の攻略記事ではありません。そっくりトレースして「勝てないよ!」とキレるのは論外です。って一応書いておきます。


■ CPUチームへの対応サンプル

【ニューマグパイズUtd(スピード重視A)】

    FW … アスプリージャ、バティストゥータ
    MF … レコバ、アンブロジーニ、アルメイダ、トマソン
    DF … グロッソ、レグロッターリエ、コモット、オボード
    GK … ペルッツィ
 スタンダードな4-4-2で、2トップもさることながら中盤の充実振りが目を引く。レコバ、トマソンともに本来はFWだが、WCCFでは優れたトップ下あるいはパサーとしても機能する。ややボールを持ちたがるが優れた個人技でサイドを突破するレコバ、突破力はさほどでもないが玉離れがいいトマソン。どちらも非常に厄介な相手だ。

 シンメトリーな配置だが、トマソンよりもレコバのほうが少しだけ前。しかも、左サイドのスローインを担当するのは“ロングスロー”のスキルを持つグロッソ。レコバの左足から放たれる高精度クロスとあわせて“出させない”のが基本だが、トマソンの右足も厄介。ここは両者を高い位置でマークして中盤のパス回し増やし、カットからそのまま中央突破を狙いたい。

 4-4-2を採用しているCPUチームはいくつかあるが、すべてに通じるポイントは“プレスのかけ方にメリハリをつける”ということ。全体に均等にかけたのでは、ほぼかけていない状態と大差がなく、むやみにラインを押し上げた結果、最前線のFWにポンとボールを放り込まれてジ・エンドということも往々にして起こりがち。

常に失点の可能性がつきまとうロングスロー。なるべく避けたい 外側からプレッシャーをかけて内側でのパスを増やしインターセプトを狙う 両サイドが上がり気味なので、2人で中央突破を狙えば局地的な人数比は1対1


【アンフィールズ・ビート(スピード重視A)】

    FW … C.ロペス、カロン、シェフチェンコ
    MF … スタンコビッチ、ペロッタ、コリーニ
    DF … ヨルゲンセン、ナターリ、シミッチ、モーロ
    GK … トルド
 実質4-4-2に近い3トップで、ほぼ全員が攻撃型の選手で埋められている恐ろしいチーム。最終ラインが高いぶん、FWまで非常にコンパクトにまとめられており、奪われたボールの大半はFWに直接フィードされる。よって、FWをきちんとマークして強引に出されるパスをインターセプトすることに徹すれば、それほど恐ろしい相手ではない。

 反撃は、実質3バックともいうべき最終ラインの薄いところを狙う。左SBのヨルゲンセンがMFゾーンとの境目に配置されており、前方にスペースがあるため4バックとしてはほとんど機能しない。スタンコビッチの背後あるいはヨルゲンセンとの隙間を狙い、そこから右サイドに流れるか、あるいは前線にボールを中継するのがもっとも無難といえる。

奪われたボールは、ほぼ最前線のFWに直接フィードされる 上がり気味のヨルゲンセンとスタンコビッチの隙間や背後を突くといい 実質3バックなので守護神トルドも本領を発揮できない


【カテナチオ82(パワーディフェンス型A)】

    FW … シニョーリ、スキラッチ
    MF … N.ベルティ、マンチーニ、アルベルティーニ
    DF … ペナリーヴォ、ベルゴミ、バレージ、コスタクルタ、フェラーラ
    GK … トルド
 “堅守”という言葉が相応しいCPUチームの筆頭格。攻撃面も、トップ下に控えたマンチーニから絶妙なスルーパスが繰り出される。シニョーリはプレーヤーが使う以上にパワーがあるように感じられ、スキラッチの素早い飛び出しにも戦慄を覚える。守備陣に関しては、中央にデン! と構えているバレージが強烈な存在感を醸し出している。

 守備に関しては、中央を固めるのが一番。マンチーニのパスが秀逸につき、スルーパスを出されないよう最終ラインは低めにしたほうがいい。攻撃に関しては「どこから攻めればいんだ?」という印象だが、筆者的にはバレージを釣り出してその背後を突くパターンと、最終ラインの低さを逆手にとり前線へのフィードを高い位置でインターセプトし、そのままドリブラーにボールを渡してサイドから中央に切り込ませる2つのアプローチをオススメしたい。

隙あらばスルーパスを狙ってくる恐ろしい御方。セットプレイの攻撃力も凄まじい 誰よりも早くFWに噛み付いてくるバレージ。早めに釣り出してサッとボールを回したい 釣り出して背後を狙うか、あるいは高い位置でボールを奪いドリブラーに左右から斬り込ませる


【FCムンディアル02(攻撃重視A)】

    FW … ロナウド、トレゼゲ、アン・ジョンファン
    MF … エムレ、トマソン、ナカタ、メンディエタ
    DF … マルディーニ、サムエル、ガマーラ
    GK … カリーニ
 攻めてくるときは大半の選手がセンターラインを超えてくる、攻撃に特化したCPUチーム。FW、MFともに運動量の豊富な選手が揃っており、こぼれ球を拾われる可能性が高く、こちらも一定の人数をかけて守らないとアッという間に失点してしまう。

 もっとも無難な対応は、人数のかけかたにメリハリをつけること。適当に散らしていると、無駄なボール回しをインターセプトされやすい。カウンターならココ、といったふうにポイントを絞ることでリスクを最小限に留め、3バックの隙間をついて素早く相手ゴールを陥れたい。

相手チームの大半がセンターラインより前にいる。一丸となったときの攻撃力は凄まじいの一言 前がかりになっているぶん、ゴールキックはカウンターのチャンス 面子は申し分ないが、やはり大きく開いた3バックは中央突破に対して弱い


【ASロウズ・プリンス(攻撃重視A)】

    FW … アンリ、ビアホフ、トレゼゲ
    MF … ポゴシアン、ジョルカエフ、ラムーシ、ジュンティ
    DF … アルジェリーノ、ジェトゥー、テュラム
    GK … ヂダ
 ポストプレーヤーのビアホフを中心に、左右をアンリとトレゼゲが固める攻撃型CPUチーム。トップ下に居座るジョルカエフが、攻撃力にさらなる厚みを加えている。中盤以下も豊富なタレントが揃っており、攻守ともに申し分ないように見える。

 ただし、最終ラインが大きく開いた3バックで、守備的MFと距離が開いていることもあり実際には付け入る隙だらけのチーム。FWとMFが中心に寄っているためパスのインターセプトが容易で、マッチアップで立て続けに負けない限りはそうそう簡単に失点する相手ではない。パワーで負けていない場合は、DFの裏を突くのが上手いアンリとトレゼゲを警戒。最終ラインはやや低めに設定したほうがいいだろう。

大きく開いた3バックは選りすぐりのDFで構成しないと相当厳しい。ここから横パス1本で…… 縦に抜けたら即失点、という状況に持ち込める。相手がCPUじゃなくても結果はほぼ同じだろう 一見すると厚い中盤だが、中央に選手が集中しているため容易にインターセプトできる


【ユベントス(奪取重視A)】

    FW … デル・ピエロ、トレゼゲ
    MF … ダヴィッツ、ネドヴェド、タッキナルディ、カモラネージ
    DF … ザンブロッタ、モンテーロ、フェラーラ、テュラム
    GK … ブッフォン
 中盤の選手配置が特徴的なCPUチーム。いわずとしれた超一流の選手ばかりで、どこからでも得点が期待できる攻撃力の高さが光る。ロングスローは厄介の一言で、セットプレイ時の攻撃力は全CPUチーム中でも5指の内に入るのではないだろうか。

 パッと見、左に大きく張り出したカモラネージがキープレーヤーのように見えるが、一番恐ろしいのは左SBのザンブロッタ。前方スペースが大きくあいていることから、味方がボールを持ったとたんにオーバーラップを敢行。最前線のFWめがけて、目にもとまらぬ光速アーリークロスを放り込んでくる。

 対処法としては、右サイドと左SBをきっちりマークし、FW2人とトップ下による強烈な縦の突破はCBを低めに配置し、DHのラインで可能な限り阻止したい。ただし、選手間の連携が熟成されまくっているCPUユベントスは、些細な隙間も見逃してくれない。きっちり隙間を埋めたつもりでも、フォーメーション全体の動きから生じる“ズレ”めがけて高精度のパスを平然と通してくる。FWに弾丸パスが出されたら、あとはDFの個人能力に任せるしかない。

 反撃は、オーバーラップしてくるザンブロッタの背後を狙うのがセオリー。豊富な運動量を誇るダヴィッツに追いつかれることもしばしばだが、カード位置を調整してギリギリ追いつかれない位置を常に探ることで十分対処できる。

ザンブロッタの光速アーリークロス、デル・ピエロの芸術的なボールさばき、どこにでも顔を出すネドヴェド、トレゼゲの決定力。攻撃をしのぐだけで大変 前方のスペースに上がりやすいザンブロッタがいる右サイドが狙い目 中央や左から抜くことも不可能ではないが、テュラムを振り切れるだけの脚力が欲しい


【グランデ・ビアンコ・ネロ(奪取重視A)】

    FW … ヴィアッリ、ラヴァネッリ
    MF … アンリ、R.バッジョ、ジダン、オリセー、デシャン
    DF … ユリアーノ、フェラーラ、トリチェッリ
    GK … ファン・デル・サール
 爆弾みたいなFW2人の背後を、綺羅星のごときMFが固める非常に厄介なCPUチーム。FW2人がボールに対して執拗に絡み、攻撃的MFはファンタジー溢れるメンバーばかりで、DHは重厚かつ堅牢。DFもバランスを重視したソツのない配置が光る。

 こうしたフォーメーションは、中央突破もさることながら、左右MFにタッチライン側に走られると追いかけるのが辛くなる。この場合はアンリとジダンということで、相手にする側にとっては“最悪”というほかない。しかも、ペナルティエリアで待ち構えているのはポジショニング、パワーともに群を抜くFW2人。

 基本的な考え方としては、MFの外側を若干余裕をもって固めるのが無難。縦の突破に備えて、パスカットと守備の両面でDHに期待するものは大きい。ボールを正面から捉えられるよう、CBは低めに配置。ただし、下げすぎるとパワー抜群のFWとトップ、あらゆる選手からミドルシュートを狙われる点に注意。

 3バックが均等に配置されているため、FWは2人まとめて1点集中が無難。ただし、GKがファン・デル・サールということもあり、正面から普通に打つよりもボールをもらったら“サイドに流してクロスを上げさせる”という手もある。この場合、なるべくマイナスのクロスになるよう、フリーのFWをゴールから斜め下方向にカード位置を少しだけずらすといい。

 ちなみにこれは、コーナーキックのときでも有効。GKの飛び出しで必ず取られてしまうという人は、恐らくFWをトップにベタ貼りしていないだろうか。あまり引きすぎるとペナルティエリアの外にボールが出てしまうが、相手の最終ラインが低いときには有効な手段のひとつだ。

中央突破もいいが、片方がボールを持ったらFWをタッチライン側に流すという手もある DF配置が均等につき、フィジカルコンタクトは避け難い。ボールを受けるのが上手いFWを起用したいところ ジダンとアンリのパス回しに要注意。どちらも高精度のパスをFWめがけて繰り出してくる


【インテル(パワー重視S)】

    FW … ヴィエリ、バティストゥータ
    MF … パスクァレ、エムレ、レコバ、ザネッティ、サネッティ
    DF … I.コルドバ、マテラッツィ、F.カンナヴァロ
    GK … トルド
 WCCFをやっていると「何故このメンバーでスクデッドが取れないのか?」と疑問に思えて仕方がないほど圧倒的なパワーで攻め込んでくる強豪チーム。TSヴィエリの破壊力はいうまでもないが、それにひけをとらないパワーでゴリ押ししてくるバティストゥータも脅威。マテラッツィを中心にスピードがあるF.カンナヴァロとI.コルドバで固めたDFラインも非常に堅い。隙を見つけるのが困難といいたくなるほどだ。

 MFの運動量が豊富なだけに、カウンターでDFラインに直接ボールを放り込みたくなるが、メンバーそれぞれがマッチアップに強いため得策とはいえない。レギュラーカードの選手で攻撃を組み立てるときは、トップ下などでワンクッション置いたほうが上手くいくケースが多い。この場合、正面からいくとボールに対する食いつきはマテラッツィのほうが早いため、やや右からアプローチをかけ、飛び出してきたところにあわせてタイミングよくパスが出せるようフォーメーションを工夫したい。

堅くて統率が取れたDFライン。3人が4人以上の働きをする これだけ堅い相手には、直接勝負よりもトップ下を積極的に使ったほうがいいかも この人が止まらないのは仕方がない。そういう時もあります……しくしく


【ミラン(奪取重視B)】

    FW … シェフチェンコ、F.インザーギ
    MF … セードルフ、ルイ・コスタ、ピルロ、ガットゥーゾ
    DF … カラーゼ、マルディーニ、ネスタ、シミッチ
    GK … ヂダ
 「連携が熟成されると、こんなパスが出るのか!」という見本のようなCPUチーム。FWと攻撃的MFが中央よりだが、スピードと運動量があるためスペースがあればサイドにもガンガン流れていく。ドリブルしてフォーメーション全体が押し上げられる最中、隙あらばアーリークロスが放り込まれる。筆者個人としては、CPUチームのなかでも特にやりにくい相手のように思える。

 すでに触れたとおり、縦の突破に備えてCBは低めのほうがベター。後方からのアーリークロスは、マークさせるMFのカード位置もさることながら、プレスボタンによる最終ラインのキープが重要。全体が下がりすぎると、ピルロやセードルフが横ではなく前にボールを出してくるようになる。

選手は中央寄りだが、スピードと運動量を兼ね備えた選手が多く縦横無尽に走りまくられる セリエA屈指のCB2人が相手だが、均等に並んでいるためタイミングさえあえば縦の突破も不可能ではない 隙あらば精度の高いパスやクロスが飛んでくるため、一瞬たりとも気が抜けない



■ 対CPUで選手カード移動の効果を実感

 今回の記事は「CPU攻略」ではなく、CPU戦で“フォーメーションに対するアプローチや考え方”をより深めて欲しいというのが主な趣旨だ。また、起用する選手などの諸条件により、必ずしも同じようにいかないことを改めて念押ししておきたい。次回【SIDE-A】第5回は、追加選手カード(レギュラー)を中心に、使用感などをまとめてご紹介する予定だ。


(C)SEGA,2002,2004
(C)Panini 2004
Su licenza di A.I.C SERVICE SRL

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【7月30日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-B:第3回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040806/wccf.htm
【7月30日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-A:第3回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040730/wccf.htm
【7月23日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-B:第2回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040723/wccf.htm
【7月16日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-A:第2回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040716/wccf.htm
【7月9日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-B:第1回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040709/wccf.htm
【7月2日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」SIDE-A:第1回
http://watch.impress.co.jp/docs/20040702/wccf.htm
【2003年12月26日】ピックアップ・アーケード:「WCCF 2002-2003」第3.5回
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031226/wccf.htm

(2004年8月20日)

[Reported by 北村孝和]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.