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「ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003 Ver.2.0(WCCF 2002-2003 Ver.2)」連載【SIDE-B:第3回】では、攻撃の基本的な組み立て方を紹介しよう。攻撃は、大きくわけると“中央突破”と“サイド攻撃”の2通りがある。それぞれの戦法の利点と組み立て方を、理論立てて説明することにする。 ※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 中央突破とは?
中央突破は、中央からドリブルまたはパスをつないで崩していく戦法である。大きくわけると、単独でドリブル突破する単独突破、スルーパスや短いパスをドリブルと併用して突破する方法(ここではパス突破と呼ぶ)がある。
■ 単独突破の考え方とその方法 単独突破とは、FWが直線的にゴールを目指して突っ込む戦法である。この戦法では、FWとDFの1対1の勝負が大きなカギを握る。1対1においてDFのほうがはるかに強ければ、サイド攻撃やパス回しでDFからフリーになる状況を作らなければならない。しかし、FWがある程度1人で抜いていけるなら、中央突破での攻めを多くしていったほうが有利になる。
今バージョンでは、一定以上の能力を持つFWを使った場合、DFを抜いていける可能性が高い。そのため、単独突破が非常に有効になっているのだ。一定以上の能力を持つFWとは、ジョージ・ウェアを筆頭に、カジラギ、サモラノ、クリンスマン、クライフェルト、シェフチェンコ、ヴィエリ、ロナウドなどの有名FWがあげられる。絶好調時なら、ヤンカー、デルベッキオなどの白FW、マテラッツィなどのDFも突破が可能だ。能力的にはパワー、テクニックを兼ね備えている選手が望ましい。これにスピードが加われば鬼に金棒と言える。
FWの個人能力を活かした単独突破を行なう場合、やはり1TOPがもっとも狙いやすい形になる。1TOPなら左右にパスする相手がいないので、FWにボールが渡ればそのまま中央を突破していく。このとき戦術ボタンは無点灯(プレスボタンは点灯しておいたほうが有利)か、あるいはカウンターのみ点灯にしておくといい。するとFWが勝手に状況を判断し、DFに対してほぼベストの動き方、抜き方をしてくれる。理論的には、非常に単純な戦術である。
中央突破するといっても、相手選手が何人も待ちかまえていれば、それだけ成功する可能性が低くなる。やはり理想なのは、DFを1人抜いたらシュートできる状況。なかなかこう上手くはいかないが、縦パスを受けたときにMFのチェックを受けず、最終ラインと対峙している状況が望ましい。
もっとも決まりやすいのが、自陣深くでボ-ル奪取し、そこからカウンターでボールが渡ったとき。このときは相手のフォーメーションが崩れやすく、簡単に最終ラインと1対1の状況を作り出せる。特に今バージョンでは、カウンター点灯時のパス精度が上がっているため、まさに脅威の攻撃となるだろう。プレーヤーのオペレーション的には、守っているときからカウンターのみ点灯させておくだけでいい。
せっかくの単独突破も、1TOPにボールが渡らないのでは意味がない。相手チームも中盤でのパスカットを狙ってくるはずで、いかにパスを通すかどうかがポイントになってくる。 単純に言えば、パスは短い距離のほうが通りやすく、長い距離のほうが通りにくい。そこで、1TOPの下に1~2人選手を配置すればパスは通りやすくなる。そのほかの選手は守りに専念させるにしても、1~2人の選手で1TOPに“ヒモ”を付けることにより、スムーズな攻撃が可能になるといえる。1TOPと他MFとの距離の離れた4-5-1だけでなく、4-4-1-1(3-5-1-1)、4-3-2-1というバリエーションが有力になってくるのだ。1TOPが下がってこないようにさせるためにも、1TOPの真下の位置に選手カードを置くのは有効だ。
1TOPにいかにパスを通すかについては、以下に紹介する「パス突破」の考え方も応用していくと、さらに単独突破の威力が増すことだろう。
ショートパス、スルーパスを絡めて中央を突破していくのが、パス突破の考え方だ。この方法は、FWがDFとの1対1にさほど強くなくても崩すことができ、3バックなどで中央にMFを固められてもそのプレスをかいくぐることができるのが最大の利点。ただし単独突破ほどの絶大な威力はなく、習得にも慣れが必要である。
短いパスをつないで突破するときは、4-3-2-1や4-3-1-2(CPUチームのミラン)などのフォーメーションで、トップのFWとその下に控えるFWまたはMFとの距離を短くしておくのが基本。中盤からショートパスをつなぎ、最後はスルーパス気味にラストパスを供給する。 重要なのは、無点灯(もしくはカウンターのみ点灯)と中央突破点灯の使い分けだ。パスを確実につなぎたいときは無点灯にしておく。そしてこのタイミングで中央に出したいというとき、またはスペースにスルーパス(ラストパス)を通したいときは中央突破を点灯する。
無点灯のときは、FWが後ろを振り向いてパスを受けるためつながりやすいが、その後はDFと確実に1対1になるので単独突破能力が必要になる。いっぽう中央突破を点灯してのラストパスは、スペースに出す傾向がある。そこで一気に走り抜けたり、受けた瞬間にミドルシュートなどを狙うことができる。もちろん、ぎりぎりの場所にパスを出すので、受けた瞬間に奪取されやすいことは覚えておこう。
単独突破の場合は余計なパスを減らすため、1TOPが基本となる。だがパスでの中央突破は、2TOPも有力だ。ラストパスの出しどころが2カ所になるので、パスが通りやすくなるというのが利点のひとつ。また、2TOPが縦にずれてスペースを作ってくれることが多く、最前線でパス交換して抜け出すことが可能だ。ただし、パスを受けた瞬間にDFに詰められていることも多いので、完全にフリーになることは難しい。ダイレクトでのミドルシュートも狙って攻めていくといいだろう。
■ サイド攻撃の考え方とその方法 サイド攻撃は、サイドを突破してクロスを上げ得点を狙う方法だ。今バージョンではクロスをキーパーが取りにくくなり、選手がサイドを駆け上がりやすくなったのでより強力になった。ただし、カウンターからの中央突破がそれ以上に強い。サイド攻撃を仕掛けるには前線に人数が必要で、その裏を突かれやすいのも事実である。
しかし、キックオフ時や、スローイン、フリーキックのような状況からはカウンターが難しい。このときは相手のMFやDFが引いているからだ。こんなときは、サイド攻撃が有力な戦術となりうる。また、中央突破を警戒すると、中央に選手カードが集まりがち。そんな配置のチームに対しては、サイド攻撃が有効なのは言うまでもない。
サイドアタックには、サイドを深くえぐってクロスを上げる方法と、サイドからアーリー気味に速いクロスを送る方法がある。サイドを深くえぐる方法は、前線に屈強なセンターフォワードがいれば決定的な攻撃となる。しかし、深くえぐりすぎるとキーパーに取られやすく、背の高いDFを残しておけばクリアーしやすい。いっぽう浅い位置からの速いクロスはDFの対応が難しいが、ダイレクトシュートを1発で決めるのはなかなか難しい。それぞれ一長一短があり、攻めの感覚がかなり違う点に注意してほしい。
まず重要なのは“選手カードの配置”だ。今バージョンでは、さほどタッチライン沿いに選手を置かなくても、サイドの戦術ボタンを点灯させればサイド攻撃をすることができる。しかし確実に攻撃を組み立てるには、カードをタッチライン沿いに配したほうがいいだろう。
サイドアタッカーの選手カードの配置する高さは、MF表示になるもっとも上(カードの上端がFWエリアの下端に接する程度)あたりが低さの限界。低く配置するとボールを受けやすくなる(サイドアタッカーへのパスがカットされにくい)ぶん、深くえぐる前に中央に横パスを出したり、アーリークロスを上げる確率が高くなる。高い位置に配置すると深くえぐってクロスを上げるが、サイドアタッカーへのパスが手前でカットされる可能性が高くなる。ここからカウンターをくらうと失点しやすいため、これだけは避けたいところ。また、いくらクロスがキャッチしにくくなったとはいえ、あまりえぐりすぎるとキーパーにキャッチされるので注意したい。
それでは、キックオフからのサイド攻撃の組み立ての例を、順を追って説明しよう。もちろん、これ以外のバリエーションもあるので自分なりに工夫していくといい。
《1》キックオフ直後のボール回し
サイドアタッカーは、両サイドの端、MFとFWの境界線が選手カードの中央にくるくらいの高さに配置する。キックオフと同時に、戦術ボタンの両サイド(または同時にカウンター)を点灯。うまくいけば、横パスやバックパスを数回つないでからサイドチェンジしてくれるはずだ。サイドチェンジしたときに、サイドアタッカーがボールを保持し、相手のサイドの選手を突破できるかがどうかが大きな分かれ目。両サイド点灯するのはサイドチェンジを演出するためで、これによって少しでもフリーでサイドの選手にボールを渡す確率を高める。
《2》サイドアタッカーにボールが渡った直後
サイドアタッカーにボールが渡ったら、逆サイドまたはカウンターの戦術ボタンを消灯。突破したいサイド側のみをつけ、サイドアタッカーに突破させる。このとき選手カードを少し上にカード移動させると、横パスを選択する可能性が低くなりサイドをえぐっていきやすくなる。
《3》クロスを上げる直前 突破したら、クロスを上げてフィニッシュに持ち込む。このとき、突破している方向のサイドのみ点灯し続けていると、深くえぐる傾向がある。えぐりすぎないためには、中央と逆サイドを同時点灯するといいだろう。このとき逆サイドに配置しておいたサイドアタッカーを、内側のFWの位置に寄せる(3TOPのような形にする)と合わせやすくなる。うまくいけば、逆サイドのフリーな位置から走り込み、ダイレクトで決めてくれる。サイドの低い位置に置いたままだと、よほど足が速く判断力が高くないと追いつけないので注意。
アーリー気味にクロスを上げたいときは、早い段階で戦術ボタンをカウンターと中央突破の同時押しに変えるといい。プレスをかけず、背の高いDFを残して中央を固める守りをしてくる相手には、速く鋭いアーリークロスが有効になる。アーリークロス戦術を選択する場合には、ダイレクトシュートを狙うだけでなく「中央へのロングパス」という感覚で継続して攻めを組み立てていくといい。
《4》フィニッシュとこぼれ球のフォロー 深いクロスからは、基本的にはダイレクトでシュートを打たせる。速めにシュートボタンを押して、ヘッドやボレーを狙っていく。ボールがこぼれたら、できるかぎり強引にシュートを狙う。困難な場合は、再びクロスを上げて波状攻撃をかけよう。このときキーパーボタンでシュートキャンセルをするのを忘れずに。シュート優先なのは、強引に行くことでコーナーキックやスローインなどのセットプレーが取りやすくなるということが大きい。
失敗してボールを取られたら、すぐにプレスをオフして選手を自陣に戻そう。このとき急いでカード移動すれば、足の速い選手なら相手がカウンターの戦術ボタンを押していないかぎり自陣に戻ることができる。サイドアタッカーを守備的ハーフの位置まで戻すのもいい。これは非常に重要なポイントなので、必ず押さえておいてほしい。
■ 新規選手カード、ATLEの選手紹介その3
第2回のATLE選手の紹介は、ベルゴミ、ブラン、パパンをとりあげていく。ベルゴミは1対1の能力に優れ、ブランはカバーリングの達人。バレージと比較してそれぞれ違う個性があるのがおもしろい。パパンはフランスサッカーの歴史に名を残す名FW。パワーはないが、そのシュート力は素晴らしいものがある。
【ジュゼッペ・ベルゴミ】
'81年にデビューを果たすと、すぐにレギュラーに定着。'82年には若干17歳で代表に選出され、同年のW杯に出場する。黄金期のブラジルと2次リーグで対決した際に途中出場を果たし、一躍脚光を浴びる。以降決勝までスタメンで活躍し、イタリアの優勝に貢献することとなった。 その後インテルで19シーズンを過ごすものの、スクデッドは1回しか達成できなかったことは惜しまれる。しかしその実力は誰もが認めるところで、若いころは右サイドバック、ベテランになってからはセンターバック(リベロ)として高い能力を発揮。W杯は'82年以来通算4回出場。'98年仏W杯にはフェラーラ、ネスタの穴を埋める形で出場し、大ベテランとしてチームを引っ張った。'99年インテル退団とともにキャリアを終えたが、その背番号2はインテルの永久欠番とされている。 《プレイしての感想》
柔軟で老かいな守備が特徴で、キャリアの後期を反映した能力になっているようだ。決してスピードは速くないが、しつこくFWに絡んでボールを奪取する。判断力やフィードも正確で、つねに安定した力を発揮するのが強みだ。現役の選手に例えるなら、パワーのあるモンテーロといったところか。ディフェンス値、テクニック値の高さがうかがわれ、パワー型のFWにもさほど当たり負けしない。唯一欠点をあげるならスピードの遅さ。カバーリング時はやや速くなるとはいえ、足の遅いセンターバックと組ませた場合はスルーパスなどに対して不安を抱えることになる。
【ローラン・ブラン】
'83年にフランス2部のモンペリエでデビュー。以降フランス国内を中心に、イタリアのナポリ、スペインのバルセロナなどを渡り歩く。当初はさほど有名な選手ではなかったが、各チームで確実な結果を積み重ねていった。'99~2001までの2シーズンはインテルに在籍。コパ・イタリア優勝などに貢献した。 だが、ブランをもっとも有名にしたのは代表での活躍である。デサイー、テュラムといった対人能力に優れたDFを統率し、鉄壁の守備ラインを構成。'98仏W杯においてはわずか2失点で大会を乗りきり、フランスに初優勝をもたらした。特に決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦では、決勝のゴールデンゴールをあげて歴史に名を刻んでいる。さらに2000年欧州選手権でも活躍してフランスを優勝に導く。キャリアの最後はマンチェスター・ユナイテッドに移籍し、惜しまれながら引退した。 《プレイしての感想》 トータルで能力の高いディフェンダー。しかしその中でも突出しているのが“カバーリングの早さ”だ。1人のディフェンダーが抜かれても、その背後のスペースに瞬間的に入り込みボール奪取するのが巧い。前が開いたところでシュートを打とうとしても、瞬時に寄せてくるのでシュートを身体で防がれてしまうこともしばしば。冷静な判断力でスペースを消していく。身長も高いので、ハイボールの競り合いにも負けない。
最終ラインに投入すると守備全体に粘り強さが生まれ、一筋縄では崩せなくなる印象だ。具体的に言えばフェラーラの超強化版といったところで、バレージのように目立たないが非常に信頼が置ける。対人能力が強いタイプではなくサポート型のディフェンダーだが、経験を積めばパワーの高いFWにもさほど当たり負けることはない。WCCFに登場するすべてのディフェンダーのなかでも、筆者が自信を持って薦められる最高峰選手の1人である。ちなみに、PKの決定率も高いように感じられた。
【ジャン・ピエール・パパン】
ベルギーのクラブ・ブルージュでリーグ得点王に輝く活躍で注目され、母国のマルセイユに移籍。'87~'88シーズンから5年連続の得点王になり、4年連続リーグ制覇を成し遂げる。'91年にチャンピオンズカップ決勝まで進み、この年にバロンドールを獲得している。カントナと2TOPを組んだその破壊力は、いまや伝説となっている。 ミランには'92~'93から2シーズン在籍し、2回のスクデッド獲得に貢献。'93年にはトヨタカップで日本に来日、サンパウロと戦っている。当時のミランには、デサイー、マッサーロ、サンパウロにはレオナルド、トニーニョ・セレーゾ、カフーらがいた。パパンは1ゴールしたものの、結果は2-3で敗れている。 その後バイエルン・ミュンヘンを経て、母国フランスでその経歴を閉じる。このように名門クラブで数々の栄光を手にしたパパンだが、W杯では活躍していない。プラティニに続く代表通算30得点を記録するが、全盛期の'90、'94W杯では予選敗退。その名をW杯の歴史に刻むことはなかった。 《プレイしての感想》 非常にシュートがうまく、ドリブルシュート、クロスからのダイレクトと多彩な足技で高い決定力を誇る。スピードがあり、スペースに抜け出してシュートを決める得点感覚はかなりのもの。また、パスやクロスの質も高く、サイド突破からチャンスメイクもできる。しかし最大の欠点はパワーのなさ。単独での中央突破はまず無理で、サイドでもディフェンダーとマッチアップすると競り負けることが多い。
このように、ただ勝ちのみを求め、単独突破能力にこだわる人には向かない選手である。しかしその得点感覚の高さは白FWなどとは比べ物にならず、監督として使いこなす喜びを教えてくれる優良FWといえるだろう。
【参考書籍】
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2004年8月6日) [Reported by 石井ぜんじ]
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